データを分類し関係性を調べる機能
データマイニングとは、蓄積されたデータから規則性や傾向を見つけ出す手法と、それを支えるツールを指します。まず、データの中身を把握するための機能を見ていきます。
似た傾向のデータをまとめる分析
クラスタリングとは、性質の近いデータ同士をまとめて、いくつかのグループに分ける手法です。顧客を購買の傾向で分ける、商品を売れ方の特徴で分けるといった場面で使われます。あらかじめ分類の基準を決めずに進められる点が特徴です。
比較する際は、対応している手法の種類、グループの数を自分で指定できるか、結果を図で確認できるかを見ておきましょう。分ける基準となる項目の選び方によって結果は変わるため、条件を変えて何度も試せる操作性も重要です。結果をどう解釈するかは業務の知識が必要になるため、支援を受けられるかもあわせて確認してください。
項目同士の関係を調べる分析
相関分析とは、2つの項目の間にどの程度の関連があるかを数値で示す手法です。気温と売上、来店回数と購入金額といった組み合わせについて、一緒に動く傾向があるかを確認できます。
注意したいのは、関連が見られたとしても、一方が他方の原因であるとは限らない点です。別の要因が両方に影響している場合もあります。ツールを比較する際は、複数の項目をまとめて確認できるか、結果を図で表示できるかを見ておきましょう。分析の結果を業務の判断へ使う際は、業務に詳しい担当者と一緒に解釈を確認することをおすすめします。
予測と異常の検知にかかわる機能
過去のデータから今後を見通したり、通常と異なる動きを見つけたりする機能です。前提となるデータの条件を確認することが大切です。
将来の値を予測するモデル
予測モデルとは、過去のデータから規則性を学び、今後の値を推定する仕組みです。需要の見込み、離脱の可能性、故障の時期といった予測に使われます。作成には、一定量の過去データと、予測したい項目が記録されていることが前提になります。
比較する際に注意したいのは、精度を示す数値だけで判断しないことです。精度は使用するデータや条件によって変わるため、製品間で単純に比べられる指標ではありません。確認したいのは、作成の手順が画面の操作で進められるか、複数の手法を試して比べられるか、モデルの内容を後から確認できるかという点です。自社のデータで試せる機会があるかも聞いておきましょう。
通常と異なる動きを見つける機能
異常検知とは、これまでの傾向から外れた値や動きを見つけ出す機能です。設備の状態監視、不正な取引の発見、システムの動作確認といった場面で使われます。
確認したいのは、判定の基準を自社で調整できるか、検知した際に通知を送れるか、判定の理由を確認できるかという点です。基準が厳しすぎると通常の変動まで検知され、緩すぎると見落としにつながります。運用の初期は通知だけを行い、状況を見ながら基準を調整する進め方が現実的です。検知した内容を記録し、後から振り返れる仕組みもあわせて確認してください。
分析結果を共有する機能
分析した内容を業務へ届けるには、結果を見やすい形で渡す仕組みが必要です。ここでは2つの機能を取り上げます。
画面上で結果を確認する仕組み
可視化のための画面では、グラフや表を組み合わせて分析結果を表示します。利用者が条件を変えて絞り込みながら確認できる作りであれば、依頼と回答のやり取りを減らせます。
比較する際は、作成できるグラフの種類、表示するデータの更新頻度を設定できるか、閲覧できる範囲を利用者ごとに分けられるかを確認しましょう。あわせて、スマートフォンやタブレットからの閲覧に対応しているかも見ておくと、外出先での利用を検討できます。作成した画面を他の担当者へ共有する手順も確認しておくとよいでしょう。
レポートを自動で作成する仕組み
定期的に同じ内容を確認する場合、レポートを自動で作成して配信する機能が役立ちます。毎回手作業で集計する工程を減らせる可能性があります。
確認したいのは、出力できる形式、配信の頻度と宛先を設定できるか、作成に失敗した際に通知が届くかという点です。宛先ごとに表示する範囲を変えられると、部署別のレポートを一つの設定で作成できる場合があります。あわせて、レポートの見た目を自社の様式にあわせられるかも、社内で共有する際の使いやすさに影響します。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータマイニングツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
分析の前段にあたる機能
分析の手法が充実していても、データを取り込んで整える工程が滞ると結果は出ません。この部分の作りも比較の対象です。
データを取り込む機能
分析に使うデータは、基幹システムや表計算ファイル、データを蓄積する基盤など複数の場所にあります。それぞれから取り込める仕組みがあるかを確認しましょう。
確認したいのは、対応しているデータの形式と接続先の種類、取り込みの頻度を設定できるか、取り込みが失敗した際に通知が届くかという点です。定期的に自動で取り込む設定ができると、担当者が毎回操作する必要がなくなります。接続先の一覧に自社のシステムが含まれない場合は、代替の手段があるかを確認してください。
データを整える機能
取り込んだデータには、表記のゆれ、欠けている項目、重複した行が含まれる場合があります。これらを整える工程は、分析の結果に影響する重要な作業です。
確認したいのは、整える処理を画面の操作で設定できるか、設定した内容を保存して繰り返し使えるか、処理の前後でデータを比較できるかという点です。同じ処理を毎回手作業で行うと時間がかかるうえ、手順のばらつきも生じます。処理の内容を記録として残せる仕組みがあると、結果について問い合わせを受けた際にも説明しやすくなります。
データマイニングの機能を比較する進め方
機能の一覧を並べるだけでは判断が難しいため、自社の目的に照らして優先順位を決めてから比較します。
機能ごとの確認項目を整理する
下表は、代表的な機能について比較時に確認したい項目をまとめたものです。搭載の有無だけでなく、設定できる範囲まで確認すると導入後の差が見えてきます。
| 機能 | 確認したい項目 |
|---|---|
| グループ分けの分析 | 対応する手法、グループ数の指定、結果の図示、条件変更の手軽さ |
| 関係性の分析 | 複数項目の一括確認、結果の図示、解釈を支援する仕組み |
| 予測モデル | 作成手順、複数手法の比較、モデル内容の確認、自社データでの検証 |
| 異常検知 | 判定基準の調整、通知の設定、判定理由の確認、記録の保存 |
| 可視化と共有 | グラフの種類、更新頻度、閲覧範囲の設定、端末への対応 |
| 取り込みと前処理 | 対応形式と接続先、自動実行、失敗時の通知、処理内容の保存 |
目的から必要な機能を決める
すべての機能を備えた製品を選べば安心とは限らず、使わない機能に費用をかける状態にもつながります。まず、分析で何を判断したいのかを書き出し、そこから必要な機能を導く進め方が有効です。
例えば、顧客の傾向を把握したい場合はグループ分けと関係性の分析が中心になり、在庫や需要の見込みを立てたい場合は予測モデルが優先されます。多くの部署へ結果を届けたい場合は、共有の仕組みが重要です。優先順位を整理したうえで、自社のデータを使った確認ができるかもあわせて相談してみてください。
分析の目的から選ぶデータマイニングツール
傾向の把握、予測、異常の検知など、目的によって必要な機能は変わります。用途の異なるツールを紹介します。
Flyle(フライル)
- 生成AIによる高精度の文脈理解、分析工数の大幅削減
- 部門別に最適化できるワークフロー機能
- 分析支援AIエージェントで誰もが手軽にインサイトを抽出
株式会社フライルが提供する「Flyle(フライル)」は、顧客の声を集約して分析するためのクラウドサービスです。問い合わせの記録やアンケートなどを取り込んで自動で分類でき、対話形式で分析を進める支援機能も用意されています。プログラムを書かずに処理の流れを組み立てられる点も、担当者が限られる組織での材料になります。
IBM SPSS Modeler (日本アイ・ビー・エム株式会社)
- 使いやすさを追求した分かりやすい操作性
- すぐれたデータ加工機能、高度なデータ分析アルゴリズムを搭載
- データ・マイニング市場をリードする導入実績
SAS High-Performance Data Mining (SAS Institute Japan株式会社)
- 高度なデータ補完機能により欠損値があっても高精度な予測が可能
- 構造化・非構造化を問わずあらゆるデータを活用した分析を実現
- 冗長な行列排除により短時間での分析が可能
KNIME (インフォコム株式会社)
- 300超のデータソースとMLライブラリに接続可
- 線を繋ぐビジュアルインターフェースで直感的に操作可能。
- AIエージェント構築とチャット対応で生成AI活用が可能。
データマイニングに関するFAQ
データマイニングツールの機能について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: 予測の精度は製品間で比べられますか?
- 精度は使用するデータや条件によって変わるため、単純な比較は難しい指標です。自社のデータで試せる機会があるかを確認し、実際の結果で判断することをおすすめします。
- Q2: 分析にはどのくらいのデータ量が必要ですか?
- 手法や目的によって異なります。予測モデルを作る場合は一定量の過去データが前提になるため、自社の蓄積状況を伝えて実施可能かを相談してみてください。
- Q3: 相関が見られたら原因と考えてよいですか?
- 関連があることと、一方が他方の原因であることは別の話です。別の要因が両方に影響している場合もあるため、業務に詳しい担当者と一緒に解釈を確認しましょう。
- Q4: データを整える作業はツールで自動化できますか?
- 処理の内容を設定して保存し、繰り返し使える製品があります。どの処理まで設定できるか、処理の前後を比較できるかを確認しておくと運用の負担を見積もれます。
まとめ
データマイニングツールの機能は、データを分類し関係を調べる分析、予測と異常検知、結果を共有する仕組み、取り込みと前処理という4つの役割に分けると比較しやすくなります。搭載の有無だけでなく、設定できる条件や自社のデータで実行できるかを確認することが大切です。分析の目的を整理したうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。

