連携性から見るフォーム作成ツールの選び方
フォームで集めた回答は、MAやSFA、CRMなどの他のシステムで使うことで価値が高まります。連携方式の種類と、確認する順序を押さえて、自社に必要な連携性を整理しましょう。連携の数が増えるほど設定と運用の負担も増えるため、優先順位を決めることが大切です。
| 連携先 | 主な目的 | 連携方式の例 |
|---|---|---|
| MAツール | 見込み客の登録とメール配信 | 標準連携、API |
| SFA、CRM | 顧客情報や商談の管理 | 標準連携、API、CSV |
| スプレッドシート | 回答の自動転記と共有 | 標準連携、連携サービス |
| 決済システム | 料金の受け付け | 標準連携、決済画面への移動 |
連携方式の種類を知る
連携方式には、製品があらかじめ用意している標準連携、プログラムで接続するAPI連携、ファイルで受け渡すCSV出力などがあります。ほかに、複数のサービスを仲介する連携サービスを利用する方法もあります。どの方式でも、連携先の仕様変更の影響を受ける場合がある点には、留意が必要です。
標準連携は設定が簡単な反面、対応する連携先が限られます。API連携は自由度が高い一方、開発の知識や作業が必要です。自社の担当者が行える作業の範囲から、現実的な方式を選びましょう。
連携する目的とデータの流れを描く
連携先を決める前に、回答データを誰が、どの業務で使うのかを整理します。データの流れを図にすると、必要な連携先と、渡す項目が見えてきます。
例えば、資料請求のフォームの回答をMAに登録し、営業が使うSFAにも渡すという流れが考えられます。連携の数が増えるほど設定と確認の手間も増えるため、最初は効果の大きい連携から始めるのがおすすめです。連携の対象に個人情報が含まれる場合は、社内の規程も確認しましょう。
連携の設定と運用を担う人を決める
連携は、設定して終わりではなく、運用の中で見直しが必要です。フォームの項目を変更したときに、連携先の項目の対応づけも更新する場合があります。連携が止まった場合に気づける通知の仕組みがあるかも、確認しておきましょう。
設定の変更や、動作の確認を行う担当者を決め、設定の内容を文書に残しましょう。担当者が1人に偏ると、不在時に対応が止まります。ベンダーのサポートが、連携の設定にどこまで対応するかも、確認しておきましょう。
MAツールやSFA、CRMとの連携性
フォームは、見込み客や顧客の情報を取得する入口です。MAやSFA、CRMとの連携により、回答の内容を営業やマーケティングの活動へ素早く生かせるようになります。連携できる範囲は製品ごとに異なるため、使っているツールとの対応を確認しましょう。
MAツールへ見込み客を登録する
MAツールとは、見込み客の情報を管理し、メール配信などで関係を深めていくためのツールです。フォームの回答をMAに自動で登録できると、手作業による転記の手間を減らせます。メール配信の停止希望など、同意の情報も一緒に渡せるかを確認すると安心です。
確認したいのは、使っているMAツールと連携できるかと、連携できる項目の範囲です。フォームの項目をMAの項目に対応づけられるか、フォームの種類によってMAの登録先を分けられるかも、比較の材料になります。
SFAやCRMへ顧客情報を渡す
SFAは営業活動を管理するツール、CRMは顧客との関係を管理するツールです。問い合わせや資料請求の回答を、これらに自動で登録できると、営業の対応が早くなる場合があります。
連携の方法は、標準連携、API、CSVの取り込みなど、製品によって異なります。自動で登録される範囲が、新規の登録だけか、既存データの更新まで含むかも、確認したい点です。対応状況は、ベンダーに質問して確認します。
項目の対応づけと重複登録を確認する
連携の際は、フォームの項目と、連携先の項目の対応づけが必要です。選択肢の表記や、必須項目の違いがあると、うまく登録できない場合があります。対応づけの結果は、一覧表にして、フォームを変更するたびに見直しましょう。
同じ人が複数回フォームを送信した場合に、連携先で重複して登録されることがあります。メールアドレスなどを手がかりに、既存のデータを更新する設定ができるかを確認しましょう。運用前にテスト用のデータで試すと安心です。
スプレッドシートや決済システムとの連携性
スプレッドシートへの転記は、手軽に始められる連携です。決済システムとの連携は、個人情報や金銭を扱うため、事前の確認が欠かせません。それぞれの確認点を整理しましょう。どちらも、社内の情報管理のルールと照らし合わせて進めることが大切です。
スプレッドシートに回答を自動で転記する
回答が届くたびに、スプレッドシートに自動で行が追加される連携があります。関係者と共有しやすく、簡単な集計にも使える点が利点です。
連携の方法は、製品の標準機能で行う場合と、外部の連携サービスを使う場合があります。連携したシートの閲覧権限が広がりすぎないよう注意しましょう。個人情報を含む場合は、共有の範囲を必要な担当者に限り、シートの複製やダウンロードの制限も設定できると安心です。
決済システムと連携する
決済システムとの連携には、フォームの中で決済まで完結する方式と、決済事業者の画面へ移動する方式があります。どちらの方式かによって、カード情報の取り扱いが変わります。決済が完了した人だけを申込として扱う設定ができるかも、見ておきましょう。
連携できる決済事業者や決済方法は、製品によって異なります。自社が契約している、または契約予定の決済事業者に対応しているかを確認しましょう。決済結果をフォームの回答と結びつけて管理できるかも、見ておきたい点です。
連携サービスを使って接続を広げる
標準では連携できないサービスとも、仲介役となる連携サービスを利用すれば接続できる場合があります。プログラミングの知識がなくても、設定できるものがあります。連携サービスの仕様が変わる場合に備え、代わりの手段も、考えておくと安心です。
ただし、連携サービスには別途の契約や費用が必要な場合があります。処理できる件数や、実行の頻度にも制限がある場合があります。連携先の個人情報の取り扱いも含めて、社内のルールに反しないかを確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でフォーム作成ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
API連携を前提にした連携性の確認点
標準連携で対応できない場合や、自社の基幹システムとつなぎたい場合は、API連携が選択肢になります。APIの仕様と、利用の条件を事前に確認しましょう。開発を担当する人の確保や、保守の体制も、あわせて検討が必要です。
APIで実行できる操作を確認する
APIとは、システム同士がデータをやり取りするための接続口です。フォーム作成ツールのAPIでは、回答データの取得、フォームの作成や更新などの操作ができる場合があります。操作の一覧は、API仕様書の目次を見ると、短時間で把握できます。
APIで実行できる操作の範囲は、製品によって大きく異なります。回答の取得だけに対応している製品も、フォームの作成まで行える製品もあります。API仕様書が公開されているかも、判断の材料です。
認証方式と利用上限を確認する
APIを利用するには、認証が必要です。認証の方式や、キーの管理方法、アクセスできる範囲の制限などを、情報システム部門と一緒に確認しましょう。
APIには、一定時間にリクエストできる回数の上限が設けられている場合があります。回答数が多い場合は、上限に達しない運用が必要です。上限の値や、超えたときの扱いは、ベンダーに問い合わせ、待機して再実行する仕組みが必要かどうかも確認しましょう。
開発の担当と費用を確認する
API連携には、プログラムの開発が必要です。社内に開発担当者がいない場合は、外部の事業者への依頼や、ベンダーの導入支援を検討しましょう。開発の前に、試験用の環境で動作を確かめられるかも、ベンダーに確認しましょう。
開発の費用に加えて、連携後の保守にも費用がかかります。APIの仕様が変更された場合に、連携の修正が必要になることもあります。変更の通知を受け取る窓口も確認し、開発した内容を文書に残して保守の担当者を決めておきましょう。
CSV出力の柔軟性を比べるポイント
CSV出力は、ファイルで回答データを受け渡す基本的な連携方法です。出力できる範囲や形式が製品ごとに異なるため、自社の用途にあうかを確認しましょう。他システムへの取り込み前の下準備としても使われる方式です。
出力できる項目と期間の指定を確認する
CSV出力では、全項目を出力するだけでなく、必要な項目や期間を絞り込んで出力できるかが重要です。回答の状態や、フォームの種類での絞り込みに対応した製品もあります。
項目の並び順を指定できるか、項目名を自社の表記に変更して出力できるかも、確認したい点です。連携先に取り込む場合は、取り込み用の形式にあわせて出力できると、整形の手間を減らせます。出力の設定を保存して、繰り返し使える製品もあります。
文字コードと形式の違いを確認する
CSVの文字コードには、UTF-8やShift_JISなどがあります。Excelで直接開くと、文字コードの違いにより、文字化けする場合があります。
出力時に文字コードを選べる製品なら、用途にあわせて使い分けられますが、改行やカンマを含む回答の扱いには注意が必要です。実際の回答データで、Excelや連携先に取り込めるかを試しておきましょう。試すときは、個人情報を含まないテスト用のデータを使うと安心です。
定期的な出力と自動化の可否を確認する
毎日や毎週など、定期的にCSVを出力する運用が必要な場合は、自動での出力や、メールでの送付に対応しているかを確認します。手動での出力は、担当者の作業に依存しやすい点が課題です。出力のたびに手順書を確認する運用では、ミスも起こりえます。
自動での出力に対応していない製品でも、APIや連携サービスで補える場合があります。出力したファイルの保管場所と、閲覧できる人の範囲を決めておきましょう。個人情報を含むファイルは、不要になった時点で削除します。
社内の業務につなげるフォーム作成ツール
回答を社内のワークフローやデータ管理につなげる観点から、連携性に関わる特徴をもとに取り上げます。連携の対応範囲は個別に確認しましょう。
コラボフォーム
- Excelで作った申込書を見た目そのままWebフォーム化
- 入力内容が社内ワークフローに連携され、転記や再入力が不要に
- 申込書や申請書類をかんたん操作でペーパーレス化
株式会社コラボスタイルが提供する「コラボフォーム」は、社内のワークフローとつながるWebフォーム作成ツールです。入力された内容は、内容の転記や再入力、加工といった手間なく、そのまま社内ワークフローへ連携できます。フォームの入力情報を関係者へ回覧したり、各種ツールへの転記作業を減らしたりしたい場合に検討できます。フォームの埋め込み機能とデータ管理にも対応しており、連携できる範囲や条件は資料請求の際に確認しておくと安心です。
フォームブリッジ (トヨクモ株式会社)
- フォームはコース問わず無制限に作成可能
- 条件分岐やステップフォームで回答率を改善
- マジックリンク/Google/Microsoftアカウント認証に対応
formstack (Formstack,LLC)
- ドラッグ&ドロップ操作でノーコードのオンラインフォーム作成。
- 送信データを自動で他システム・ワークフローに連携。
- 支払い受付や登録、アンケートなど多用途フォームに対応。
formrun (株式会社ベーシック)
- 問合せ対応における一連の流れを効率化!
- 問合せフォームの作成時間を大幅削減!
- 外部機能との連携で更に便利!
フォーム作成ツールに関するよくある質問
フォーム作成ツールの連携性についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:連携先は、導入後に追加や変更ができますか?
- A:標準連携の対応先は、製品ごとに異なります。標準で対応していない連携先でも、APIや連携サービスで接続できる場合があります。将来使う予定のツールも、事前に伝えておきましょう。
- ■Q2:プログラミングの知識がなくても、連携を設定できますか?
- A:標準連携や連携サービスは、画面上の操作で設定できる場合があります。APIを使う連携は、開発が必要になるため、社内の担当者や外部の事業者、ベンダーの導入支援を検討しましょう。
- ■Q3:連携で個人情報を外部のサービスに送るとき、何に注意すべきですか?
- A:送信先のサービスで、個人情報の保管場所や閲覧できる人が適切に管理されているかを確認しましょう。取得時に示した利用目的の範囲内かどうかも、社内の規程や法務部門に確認してください。
- ■Q4:回答データを複数のシステムに同時に渡すことはできますか?
- A:製品によっては、複数の連携先へ同時に渡せる場合があります。渡せない場合は、CSV出力や連携サービスを組み合わせる方法もあります。重複して登録されないかも、あわせて確認しましょう。
まとめ
フォーム作成ツールの連携性は、標準連携、API連携、CSV出力といった方式の違いと、連携先への対応で比較できます。MAやSFA、CRMでは項目の対応づけと重複登録、スプレッドシートや決済システムでは共有範囲とデータの取り扱い、APIでは利用上限と開発の体制が確認点です。自社の業務の流れを整理したうえで、複数の製品の資料を請求して比較してみてください。

