クラウド型の図面管理システムとは
クラウド型の図面管理システムとは、製造業や建設業で用いられる図面や写真、資料などをクラウド上で一元管理するシステムです。
図面管理をクラウドで行うメリットとして、以下が挙げられます。
- ●インターネット接続さえあれば、オフィスや現場、出張先など場所を問わず、いつでも図面にアクセスできる。
- ●クラウド上で管理されているため、図面が更新されたらほかのメンバーも即座に確認できる。
- ●バージョン管理機能によって、バージョンの混乱や旧版での作業ミスを防げる。
- ●自社内でのサーバ購入や維持、保守にコストがかからない。月額や年額契約の場合が多く、初期投資が少なく済む。
- ●自動バックアップ機能によって、誤ってデータが削除されたりハードウェアが故障したりした際にも迅速に復旧できる。
- ●データ暗号化や多要素認証などのセキュリティ機能によって、不正アクセスやウイルス感染などによる情報漏えいリスクも最小限に抑えられる。
おすすめのクラウド型図面管理システムを比較
ここからは、クラウド型を提供している図面管理システムを紹介します。
《AI類似図面検索》のPOINT
- たった、3ステップでAIが過去実績から類似した図面を検索
- お客策様から頂いた図面は社内で管理!アプリは常に最新版に更新
- 検索結果を評価して追加学習でき、貴社にマッチしたAIに成長
株式会社テクノア提供の「AI類似図面検索」は、AIの画像認識技術により類似した2D図面を効率的に検索・抽出するソリューションです。形状にもとづいた検索が可能で、独自のディープラーニング技術により精度の高い検索結果を提供します。生産管理システムとの連携により、過去の見積金額や材料費も簡単に参照できます。
《CADDi DRAWER》のPOINT
- 図面同士の類似性を自動解析し形状が類似する図面を探し出せる
- 図面をアップロードするだけで図面内のテキスト情報を自動で解析
- 類似図面検索で発注業務を効率化し誰でも最適な発注が行える
キャディ株式会社が提供する「CADDi DRAWER」は、特許出願済みの独自画像解析アルゴリズムを搭載した図面データ活用クラウドです。高精度な類似図面検索が可能なほか、AI-OCR技術により図面内のテキスト情報を自動解析します。図面に関連する発注先や金額のデータを紐づけ、調達コストの低減も可能です。
製品・サービスのPOINT
- 設計業務の図面管理に必要な機能がすべて揃っている
- プリンタやスキャナ等、どのメーカーの周辺機器でも利用可能
- 直観的なUIデザイン&操作性!画面操作がカンタンで使いやすい
株式会社日立ソリューションズ西日本提供の「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、完成図書やCADデータ、添付資料の一元管理を実現します。図面と設計情報を紐づけた管理が可能です。権限設定や操作ログの管理が行えるほか、2次元CADや外部システムと連携でき、拡張性にも優れています。
《楽々Document Plus》のPOINT
- 検索スピードの短縮!CAD図面も高速全文検索
- 専用ソフト不要! サムネイルと高速ビューワで瞬時に図面を表示
- セキュリティも万全! ファイルの印刷・ダウンロードも権限制御
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、企業内の文書管理を効率化するためのソリューションです。属性を付与して図面データを管理し、高性能の検索エンジンで迅速にデータを取得できます。登録した図面はサムネイル表示されるので、必要な図面を視覚的に探せるのも特徴です。
《Tomoraku PLM》のPOINT
- 図面がすぐに見つかるお客様の業態などに分類された多軸検索機能
- セキュリティ対策は随時行われ、アップデートの追加費用は不要
- サクサクと使いやすく見やすいデザインのUIで検索も便利
トモラク株式会社が提供する「Tomoraku PLM」は、一品一様や多品種少量の製造業向けに特化した設計管理システムです。階層型BOMや図面、関連文書を紐付けて管理し、部品構成を容易に理解できるUIを搭載。逆引き機能により部品から関連製品を特定できるため、設計の改廃やリビジョン管理もスムーズです。
《CheX》のPOINT
- BIMやCADなどで作成したファイルも電子化して閲覧可能に!
- 電子化したファイルは編集、メモの追加、写真撮影もできる!
- 電子化した情報はチーム内で素早く共有!出力も簡単!
株式会社YSLソリューションが提供する「CheX」は、建設業向けのドキュメント閲覧・共有アプリです。設計図・施工図などの各種図面や現場写真、関連資料などを一元管理します。タブレットに対応しており、現場で集めた情報を迅速にほかの作業者や事務所と共有できます。アクセス権限の設定なども行えるので、セキュリティ面も安心です。
SPIDERPLUS
スパイダープラス株式会社が提供する「SPIDERPLUS」は、建設・メンテナンス業向けの図面・現場管理アプリです。電子小黒板や帳票出力など、建設業で必要な機能が充実しています。PC・iPad・iPhoneに対応し、外出先でも必要な情報を報告・共有できます。ユーザー権限設定も標準装備されています。
TerioCloud
OKIクロステック株式会社が提供する「TerioCloud」は、さまざまな図面をデジタル化して閲覧や加筆、修正を行えるようにした図面管理クラウドサービスです。持ち運びしにくい大きな図面も電子化すれば、PCやタブレットでどこからでも閲覧できます。データの暗号化やSSL通信、アクセス制限などのセキュリティ対策も万全です。
図面共有クラウドサービス
株式会社アマダが提供する「図面共有クラウドサービス」は、iPadやiPhoneでも利用できるクラウドサービスです。作業指示書や展開図に、関連する写真や動画などを連携して一元管理が可能。現場の段取り作業や情報共有の効率化が図れます。また、スマート端末のアクセス制限やGPSなどのセキュリティ機能も搭載されています。
D-QUICK Cloud
株式会社アイサイトが提供する「D-QUICK Cloud」は、図面や文書をセキュアな環境で管理できるシステムです。ファイルをダウンロードせずに閲覧できるので、遠隔地間での情報共有を安心・安全に実現します。また、ファイルの有効期限設定も可能です。日本語・英語・中国語に対応しているので、外国人従業員の多い企業や海外のグループ企業も含めて導入したい場合に最適です。
図面管理システムには、オンプレミス型やパッケージ型の製品も提供されています。より多くの製品から比較・検討したい場合は、以下の記事もご覧ください。製造業向け・建築業向けの人気製品を確認できます。
クラウド型図面管理システムの選定ポイント
自社に最適なシステムを選ぶためには、以下のポイントに着目して比較しましょう。
マルチデバイス対応か
クラウド型システムには、PCだけでなくスマホやタブレットにも対応した製品が多くあります。そのなかで、専用アプリを利用できる製品なら現場の作業効率をさらに高められます。デバイスごとに最適化された画面デザインによって、図面や指示書などの各種書類を閲覧しやすくなります。また、メッセージアプリ感覚で作業の指示や確認、報告などのやりとりが行える製品も。図面に直接指示やメモを書き込めるため、例えば現場で発生したトラブルや異常を遠隔にいる関係者に明文化して共有できます。図面管理アプリについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
図面検索精度が高いか
図面管理システムに大量のデータを管理する場合、検索に時間がかかりがちです。そこで、検索機能の精度を確認しましょう。フォルダやファイルを管理する際に、細かく条件を設定して検索できるかどうかがポイントです。例えば、ファイル名・担当者名・作成日時など複数の項目で絞りこみができれば、探したい図面を短時間で検索可能です。また、CAD図面などの大容量データも高速表示されれば、現場での作業効率が向上します。
セキュリティ対策はされているか
図面や写真、文書などの各種データは、会社の重要な資産です。そのため、図面管理システムに十分なセキュリティ対策が施されているか確認しましょう。例えば、SSL通信やログ管理、アクセス権限設定などの機能が必要です。そのほか、ファイルの印刷制御やデバイスへのダウンロード制御などの機能も求められます。
まとめ
クラウド型図面管理システムを導入すれば、製造業や建設業に必要な図面や関連資料に、いつでもどこからでもアクセスできるようになります。自社の導入目的を明確にしたうえで、図面検索精度やセキュリティレベルにも着目してシステムを選定しましょう。さまざまなクラウド型図面管理システムを比較して、最良な製品を導入してください。