ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■処理の作り方別
- 画面上で部品をつないで処理を作る:ASTERIA Warp、Waha! Transformer、Reckoner[レコナー]、HULFT Square、IIJクラウドデータプラットフォームサービス、DataSpider Servista
- SQLなどを組み合わせて処理を作る:TROCCO、Reckoner[レコナー]
- ■定期実行と監視の機能別
- 日時を指定したスケジュール実行:TROCCO、CSアナリティクスDataUploader
- 実行結果の通知・監視:TROCCO、CSアナリティクスDataUploader、HULFT Square
ETLツールの使い方の全体像
ETLツールを使い始める前に、ETLの3つの処理と、作業全体の流れを押さえておきましょう。設定を始める前に目的や対象データを決めておくと、手戻りを減らせます。
ETLの3つの処理と5つの作業ステップ
ETLとは、データを抽出(Extract)し、変換(Transform)して、目的のデータベースなどに書き込む(Load)処理のことです。ETLツールは、この一連の処理を設定だけで組み立て、自動で実行するためのツールです。
実際の作業は、接続先の登録から始まり、抽出、変換・加工、書き込みを設定し、最後に定期実行と監視の仕組みを整える5つのステップで進みます。この記事でも、この順番で解説します。
作業を始める前に決めておくこと
設定を始める前に、「何のデータを、どこからどこへ、どの頻度で移すのか」を決めておきます。例えば「販売管理システムの売上明細を、毎朝6時までに分析用のデータベースへ反映する」のように、具体的な文章にしておくと関係者と認識をそろえられます。
あわせて、出来上がったデータを誰がどのように使うのかも確認しましょう。集計の単位や必要な項目は使う人によって変わるため、最初に利用部門の要望を聞いておくと手戻りを減らせます。
ステップ1・2:接続先の登録とデータの抽出
最初のステップは、ETLツールに連携元と連携先のシステムを登録することです。続いて、連携元からどのデータを取り出すかを設定します。ここでの設定が、後の変換や書き込みの前提となります。
連携元と連携先の接続設定
ETLツールでは、まずデータベースやファイルの保存場所、SaaS(インターネット経由で使うソフトウェア)などの接続先を登録します。データベースであれば、サーバーの所在地、データベース名、接続用のアカウントといった情報を入力するのが基本です。
接続用のアカウントには、必要なデータを読み取れる最小限の権限だけを与えましょう。登録後は接続テストを行い、正しくつながるかを確認します。接続に失敗する場合は、通信の許可設定やアカウントの権限を情報システム部門と確認します。
抽出するデータと条件の設定
接続できたら、取り出すデータの範囲を設定します。対象のテーブルやファイルを選び、必要な項目と抽出条件を指定する作業です。例えば「伝票日付が前日のもの」「取消フラグが立っていないもの」といった条件を設定します。
不要な項目まで取り出すと、処理時間が延びるうえ、扱う情報が増えて管理の負担も大きくなります。利用部門が必要とする項目に絞り、抽出したデータのプレビューで件数や中身を確認してから次へ進みましょう。
全件抽出と差分抽出の使い分け
抽出の方式には、毎回すべてのデータを取り出す全件抽出と、前回から追加や変更があったデータだけを取り出す差分抽出があります。データ量が少ないうちは全件抽出でも問題ありませんが、件数が増えると処理時間が長くなります。
差分抽出を使うには、更新日時の項目など、変更を判別できる手がかりが連携元に必要です。削除されたデータをどう反映するかも、差分抽出では別途考えておく必要があります。
ステップ3:ETLツールでのデータの変換・加工
3つ目のステップは、抽出したデータを使いやすい形に整える変換・加工です。ETLツールの中心となる工程で、データの品質はここでの設定に大きく左右されます。代表的な処理を3つ紹介します。
データ型や表記の統一
システムごとに、日付の書き方や金額の桁、全角と半角の扱いが異なることがあります。例えば、あるシステムでは「2026/10/01」、別のシステムでは「20261001」と記録されている場合、そのままでは同じ日付として扱えません。
ETLツールでは、日付の形式をそろえる、文字を半角に統一する、コードを社内の共通コードに置き換えるといった変換を設定できます。変換のルールは一覧表にまとめておくと、後から処理を見直す際に役立ちます。
複数データの結合と集計
結合とは、別々のデータを共通の項目でつなぎあわせる処理です。売上明細と顧客マスタを顧客コードでつなげば、明細に顧客名や地域の情報を加えられます。集計は、明細を日別や店舗別などの単位でまとめる処理です。
結合では、つなぐ相手が見つからないデータを残すのか除外するのかを決める必要があります。条件を誤ると件数が増えたり減ったりするため、処理の前後で件数と合計金額を確認する習慣をつけましょう。
欠損や重複データの処理
データには、必須の項目が空欄になっている欠損や、同じ取引が2回記録されている重複が含まれることがあります。こうしたデータをそのまま書き込むと、集計結果が実際の値と異なる原因となります。
ETLツールでは、欠損があるデータを別のファイルに振り分ける、決められた値で補う、重複を1件にまとめるといった処理を設定できます。どの方法を選ぶかは業務によって変わるため、データを使う部門と相談して決めましょう。
ステップ4・5:書き込みと定期実行
変換が済んだら、データを目的の場所へ書き込み、処理を自動で動かす設定をします。書き込み方式の選択と、失敗したときに気づける仕組みづくりまでを含めて、ETLの設定が完成します。
書き込み方式の選択
書き込みの方式には、既存のデータを消してすべて入れ替える方式、新しいデータを追加する方式、同じキーのデータがあれば更新し、なければ追加する方式などがあります。どれを選ぶかは、抽出の方式と書き込み先の使われ方によって決まります。
例えば差分抽出のデータを入れ替え方式で書き込むと、過去のデータが消えてしまいます。本番の書き込み先に反映する前に、テスト用の書き込み先で結果を確認しましょう。
スケジュールとジョブの起動条件の設定
ジョブとは、抽出から書き込みまでの一連の処理をまとめた単位です。ジョブは、毎日決まった時刻に動かすスケジュール実行のほか、ファイルが届いたときや他のシステムの処理が終わったときに起動する方法もあります。
連携元のシステムで夜間の締め処理がある場合は、その完了後に起動するよう順番を設定しておく必要があります。複数のジョブに前後関係がある場合も、実行の順番と待ち合わせの条件を設定しましょう。
エラー通知と再実行の準備
ジョブは、連携元システムの停止や想定外のデータなど、さまざまな要因で失敗することがあります。失敗に気づかないまま翌日の業務が始まることのないよう、エラーが起きたときにメールやチャットで担当者へ通知する設定をしておきましょう。
あわせて、どこまで処理が進んだかをログで確認できるか、失敗した箇所から再実行できるかも確かめておきます。再実行したときにデータが二重に書き込まれないかも、事前にテストしておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でETLツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
ETLツールを社内で使い続けるための工夫
ETLツールで作った処理は、使い続けるうちに数が増え、作った人以外が修正する場面も出てきます。担当者が替わっても運用を続けられるよう、使い始めの段階から決めておきたい工夫を紹介します。
命名ルールと処理内容の記録
ジョブや接続先の名前は、何の処理かが一目でわかるルールで付けましょう。例えば「連携元_連携先_内容_頻度」のような形にそろえておくと、一覧から目的の処理を探しやすくなります。
あわせて、処理の目的や利用部門、変換のルールを記録しておきます。ETLツールの画面に説明を書き込める場合は活用し、別の文書で管理する場合も保存場所を決めて共有しておくと、引き継ぎの負担を減らせます。
検証環境での確認と権限の管理
処理を修正するときは、本番の処理を直接変更せず、検証用の環境で動作を確認してから反映する方法が望ましいといえます。検証環境を用意できない場合も、テスト用の書き込み先を使って結果を確認しましょう。
また、ETLツールの利用者ごとに、処理を作成できる人、実行だけできる人といった権限を分けておくことも大切です。誰がいつ処理を変更したかを記録できるかを確認しておくと、問題が起きたときの調査に役立ちます。
ETLツールの操作性を製品で比べる
画面操作で処理を作れる製品や、スケジュール実行・監視の機能を備えた製品を、操作の観点で一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ASTERIA Warp | フローをGUIだけで組み立て可能。連携・変換機能が豊富 |
| Waha! Transformer | テンプレートをつなぐノーコード操作。処理の詳細表示で確認しやすい |
| Reckoner[レコナー] | ドラッグ&ドロップで連携を作成。リアルデータでプレビュー可能 |
| TROCCO | GUIでジョブを定義し定期実行。実行結果の通知に対応 |
| HULFT Square | ドラッグ&ドロップのノーコード開発。処理の状況を一元監視 |
| IIJクラウドデータプラットフォームサービス | アイコンを並べて加工・変換できるクラウド型。約90種のアダプター |
| DataSpider Servista | GUI操作で直感的に開発。ノーコード・ローコードで連携を自動化 |
| CSアナリティクスDataUploader | Web管理画面で抽出・加工・アップロードを設定。スケジュール実行 |
画面操作でETL処理を作る製品
接続先の登録から変換・出力までを画面上で組み立てられる製品と、定期実行や監視の機能を備えた製品を紹介します。
ASTERIA Warp
- 100種類以上の接続先!異なるシステムのデータを柔軟に統合!
- スケジュール実行でデータ更新を自動化!手作業と運用負荷を削減
- 1万社以上の導入実績と国内シェアNo.1の製品
アステリア株式会社が提供する「ASTERIA Warp」は、接続・変換・出力といった一連の処理を、GUIだけで組み立てられるETLツールです。連携機能と変換機能を豊富に備え、ノーコードで処理を作成できます。人事システムやERP、経費精算システムなどとの連携にも対応します。初めて処理を作る担当者が、画面上で流れを確認しながら進める場面に向いています。
Waha! Transformer
- 1,000億件のベンチマークが証明する大量データ高速処理性能
- ノーコードで簡単に構築できるシンプルな操作性
- 作り手が「欲しい!」と感じるデータ接続先とメンテナンス機能
株式会社ユニリタが提供する「Waha! Transformer」は、ノーコードで加工・連携の処理を作れるETLツールです。処理の詳細を見やすく表示する機能があり、作成した処理のチェックや修正をすぐに行えます。変更履歴の管理やHTMLのドキュメント自動生成も備えており、作成した処理の記録を残す運用にも役立ちます。ブラウザ画面からデータ加工を行うこともできます。
Reckoner[レコナー]
- クラウド型ETLサービスの決定版‼100種以上のデータ連携先と接続
- データ連携作業の工数を大幅削減!プログラム作業不要で実現!
- 直感的なインターフェースで簡単操作!ドラッグ&ドロップで連携
株式会社スリーシェイクが提供する「Reckoner[レコナー]」は、ドラッグ&ドロップとプルダウンの設定を中心に、データ連携のワークフローを作れるクラウド型のETLです。複数のデータソースからの連携をリアルデータでプレビューしながら組み立てられ、データの流れがひと目でわかる画面になっています。ノーコードを基本としながら、必要に応じてSQLも書けます。
TROCCO
- 開発・インフラ・人件費のコストやデータ統合作業工数を削減
- 分析リードタイムの短縮によりデータ活用がスピーディーに
- データ環境が整備されることで、データの民主化が促進
株式会社primeNumberが提供する「TROCCO」は、データ転送の設定から変換、ジョブの定期実行までを扱えるSaaSです。SQLエディタで変換処理を書くほか、複雑なパイプラインをGUIで定義できます。ジョブは任意のタイミングで定期実行でき、経過時間のアラートや実行結果の通知も設定できます。蓄積したデータの件数や差分をSQLで調べ、しきい値を超えるとアラートを出す検証にも対応します。
HULFT Square
- ファイル転送・データ連携機能をフルマネージドサービスで提供
- 接続先の特性に合わせたコネクター/API/ファイルでの柔軟な連携
- 国・地域/業種/業務システム間をまたぎデータ連携することが可能
株式会社セゾンテクノロジーが提供する「HULFT Square」は、ドラッグ&ドロップのノーコード開発でデータ連携の処理を作成できるiPaaSです。データ項目や処理アイコンを英語と日本語で切り替えて表示でき、処理の流れを見渡しやすくなります。コネクターを使えば各リソースの知識がなくてもデータを処理でき、サービスの状況やイベントは一元的に監視できます。
IIJクラウドデータプラットフォームサービス
- ASTERIA Warpをコアエンジンとしたクラウド型サービス
- GUIでの開発&約90種類の豊富なアダプターでデータ連携先が豊富
- 個人情報などの機微データも安全に取り扱えるセキュリティ
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、クラウド型のデータ連携プラットフォームです。アイコンを並べるだけでデータの加工や変換ができます。ASTERIA Warpをコアエンジンとし、Salesforceやkintoneなど約90種類のアダプターで連携先を登録できます。データの参照整合性を保ったままマスクするデータマスキングにも対応しており、個人情報などの機微データも扱えます。
設定画面から始めやすいその他の製品
GUI操作での開発や、Web管理画面からのスケジュール実行に対応した製品も紹介します。
DataSpider Servista (株式会社セゾンテクノロジー)
- ノーコード・ローコードで業務自動化
- 多様なシステム・DB・クラウドと接続可能
- 豊富なアダプタで開発工数を削減
CSアナリティクスDataUploader (クラスメソッド株式会社)
- オンプレミスデータを複数クラウドへスムーズに連携。
- Web管理画面で抽出・加工・アップロード設定が可能。
- ジョブをスケジュール実行し、結果を通知。
まとめ
ETLツールの使い方は、接続先の登録、データの抽出、変換・加工、書き込み、定期実行と監視の5ステップで整理できます。作業前に対象データと頻度を決め、抽出方式と書き込み方式の組み合わせ、処理前後の件数確認、エラー通知と再実行の準備まで整えることが大切です。命名ルールや検証環境を用意しておけば、担当者が替わっても運用を続けられます。自社の業務にあうETLツールを比べたい方は、資料請求を活用してください。

