ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■利用形態別
- 自社のGPUサーバーを持ち込むコロケーション・ハウジング:ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)、御殿山データセンター、IIJデータセンターサービス、ビジネスiDC
- サーバー設備ごと借りるホスティング:ビジネスiDC
- ■高負荷サーバーへの対応別
- 高負荷・高密度な機器に対応する設備:御殿山データセンター、IIJデータセンターサービス、IDCフロンティア
- 水冷式などGPUサーバー向けの施設を提案:ビジネスiDC
- ■ネットワーク・運用別
- クラウドとの接続や低遅延なネットワーク:オプテージ曽根崎データセンター(OC1)、IIJデータセンターサービス、御殿山データセンター
- AIを活用した電力の最適化:ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)
AI向けデータセンターソリューションの役割
AI向けのデータセンターソリューションは、GPUサーバーを安定して動かすための設備と、その設備を使うためのサービスを指します。まずは何が従来のサーバー用途と違うのか、学習と推論で要件がどう変わるのかを整理します。
GPUサーバーを動かす設備とサービス
AI向けのデータセンターソリューションとは、GPUサーバーの稼働に必要な電力や冷却、ネットワークを備えた施設と、その利用サービスのことです。Webサイトの配信などに使う従来のサーバーと比べ、GPUサーバーは1台あたりの消費電力と発熱が大きい傾向があります。
そのため、既存の設備のままでは、ラックに搭載できる台数が電力や排熱の上限で制限される場合があります。サーバー本体だけでなく、建物側の受電設備や空調まで含めて検討する必要があります。
学習と推論で異なる設備要件
AIの利用目的が学習か推論かによって、データセンターに求める要件は変わります。学習はAIモデルに大量のデータを読み込ませる工程で、多数のGPUを1か所に集めて長時間動かすことが前提です。高い電力容量と冷却能力、GPU間の高速な通信が求められます。
一方、推論は学習済みのモデルを使って回答や判定を返す工程です。利用者からの応答速度や、アクセス量に応じた増減のしやすさが重視されます。自社がどちらを中心に使うのかを先に決めておくと、施設の比較がしやすくなります。
AI用GPUサーバーに必要な電力と冷却
AI用途のデータセンター選びでは、電力と冷却の条件が設備選定の出発点です。GPUサーバーを高密度に並べるほど、ラックごとの電力容量や排熱の方法、建物の構造まで確認範囲が広がります。代表的な確認項目を見ていきましょう。
ラックあたりの電力容量と受電設備
GPUサーバーを導入する前に、1ラックあたりに供給できる電力容量を確認しましょう。電力容量が足りないと、ラックに空きがあってもサーバーを追加できず、複数ラックに分散させる必要が出てきます。結果として、契約するラック数や通信距離が増える場合があります。
あわせて、施設全体の受電容量に余裕があるか、将来の増設時に電力を追加できるかも確認が必要です。停電に備えた無停電電源装置や自家発電設備の冗長構成、燃料の備蓄時間も比較項目に入れておくと安心です。
空冷から液浸までの主な冷却方式
GPUサーバーの主な冷却方式には、空冷、リアドア型熱交換器、直接液冷、液浸冷却があります。空冷は冷たい空気でサーバーを冷やす従来の方式で、高密度化すると排熱が追いつかない場合があります。リアドア型熱交換器はラック背面の扉に冷却水を通し、排気の熱を取り除く方式です。
直接液冷はGPUなどに取り付けた冷却板へ液体を流す方式で、液浸冷却はサーバーを絶縁性の液体に浸す方式です。液冷系は対応するサーバーや配管設備が必要なため、メーカー保証の扱いも含めて事前に確認しましょう。
床荷重と搬入経路の確認
見落とされやすい項目が、床の耐荷重と機器の搬入経路です。GPUサーバーを詰め込んだラックや液冷用の機器は重くなる傾向があり、施設の床が想定する荷重を超えると設置できない場合があります。
また、大型のラックや冷却装置を運び込むには、エレベーターの積載量や通路の幅、搬入口の大きさが関係します。契約前に施設の見学を申し込み、設置予定の機器の重量と寸法を伝えて、受け入れ可能かを事業者へ確認しておきましょう。
AI基盤を支えるネットワークと接続性
GPUの性能を引き出すには、サーバー同士やクラウド、自社拠点との通信環境も重要です。AIの学習ではGPU間で大量のデータをやり取りするため、ネットワークが処理全体の速度を左右する場合があります。
GPU間をつなぐ高速ネットワーク
複数のGPUサーバーで学習を行う場合、サーバー間の通信速度と遅延の小ささが処理時間に影響します。通信が遅いと、GPUが計算を終えても次のデータを待つ時間が生じ、設備の能力を使い切れない場合があります。
この用途では、InfiniBandと呼ばれる高速通信規格や、高速イーサネットによる構成が選ばれることがあります。データセンター側で必要な配線や機器の設置に対応できるか、ラック間の距離に制約がないかを確認しましょう。
クラウドや自社拠点との接続
学習データは自社のシステムやクラウドに保存されている場合があるため、データセンターとの接続方法も検討が必要です。インターネット経由だけでなく、クラウド事業者と閉域網で直接つなぐ接続サービスを用意している施設もあります。
閉域網はインターネットを通らない専用の通信経路で、通信の安定性や情報漏えい対策の面で有効な選択肢です。回線事業者を選べるか、帯域を後から増やせるかも、AIの利用拡大を見据えて確認しておきたい点です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
AI用途で選ぶデータセンターソリューションの利用形態
AI用途のデータセンターソリューションには、自社の機器を持ち込む形態と、事業者の設備を借りる形態があります。初期費用や運用の負担、GPUを使う期間によって向く形態が変わるため、違いを整理しておきましょう。
自社のGPUサーバーを持ち込むコロケーション
コロケーションやハウジングは、自社で購入したGPUサーバーをデータセンターのラックに設置する形態です。機器の構成を自由に選べ、長期間にわたって継続的に学習を行う場合の選択肢として検討できます。
一方で、GPUサーバーの購入費用がかかり、機器の保守や故障時の交換は自社で対応するのが基本です。事業者によっては、機器の再起動や交換作業を代行するサービスを提供しています。作業の範囲と料金体系を事前に確認しておきましょう。
設備ごと借りるホスティングとGPUクラウド
ホスティングは、事業者が用意したサーバーを借りて使う形態です。GPUサーバーを購入せずに利用を始められるため、初期費用を抑えたい場合や、短期間の検証から始めたい場合に向いています。
GPUを必要な時間だけ使えるGPUクラウドも選択肢の1つです。ただし、利用時間が長くなると、月々の費用が機器を所有する場合を上回る可能性もあります。想定する利用期間と稼働時間をもとに、総費用を比較することが重要です。
拡張性と契約条件の確認
どの形態を選ぶ場合も、将来の拡張に対応できるかを確認しておきましょう。AIの活用範囲が広がると、GPUサーバーの追加や電力容量の引き上げが必要になる場合があります。隣接するラックを確保できるか、増設時の工期はどれくらいかを事業者に確認します。
契約期間の縛りや解約時の条件、サービス品質の保証内容も比較項目です。設備の稼働率や障害時の対応時間がどう定められているかを確認し、社内の要求水準を満たすかを判断しましょう。
AIによるデータセンター運用の効率化
AIはデータセンターの利用目的だけでなく、施設を運用する場面でも活用が進んでいます。空調の制御や設備の保守にAIを取り入れることで、電力の無駄や突発的な故障を減らす取り組みが行われています。
空調制御を最適化するAI
AIによる空調制御は、温度や湿度、サーバーの負荷といったデータをもとに、冷却設備の運転を自動で調整する仕組みです。人が設定した固定の条件で運転する場合に比べ、冷やしすぎを抑えられる可能性があります。
データセンターの電力効率は、PUEと呼ばれる指標で表されます。施設全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った値で、1に近いほど効率がよいとされます。事業者を比較する際は、PUEの算出条件や空調制御の方法を確認するとよいでしょう。
故障の予兆を検知するAI
AIは、設備の故障の予兆を早めに捉える用途にも使われています。電源装置や冷却装置、サーバーの稼働データを継続的に分析し、普段と異なる動きを検知した時点で運用担当者へ通知する仕組みです。
ただし、AIの検知だけで障害を防げるとは限らず、通知を受けた後の点検手順や交換部品の準備も欠かせません。事業者を選ぶ際は、監視の対象範囲や通知方法、障害時の報告の流れを確認しておきましょう。
AI用途で比較したいデータセンターの特徴一覧
この記事で紹介するデータセンターソリューションを、立地や設備、ネットワークの特徴とあわせて一覧にしました。GPUサーバーの設置先を絞り込む際の比較材料にしてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩) | 再生可能エネルギーで稼働する北海道石狩のデータセンター。AI活用による電力最適化や外気冷房を取り入れる |
| 御殿山データセンター | 品川駅から徒歩圏の都市型データセンター。高負荷機器専用フロアなど、高密度機器に対応する設備を備える |
| オプテージ曽根崎データセンター(OC1) | 2026年1月に新設された大阪の都市型データセンター。自社光ファイバーによる低遅延なネットワークが特徴 |
| IIJデータセンターサービス | 国内外のセンターで提供するハウジングサービス。高密度・高発熱対応のエリアや他社クラウドとの閉域接続を用意 |
| ビジネスiDC | 全国のデータセンターから条件にあう施設を提案するハウジングサービス。GPUサーバーに対応できる施設も案内できる |
| IDCフロンティア | データセンターやクラウドなどのITインフラサービスを提供。東京府中データセンターは超高負荷に対応する |
GPUサーバーの設置先に検討したいデータセンター
電力や空調の設備、クラウドとの接続性、利用形態の選択肢といった観点から、AI基盤の設置先として比較しやすいデータセンターソリューションを紹介します。GPUサーバーの電力容量や冷却方式への対応は施設ごとに異なるため、資料で詳細を確認してください。
ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)
- 24/7 カーボンフリー電力で稼働し、脱炭素経営の推進にも貢献
- 地震・津波・洪水のリスクが低い、北海道石狩のデータセンター
- ハウジング/コロケーション対応。運用から障害対応まで一括支援
京セラコミュニケーションシステム株式会社が提供する「ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)」は、北海道石狩市にある環境配慮型のデータセンターです。太陽光発電や洋上風力発電による24/7 カーボンフリー電力で稼働し、AI活用による電力最適化や外気冷房を取り入れています。ハウジング・コロケーションに対応しており、監視や障害対応、リモートハンズなどの運用支援も依頼できます。GPUサーバーの大きな消費電力と、脱炭素の取り組みを両立させたい企業の候補となるでしょう。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
フリービット株式会社が提供する「御殿山データセンター」は、品川駅から徒歩15分の場所にある都市型データセンターです。免震構造の建物に、高負荷機器専用フロアや温・冷気を分離する仕組み、超高密度機器向けの近傍空調方式を備えています。床荷重や搬入用エレベーター、搬入動線の仕様も確認できるため、重量のある機器を設置する際の検討材料になります。AWSなど外部クラウドとの連携や、多様な回線の引き込みにも対応しています。
オプテージ曽根崎データセンター(OC1)
- 接続性(コネクティビティ):低遅延・高品質なネットワーク環境
- 立地:アクセス抜群のロケーション
- マネージドサービス:お客さま機器の保守・運用を手厚くサポート
株式会社オプテージが提供する「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」は、2026年1月に新設された大阪の都市型データセンターです。関西一円に保有する自社光ファイバーを活かし、低遅延なネットワーク環境を構成しています。ラックへ引き込める回線事業者に制約を設けておらず、インターネットエクスチェンジやクラウド事業者へも接続しやすい設計です。お客さま機器の保守・運用を支援するマネージドサービスも用意しています。学習データをやり取りする通信環境を重視する場合に検討しやすいでしょう。
IIJデータセンターサービス
- 利便性の高い都市型センター、郊外型センター、海外にも展開中
- 耐震・免震構造、24時間365日体制の設備など万全の体制でご提供
- 構内配線に接続するだけで広帯域バックボーンへ接続可能
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJデータセンターサービス」は、ラックや電源、構内回線などの設備とオペレーションを提供するハウジングサービスです。国内の都市型・郊外型センターに加え、海外のセンターも利用できます。ブレードサーバなどの高密度・高発熱に対応したエリアでの提供や、フルラック・分割ラックの選択に対応しています。IIJ GIOとのハイブリッドクラウドや他社クラウドサービスとの閉域接続も可能で、AI基盤とクラウドを組みあわせる構成を検討しやすい製品です。
ビジネスiDC
- 専門アドバイザーが最適なデータセンターをご提案
- 日本全国80ヵ所以上のデータセンターをご案内できます
- データセンター×クラウドのハイブリッドも提案可能
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスiDC」は、サーバーを預けるハウジングと、ホスティングを提供するサービスです。専門アドバイザーが、北海道から九州まで全国にあるデータセンターのなかで、条件にあう施設を提案します。GPUサーバーに対応可能なデータセンターの案内も可能で、AI活用などに向けて「都心型」「HVDC」「水冷式」を特徴とした施設も提案の対象です。データセンターとクラウドを組みあわせたハイブリッド構成も相談でき、施設選びから比較したい企業に向いています。
IDCフロンティア (株式会社IDCフロンティア)
- ソフトバンクGのデジタルインフラ企業
- 約73%の顧客がマルチインフラ構成を利用。
- 東京府中データセンターは超高負荷に対応
まとめ
AI向けのデータセンターソリューションを選ぶ際は、GPUサーバーの電力と発熱に対応できる設備かどうかが出発点です。ラックあたりの電力容量や冷却方式、床荷重、GPU間のネットワークを確認したうえで、コロケーションやホスティング、GPUクラウドから利用期間にあう形態を選びましょう。AIによる空調制御や故障予兆の検知など、運用面の取り組みも事業者を比べる材料です。複数の事業者に資料請求し、自社の要件と照らしあわせてください。

