ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■レセコンとの構成別
- レセコン一体型:クラウド診療支援システムCLINICS、GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMO、Medicom クラウドカルテ
- 外部レセコン連動型:CLIUS (クリアス)
- ■診療内容・診療科別
- 一般の無床診療所向け:BrainBox CloudⅡ/V-Ⅳ
- 自由診療・美容クリニック向け:ACUSIS Cloud(アクシスクラウド)
- 糖尿病やリウマチなど長期診療向け:DMエキスパート/RAエキスパート
- 眼科向けファイリングシステムとの連携:REMORA Cloud
- ■提供形態別
無床クリニック向け電子カルテの種類を分ける観点
無床クリニックは入院の病床を持たず、外来の診療が中心です。電子カルテに求められる機能も外来の流れに沿ったものになるため、種類を分ける際も、外来の業務に関わる観点から整理すると違いがつかみやすくなります。
外来中心の診療で求められる範囲
無床クリニックの電子カルテは、受付から問診、診察、処方、会計までの外来の流れを、院長と少人数の職員で回すことを前提としています。病棟の看護記録や入院の管理といった機能は必要ないため、病院向けと比べて扱う範囲は絞られます。
その一方で、1日に多くの患者を診る外来では、1人あたりの記録にかけられる時間が限られます。会計までの待ち時間や、診療科ごとの記録の書き方にあうかどうかが、製品の種類を選ぶうえでの重要な判断材料です。Web予約やWeb問診など、受付の周辺で使うサービスとつながるかも外来の効率に関わります。
種類を分ける4つの観点
無床クリニック向け電子カルテの種類を分ける観点と、それぞれの代表的なタイプは次のとおりです。自院が重視する観点から順に検討すると、候補を絞り込みやすくなります。
| 分ける観点 | 代表的なタイプ |
|---|---|
| レセコンとの組み合わせ | レセコン一体型、外部レセコン連動型 |
| 診療科への対応 | 汎用型、診療科特化型 |
| 記録の入力方法 | テンプレート中心、手書きやシェーマ中心、音声入力やAIの支援 |
| 提供形態 | クラウド型、オンプレミス型 |
レセコンとの組み合わせで分かれる種類
無床クリニックでは、電子カルテとレセコンをどう組み合わせるかで日々の会計と請求の流れが変わります。レセコンは診療報酬を計算して請求書類を作るシステムで、電子カルテとの組み合わせ方によって種類が分かれます。
レセコン一体型
レセコン一体型は、電子カルテとレセコンが一つの製品にまとまった種類です。診察で入力した処方や処置がそのまま会計に反映されるため、二つのシステムの間でデータを受け渡す設定が要りません。問い合わせの窓口も一つにまとまります。
新規開業のように電子カルテとレセコンをまとめて選ぶ場面では、検討しやすい種類です。一方で、レセコンの使い方に慣れた医療事務の職員がいる場合は、画面や操作が変わることへの対応も考えておく必要があります。慣れるまでの期間を見込んで、稼働前に会計の操作を練習する時間を確保しておくと安心です。
外部レセコン連動型
外部レセコン連動型は、別の会社が提供するレセコンと連携して使う種類です。すでに使っているレセコンを残したまま、電子カルテだけを導入したり入れ替えたりできる点が特徴です。
連動の範囲は、製品の組み合わせによって異なります。患者の基本情報や処方の内容がどこまで自動で受け渡されるか、障害が起きた際にどちらの会社へ連絡するかを、導入前に両方の提供会社へ確認しておきましょう。レセコン側の更新や診療報酬改定への対応の時期が、電子カルテ側とずれる場合があることも知っておきたい点です。
診療科への対応で分かれる無床クリニック向け電子カルテの種類
無床クリニックは、内科や小児科、眼科、皮膚科、整形外科、精神科など診療科ごとに、記録する内容や使う検査機器が異なります。診療科への対応のしかたによっても、電子カルテの種類が分かれます。
汎用型
汎用型は、内科や小児科など幅広い診療科で使えるよう設計された種類です。問診や所見、処方、検査の記録といった外来に共通する機能を中心に備えており、複数の診療科を標ぼうするクリニックでも使いやすい構成です。
汎用型でも、テンプレートやセットを登録して診療科にあわせた記録の型をつくれる製品があります。どこまで自院で設定できるか、提供会社が診療科ごとのひな形を用意しているかを確認すると、導入後の準備の負担を見積もれます。
診療科特化型
診療科特化型は、特定の診療科の記録や検査にあわせて画面が設計された種類です。眼科では視力や眼圧などの検査値と検査機器の画像、皮膚科や整形外科では患部の写真や図による記録、精神科や心療内科では面談の記録や書類の作成が重視される傾向があります。
特化型は、その診療科の業務に沿った入力の手順が用意されている点が特徴です。一方で、将来ほかの診療科を加える予定がある場合は、追加の診療科にも対応できるかを確認しておきましょう。複数の医師が異なる診療科を担当する場合は、医師ごとに画面や記録の型を切り替えられるかも判断材料です。
検査機器や周辺システムとの連携
診療科によって、電子カルテと連携させたい機器やシステムは異なります。眼科の検査機器や、内科の心電図、エコー、整形外科のレントゲン画像の管理システムなどが例です。
連携に対応している機器の種類や、連携にかかる追加の費用は製品によって差があります。今使っている機器、または導入予定の機器の型番を提供会社に伝え、連携の可否を確認しておくと、導入後に手入力が残る事態を防げます。
記録の入力方法で分かれる種類
外来の診察では、短い時間で正確に記録することが求められます。電子カルテの入力方法は製品によって特徴があり、医師の記録の仕方にあうかどうかで、診察中の負担が変わります。
テンプレートとセットで入力する種類
テンプレートやセットを中心に入力する種類では、よく使う所見の文章や処方、検査の組み合わせを登録しておき、選ぶだけで記録できます。再診の患者が多く、定型的な記録が中心の診療科では入力の時間を短くしやすい方法です。
テンプレートの作成や修正を自院で行えるか、ほかの医師と共有できるかも確認したい点です。登録した内容が古いまま使われないよう、定期的に見直す担当者と手順を決めておきましょう。
手書きや図で入力する種類
ペン入力に対応したタブレットなどを使い、手書きの文字や、人体の図に患部を描き込むシェーマで記録できる種類もあります。紙カルテに近い感覚で書けるため、紙から切り替える医師や、図での記録が多い診療科で検討されます。
手書きの記録は、文字として検索できるかどうかが製品によって異なります。後から記録を探しやすいか、紹介状などの文書に引用できるかを、デモで確認しておくとよいでしょう。手書きとキーボード入力を併用できる製品であれば、場面に応じて使い分ける運用も考えられます。
音声入力やAIの支援を使う種類
音声で話した内容を文字にする機能や、生成AIで記録の下書きを作る機能を持つ製品も登場しています。診察中に患者と向き合いながら記録を進めたい場合に検討される方法です。
AIが作成した下書きは、医師が内容を確認して確定させることが前提です。音声や記録のデータをどこで処理するのか、外部のサービスへ送られるのかを提供会社に確認し、個人情報の取り扱いに関する院内ルールとあわせて判断しましょう。
提供形態と国の標準型電子カルテ
電子カルテの提供形態には、クラウド型とオンプレミス型があります。加えて、デジタル庁が開発を進める標準型電子カルテも、今後の無床クリニック向け電子カルテの種類を考えるうえで知っておきたい存在です。
クラウド型とオンプレミス型
クラウド型は、提供会社のサーバにインターネット経由で接続して使う種類で、院内にサーバを置く必要がなく、自宅などから記録を確認できる製品もあります。オンプレミス型は、院内に設置したサーバで電子カルテを動かす種類で、インターネット回線の状況に左右されにくい特徴があります。
どちらを選んでも、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」にそった対策が求められます。2026年6月に公表された第7.0版では保守委託機関編が設けられているため、提供会社に任せる範囲と自院で行う作業を契約前に確認しておきましょう。
参考:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版|厚生労働省
デジタル庁が開発する標準型電子カルテ
標準型電子カルテは、デジタル庁が開発している医科無床診療所向けのクラウド型電子カルテです。厚生労働省の2026年3月の資料では、電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋など国の医療DXへの対応に機能を限定した「導入版」を、2026年度中の完成を目指して開発中としています。
あわせて国は、医科診療所向け電子カルテとレセプトコンピュータの標準仕様書(基本要件)第1.0版を2026年3月に公表しました。同年10月には標準仕様への適合状況を評価する認証制度の概要も公表され、11月から認証申請の受付が予定されています。今後、製品を選ぶ際は、標準仕様への対応状況や認証の取得予定も提供会社に確認しておきましょう。
参考:電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様(基本要件)|厚生労働省
無床クリニック向け電子カルテの種類別一覧
レセコンとの構成、診療内容、提供形態の違いがわかるよう、無床クリニックで検討できる電子カルテを一覧にしました。種類ごとの特徴を見比べてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| CLIUS (クリアス) | クラウド型。外部レセコンのORCAと連携し、Web予約やWeb問診、オンライン診療にも対応 |
| クラウド診療支援システムCLINICS | レセコン一体型のクラウドシステム。予約・問診からカルテ、レセプトチェック、経営分析まで支援 |
| GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMO | レセコン一体型のクラウド電子カルテ。AIが診察中の会話を書き起こし、SOAP形式に要約 |
| BrainBox CloudⅡ/V-Ⅳ | 無床診療所向け。医薬品データベースを標準搭載し、クラウド型とオンプレミス型から選択可能 |
| ACUSIS Cloud(アクシスクラウド) | 自費診療・美容クリニック向けのクラウド型。保険診療にも対応し、予約管理や売上分析を支援 |
| Medicom クラウドカルテ | 医事一体型のクラウド電子カルテ。AI自動算定機能で算定可能な項目を抽出し、会計業務を支援 |
| DMエキスパート/RAエキスパート | 糖尿病・リウマチなどの長期診療に特化したオンプレミス型。検査データや治療経過を一元管理 |
| REMORA Cloud | クラウド型。診断書などの文書作成機能を標準搭載し、眼科向けファイリングシステムClaioとも連携 |
レセコン構成と診療内容で選ぶ電子カルテ
無床クリニック向け電子カルテをレセコンとの組み合わせ、診療内容、提供形態の観点で紹介します。自院の運用にあう種類を探す際にご活用ください。
CLIUS (クリアス)
- 予約・問診・在宅・オンライン診療・経営分析ツールを搭載
- Mac、Windows、iPadで利用可!併用運用も可能
- 勤怠・労務・給与管理の「ジョブカン」シリーズが1年無料!
株式会社DONUTSが提供する「CLIUS (クリアス)」は、日医標準レセプトソフトのORCAと連携するクラウド型電子カルテです。外部レセコンと組み合わせる構成で、受付から診察、会計までの業務を効率化します。Web予約やWeb問診、在宅診療、オンライン診療の機能を備え、Mac、Windows、iPadで利用可能。幅広い診療科に対応し、直感的な操作性を重視するクリニックに適しています。
クラウド診療支援システムCLINICS
- 診療業務を革新するAIソリューション
- 業務効率化を支援するカルテ/レセコン機能
- 患者とのつながりを強化するかかりつけ支援機能
株式会社メドレーが提供する「クラウド診療支援システムCLINICS」は、電子カルテとレセコンを一体化したクラウドシステムです。予約・問診から受付、診察、会計、レセプトチェックまで、一連の診療業務を支援します。経営分析ダッシュボードや患者向けアプリとの連携にも対応。診療前後の業務を含めて管理し、患者の利便性と院内業務の効率化を図りたい無床クリニックに適しています。
GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMO
- AIが会話を書き起こし、文章を要約!入力作業を効率化
- 周辺機能もオールインワンで搭載!シームレスな操作感
- 初期費用・月額利用料0円!圧倒的コストパフォーマンス
GMOヘルステック株式会社が提供する「GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMO」は、レセコンと一体になったクラウド型電子カルテです。標準搭載のAIアシストが診察中の会話を書き起こし、SOAP形式に要約することでカルテ入力の負担を軽減します。Web予約やWeb問診、オンライン診療などの周辺機能も備えており、カルテとレセコンをまとめて導入し、診療業務の効率化を図りたいクリニックに適しています。
BrainBox CloudⅡ/V-Ⅳ
- 調剤機器メーカーならではの「医薬品情報」に強い電子カルテ!
- 安心安全のセキュリティと国内ネットワークの厚いサポート体制!
- クラウド型とオンプレミス型から選択可能!
株式会社ユヤマが提供する「BrainBox CloudⅡ/V-Ⅳ」は、無床診療所向けの電子カルテです。クラウド型とオンプレミス型から選択でき、院内の運用環境にあわせて導入できます。調剤機器メーカーならではの医薬品データベース「MDbank」を標準搭載し、患者情報を見やすくまとめた画面や専用キーパッドで入力を支援。歯科・眼科専門診療には非対応ですが、一般的な診療科で操作性や提供形態を重視するクリニックに適しています。
ACUSIS Cloud(アクシスクラウド)
- サーバー不要のクラウド型で初期導入コストを軽減
- 予約の自動化、管理サポートなど煩雑な業務を省力化
- リアルタイムで売上や経営状況を可視化し、迅速な経営判断を支援
株式会社プロ・フィールドが提供する「ACUSIS Cloud(アクシスクラウド)」は、自由診療や美容クリニック向けのクラウド型電子カルテです。保険診療と自費診療の両方に対応し、予約管理や事前問診、診療記録、会計などの業務を支援します。売上や経営状況をリアルタイムで可視化する機能も備えており、自費診療を中心に診療業務と経営管理をまとめたいクリニックに適しています。
Medicom クラウドカルテ
- 直感的で使いやすい、医師やスタッフの業務をスピーディにするUI
- カルテ入力内容から算定可能項目を抽出できるAI自動算定機能搭載
- 医事一体型だから、カルテ入力からレセプト会計なども一元管理
ウィーメックス株式会社が提供する「Medicom クラウドカルテ」は、電子カルテと医事会計を一体化したクラウド型のシステムです。カルテの入力内容から算定可能な項目を抽出するAI自動算定機能を搭載し、算定漏れや会計漏れの防止を支援します。帳票の自動発行や文書作成にも対応しており、診療記録から会計までを一元管理したいクリニックに適しています。
DMエキスパート/RAエキスパート
- 糖尿病/リウマチクリニック向け電子カルテ DM/RAエキスパート
- 長期医療・チーム医療特化型!慢性疾患専門医の作った電子カルテ
- 診療経過を一元表示!治療経過の把握と診療計画策定がスムーズに
株式会社CSMソリューションが提供する「DMエキスパート/RAエキスパート」は、糖尿病やリウマチなど長期診療に特化した電子カルテです。多部門の情報や検査データをリアルタイムに一元管理し、過去から現在までの治療経過の把握や診療計画の策定を支援します。慢性疾患の診療経験が豊富な医師が開発に携わっており、長期的な患者管理やチーム医療を重視するクリニックに適しています。
REMORA Cloud
- 院外からカルテにアクセス可能
- DocuMaker Cloudを標準搭載し生損保診断書や公的文書も対応
- 豊富な実績をもつファイリングシステムClaioとの連携で、眼科運用を支援!
株式会社ファインデックスが提供する「REMORA Cloud」は、診察室だけでなく院外からも利用できるクラウド型電子カルテです。診断書などの文書作成サービス「DocuMaker Cloud」を標準搭載し、書類作成の負担を軽減します。眼科向けファイリングシステム「Claio」との連携にも対応しており、検査情報の参照や既存システムとの連携を重視するクリニックに適しています。
まとめ
無床クリニック向け電子カルテの種類は、レセコンとの組み合わせ、診療科への対応、記録の入力方法、提供形態の4つの観点で整理できます。レセコン一体型か外部レセコン連動型か、汎用型か診療科特化型かによって、外来の流れにあう製品は変わります。無床クリニック向け電子カルテを比べる際は、国の標準型電子カルテの動きも確認しながら資料請求し、自院の診療科と入力の仕方にあう種類を選んでください。

