図面管理の役割と重要性
工事現場で使用される図面の管理はとても重要です。以下の3つの重要性を解説します。
- ■施工時の指示書となる
- ■施工に必要な資材の発注に利用できる
- ■複数の管理者が携わっている証拠となる
施工時の指示書となる
図面は「施工図」、「設計図」などと呼ばれます。なかでも施工図は、現場に携わる作業員に指示を発注する際に必要な情報が網羅されています。
多くの施工図に記載されている内容は、以下のとおりです。
- ■建物の寸法や形状
- ■仕上材の種類
- ■施工に使用する部品類
図面の内容と現場の作業内容に相違があってはいけません。そのため、図面は現場において非常に重要です。
施工に必要な資材の発注に利用できる
図面には、施工に必要な資材・部品などの情報が網羅されています。在庫管理や受発注に役立つため、データは業者や発注担当者に共有されることもあります。
現場に携わる人々に必要な情報を図面一つで網羅できるでしょう。
複数の管理者が携わっている証拠となる
すべての図面には設計士や承認者らの押印があるため、図面は万が一トラブルが起きた際の証拠として有効です。
施工部品や資材発注、作業工程など、図面に記載されている情報がすべてです。納品完了は図面情報と内容が一致することと同じなため、複数の工程管理者が携わっている証拠になるでしょう。
図面管理アプリ導入のメリット
図面管理アプリを導入するメリットは、以下の3つです。
- ■書面での持ち運びが不要
- ■情報共有がリアルタイムに行われる
- ■現場監督の指示明確化につながる
それぞれ解説します。
書面での持ち運びが不要
図面管理アプリを導入すれば、書面での持ち運びは不要です。
従来の方法では、大量の印刷物をファイリングして現場に持ち込んでいました。図面は現場によって複数の種類が必要な場合があるため、図面資料を探す手間と運ぶ手間が発生してしまいます。
図面管理アプリを活用するとスマホ1台持ち運べば済むため、従来の手間から解放されます。ペーパーレスにもつながり、コスト削減が可能です。
情報共有がリアルタイムに行われる
図面管理アプリは、情報共有が瞬時に行われます。従来では、図面を印刷したあとに内容変更があった場合、図面の廃棄・印刷などに時間をとられていました。
図面管理アプリを導入すれば、最新版のダウンロードや利用が可能です。また、図面の上書きをしない設定もできるため、旧図面との比較ができます。
現場監督の指示明確化につながる
現場監督の負担軽減につながることも、図面管理アプリのメリットです。現場監督は、一人で複数の工程をかけもちすることもあるため、作業員に指示どおりの采配をしても難しいケースが出てきます。
図面管理アプリでは、図面に直接文字や絵、図を描けるため、申し送り漏れの予防や作業員の手間も省けるでしょう。
図面管理アプリの選び方
図面管理アプリの選び方は、以下の3つを意識しましょう。
- ■マルチデバイス対応か
- ■図面検索の精度は高いか
- ■編集機能に優れているか
それぞれ解説します。
マルチデバイス対応か
現場で使用することを考え、スマホだけでなくタブレットに対応しているかを確認しましょう。
また、作業員によって持参する端末はさまざまです。どの端末に対応しているか、現在使用されている端末に対応しているか確認することをおすすめします。
図面検索の精度は高いか
アプリによっては、以下の種類の図面検索方法があります。
- ■フォルダごと
- ■現場ごと
- ■工種ごと
- ■カテゴリーごと
- ■日付ごと
自社での導入の際に、使いやすい検索方法の種類を確認しましょう。また、検索に手間や時間がかからないかもチェックポイントの一つです。
編集機能に優れているか
リアルタイムで図面が編集可能かチェックすることも、図面管理アプリの選び方の一つです。特に大規模な現場の場合、リアルタイムでの更新が重要です。
製品によっては、編集したことを通知する機能や申し送り・報告がわかるものもあります。どのような編集機能があるか、自社に必要な機能があるかを確認しましょう。
また、アプリではなくPCで管理したい場合は、以下の記事で図面管理システム7製品について詳しく解説しているため、ぜひご覧ください。
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図面管理アプリを徹底比較
ここでは、ITトレンドがおすすめする図面管理アプリを紹介します。
《CheX》のPOINT
- BIMやCADなどで作成したファイルも電子化して閲覧可能に!
- 電子化したファイルは編集、メモの追加、写真撮影もできる!
- 電子化した情報はチーム内で素早く共有!出力も簡単!
現場Plus(プラス)
株式会社ダイテックが提供する「現場Plus」は、住宅会社・工務店向けに、コストパフォーマンスに重きを置いていることが特徴です。初期費用は10,000円(税込み)、60IDの場合は月額費用10,000円(税込み)という価格設定です。1IDあたり月額167円からの安さのため、定評があります。
また、住宅現場での従来の伝達方法である電話・FAXなどの情報を、すべてクラウド上に置き換える仕組みがあります。コスパだけでなく、大幅な業務効率化が実現できるでしょう。
SPIDERPLUS(スパイダープラス)
「SPIDERPLUS」は、スパイダープラス株式会社が提供する現場管理アプリです。リアルタイムでの図面・写真・施工状況の共有が特徴です。これらの情報は自社だけでなく協力会社にも共有されるため、認識のズレによる作業の修正を削減できます。
また、図面だけでなく電子黒板もクラウド上で管理でき、アプリの利用で利便性が高まるでしょう。
eYACHO(イーヤチョウ)
株式会社MetaMoJiが提供する「eYACHO」は、建設業界大手の大林組と共同で開発されました。おもな特徴は手書きメモ機能や録音機能、動画共有機能などさまざまです。
また、チーム単位でのデータ共有機能でリアルタイムでの情報共有ができます。現場の悩みを解決するような豊富な機能で、現場や自社での作業効率化が加速するでしょう。
図面管理アプリを比較し、自社の業務に役立てよう
図面管理アプリを導入する際には、メリットやアプリならではの機能など、製品を比較したうえでの検討をおすすめします。特に導入予定の端末に対応しているかを確認することが重要です。
まずは気になる製品の資料請求をして、製品について詳しく知ることからはじめましょう。