フォーム作成ツールの導入条件を整理する進め方
導入条件が固まらないまま製品を比較すると、機能の多さや価格だけで判断してしまう場合があります。確認する項目を分類し、誰に確認するのかを決めてから比較に入りましょう。分類ごとに確認先を決めておくと、社内の調整もスムーズに進みます。
| 分類 | 条件の例 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| セキュリティ | 通信の暗号化、権限設定、認証 | 情報システム部門 |
| 日本語と商習慣 | サポートの言語、請求方法 | 担当部門、経理 |
| 連携と拡張 | API、デザインの調整 | 情報システム部門、制作担当 |
| 決済 | 決済方法、返金への対応 | 経理、法務 |
他のツールで代替できないかを確かめる
導入条件を整理する前に、すでに使っているツールで代替できないかを確かめます。アンケートツールやMAツールに、フォームの機能が含まれている場合があります。代替を試した結果は、導入の必要性を説明する根拠として、社内で共有できます。
代替できる範囲と、できない範囲を書き出してみましょう。申込の管理、決済、複雑な条件分岐などが必要な場合は、フォーム作成ツールの導入が選択肢になります。既存ツールとの違いを整理しておくと、社内の説明もしやすくなります。
必須の条件と希望の条件を分ける
導入条件は、満たさないと導入できない必須条件と、あれば便利な希望条件に分けます。必須条件は、法令や社内規程、既存システムとの関係から決まるものが中心です。
希望条件まで必須にすると、候補が絞れなくなる場合があります。逆に、必須条件を見落とすと、導入後に使えないことが判明する恐れもあります。必須条件は、関係部門の確認を得て決め、文書にして比較表の軸として使います。
社内ルールと関連部門に確認する
社内には、情報システム部門のセキュリティ基準や、経理の支払い方法の規程など、ツール導入に関わるルールがあります。製品の比較を始める前に、確認しておくと手戻りを防げます。確認した結果は、日付と担当者を添えて記録しておくと、後の見直しに役立ちます。
確認する部門は、情報システム部門、法務、経理、そして実際に使う現場の担当者です。それぞれの要件を一覧にまとめ、製品の資料と照らし合わせます。判断が分かれる項目は、早めに関係者で相談しておきましょう。
セキュリティと認証に関する導入条件
フォームでは、氏名や連絡先などの個人情報を扱うため、セキュリティは重要な導入条件です。製品の機能と、事業者の取り組みの両面から確認項目を整理しましょう。ベンダーの公開資料で確認できる範囲と、問い合わせが必要な範囲に分けると、効率的に進められます。
セキュリティ要件の確認項目を整理する
セキュリティ要件が厳しい企業では、確認する項目が多くなる傾向があります。通信の暗号化、権限の設定、ログイン時の認証方法、操作履歴の記録などが、代表的な確認項目です。多要素認証やIPアドレスによるアクセス制限に対応しているかも、確認項目の例です。
自社のセキュリティ基準と照らし合わせて、必須の項目を洗い出しましょう。ベンダーが公開している資料で確認できる項目と、問い合わせが必要な項目に分けて整理すると、確認が進みます。回答は文書で残しておくと安心です。
ISMSなど第三者認証を読み解く
ISMS認証とは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO/IEC 27001にもとづく認証です。事業者が情報を適切に管理する仕組みを備えているかを、第三者が審査します。
認証は事業者や事業所などの組織が取得するもので、製品の安全性を直接保証するものではありません。認証の対象範囲に、提供するサービスが含まれているかの確認が必要です。プライバシーマークなど、他の認証も参考にできます。
データの保管場所と運用体制を確認する
回答データがどこに保管されるかは、社内規程や取引先の要件で決められている場合があります。国内のデータセンターに限定するのか、海外でも許容するのかを、先に確認しましょう。取引先との契約で、保管場所の条件が定められている場合もあります。
あわせて、バックアップの有無、障害時の対応、サポートの受付時間なども確認項目です。契約形態によって責任の範囲が異なる場合もあるため、利用規約やサービス説明書を読み、不明な点は問い合わせておきます。
日本語対応や多言語対応に関する条件
国産の製品か海外製かは、導入条件の一つですが、それだけで製品の良し悪しは決まりません。日本語対応の範囲や、国内の商習慣への対応を具体的に確認しましょう。海外の顧客向けに公開する場合は、多言語対応も条件に加わります。
国内の商習慣にあう機能を確認する
日本のフォームでは、氏名のふりがな、住所の郵便番号からの入力、全角と半角の統一、請求書払いへの対応などが求められる場合があります。製品ごとに、標準で対応しているかは異なります。
国産か海外製かで、一律に対応の差が決まるわけではありません。海外製でも日本向けの機能を備えた製品があり、国内製でも機能が限られる場合があります。必要な機能をリストにして、実際の画面やデモで確認するのが確実な方法です。
日本語対応のサポートと画面を確かめる
管理画面やマニュアルが日本語で用意されているか、問い合わせを日本語で行えるかも、確認したい点です。海外製の製品では、サポートの窓口が日本語に対応しているかが、製品によって異なります。
サポートの受付時間や、返信までの目安、問い合わせの手段もあわせて確認しましょう。電話、メール、チャットのどれで相談できるかによって、緊急時の動きが変わります。契約前に、窓口の対応範囲を聞いておくと安心です。
多言語対応の範囲を見極める
多言語対応には、回答者が見るフォームの表示言語と、管理者が使う画面の言語があります。海外の顧客向けにフォームを公開するなら、前者が重要です。
対応する言語の種類や、翻訳を自社で入力するのか自動で行うのかは、製品によって異なります。自動翻訳を使う場合は表現の確認を担当者が行い、言語ごとにフォームを複製する運用になる場合は管理の手間も増える点に注意しましょう。更新時に全言語を修正する体制も、決めておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でフォーム作成ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
API連携やカスタマイズに関する導入条件
API連携やカスタマイズは、製品によって対応の範囲が大きく異なる条件です。自社が必要とする範囲を事前に明確にし、標準機能で足りるのかを見極めましょう。要件が複雑な場合は、制作会社への相談も選択肢です。
API連携が必須かどうかを判断する
APIとは、システム同士がデータをやり取りするための接続の仕組みです。フォームの回答を顧客管理や社内の基幹システムに自動で渡したい場合は、API連携が導入条件になります。
API連携が必須でない場合は、CSV出力や標準の連携機能で足りるケースがあります。必須かどうかは、回答データを誰がどのシステムで使うのかで決まります。連携先を具体的に挙げて、対応しているかをベンダーに確認しましょう。
カスタマイズできる範囲を確認する
カスタマイズには、フォームのデザインの調整、独自ドメインでの公開、項目の自由な追加、スクリプトの埋め込みなどがあります。どこまで可能かは、製品やプランによって異なります。プランによって利用できる範囲が変わる場合があるため、見積もりの段階で確認しましょう。
カスタマイズの自由度が高い製品は、設定の手間が増える場合があります。自社に必要な見た目の調整が、画面上の操作で行えるのか、専門知識が必要なのかを確認しましょう。制作担当者の技術レベルも考慮します。
標準機能とカスタマイズの使い分けを決める
カスタマイズを多用すると、製品のアップデートで動作が変わったり、担当者の異動で内容が分からなくなったりする場合があります。できるだけ標準機能で運用する方針も、選択肢の一つです。判断に迷う場合は、標準機能で試して不足した点だけを、後から追加する方法があります。
カスタマイズが必要な場合は、設定の内容を文書に残し、保守の担当者を決めておきましょう。外部に依頼する場合は、費用と対応の範囲を契約前に確認します。変更のたびに依頼が必要かも、聞いておきます。
決済機能付きフォームの導入条件
申込フォームで料金を受け取る場合は、決済機能の対応範囲が導入条件になります。決済方法だけでなく、カード情報の扱いや、失敗時の対応も確認しておきましょう。経理部門や法務部門とも連携し、運用の流れを事前に決めておくと安心です。
対応する決済方法を確認する
クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、電子マネーなど、決済方法は多岐にわたります。自社の顧客がよく使う決済方法に、製品が対応しているかを確認しましょう。定期的な支払いに対応しているかも、見ておきます。
決済機能は、製品自体が備えている場合と、外部の決済サービスと連携する場合があります。連携の場合は、決済サービスとの契約が別に必要になる場合があるため、手続きの流れも確認しておきましょう。
カード情報の取り扱いとPCI DSSを確認する
クレジットカード情報を扱う事業者には、カード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSへの準拠が求められる場合があります。自社でカード情報を保持しない方式なら、負担を抑えられる場合があります。準拠の状況はベンダーが資料で公開している場合があるため、確認してみましょう。
カード情報がどこで処理され、自社のシステムに残るかは、製品の仕組みによって異なります。決済事業者が提供する画面に移動して入力する方式か、フォーム内で入力する方式かも、確認しておきましょう。
決済の失敗や返金への対応を確認する
決済が失敗した場合の通知や再試行の流れ、返金やキャンセルの処理方法も、運用上の重要な点です。決済の状況を管理画面で確認できるか、一覧で出力できるかを見ておきましょう。入金の確認作業を減らせるかも、判断の材料です。
決済の失敗は、カードの利用限度額や入力の誤り、決済サービス側の状況など、複数の要因で起こる場合があります。問い合わせへの対応手順を決め、経理部門との連携方法も整理しておくと、運用が安定します。
導入条件の確認に役立つフォーム作成ツールの製品
提供形態やセキュリティ面の記載、対応デバイスなど、導入条件を確認する際の材料になる特徴をもとに取り上げます。
ムビ活コレクト
- ノーコードで項目やデザインを自由に動画投稿フォーム生成
- フォーム応募者はURLアクセスのみ、ログイン不要で投稿
- 動画、画像を審査員画面で採点・コメント、平均点を自動集計
インフォームシステム株式会社が提供する「ムビ活コレクト」は、動画や画像を集めるコンテストやオーディション、社内投稿イベント向けのクラウド型サービスです。製品ページには、プライバシーマークの認証を取得していることが記載されています。役割別のアカウント権限管理やIP制限機能があり、応募者はログイン不要でPC、タブレット、スマートフォンから投稿できます。用途が条件にあうかを確認したうえで検討しましょう。
WiLL Form
- 専用エディターを使用し初心者でも簡単操作でフォーム作成が可能
- PCとスマホの表示を自動的に切り替えるレスポンシブデザイン
- SSL対応・AWS採用のため多くの個人情報を扱うフォームでも安心
株式会社サパナが提供する「WiLL Form」は、クラウド型のフォーム作成システムで、SSL通信に対応し、AWSを採用した環境で提供されています。個人情報を多く扱う応募フォームの運用でも使えるよう、セキュリティ面に配慮したとされています。導入前に、社内のセキュリティ基準にあうかを資料で照らし合わせましょう。PCとスマートフォンの表示を自動で切り替えるレスポンシブデザインに対応しており、スマートフォン専用のフォームを別に作る手間を省けます。
コラボフォーム
- Excelで作った申込書を見た目そのままWebフォーム化
- 入力内容が社内ワークフローに連携され、転記や再入力が不要に
- 申込書や申請書類をかんたん操作でペーパーレス化
株式会社コラボスタイルが提供する「コラボフォーム」は、社内のワークフローとつながる、クラウド型のWebフォーム作成ツールです。PCとスマートフォンに対応し、提供情報では対象の規模を限定していません。Excelで作った申込書を見た目そのままにWebフォーム化し、入力内容を社内ワークフローへ連携できます。既存の業務の流れに組み込めるかや、デバイスの対応範囲を、導入条件として資料で確かめておくと安心です。
Paperform (Paperform)
- ドラッグ&ドロップで直感的にフォームを作成可能
- 豊富な美しいデザインテンプレート
- StripeやPayPalなど決済サービスと連携
formstack (Formstack,LLC)
- ドラッグ&ドロップ操作でノーコードのオンラインフォーム作成。
- 送信データを自動で他システム・ワークフローに連携。
- 支払い受付や登録、アンケートなど多用途フォームに対応。
wufoo (SurveyMonkey Inc.)
- 400種以上の豊富なテンプレートとカスタマイズオプション
- 決済やファイルアップロードに対応し多目的に利用可能。
- 300万人以上が支持、グローバルブランド採用実績あり。
フォーム作成ツールに関するよくある質問
フォーム作成ツールの導入条件についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:導入条件を満たす製品が見つからない場合は、どうすればよいですか?
- A:必須条件と希望条件を見直し、優先順位を整理しましょう。標準機能で足りない部分は、カスタマイズや他のツールとの併用で補える場合があります。ベンダーにも相談してみてください。
- ■Q2:ISMS認証があれば、個人情報を預けても問題ありませんか?
- A:認証は、事業者の情報管理の仕組みを第三者が審査したものですが、製品の安全性を直接保証するものではありません。認証の対象範囲に提供するサービスが含まれるか、自社の運用ルールとあわせて確認しましょう。
- ■Q3:決済付きのフォームを使うには、決済事業者との契約が別に必要ですか?
- A:製品が決済機能を備えている場合と、外部の決済サービスと連携する場合で異なります。連携の場合は、別途の契約や審査が必要になる場合があるため、手続きの流れを確認しましょう。
- ■Q4:API連携が不要な場合でも、将来に備えて確認しておくべきですか?
- A:今は不要でも、業務の拡大で他のシステムに回答を渡したくなる場合があります。API連携やCSV出力の対応状況を確認しておくと、後からの乗り換えを避けやすくなります。
まとめ
フォーム作成ツールの導入条件は、必須と希望に分けて整理し、情報システム部門や経理などの関係部門と確認することが基本です。セキュリティと認証、日本語対応や商習慣、API連携とカスタマイズ、決済機能の4つが主な確認項目といえます。認証は対象範囲まで見ることが大切です。条件をそろえて、複数の製品の資料を請求し、比較してみてください。

