図面管理(EDM)システムとは何か
図面管理(EDM)システムとは、設計図面や関連ドキュメントを一元的に保存し、検索や版数管理、承認履歴の記録などを行うためのシステムです。まずは基本的な役割と、紙やファイルサーバーでの管理との違いを整理します。
図面管理システムが解決する課題
図面管理システムは、図面の版数違いや保管場所の分散といった課題を整理する役割を担います。検索機能や履歴管理によって、必要な図面を短時間で見つけやすくなります。
例えば設計部門と製造部門で別々にファイルを保管していると、最新版がどれか分からなくなる場合があります。EDMシステムを導入すると、更新履歴を一元的に確認できるため、こうした行き違いを減らせる可能性があります。
紙管理や電子データ管理との違い
紙の図面管理は保管スペースや劣化のリスクが伴い、複数拠点での共有にも手間がかかります。単純なファイルサーバーでの電子データ管理では、検索性やアクセス権限の細かな設定が難しい場合があります。
EDMシステムでは、図面ごとの版数やステータスをデータベース上で管理できます。そのため誰がいつどの図面を更新したかを追跡しやすく、複数の関係者が同じ図面を参照する場面でも情報の齟齬を防ぎやすくなります。
無料で図面管理(EDM)システムを使う方法
費用をかけずに図面管理を始めたい場合、いくつかの選択肢があります。ここでは代表的な二つの方法を紹介し、それぞれの特徴を確認します。
無料プランやフリートライアルの特徴
クラウド型の図面管理システムの中には、機能や登録数を制限した無料プランや、一定期間だけ全機能を試せるフリートライアルを用意している製品があります。導入前に操作性を確認する手段として活用できます。
無料プランは登録できる図面数やユーザー数に上限が設けられていることが一般的です。フリートライアルは期間終了後に有料契約へ移行する前提で提供されるため、試用期間中に自社の運用に合うかを検証する姿勢が重要です。
オープンソースや汎用ツールの活用
オープンソースの文書管理ソフトや、クラウドストレージと表計算ソフトを組み合わせて簡易的な図面管理を行う方法もあります。初期費用を抑えたい小規模な現場で選ばれる場合があります。
ただしこうした方法は版数管理や承認フローといった専用機能を備えていないことが多く、運用ルールを自社で設計する手間が発生します。図面数が増えるにつれて管理が煩雑になる可能性がある点は理解しておく必要があります。
無料版のEDMシステムで確認したいポイント
無料プランを選ぶ際には、機能面だけでなく運用に直結する条件も確認しておくことが大切です。ここでは特に見落とされやすい三つの観点を取り上げます。
保存容量とユーザー数の上限を確認する
無料プランでは、保存できる図面データの容量や登録ユーザー数に制限が設けられている場合があります。上限を超えると有料プランへの切り替えが必要になることがあるため、事前の見積もりが役立ちます。
図面ファイルは容量が大きくなりやすく、CADデータや関連資料を含めると想定より早く上限に達する場合があります。運用開始前に、扱う図面数やファイルサイズの目安を洗い出しておくと安心です。
セキュリティ対策とバックアップ体制を見極める
設計図面は企業の機密情報を含むことが多く、アクセス権限の設定やデータの暗号化といったセキュリティ対策が備わっているかを確認する必要があります。無料プランでは機能が簡略化されている場合があります。
また障害発生時に備えたバックアップ体制も重要な確認項目です。バックアップの頻度や復旧方法が明示されていない製品もあるため、契約前に問い合わせて確認しておくと運用時の不安を軽減できます。障害の要因はシステム側の不具合だけでなく、利用者の操作ミスやネットワーク環境など複数考えられます。原因を切り分けやすい体制かどうかも、あわせて見ておくと安心です。
サポート範囲と対応言語を把握する
無料プランでは問い合わせ対応がメールのみに限定されたり、対応時間が短く設定されたりする場合があります。導入初期にトラブルが起きた際の対応スピードは、業務への影響に直結します。
サポート範囲は製品ごとに異なるため、マニュアルの充実度やヘルプページの分かりやすさもあわせて確認しておくと、社内での運用定着がしやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で図面管理(EDM)システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
無料版EDMシステムに向く企業・向かない企業
無料プランは全ての企業に適しているわけではありません。導入規模や運用体制によって向き不向きがあるため、自社の状況と照らし合わせて判断することが大切です。
無料版が向いている企業
図面数が少ない部門や、まずは操作感を試したい段階の企業には、無料プランが選択肢になります。費用をかけずに現場の反応を確認できる点は導入判断の材料になります。
例えば新製品の試作段階で扱う図面が限られている場合、無料プランの範囲内で運用が収まることがあります。本格導入の前段階として、社内での定着状況を見極める目的にも活用できます。
有料版を検討したほうがよい企業
複数拠点で図面を共有する企業や、図面数が多く版数管理が複雑になっている企業では、無料プランの制限に早い段階で達する場合があります。有料版への移行を前提とした検討が現実的です。
また取引先とのデータ共有や承認フローの自動化を求める場合も、無料プランでは機能が不足することがあります。業務要件を洗い出したうえで、必要な機能を備えた有料プランを比較する進め方が有効です。
図面管理(EDM)システムを無料から有料へ移行する際の進め方
無料プランで運用を始めた後、有料版へ移行する場面も想定しておく必要があります。ここでは移行時に準備しておきたい二つのポイントを紹介します。
データ移行前に準備しておくべきこと
有料版へ移行する際は、既存の図面データや履歴情報を新しい環境へ引き継ぐ作業が発生します。事前にデータ形式や移行方法を確認しておくと、移行作業を円滑に進めやすくなります。
移行方法は製品によって異なり、自動的にデータを引き継げる場合もあれば、手作業でのアップロードが必要な場合もあります。移行にかかる期間や作業負荷をあらかじめ見積もっておくことが望まれます。あわせて、移行対象のファイル形式が新環境で開けるかどうかも確認しておくと安心です。移行後に図面を開けないといった事態を避けやすくなります。
運用ルールの見直しと社内周知
有料版では機能が増える分、アクセス権限や承認フローといった運用ルールを見直す機会にもなります。新しい機能をどこまで活用するかを事前に決めておくと、移行後の混乱を防ぎやすくなります。
あわせて操作方法の変更点を社内に周知することも欠かせません。関係者への説明会やマニュアルの整備を行うことで、移行後の運用定着がしやすくなります。
本格導入に向けて検討したい図面管理(EDM)システム
無料版やトライアルで使用感を確認した後は、必要な機能や運用規模に応じて有料製品も含めて検討することが重要です。ここでは、版数管理や検索、承認フローなど、図面管理に必要な機能を備えた製品を紹介します。
NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)
- 7つの基本機能+アドオンで業務に合わせて柔軟に拡張可能
- ユーザ数無制限のサーバーライセンスで人数が増えてもコスト一定
- 製造業を熟知する専任チームが導入から運用定着までを伴走支援
新明和ソフトテクノロジ株式会社が提供する「NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)」は、設計図面や技術文書を一元管理できる図面管理システムです。版数管理や検索機能を備え、CADデータと関連文書をあわせて管理できます。アクセス権限の設定にも対応しており、複数拠点や部門をまたいだ図面の共有・参照がしやすい仕組みを提供します。承認フローの管理機能も用意されており、図面の更新履歴を追跡しながら業務を進められる点が特徴です。
Hi-PerBT Advanced 図面管理
- 設計業務の図面管理に必要な機能がすべて揃っている
- プリンタやスキャナ等、どのメーカーの周辺機器でも利用可能
- 直観的なUIデザイン&操作性!画面操作がカンタンで使いやすい
株式会社日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、図面や関連ドキュメントを一元的に保存・検索できる図面管理システムです。版数管理機能により、最新版の把握や過去履歴の確認を行いやすくしています。アクセス権限の設定やセキュリティ対策にも配慮した設計となっており、設計部門と製造部門など複数の関係者が同じ図面を参照する場面での情報共有を支援します。
楽々Document Plus
- AI-OCRで図面から属性情報を自動抽出、古い手書き図面も全文検索
- 図面の厳格な版管理(先祖返り防止)と承認ワークフローを標準搭載
- 図面に紐づく仕様書や見積書など(電帳法対応)も一元管理
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、図面や文書を一元管理できるドキュメント管理システムです。検索機能や版数管理機能を備え、必要な図面や資料を短時間で見つけられるよう設計されています。承認フローの電子化にも対応しており、紙の図面管理やファイルサーバーでの運用と比べて、更新履歴の追跡やアクセス権限の管理がしやすくなる点が特徴です。
DrawFinder
- データ移行を含めたリプレースを全面支援
- 誤った図面への変更を無くす
- 探していた図面に、すぐたどり着ける検索性
株式会社ハイエレコンが提供する「DrawFinder」は、図面データの検索性を高めることに重点を置いた図面管理システムです。図番や図面名称、承認状況などの属性情報をもとにした検索機能を備え、必要な図面を効率的に探し出せるよう設計されています。版数管理や承認ワークフロー、権限設定・操作ログの記録によるセキュリティ機能も備えており、大がかりなシステムを導入せずに図面管理を始めたい現場での運用を支援します。
PDMics (株式会社アイ・シー・エス)
- 図面や技術文書を一元管理し、検索性を向上。
- CADアドイン連携で設計業務の効率化を支援
- Webシステムにより社外からの利用にも対応。
D-QUICK Cloud (株式会社アイサイト)
- ダウンロード不要で、そのままファイル閲覧が可能
- 遠隔地間でも安全に情報を共有できる。
- 更新時に自動で版管理を行い、管理の手間を軽減。
PRODOUGU (株式会社建設システム)
- 現場と事務所で情報を即時共有し、簡単操作で効率化。
- 図面管理・写真撮影・帳票出力を一体化。
- タブレットにより現場での施工管理業務が可能
図面管理(EDM)システムの無料利用に関するFAQ
図面管理(EDM)システムを無料で導入する際によく寄せられる質問をまとめました。導入検討時の参考にしてください。
- Q1:無料プランだけで図面管理を続けることはできますか?
- 図面数やユーザー数が少ない環境であれば、無料プランのみで運用を続けられる場合があります。ただし機能やセキュリティ体制に制限があるため、業務規模の拡大にあわせて有料版への移行を検討することが望まれます。
- Q2:フリートライアルの期間はどれくらいですか?
- 製品によって異なり、数週間から一か月程度に設定されていることが多くあります。試用期間中に自社の図面データを実際に登録し、検索性や操作感を確認しておくと導入判断がしやすくなります。試用期間の延長に対応している製品もあるため、判断材料が不足していると感じた場合は問い合わせてみることも一つの方法です。
- Q3:無料プランから有料プランへの切り替えはすぐにできますか?
- 多くの製品ではプラン変更の手続きを画面上で行えますが、データ移行やアカウント設定の見直しが必要になる場合があります。切り替え時期は業務への影響が少ないタイミングを選ぶことが有効です。
まとめ
図面管理(EDM)システムには無料プランやフリートライアルを提供する製品があり、費用をかけずに運用を試すことができます。一方で保存容量やセキュリティ体制、サポート範囲には制限がある場合が多く、事前の確認が欠かせません。自社の図面数や運用体制を踏まえ、無料プランと有料プランの違いを比較しながら検討を進めましょう。

