世界で高いシェアを誇るAndroid
近年Androidアプリの数が急増しています。Androidアプリが注目されているのは世界におけるシェア率の高さが要因です。KANTAR社の2021年6月の調査によると、アメリカやオーストラリアでは5割強にとどまっているものの、EU主要国や中国などではAndroidが8割前後を占めています。
また、日本においてもAndroidが55.1%、iOSが44.9%と、AndroidがiOSを上回る結果が出ています。
参考:Android vs. iOS – Smartphone OS sales market share evolution|Kantar
Androidアプリの開発に必要なこと
ここではAndroidアプリの開発において、押さえておきたいポイントを紹介します。
必要なパソコンスペック
アプリの開発にはパソコンを使用するため、まずは手持ちのパソコンのスペックを確認しておくといいでしょう。快適に操作できる環境は下記のとおりです。
- ●OS:Windows7/8/10 (32bit/64bit)
- ●CPU:第5世代以降 core i5/ i7
- ●メモリ:8~16GB以上
- ●HDD:最低5~10GB程度
比較的シンプルなアプリはこのスペックで十分ですが、ゲーム制作やデータ分析など、作りたいアプリによってはより大きな容量や処理能力が必要な場合もあります。
開発言語はJava・Kotlin
開発言語とはAndroidアプリの作成に必要なプログラミング言語のことです。JavaScrypt・HTML5・Object Pascal・C++・C#なども有名ですが、現在はJavaとKotlinが主流になっています。
Javaは、昔からエンジニアに親しまれてきたプログラミング言語。取扱い書籍やネット上の解説が豊富で、Androidアプリの開発においても高いシェアを誇ります。
Kotlinは、Javaとの相互連携がとれたプログラミング言語です。統合開発環境「IntelliJシリーズ」を手掛けるJetBrainsによって、2011年に発表されました。2017年には、エンジニア向けのカンファレンスである「Google I/O 2017」で、正式にAndroidアプリの開発言語として認められています。トップシェアを誇るJavaとコード変換などが簡単にできるのが特徴です。
初心者向けの開発環境はAndroid Studio
Androidアプリを作成するには、それに応じた開発環境が必要です。従来はEclipseやAntなどが一般的でしたが、現在はAndroid Studioが主流になっています。
Android Studioは、Googleが公式に提供しているAndroidアプリの開発環境です。アプリの開発に必要な機能をすべて備えており、MacOS・Windows・Linuxなどにも対応しています。Androidを開発したGoogle自身が推奨しているため、初心者はまずこれを使いましょう。
パソコンとインターネットさえあれば、誰でも利用できます。
Androidアプリの開発手順
ここでは、Androidアプリの開発手順を紹介します。
1.アプリの企画
まずは、Androidアプリを開発する動機や目的を確認しましょう。開発のモチベーションの維持に役立ちます。次に、紙などにデザインや機能性・利用者層などについてのアイデアを書き出し、具体的なイメージを固めていきます。
続いて、以下の情報を集めながらアプリの企画を進めましょう。
- ■競合アプリはあるか
- ■著作権上の問題はないか:(例えばGoogleの知的財産権ポリシーでは、画像や動画の無断使用などで第三者の著作権を侵害すると、開発したアプリの利用が停止されます)
- ■開発の参考にできるデザインのアプリはないか
- ■どのような機能を実装できるか:(Androidアプリに実装する機能は「プッシュ通知」「ユーザー管理」などが有名です)
この段階で、アプリ画面の設計も行います。CacooやProttなどの画面設計ツールを利用しましょう 。また、情報の整理には、ワイヤーフレームやモックアップツールなどの作成もおすすめです。
2.アプリの開発
Androidアプリの開発は、Android Studioで行えます。初めて利用する場合は、初期設定などで1時間~2時間ほどが必要です。開発環境が整ったら、XMLでソースコードを書いていきます。例えば登録系のサービスなら、最初にログインや新規登録のボタンが必要となります。エラーメッセージも一緒に作成しておきましょう。
3.アプリの最終確認
開発したAndroidアプリが、正常に動作するかどうかテスト。実機でテストする前に、エミュレータ―でパソコン上に疑似Android環境を作り、デバッグしておくと安心です。
画面サイズや機種・オフラインなど、さまざまな環境について動作やレイアウトの確認をしていきましょう。TestFairyなどを利用すれば、クラウド上で同様のテストが行えます。
4.アプリの公開
動作チェックをクリアしたら、アプリをリリース。公開先は「Google Play」が一般的ですが、「Amazonアプリストア」や「楽天アプリ市場」なども利用可能です。
Google Playでのアプリの公開には、Googleアカウントとデベロッパー登録が必要です。利用料金として$25支払いますが、継続料などは必要ありません。審査もないため、スムーズに公開まで進むでしょう。
アプリの画面や概要をスクリーンショットで保存しておけば、公開までの時間をより短縮できます。
Androidアプリで収益を得る方法
Androidアプリで収益を得るには、以下の3つの方法があります。
- ■有料アプリにする
- ■アプリ内で課金する
- ■広告を掲載する
有料アプリは、ダウンロードされた時点で報酬が発生します。ただし一回買い切りとなるため、継続的な収入は見込めません。しかし、アプリを長く使ってもらいやすいというメリットがあります。
アプリ内課金は、アプリ内のサービス・コンテンツを有料にする方法です。基本機能を無料とし、より高次元のサービスを有料で提供します。無料でダウンロードできるため、アプリの認知度向上に効果的です。需要の高いコンテンツを作れれば、継続的な収入が得られるでしょう。
広告掲載は、アプリ内に設置した広告から手数料を受け取る方法です。クリック型や成果報酬型などが知られています。スマホでいえば、Googleの「AdMob」などが有名です。
開発環境を整えてAndoroidアプリを制作しよう
Androidアプリの開発言語には、JavaやKotlinを利用します。
開発するときは「どのようなアプリを作りたいのか 」を明確にしましょう。画面レイアウト・機能・利用者層を紙に書き出しておくと、イメージも固まりやすくなります。収益化にはそれぞれの特徴を理解して、最適な方法を選んでください。
Android Studioで開発環境を整えて、Androidアプリを制作していきましょう。