本番環境とは?
本番環境とは、ユーザーが実際にシステムを使う環境のことです。それに対し、システム開発を行う環境を「開発環境」といいます。また、ソフトウェアを本番環境で実際に稼働させることを、「デプロイ」もしくは「デプロイメント」と呼びます。
システム開発環境から本番環境に移行するまでの流れ
システム開発の場は、「開発環境」「検証環境」「ステージング環境」を経て、本番環境に移行します。それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。
1.開発環境
開発環境は、基本的にパソコン内のローカル環境に構築します。開発者用のテスト環境というより、開発者が自由に操作できるローカル環境という方が正しい認識です。複数メンバーで開発していれば、テストや進捗状況を統合開発環境でリモート共有することもあります。
2.検証環境
検証環境は、開発環境で作られたシステムをテストするための工程で、誤記やリンクミスなどをチェックし、適宜修正する段階です。開発環境と分けることで、別の開発作業と並行してテストできるようになります。
検証環境では、プログラムの一部において動作確認する「単体テスト」や、プログラム全体の動作確認する「結合テスト」が行われます。単体テストは開発者自身が実施するケースが多いため、開発環境と検証環境をまとめることがあります。
しかし、結合テストの場合は複数の開発メンバーが関与するため、検証環境を分けるのが一般的です。いずれにせよ、バグを取りきる作業工程として検証環境は重要な役割をもっています。なお、短期間で開発を進めるアジャイル開発では、自動でテストを組み込んでいます。
3.ステージング環境
本番環境に似せた条件で、本番での稼働に耐えられるかどうかをテストし、システムの動作確認をする工程です。最終確認としての意味合いが強く、本番環境でエラーが出ないことを目指します。実際に上司に使ってもらい、最終確認を行います。処理速度が遅かったり、データの整合性が取れなかったりすると、リリースが延長されるケースも珍しくありません。
データベースやWebサーバは、できるだけ本番環境と同じものを使いましょう。最近では、仮想化ソフトウェア・パッケージや、コンテナと呼ばれるOSレベルの仮想化環境を利用するのが一般的になってきました。そのため、より本番環境に似せた状態で動作確認できるようになっています。
なお、外部連携している場合、すべてを本番同様の設定にすることはおすすめしません。例えばサーバの設定を本番同様にすると 、テストデータが本番サーバに転送されてしまいます。こうなると転送されたテストデータを処理するのに、手間がかかるため注意が必要です。
本番環境での注意点
最後に、本番環境でシステムを稼働させるときの注意点を紹介します。それぞれの内容を理解して、実際の開発に活かしてください。
決まっていない作業は行わない
本番環境での手順書・仕様書に書かれていない作業は行わないようにしましょう。不用意に設定を変更すると、システムが正常に稼働しなくなります。
作業ミスしたときは慌てず、一度手順書・仕様書を再確認しましょう。何らかのミスを起こし、手順書・仕様書に書かれていないことを実行したい場合、まずは上司やマネージャーに相談してください。自己判断で作業を進めるのは避けるようにします。
テストを本番環境で行わない
開発したばかりのシステムは正常に稼働しない可能性が高いです。負荷が大きすぎて、ほかのプログラム・データ・ファイルに悪影響を及ぼすおそれもあります。
そのため、テストをせずにいきなり本番環境に移行するのはよくありません。本番環境で動作確認するのではなく、必ず検証環境で確認しましょう。
ちなみに、システムを停止させてテストすることも避けてください。検証・改善が前提となる以上、システムを不用意に稼働・停止させるのは効率的ではありません。
最終的な動作確認をしっかり行う
開発者目線のチェックだけでは、すべての動作を確認したとはいえません。最終的な動作確認をするには、ユーザー目線であることが重要です。実際にシステムを利用するユーザーが、満足できる仕様になっているかを確認しましょう。
開発の段階で「最終確認用のチェックリスト」を用意しておくのもおすすめです。
システム開発の環境を理解して適切にプロジェクトを進めよう
本番環境とは、ユーザーが実際にシステムを使う環境のことです。
システム開発における最後の工程となるため、バグやエラーをすべて解消しておく必要があります。また、本番環境では仕様書や手順書に書かれていない作業は行わないようにしましょう。不用意に設定を変更すると、ファイルやデータを消失する可能性があります。
本番環境における役割を理解して、適切に開発を進めましょう。なお、開発を効率化したい場合は、開発ツールを使うのも一つの手です。ノンプログラミングで開発できるツールもあるので、以下の製品ランキングをご覧ください。
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