SQL文とは
SQL文とは、データベースに保存されたデータを取得・追加・更新・削除するための命令文です。SQLというデータベース言語を用いて記述し、データベースに対してどのような処理を行うかを指示します。
SQLは、世界初のリレーショナルデータベース管理システムが誕生した際に用いられた言語をもとに作られました。当時の言語の名称は「SEQUEL(シーケル)」でしたが、何度か改訂を重ねてSQLに改名されました。SQLは現在も数年に一度改訂されています。
なお、SQLはデータベース言語として標準化されています。そのため、異なる形式のデータベースでも共通するSQL文を利用できます。一度学習すれば、幅広い環境で活用できる言語といえるでしょう。
現代のビジネスでは大量のデータを効率よく扱うことが求められます。SQLを活用してデータベースから必要な情報を取り出せれば、データ分析や業務改善にも役立ちます。このような背景から、SQLを習得する重要性は高まっています。
SQL文でできること
SQL文を使うことで、データベースに保存されたデータを効率的に操作できます。企業では顧客情報や売上データ、在庫データなど、大量のデータを扱うケースが多く、SQLはその管理や分析に役立ちます。SQLで行える主な操作は、次のとおりです。
- ●データの検索・抽出
- ●データの追加
- ●データの更新
- ●データの削除
- ●データの集計や分析
例えば、売上データから特定の商品だけを抽出したり、顧客情報を条件付きで検索したりといった処理が可能です。ビジネスの意思決定に必要なデータを素早く取得するためにも活用できます。
SQL文の基本的な書き方
では次に、データの取得に使われるSQL文を例に、文の構造を見ていきましょう。後述しますが、データ取得を指示するSQL文をSELECT文といい、以下のように構成されます。
SELECT 列名 FROM テーブル名 WHERE 条件;
基本は、SELECTやFROM、WHEREといったキーワードと、列名やテーブル名、条件などを組み合わせ、最後に「;」をつけます。値や列を複数指定する場合は「,」で区切ります。
実際にどのようなSQL文になるのかは、次の見出しで解説します。
SQL文の基本命令
SQL文によるデータの基本操作では、「SELECT」「INSERT」「UPDATE」「DELETE」の4種類を押さえておくことが重要です。まずは、それぞれの用途と基本構文を確認しましょう。
| 命令文 | 用途 | 基本構文 |
|---|---|---|
| SELECT | データを取得する | SELECT 列名 FROM テーブル名; |
| INSERT | データを追加する | INSERT INTO テーブル名 (列名) VALUES (値); |
| UPDATE | データを更新する | UPDATE テーブル名 SET 列名 = 値; |
| DELETE | データを削除する | DELETE FROM テーブル名 WHERE 条件; |
ここから、それぞれのSQL文について具体例を交えて解説します。
データを取得する「SELECT」
データベースからデータを取得するSQL文をSELECT文といいます。基本形は「SELECT 列名 FROM テーブル名;」です。SELECTではどの列のデータを取得するか、FROMではどのテーブル(表)から取得するかを指定します。
以下のテーブルを例に見ていきましょう。テーブル名は「tableX」とします。
| name | sales | price |
|---|---|---|
| A | 1 | 100 |
| B | 3 | 200 |
| C | 6 | 50 |
このとき、「SELECT name,sales FROM tableX;」と記述すると、以下のようにデータが抽出されます。
| name | sales |
|---|---|
| A | 1 |
| B | 3 |
| C | 6 |
また、「WHERE 条件式」を加えることで、条件を指定して取得するデータを絞り込めます。例えば「SELECT name,sales,price FROM tableX WHERE price >= 100;」と記述すれば、priceが100以上の行のみ取得できます。ほかにも、データの並び替えや集計などが可能です。
データを追加する「INSERT」
データベースにデータを追加するSQL文をINSERT文といいます。基本形は「INSERT INTO テーブル名 (列名) VALUES (列に入れるデータ);」です。例として、上述したtableXに以下のデータを追加する場合を見てみましょう。
- name:D
- sales:NULL
- price:100
この場合、「INSERT INTO tableX (name, price) VALUES ('D',100);」と記述します。その結果、テーブルは以下の状態になります。
| name | sales | price |
|---|---|---|
| A | 1 | 100 |
| B | 3 | 200 |
| C | 6 | 50 |
| D | NULL | 100 |
値を指定していないsalesには、NULL(値が存在しない状態)が入ります。
なお、すべての列にデータを追加する場合は、列名の記述を省略できます。例えば、商品Dのsalesが5の場合は「INSERT INTO tableX VALUES ('D',5,100);」と記述できます。
データ更新を行う「UPDATE」
UPDATE文は、既存データを更新するSQL文です。基本形は「UPDATE テーブル名 SET 列名 = 値;」です。例えば、tableXにおいてsalesのデータをすべて0にする場合は「UPDATE tableX SET sales = 0;」と記述します。
また、条件を付けて特定のデータのみ更新することも可能です。その場合の基本形は「UPDATE テーブル名 SET 列名 = 値 WHERE 条件式;」です。
例えば、tableXにおいて「priceが100のものだけsalesを0」にする場合、UPDATE文は「UPDATE tableX SET sales = 0 WHERE price = 100;」です。結果として、tableXは以下の状態になります。
| name | sales | price |
|---|---|---|
| A | 0 | 100 |
| B | 3 | 200 |
| C | 6 | 50 |
| D | 0 | 100 |
データを削除する「DELETE」
DELETE文は、データの削除を指示するSQL文です。基本形は「DELETE FROM テーブル名;」です。例えば、「DELETE FROM tableX;」と記述すると、tableX内のデータをすべて削除します。テーブル自体は削除されません。
一般的には、条件を付けて部分的にデータを削除します。その場合の基本形は「DELETE FROM テーブル名 WHERE 条件式;」です。例えば、tableXから商品Bのデータを削除する場合は「DELETE FROM tableX WHERE name = 'B';」と記述します。
DELETE文でWHERE句を付け忘れると、テーブル内のデータがすべて削除される可能性があります。実行前にSELECT文で対象データを確認するなど、条件が正しく指定されているか十分に確認しましょう。
SQL文でよく使う句・命令
基本の4命令に加えて、SQLではデータの絞り込みや並び替え、集計などを行うための句や命令もよく使われます。代表的なものは以下のとおりです。
| 句・命令 | 用途 | 記述例 |
|---|---|---|
| WHERE | 条件にあうデータを絞り込む | WHERE price >= 100 |
| ORDER BY | データを並び替える | ORDER BY price DESC |
| GROUP BY | 同じ値をもつデータをグループ化する | GROUP BY name |
| HAVING | グループ化した結果に条件を指定する | HAVING COUNT(*) >= 2 |
| JOIN | 複数のテーブルを結合する | JOIN tableY ON tableX.id = tableY.id |
| DISTINCT | 重複する値を除いて取得する | SELECT DISTINCT name FROM tableX; |
例えば、WHEREで対象データを絞り込み、ORDER BYで並び順を指定するといったように、複数の句を組み合わせて使用します。基本命令とあわせて覚えておくと、より複雑なデータ操作に対応しやすくなります。
SQLを実務で利用するには、データベースを操作する環境が必要です。また、開発ツールのなかには、SQLによるデータ操作に加えて、ローコード・ノーコード開発やテスト、アプリケーション開発などを支援する製品もあります。
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SQL文を学ぶメリット
SQL文は、データベースを扱ううえで重要なスキルの一つです。企業でデータ活用が進むなか、エンジニアだけでなく、データ分析やマーケティングなど幅広い業務で活用されています。SQLを学ぶ主なメリットは以下のとおりです。
- ■多くのデータベースで共通して使える
- SQLはデータベース言語として標準化されており、MySQLやPostgreSQL、Oracle Databaseなど多くのデータベースで利用されています。製品ごとに独自の仕様はあるものの、基本的なSQLの知識はさまざまな環境で活用できます。
- ■データ分析に活用できる
- SQLを使えば、大量のデータから必要な情報を抽出・集計できます。売上分析や顧客分析など、ビジネスの意思決定に必要なデータを取得する際にも役立ちます。
- ■エンジニア以外にも役立つ
- SQLはエンジニアだけでなく、マーケターやデータ分析担当者などにも利用されています。データを扱う業務に携わる人にとって、有用なスキルの一つです。
主なSQLデータベースの種類
SQLは、さまざまなリレーショナルデータベース管理システムで使用されています。代表的なSQLデータベースには、次のような種類があります。
- ■MySQL
- MySQLは、世界的に広く利用されているオープンソースのデータベース管理システムです。Webサービスやアプリケーションの開発など、幅広い用途で使用されています。
- ■PostgreSQL
- PostgreSQLは、オープンソースで提供されている高機能なデータベース管理システムです。高度なデータ処理を必要とするシステムなどでも利用されています。
- ■Oracle Database
- Oracle Databaseは、Oracleが提供するデータベース管理システムです。大規模な業務システムや基幹システムなどで採用されています。
- ■SQL Server
- SQL ServerはMicrosoftが提供するデータベース管理システムです。Microsoft製品との連携性が高く、企業の業務システムなどで利用されています。
- ■SQLite
- SQLiteは、アプリケーションに組み込んで利用できる軽量なデータベース管理システムです。スマートフォンアプリや小規模なシステムなどで活用されています。
なお、データベースによって搭載機能や対応するデータ量、運用方法などは異なります。業務で利用するデータベースを選ぶ際は、自社の用途やシステム環境に適した製品を比較することが重要です。
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SQL文に関するよくある質問
SQL文について、初心者が疑問をもちやすいポイントをQ&A形式でわかりやすく解説します。
- Q1:SQL文とは何ですか?
- SQL文とは、データベースに対してデータの取得・追加・更新・削除などを指示する命令文です。
- Q2:SQL文の基本的な命令は何ですか?
- データを取得するSELECT、追加するINSERT、更新するUPDATE、削除するDELETEの4種類が基本です。
- Q3:SQL文では大文字と小文字を区別しますか?
- SELECTやWHEREなどのSQLキーワードは、一般的に大文字と小文字を区別しません。ただし、テーブル名や列名などの扱いはデータベースや設定によって異なる場合があります。
- Q4:SQLとMySQLの違いは何ですか?
- SQLはデータベースを操作するための言語です。一方、MySQLはSQLを用いてデータを管理するデータベース管理システムの一つです。
まとめ
SQL文とは、データベースに対してデータの取得・追加・更新・削除などを指示する命令文です。SELECTやINSERT、UPDATE、DELETEなどの基本構文を押さえれば、さまざまなデータベースで活用できます。
一方、開発業務ではSQLの知識だけでなく、データベース管理やアプリケーション開発、テストなどを効率化する環境づくりも重要です。ローコード・ノーコードに対応し、専門的なプログラミング知識が少なくても開発を進められるツールもあります。


