図面管理アプリとは
図面管理アプリとは、スマホやタブレットを使用して図面データを管理・編集できるツールです。紙媒体での図面管理の煩わしさから解放されるため、図面管理アプリの導入を検討する企業が増えています。
図面管理アプリの機能
図面管理アプリには、主に以下の機能が搭載されています。
機能 |
内容 |
図面管理機能 |
現場ごとや工種ごとなどでフォルダ分けして、図面や資料を管理する機能。必要な図面を探すときの検索性が向上する。 |
閲覧機能 |
アプリを通して図面を閲覧する機能。工事写真や各種ドキュメントファイルをはじめ、データ容量の大きいCAD図面にも対応。 |
編集機能 |
図面に手書きで情報を書き込む機能。付箋を貼り付けたり、現場で撮った画像を添付したりもできる。 |
工程表機能 |
テンプレートをもとに工程表を作成する機能。進捗報告もアプリ上で行える。 |
トーク機能 |
メッセージアプリ感覚で、作業の指示や確認、報告などのやりとりが行える機能。現場全体の一斉連絡や、個人・グループ単位でのトークが可能。 |
図面管理アプリの導入メリット
紙で図面を管理する従来の方法に比べて、図面管理アプリを導入すると以下のメリットがあります。
- ●書面での持ち運びが不要になる
- ●図面のバージョン管理がしやすくなる
- ●現場監督の指示が明確になる
それぞれ詳しく解説します。
書面での持ち運びが不要になる
図面は現場ごとに複数の種類が必要な場合も多くあります。そのため、紙ベースの管理では図面や資料を探すのに手間がかかり、現場へ図面を運ぶ労力も必要でした。図面管理アプリを活用するとスマホ1台を持ち運べば済むため、従来の手間から解放されます。ペーパーレス化によって、印刷コストや保管スペースの削減にもつながります。
図面のバージョン管理がしやすくなる
紙による管理では、図面が適切に管理されていないために、どれが最新のものかわからなくなりがちです。図面管理アプリを導入すれば、バージョンが自動で管理されるため、常に最新の図面を確認できます。上書きしない設定にすれば、旧図面との比較も容易です。
現場監督の指示が明確になる
現場監督は、一人で複数の工程を受けもつため、指示どおりに作業が行われているかを現場で確認できないケースがあります。滞りなく作業を遂行するためには、現場監督からの明確な指示が求められます。図面管理アプリなら、図面に直接文字や絵、図を描けるため、現場監督の指示が明確になり申し送り漏れを防ぎます。これにより、現場での作業ミスややり直しが減り、全体の作業効率が向上するでしょう。
図面の管理効率や検索性を高めたい企業には、より豊富な機能をもつ図面管理システムの導入もおすすめです。以下の記事では、製造業向けと建築業向けに分類しておすすめシステムを紹介しています。ぜひご覧ください。
図面管理アプリの選び方
図面管理アプリの選び方は、以下の3つを意識しましょう。
- ●マルチデバイス対応か
- ●図面検索方法が自社フローに適しているか
- ●リアルタイムで編集できるか
それぞれ詳しく解説します。
マルチデバイス対応か
現場で使用することを考え、スマホだけでなくタブレットに対応しているかを確認しましょう。また、作業員によって持参する端末はさまざまです。iPhone・iPad・Androidのどの端末に対応しているか、OSのバージョンも含めて確認すると安心です。
図面検索方法が自社の業務フローに適しているか
アプリによって、利用できる図面の検索方法は異なります。アプリの図面検索方法は、以下を対象にしたものが一般的です。
- ●フォルダ
- ●現場
- ●工種
- ●カテゴリ
- ●日付
- ●キーワード
製品によっては、製造品種や材料、得意先などの付帯情報をもとに検索できる場合もあります。アプリごとに図面検索方法は異なるため、自社にとって利用しやすいかどうかを事前に確かめましょう。また、作業効率化を高めるには検索スピードの速さも重要です。あわせて確認してみてください。
リアルタイムで編集できるか
図面管理アプリを活用すれば、現場でトラブルや異常が発生した際に、図面に問題点を書き込み、遠方にいる現場監督や本社管理部に共有できます。問題点が可視化されることで相互理解を得やすくなるでしょう。製品によっては、編集通知機能が搭載されているものもあります。情報共有を円滑化したい場合は、編集機能の即時性を重視するのがおすすめです。
図面管理アプリを比較
ここからは、スマホやタブレットでも活用できる図面管理アプリを紹介します。
《CheX》のPOINT
- BIMやCADなどで作成したファイルも電子化して閲覧可能に!
- 電子化したファイルは編集、メモの追加、写真撮影もできる!
- 電子化した情報はチーム内で素早く共有!出力も簡単!
株式会社YSLソリューションが提供する「CheX」は、ストレスフリーな操作性が特徴のサービスです。図面の拡大縮小やスクロールが高速であり、寸法などの数値も読みやすくなっています。また、データを事前にダウンロードしておくことで、電波環境が悪い現場でも図面を閲覧できます。Office文書など複数種類のファイル表示や、360°カメラで撮った画像データの保存・編集も可能です。
《図脳TeCA》のPOINT
- CAD・紙を一元管理
- 機能構成がシンプル
- Webブラウザで閲覧が可能
株式会社フォトロンが提供する「図脳TeCA」は、CAD図面や紙図面を一元管理できるオンプレミス型図面管理システムです。製造業のデジタル化を支援し、図面の電子化により検索も容易に。バージョン管理機能で更新履歴も確認可能で、誰がいつ更新したかがわかります。さらに、電子承認により遠隔での図面管理が実現し、出社の必要がなくなるため、業務効率の向上が期待できます。
現場Plus(プラス)
株式会社ダイテックが提供する「現場Plus」は、住宅会社・工務店向けの情報共有システムです。コストパフォーマンスに優れ、1IDあたり月額167円~の安価で利用できるのが特徴です。電話・FAX・紙など建設現場における従来の伝達方法をすべてクラウド上に置き換えられるため、大幅な業務効率化も実現します。
SPIDERPLUS(スパイダープラス)
「SPIDERPLUS」は、スパイダープラス株式会社が提供する現場管理アプリです。リアルタイムでの図面・写真・施工状況の共有が特徴です。自社だけでなく協力会社にも情報共有されるため、認識のズレによる作業の修正を削減できます。図面のほか、電子黒板もクラウド上で管理可能。写真整理や帳票作成を効率化し、事務作業にかかる時間を削減します。
eYACHO(イーヤチョウ)
株式会社MetaMoJiが提供する「eYACHO」は、建設業界大手の大林組と共同で開発された施工管理アプリです。手書きメモや録音、動画共有などの機能のほか、チーム単位でのデータ共有機能によってリアルタイムでの情報共有が可能に。現場の悩みを解決するような豊富な機能で、現場や自社での作業効率化が加速するでしょう。
Photoruction(フォトラクション)
株式会社フォトラクションが提供する「Photoruction」は、建設業向けの施工管理サービスです。紙の図面や工事写真、資料などをはじめ、データ容量の大きい図面でも高解像度かつ高速で表示可能です。さらに、矢印などの注釈やメモ、写真を図面に加えて管理できます。全通信の暗号化や二段階認証などセキュリティ対策も万全です。
鉄人くん
株式会社 ビジネス・インフォメーション・テクノロジーが提供する「鉄人くん」は、中小企業向けのクラウド型生産・販売管理システムです。納期管理・工程管理・外注管理のほか、図面管理も行えます。工程入力画面では、進捗や納期とともに図面も管理可能。図面に書き加えていた作業指示も入力できます。受注状況の確認画面でも、クリックせずにマウスオーバーで図面が表示されるため便利です。
まとめ
図面管理アプリを導入する際には、対応端末や図面検索の精度、編集機能に着目して、製品を比較・検討するのがおすすめです。特に、導入予定の端末で利用できるかどうかを必ず確認しましょう。
ITトレンドでは、アプリのほか搭載機能が豊富な図面管理システムも数多く取り扱っています。以下のボタンよりまとめて資料請求が可能なため、図面管理を効率化したいと考えている企業はぜひご活用ください。