ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■オンプレミスで開発する対象別
- 基幹システムやレガシーシステムの刷新:楽々Framework3、Visual LANSA
- ワークフローを含む全社の業務アプリ:ArielAirOne
- Web・モバイル・デスクトップアプリ:ClarisFileMaker、Visual LANSA
- ■ライセンス・提供形態別
- OSS版と商用ライセンスを選べる:iPLAss
- サーバー台数に応じたライセンス:iPLAss
- オンプレミスとクラウドから環境を選べる:楽々Framework3、ArielAirOne、ClarisFileMaker、iPLAss、Visual LANSA
- ■ベンダーの支援範囲別
- 開発から移行・保守まで依頼できる:Magic受託開発
- 提供会社やパートナー企業にカスタマイズを依頼できる:楽々Framework3
ローコード開発ツールをオンプレミスに置く理由
ローコード開発ツールは、基幹システムと連携する業務アプリの開発に使われることがあります。そうした用途では、クラウド型ではなくオンプレミス型が検討される理由がいくつかあります。代表的な理由を整理します。
基幹データベースへの接続
販売管理や生産管理などの基幹システムのデータベースを、ローコードで作ったアプリから直接読み書きしたい場合、同じ社内ネットワークに置くと接続経路を短くできます。インターネットを経由しないため、外部に向けた通信の許可を最小限に抑えられる点も利点です。
ただし、基幹データベースへの直接の書き込みは、データの整合性に影響する可能性があります。基幹システムの保守ベンダーと、接続してよい範囲や書き込みの方法を事前に取り決めておきましょう。
社内規程や取引先の要件
金融や製造、官公庁向けの業務などでは、システムを置く場所やデータの保管先について、社内規程や取引先との契約で条件が決められている場合があります。条件によっては、自社の管理下にあるサーバーでの運用が求められます。
求められているのが自社で管理するサーバーなのか、国内にあるデータセンターなのかで、選べる製品の範囲が変わります。規程の文言を確認し、クラウド上の自社管理環境でも認められるかを関係部署に確かめておくと、検討の幅を広げられます。
止められない業務での稼働
工場の生産指示や物流の出荷処理など、止まると業務への影響が大きいアプリでは、インターネット回線の障害に左右されずに動かせることが求められる場合があります。オンプレミスであれば、社内ネットワークの中だけで処理を完結させる構成も選べます。
一方で、サーバーの故障や停電への備えは自社で用意する必要があります。予備のサーバーや無停電電源装置など、止めないための設備と費用もあわせて検討しましょう。
オンプレミス型ローコード開発ツールの実行方式
オンプレミス型のローコード開発ツールは、作ったアプリをどのように動かすかで大きく2つの方式に分かれます。方式によって、サーバーに入れるソフトウェアや保守の進め方が変わります。導入前に違いを把握しておきましょう。
製品の実行環境で動かす実行エンジン型
実行エンジン型は、画面や処理の設定内容を、製品が提供する実行環境が読み取ってアプリとして動かす方式です。サーバーには製品本体を入れ、アプリの追加や変更は設定の変更として反映されます。
アプリを動かすには製品の実行環境が必要なため、稼働中は製品の保守契約を続けるのが前提です。製品をバージョンアップすると、作ったアプリもあわせて新しい実行環境で動くことになるため、更新時の動作確認の範囲を把握しておきましょう。
コードを出力して動かすソースコード生成型
ソースコード生成型は、設計した内容からJavaなどのソースコードを出力し、そのコードを汎用のアプリケーションサーバーで動かす方式です。出力したコードを、社内の他のシステムと同じ手順で配置できる場合があります。
生成したコードを自社で改変してよいか、製品の契約を終えた後も使い続けられるかは、製品の利用条件で異なります。契約前に利用条件を確認し、生成コードを読み解ける技術者が社内や委託先にいるかも確かめておきましょう。
コンテナを使った配置
製品によっては、Dockerなどのコンテナ技術での配置に対応しています。コンテナとは、アプリと動作に必要なソフトウェアをまとめて持ち運べる形にする仕組みです。開発環境と本番環境で同じ構成を再現しやすくなる点が利点です。
ただし、コンテナを運用するには、専用の知識や管理する仕組みを社内で用意する必要があります。既存のサーバー運用の手順とあわせられるかを情報システム部門で確認し、対応していない場合は従来型の構成を選ぶ判断も必要です。
開発・検証・本番を分けるオンプレミスの環境設計
オンプレミスでローコード開発ツールを運用する場合、開発用・検証用・本番用の環境を分けて構成するのが基本です。環境を分けることで、開発中の変更が業務に影響するのを防げます。環境ごとの役割と、関連するライセンスの考え方を説明します。
3つの環境の役割
開発環境は、開発者がアプリを作り、試しに動かすための場所です。検証環境は、本番に近い条件で利用部門が動作を確認する場所で、本番環境は業務で実際に使う場所です。検証環境のデータは、個人情報を伏せるなど加工して用意しましょう。
規模の小さい導入では、開発と検証を一つの環境で兼ねる場合もあります。その際も、本番環境とは分けておき、本番データへの影響がないよう権限を設定しておきましょう。
アプリの移送とリリース管理
開発環境で作ったアプリを検証環境や本番環境へ移す作業を、移送と呼びます。ローコード開発ツールには、アプリの設定を書き出して別の環境に取り込む仕組みを持つものがあります。移送の手順が手作業中心か、自動化できるかは製品ごとに確認が必要です。
あわせて、誰がいつ本番環境へ反映したかを記録し、問題があった場合に前の状態へ戻す手順も決めておきます。変更履歴を残せる仕組みがあるかも、選定時の確認項目に加えましょう。
開発者ライセンスと実行ライセンスの違い
オンプレミス型のローコード開発ツールでは、アプリを作る開発者向けのライセンスと、作ったアプリを動かすための実行環境や利用者向けのライセンスが分かれている場合があります。どれが必要かは製品ごとに異なります。
検証環境や待機用の予備サーバーにも、別途ライセンスが必要になる場合と、そうでない場合があります。環境の数を決めた段階で、必要なライセンスの種類と数をベンダーに見積もってもらうと、想定外の費用を防げます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミスで避けられないバージョンアップ対応
クラウド型では提供会社が担う更新作業も、オンプレミス型では自社で計画して実施します。ローコード開発ツール本体だけでなく、土台となるOSやデータベースにもサポート期限があります。長く運用するために押さえたい点を見ていきます。
製品の更新と作ったアプリへの影響
ローコード開発ツールをバージョンアップすると、作ったアプリの画面表示や処理の動きが変わる可能性があります。特に、独自に追加したコードが製品の内部の仕組みに依存している場合は、更新後に動かなくなることもあります。
更新の前には検証環境で主要なアプリを動かし、結果を確認してから本番環境に反映します。製品のリリースノートで変更点を確認し、影響の大きい変更があれば、事前に利用部門へ伝えておきましょう。
OSやデータベースのサポート期限
オンプレミスでは、サーバーのOSやデータベース、アプリケーションサーバーなどのミドルウェアにもそれぞれサポート期限があります。期限を過ぎると、セキュリティの修正が提供されなくなるおそれがあります。
一方、ローコード開発ツールの新しいバージョンが、古いOSやデータベースに対応しない場合もあります。製品の対応表とOSなどのサポート期限を並べ、どの時期に何を更新するかの計画を立てておくと安心です。
脆弱性情報への対応
脆弱性とは、ソフトウェアのセキュリティ上の弱点のことです。ローコード開発ツールや関連するソフトウェアで脆弱性が見つかった場合、オンプレミスでは自社で修正プログラムを適用する必要があります。
提供会社が脆弱性情報をどのように通知するか、修正版をどのくらいの頻度で提供しているかを確認しておきましょう。社内でも、情報を受け取る担当と適用を判断する手順を決め、複数のメンバーで共有しておくと対応の遅れを防げます。
オンプレミス運用を支えるベンダーとの役割分担
オンプレミスでは自社の作業範囲が広がるため、提供会社や販売パートナーにどこまで支援してもらえるかが運用の負担を左右します。契約前に確認しておきたい分担の考え方を紹介します。
導入時の構築支援の範囲
導入時の支援には、サーバー構成の提案や製品の設置作業、初期設定の代行、開発者向けの研修などがあります。どこまでが標準の契約に含まれ、どこからが別料金になるかは提供会社によって異なります。
見積もりを依頼する際は、サーバーの用意やOSの設定は自社で行うのか、製品の設置から先をベンダーが担うのかを明確にしておきましょう。分担を文書で残しておくと、導入後の認識違いを防げます。
障害時の問い合わせと保守契約
障害が起きた際は、原因がローコード開発ツールにあるのか、OSやネットワーク、作ったアプリにあるのかを切り分ける必要があります。問い合わせ窓口の受付時間や、ログの提出方法、調査の範囲を契約前に確認しておきましょう。
保守契約の内容には、問い合わせ対応だけの場合と、修正版の提供やリモートでの調査を含む場合があります。業務への影響が大きいアプリを動かす場合は、夜間や休日の対応が可能かも確かめておくと安心です。
自社サーバーで運用できるローコード開発ツール一覧
オンプレミスでの稼働に対応するローコード開発ツールと、構築・保守を依頼できるサービスを一覧にしました。開発対象や既存システムとの連携、運用支援の範囲を比較する際に役立ててください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 楽々Framework3 | 基幹システム開発やレガシー刷新を支える部品組み立て型のローコード開発基盤。多様なOS・データベースに対応 |
| ArielAirOne | 大企業向けの業務アプリ開発基盤。複雑なワークフローやスクリプトによる機能拡張、Notes移行に対応 |
| Magic受託開発 | Magic xpaを利用したローコード受託開発。プロトタイプを活用し、既存システムからの移行や保守まで支援 |
| ClarisFileMaker | カスタムAppを作成するローコード開発基盤。クラウド・オンプレミス・ハイブリッド展開に対応 |
| iPLAss | OSS版と商用ライセンスを提供する開発基盤。Java・Groovyに対応し、サーバー台数に応じたライセンスを採用 |
| Visual LANSA | Web・モバイル・デスクトップアプリを構築するローコード開発基盤。システム連携やモダナイゼーションにも対応 |
基幹システムの近くで動かせるローコード開発基盤
自社サーバーへの設置に対応したローコード開発ツールと、構築から保守まで依頼できるサービスを紹介します。対応するOSやデータベース、ライセンス条件、保守の範囲を確認しながら比較してみてください。
楽々Framework3
- EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
- 部品活用で高品質・標準化されたシステム開発
- 開発から運用保守まで支え、継続改善と内製化を実現
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、基幹システムの開発やレガシーシステムの刷新に使われる、部品組み立て型のローコード開発基盤です。オンプレミスとクラウドの両方に対応し、Windows ServerやLinux、IBM iなどのサーバーOS、PostgreSQLやSQL Server、Oracleなどのデータベースを利用できます。開発だけでなく、テストやリリース、運用・監視まで支援する機能を備え、製品のバージョンアップも無償で提供。長期運用を前提とした基幹システムの開発や保守に適しています。
ArielAirOne
- 大手企業のペーパーレスをノーコード/ローコードで実現
- Notes移行ツールで管理者と現場の移行負荷を大幅に削減
- スクリプトを設定することで、複雑なアプリケーション作成も可能
株式会社ワークスアプリケーションズが提供する「ArielAirOne」は、オンプレミスとクラウドの両方に対応した大企業向けの業務アプリ開発プラットフォームです。豊富なコンポーネントを組み合わせるローコード開発に加え、個別の要件にはスクリプトによる機能拡張で対応できます。条件分岐や同時回覧など複雑なワークフローを設定でき、LDAP(Active Directory)連携やSAML2.0認証にも対応。Notesのアプリやデータを移行するツールも用意されており、既存の業務基盤を刷新したい大企業の選択肢です。
Magic受託開発
- プロトタイプ先行のアジャイル開発
- Magic xpaで短納期ローコード開発
- システム移行や保守まで一括支援
株式会社フォリウムが提供する「Magic受託開発」は、ローコード開発ツールMagic xpaを用いて業務システムを構築する受託開発サービスです。オンプレミスとクラウドの両方に対応し、プロトタイプを確認しながら要件を調整するアジャイル型で開発を進めます。既存のスクラッチシステムからの移行や、製造・テスト工程のみの受託、保守・運用、小規模改修にも対応。自社で対応しきれない開発や保守を外部へ委託したい企業に向いています。参考価格は150,000円~です。
ClarisFileMaker (Claris International Inc.)
- 自然言語検索や予測分析をカスタムAppに組込める。
- 多様な環境で、クラウド・オンプレミス・ハイブリッド展開対応。
- APIやJSON、JavaScriptを活用した業務システム構築を支援。
iPLAss (株式会社電通総研)
- OSS版提供、必要に応じライセンス購入可能
- サーバ台数に応じたライセンスで、コスト増を抑制。
- Java/Groovy対応、プロ開発者も納得の開発基盤
Visual LANSA (株式会社ランサ・ジャパン)
- 30年の歴史、導入実績8000社以上。
- ローコード開発、連携、モダナイゼーションを統合。
- 単一言語とIDEで全てを生成
まとめ
ローコード開発ツールをオンプレミスで運用する利点は、基幹システムの近くで動かせることや、データの置き場所を自社で決められることです。その分、実行方式の選択や開発・検証・本番の環境分け、製品やOSのバージョンアップへの対応を自社で計画する必要があります。ベンダーとの役割分担も含めて、長く運用できる体制を整えましょう。ノーコード・ローコード開発ツールの資料請求をして、オンプレミスへの対応状況や保守の範囲を確認してみてください。

