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ローコード開発ツールの種類を動作方式と用途の2軸で見分ける

ローコード開発ツールの種類を動作方式と用途の2軸で見分ける

ローコード開発ツールの種類は、作ったアプリをどう動かすかという動作方式と、何を作るかという用途の2つの軸で見分けられます。動作方式はコード生成型と実行エンジン型に、用途は汎用型、ワークフロー型、データベース型、データ連携型に分かれます。この記事では、ノーコード・ローコード開発ツールを検討する情報システム部門に向けて、種類ごとの特徴と、保守や移行への影響、開発するシステム別の組み合わせ方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■動作方式別
    • ソースコードを生成して自社で動かす(コード生成型):AppBuilder
    • 製品の基盤上でアプリを動かす(実行エンジン型):キントーン、SmartDB、JUST.DB
    ■用途別

    ローコード開発ツールの種類を見分ける2つの軸

    ローコード開発ツールは、画面操作を中心に少ないコードで開発できる点は共通していますが、仕組みや得意な用途は製品によって異なります。種類を見分ける際は、「どう動かすか」と「何を作るか」の2つの軸に分けて考えると整理しやすくなります。

    動作方式による分け方

    動作方式は、画面で設定した設計情報を、最終的にどのような形で動かすかによる分け方です。設計情報からソースコードを生成して自社の環境で動かすコード生成型と、製品の専用基盤が設計情報を読み込んで動かす実行エンジン型に大きく分かれます。

    動作方式は、完成後の保守を誰が担うか、将来ほかの製品へ移せるかに関わります。画面の見た目だけでは違いがわかりにくいため、資料請求や問い合わせの段階で確認しておきたい項目です。

    用途による分け方

    用途は、ローコード開発ツールで主に何を作るかによる分け方です。次の4種類に整理できますが、1つの製品が複数の用途に対応する場合もあるため、主に想定している用途を見極めましょう。

    種類主な用途
    汎用型画面やデータ、処理を自由に組み、幅広い業務システムを作る
    ワークフロー型申請や承認など、複数の人が順に処理する流れをシステム化する
    データベース型台帳や案件管理など、業務データの蓄積と共有を中心に作る
    データ連携型複数のシステムやクラウドサービスの間でデータをつなぐ

    ノーコード開発ツールとの線引き

    ノーコード開発ツールは、コードを一切書かずに用意された部品だけで作る方法です。一方、ローコード開発ツールは、部品で作れない部分をコードで補えるため、複雑な処理や基幹システムとの連携にも対応しやすくなります。

    ただし、データベース型やワークフロー型の製品には、普段はノーコードで使い、必要なときだけコードを書けるものもあります。製品の呼び名よりも、コードでどこまで拡張できるかを確かめることが大切です。

    関連記事 ノーコード開発とは?ローコード開発との違いやメリット・デメリットを解説

    保守と移行を左右する動作方式の種類

    動作方式の違いは、導入時よりも、数年使ってから保守したり製品を切り替えたりする場面で影響が大きくなります。コード生成型と実行エンジン型の仕組みと向いている開発を整理したうえで、自社に向く方式の見極め方を紹介します。

    コード生成型の仕組みと向く開発

    コード生成型は、画面で設定した設計情報から、一般的な言語やフレームワークのソースコードを自動で生成する種類です。生成したコードは、自社のサーバーやクラウド環境に配置して動かします。

    ソースコードが手元に残るため、製品の利用をやめた後もシステムを動かし続けられる場合があります。一方で、生成したコードを手作業で直すと設計情報との対応が崩れることがあるため、修正のルールが必要です。社内にコードを読める開発者がいて、基幹システムのように長く使うシステムを作る場合に検討されます。

    実行エンジン型の仕組みと向く開発

    実行エンジン型は、設計情報を製品の専用基盤が読み込み、その上でアプリを動かす種類です。ソースコードを管理する必要がなく、設定を変えれば画面や処理にすぐ反映されます。

    基盤の保守やバージョンアップは提供会社が担うため、運用の負担を抑えられます。その代わり、作ったアプリはその製品の基盤でしか動かない場合があり、製品を変える際には作り直しが必要です。改修の頻度が高い業務アプリや、運用の担い手が限られる企業に向いています。

    自社に向く動作方式の見極め方

    動作方式を選ぶ際は、まず完成後のシステムを誰が保守するかを考えます。生成されたコードを社内や委託先で保守できるならコード生成型、基盤の保守を提供会社に任せたいなら実行エンジン型が候補です。

    あわせて、製品の利用をやめるときに何を持ち出せるかも確認しましょう。データの書き出し形式や、設計情報を文書として出力できるかは、どちらの方式でも製品によって異なります。製品によっては両方の性格をあわせ持つ場合もあるため、試用で実際の動き方を確かめると判断の精度が上がります。

    関連記事 ノーコード開発ツールおすすめ24選を比較!選び方も解説

    用途で分かれるローコード開発ツールの4種類

    用途の軸では、業務の流れや処理を作る種類と、データの扱いを中心にした種類に大きく分けられます。ここでは、汎用型とワークフロー型、データベース型とデータ連携型をそれぞれ組にして、特徴と向いている開発を紹介します。

    業務の流れを作る汎用型とワークフロー型

    汎用型は、データの構造や画面、処理の流れを組み合わせて、販売管理の周辺システムや顧客向けのWebシステムなど、幅広いシステムを作れる種類です。自由度が高い分、データの設計を考える力が求められ、主に情報システム部門や開発会社が使います。

    ワークフロー型は、稟議や経費の申請、契約書の確認など、複数の人が順番に処理する業務を作る種類です。承認ルートを図のような画面で設計し、条件による分岐や差し戻しを設定できます。人事システムと連携して、組織の情報を取り込めるかも確認しましょう。

    データを扱うデータベース型とデータ連携型

    データベース型は、顧客台帳や案件管理、問い合わせ履歴など、業務データの登録と検索、共有を中心にしたアプリを作れる種類です。Excelの表を取り込んで入力画面と一覧画面を作れる製品もあり、業務部門の担当者も開発に加わりやすい傾向です。

    データ連携型は、基幹システムとクラウドサービスの間でデータを自動で受け渡す処理を、画面上で組み立てられる種類です。iPaaS(クラウド上でシステム同士をつなぐサービス)と呼ばれる製品も含まれ、ほかの種類で作ったアプリと基幹システムをつなぐ役割で使われることもあります。

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    提供形態で変わるローコード開発ツールの運用

    ローコード開発ツールには、インターネット経由で使うクラウド型と、自社のサーバーに導入するパッケージ型があります。動作方式や用途が同じでも、提供形態によって、運用で自社が担う範囲は変わります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

    クラウド型の運用

    クラウド型は、開発環境と実行環境を提供会社が用意するため、サーバーの準備なしに開発を始められます。試用期間や無料の開発環境を用意している製品もあり、本格導入の前に使い勝手を確かめやすい点が特徴です。

    一方で、製品のバージョンアップの時期は提供会社の計画に沿って決まります。書き足したコードが更新後も想定どおり動くかを、検証環境で事前に試せるかを確認しておきましょう。データを保存する地域や、通信の暗号化の方法もあわせて確かめておくと安心です。

    関連記事 無料のノーコード開発ツール9選!選び方やメリットも解説

    パッケージ型の運用

    パッケージ型は、自社のサーバーやクラウド上の自社環境に導入して使う種類です。社内の規程でデータを社外に置けない場合や、社内ネットワーク内の基幹システムと密に連携したい場合に選ばれます。

    サーバーの用意や製品のバージョンアップ、障害時の対応は自社で担うため、運用の体制を整える必要があります。保守の契約でどこまで提供会社に相談できるか、更新版の提供方法はどうなっているかを、導入前に確認しておきましょう。

    関連記事 ノーコード・ローコード開発のセキュリティ対策と運用管理の考え方

    開発するシステム別に見る種類の組み合わせ

    ローコード開発ツールの種類は、動作方式と用途、提供形態を組み合わせて選びます。ここでは、開発するシステムの代表例を3つ取り上げ、どの種類の組み合わせが候補になりやすいかを紹介します。自社の開発計画と照らしあわせてみてください。

    基幹システムの刷新

    長く使う基幹システムを作り直す場合は、汎用型の中から動作方式を選ぶことが出発点です。コードを自社で保守できる体制があり、将来の移行のしやすさを重視するならコード生成型が候補に挙がります。

    社内ネットワーク内のほかのシステムと密に連携する場合は、パッケージ型も選択肢です。利用者の数やデータ量が多いシステムでは、本番に近い条件で性能を試せるかも、提供会社に確認しておきましょう。

    全社の申請・承認の仕組み

    稟議や各種申請を全社で統一したい場合は、ワークフロー型が中心の候補です。組織変更のたびに承認ルートを直す必要があるため、設定の変更がすぐに反映される実行エンジン型のクラウド型は、改修の手間を抑えたい企業にとって有効な選択肢です。

    承認後のデータを会計システムなどへ送る場合は、ワークフロー型の連携機能で足りるか、データ連携型を組み合わせるかを検討します。連携に失敗したときに通知や再実行ができるかも確かめておきましょう。

    部門の業務アプリ

    部署ごとのExcel台帳をまとめる、案件の進み具合を共有するといった部門の業務アプリには、データベース型が向いています。業務部門の担当者が画面を作り、情報システム部門が権限や公開範囲を確認する分担を取りやすいためです。

    部門のアプリは数が増えやすいため、情報システム部門が作成済みのアプリを一覧で把握できるかも確認しましょう。作る自由と管理の仕組みを両立できるかが、全社に広げる際のポイントです。

    動作方式と用途で整理した製品一覧

    ローコード開発ツールを中心に、関連するノーコード製品も含めて特徴を一覧にまとめました。動作方式や得意な用途の違いを比較してみましょう。

    製品名特徴
    楽々Framework3部品組み立て型の汎用的なローコード基盤。基幹システムの開発にも対応
    ArielAirOneワークフローと業務アプリの開発ツールを兼ねる、ワークフロー型の製品
    SmartDBワークフロー&文書管理に強い、SaaS型のノーコード開発プラットフォーム
    キントーンWebデータベースとして業務データを管理する、クラウド型のアプリ作成サービス
    JUST.DBノーコードのクラウドデータベース。データフローで集計や加工も自動化
    軽技WebDBExcelやCSVを取り込んでPostgreSQLに登録する、オンプレミス型のWebデータベース
    AppBuilderデザインからAngular・Blazor・Web Componentsのコードを生成できる
    mendixクラウド・オンプレミスの双方で稼働できる、汎用的なローコード開発プラットフォーム
    CDataAPIServerデータベースのデータをノーコードでAPI化する、データ連携型のツール
    ダッシュコムCRUD・ETLの構築とAPI連携をブラウザ操作で行える、データ連携向けのローコード

    動作方式と用途で見分ける製品の例

    ここでは、ローコード開発ツールを中心に、関連するノーコード製品も含めて紹介します。動作方式や得意な用途の違いを比較し、自社の開発目的にあう製品を検討してください。

    楽々Framework3

    住友電工情報システム株式会社
    《楽々Framework3》のPOINT
    1. EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
    2. 部品活用で高品質・標準化されたシステム開発
    3. 開発から運用保守まで支え、継続改善と内製化を実現

    住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、幅広い業務システムを開発できる汎用型のローコード開発基盤です。画面遷移や処理の流れをまとめた開発部品を組み合わせて開発し、サーバーやデータベースなど、対応する環境も多岐にわたります。基幹システムや周辺システムを自社の環境で長く運用する、汎用型を探している場合の選択肢です。

    ArielAirOne

    株式会社ワークスアプリケーションズ
    《ArielAirOne》のPOINT
    1. 大手企業のペーパーレスをノーコード/ローコードで実現
    2. Notes移行ツールで管理者と現場の移行負荷を大幅に削減
    3. スクリプトを設定することで、複雑なアプリケーション作成も可能

    株式会社ワークスアプリケーションズが提供する「ArielAirOne」は、ワークフローの開発を中心に、ポータルや業務アプリまで作れるローコードの製品です。条件分岐や同時回覧、根回しなどの複雑な承認の流れに対応し、スクリプトを使えば個社固有の要件も組み込めます。申請・承認の流れを作る用途で、大手企業の複雑な画面や流れに対応したい場合に向きます。

    SmartDB

    株式会社ドリーム・アーツ
    《SmartDB》のPOINT
    1. ノーコードで業務部門でも開発できます
    2. 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
    3. 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます

    株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、申請・承認の流れと文書の管理を同時に扱える、ワークフロー型のクラウドサービスです。製品側が用意する基盤の上でアプリを動かすSaaS型で、合議や条件分岐、代行承認、多数決承認などを、プログラムを書かずに設定できます。大企業の複雑な承認ルートを作りたい場合の選択肢です。

    キントーン

    サイボウズ株式会社
    《キントーン》のPOINT
    1. AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
    2. 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
    3. プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に

    サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、業務データを蓄積し、アプリとして使えるクラウド型のサービスです。製品側の基盤の上でアプリを動かすSaaS型で、データベース型の用途として台帳や案件の管理に使われます。100以上のサンプルアプリから始められ、プラグインや連携サービスで機能を広げられます。データを項目ごとに整理して一覧や集計で確認でき、現場の担当者が自分で台帳を育てていく使い方に向いています。

    JUST.DB

    株式会社ジャストシステム
    《JUST.DB》のPOINT
    1. 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
    2. 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
    3. 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制

    株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、ノーコードで業務データを管理するクラウド型のデータベースです。製品側の基盤で動くSaaS型で、データテーブルを設計しながら、ワークフローやリアルタイム集計、帳票出力を組み合わせられます。データの編集や統合などをパーツでつなぐデータフロー機能もあり、データベース型で選ぶ場合の候補です。

    軽技WebDB

    富士電機ITソリューション株式会社
    《軽技WebDB》のPOINT
    1. ノーコードでExcel/CSVを取込みWebアプリを即生成
    2. 複数アプリを結合しPostgreSQL上で一元管理
    3. BIツール軽技Web連携でレポートやダッシュボード作成

    富士電機ITソリューション株式会社が提供する「軽技WebDB」は、データベース型の用途に当たる、オンプレミスのノーコードツールです。複数のアプリを結合して一元管理でき、ExcelやCSVの取り込みにも対応しています。BIツールの「軽技Web」とあわせて、集めたデータのレポートやダッシュボードも作れます。

    AppBuilder (インフラジスティックス・ジャパン株式会社)

    《AppBuilder》のPOINT
    1. 60以上のUIを備えたWYSIWYG設計環境。
    2. デザインからAngular・Blazorのコードをワンクリック生成。
    3. クラウド上でチーム共有可能、IDEや依存なしで利用可。

    mendix (シーメンス株式会社)

    《mendix》のPOINT
    1. 直感的な設計と既存システム統合で企業利用に適している。
    2. マルチクラウド・オンプレ対応で環境に柔軟適応。
    3. ビジネス/開発者共同開発可能なDX加速プラットフォーム

    CDataAPIServer (CData Software Japan合同会社)

    《CDataAPIServer》のPOINT
    1. ノーコードで数分でAPI公開・管理
    2. OData/Open API仕様に対応
    3. Salesforce Connect連携可能

    ダッシュコム (株式会社Dashcomb)

    《ダッシュコム》のPOINT
    1. アカウント開設から利用開始まで最短1日
    2. ブラウザ操作のみでCRUD/ETLシステムを構築可能
    3. データ保持せず、プライベートデプロイ可能

    まとめ

    ローコード開発ツールの種類は、動作方式ではコード生成型と実行エンジン型に、用途では汎用型、ワークフロー型、データベース型、データ連携型に分けられます。動作方式は保守と移行に、用途は作れるシステムに関わるため、提供形態とあわせて考えることが大切です。開発するシステムにあう組み合わせを想定したうえで、ノーコード・ローコード開発ツールを資料請求し、製品を比較検討してください。

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