クラウド型のノーコード・ローコード開発とは
クラウド型のノーコード・ローコード開発とは、インターネット上の開発環境を使い、業務アプリやデータベースを作成する仕組みです。まずは、ノーコードとローコードの違い、クラウド型の特徴を整理しましょう。
プログラミングを抑えて開発する仕組み
ノーコード・ローコード開発とは、プログラミングの量を抑えながらアプリや業務システムを作る方法です。ノーコードは、画面操作や部品の組み合わせで開発する方式を指します。ローコードは、必要に応じて少量のコードを書き、より複雑な処理や外部連携に対応する方式です。
従来の開発では、要件定義から設計、実装、テストまでを専門部門が担うことが一般的でした。一方、ノーコード・ローコード開発では、現場部門が業務に近い目線でアプリ作成に関われます。
クラウド型は環境準備の負担を抑えやすい
クラウド型のノーコード・ローコード開発は、サーバや開発環境を自社で用意せずに利用しやすい点が特徴です。ブラウザから管理画面へアクセスし、アプリ作成や設定変更を行う製品が多くあります。
初期構築にかかる負担を抑えやすいため、小さな業務改善から始めたい企業にも向いています。ただし、クラウド上で業務データを扱うため、認証方法や権限設定、データ保護の確認は重要です。
オンプレミス型との違い
オンプレミス型は、自社のサーバ環境にシステムを構築して利用する形態です。自社のセキュリティ方針にあわせて管理しやすい反面、環境構築や運用保守の負担が大きくなる場合があります。
クラウド型は、提供会社が基盤の管理を担う範囲が広く、アップデートも受けやすい傾向です。スピードを重視するならクラウド型、個別要件や既存環境との細かな統制を重視するならオンプレミス型も候補になります。
クラウド型のノーコード・ローコード開発でできること
クラウド型のノーコード・ローコード開発では、現場業務に必要なアプリ作成やデータ管理、ワークフローの電子化などを進められます。どの業務を改善したいかによって、必要な機能は変わります。
業務アプリを作成する
クラウド型のノーコード・ローコード開発では、案件管理、問い合わせ管理、備品管理、日報、顧客管理などの業務アプリを作成できます。表計算ソフトで管理していた情報をアプリ化すると、入力項目や閲覧権限を整えやすくなります。
特に、部署ごとに似たような管理表が増えている企業では、情報の重複や転記ミスが課題になりがちです。アプリとして管理すれば、入力ルールを統一し、検索や集計の手間も減らせるでしょう。
申請や承認を電子化する
稟議申請、経費申請、休暇申請、契約確認などの承認業務にも活用できます。紙やメールで進めている申請をワークフロー化すれば、誰で止まっているかを把握しやすくなります。
承認ルートを部署や金額条件に応じて設定できる製品なら、社内規程にあわせた運用も検討しやすいです。クラウド型であれば、外出先や在宅勤務中でも申請内容を確認しやすくなります。
データを集計して可視化する
入力されたデータを一覧やグラフで表示し、業務状況を確認できる製品もあります。例えば、営業案件の進捗、問い合わせ件数、作業依頼の滞留状況などを可視化できます。
現場で入力された情報が自動で集計されれば、管理者が表計算ソフトに転記する作業を減らせます。会議資料の作成や進捗確認に使う場合は、レポート機能やダッシュボード機能を確認しましょう。
外部システムと連携する
ローコード寄りの製品では、顧客管理システムや販売管理システム、チャットツール、表計算ソフトなどとの連携に対応する場合があります。既存システムのデータを活用できれば、入力の重複を抑えられます。
ただし、連携方法は製品によって異なるため注意が必要です。API連携、ファイル連携、コネクターの有無、追加費用まで確認すると、導入後の想定外を防ぎやすくなります。
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クラウド型のノーコード・ローコード開発のメリット
クラウド型のノーコード・ローコード開発は、開発スピードや現場改善、運用負荷の面でメリットがあります。一方で、作れば終わりではないため、管理者の役割もあわせて考える必要があります。
開発までの期間を短縮しやすい
メリットは、業務アプリの作成までにかかる期間を短縮しやすい点です。テンプレートや入力フォーム、一覧画面の部品を使えば、ゼロから設計する負担を抑えられます。
小さな改善であれば、現場の要望を聞きながら試作し、運用しながら調整する流れも取りやすいです。要件が固まりきっていない業務でも、段階的に形にしやすいでしょう。
現場部門が改善に関わりやすい
ノーコード・ローコード開発は、現場部門が自分たちの業務に近い形で改善案を反映しやすい方法です。実際に作業している担当者が入力項目や承認ルートを考えられるため、使われやすいアプリを作りやすくなります。
情報システム部門だけに開発依頼が集中している企業では、改善要望の滞留を減らす効果も期待できます。ただし、現場任せにせず、命名ルールや権限設計の基準を決めることが大切です。
在宅勤務や拠点利用に対応しやすい
クラウド型なら、インターネット環境があれば社外からも利用しやすくなります。在宅勤務、外出先、複数拠点で同じアプリを使いたい企業に有用です。
例えば、営業担当が外出先で案件情報を入力し、管理者が本社から進捗を確認する運用が考えられます。社外利用を想定する場合は、多要素認証や接続制限、端末管理との組み合わせも確認しましょう。
運用保守の負担を抑えやすい
クラウド型では、基盤の保守やバージョンアップを提供会社が担う範囲が多くあります。自社でサーバを管理する場合と比べ、運用負荷を抑えやすい点は魅力です。
一方で、アプリの棚卸しや権限の見直しは自社側の役割です。使われていないアプリや重複したアプリが増えると、管理が複雑になります。定期的に利用状況を確認する運用を作りましょう。
ノーコード・ローコード開発クラウドの比較ポイント
クラウド型のノーコード・ローコード開発を選ぶ際は、作りやすさだけで判断しないことが大切です。利用者の範囲、管理機能、連携、セキュリティまで確認しましょう。
作りたいアプリに対応するか
まず確認したいのは、自社が作りたいアプリを実現できるかです。フォーム中心の管理アプリ、承認ワークフロー、データ分析、外部公開フォームでは、必要な機能が異なります。
| 作りたいもの | 確認したい機能 |
|---|---|
| 業務管理アプリ | 入力フォーム、一覧表示、検索、集計、権限設定 |
| 申請承認アプリ | 承認ルート、差し戻し、通知、代理承認、履歴管理 |
| データ活用アプリ | グラフ表示、ダッシュボード、外部データ連携、出力機能 |
| 現場入力アプリ | スマートフォン対応、写真添付、オフライン利用、位置情報 |
利用者が操作しやすいか
現場部門が使う場合は、画面のわかりやすさが重要です。入力項目が多すぎたり、ボタンの位置がわかりにくかったりすると、利用が定着しにくくなります。
管理者側の操作性も確認しましょう。項目追加、画面変更、承認ルートの修正を社内で行えるかによって、導入後の改善スピードが変わります。デモやトライアルで実際の業務に近いアプリを作ると判断しやすいです。
権限管理や監査に対応するか
クラウド型のノーコード・ローコード開発では、業務データを複数部門で扱うことがあります。そのため、閲覧、編集、承認、管理者権限を細かく分けられるか確認しましょう。
利用者が自由にアプリを作れる環境では、機密情報の扱いにも注意が必要です。アクセスログ、変更履歴、アプリ作成権限の制御、退職者のアカウント停止などを確認すると安心です。
既存システムと連携しやすいか
すでに顧客管理システムや基幹システムを利用している場合は、連携のしやすさを確認しましょう。データを二重入力する運用では、現場の負担が残りやすくなります。
API、CSV入出力、外部サービス連携、シングルサインオンへの対応を比較するとよいでしょう。連携には追加費用や開発支援が必要な場合もあるため、資料請求時に条件を確認してください。
自社にあうクラウド型ノーコード・ローコード開発の見極め方
製品比較では、機能一覧だけでなく、自社の開発体制や運用ルールとの相性を見ることが重要です。導入後に使い続けるために、誰が作り、誰が管理するのかを明確にしましょう。
現場主体か情報システム主体かを決める
ノーコード・ローコード開発を導入する前に、誰がアプリを作るのかを決めましょう。現場部門が主体なら、直感的な操作性やテンプレートの豊富さが重要です。
情報システム部門が主体なら、権限管理や標準化、外部連携、監査対応を重視する必要があります。両者で役割分担する場合は、作成できる範囲と承認フローを決めておくと運用しやすくなります。
小さく始められるかを確認する
最初から全社システムを置き換えるのではなく、特定業務から始められるかを確認しましょう。例えば、紙の申請、表計算ソフトの台帳、メール依頼の管理などは、効果を確認しやすい領域です。
小さく始めると、利用者の反応や改善点を把握しやすくなります。運用が定着してから、他部署や関連業務へ広げる流れが現実的です。
管理ルールを先に作れるか
ノーコード・ローコード開発では、アプリを作りやすいからこそ管理ルールが重要です。命名規則、管理者、データ保存期間、権限の付与基準、廃止手順を決めておきましょう。
- ■アプリ作成の申請ルール
- 誰が、どのような目的でアプリを作るのかを事前に確認するルール
- ■権限付与の基準
- 閲覧や編集、管理者権限を業務役割に応じて設定する基準
- ■定期的な棚卸し
- 使われていないアプリや重複したアプリを確認し、整理する運用
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クラウド型ノーコード・ローコード開発を比較
ここからは、おすすめのノーコード・ローコード開発製品を紹介します。業務アプリ作成、ワークフロー、データ活用、現場入力など、重視する用途にあわせて比較しましょう。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、ノーコードで業務データベースを構築できる製品です。部署ごとに分散している台帳や管理表を整理し、入力、検索、集計まで一元化したい企業に向いています。現場部門が自ら改善を進める場合は、画面作成のしやすさや権限設定、生成AI関連機能の活用範囲を確認すると比較しやすくなります。
AppSuite
- 多種多様なアプリライブラリから業務に合わせたアプリを選択可能
- 直感操作でデータ編集や検索、並べ替えなどが簡単に行えます
- 集計データをポータルで共有してスムーズに社内で情報共有可能
株式会社ネオジャパンが提供する「AppSuite」は、ノーコード業務アプリ作成ツールです。社内で利用する申請フォームや台帳、業務管理アプリを作成したい企業に向いています。グループウェアや社内ポータルとあわせて使う場合は、情報共有の流れや承認業務とのつながりを確認するとよいでしょう。
esm appli
- 様々な業務を専門知識・プログラミング不要で簡単にWebアプリ化
- 散在している情報を一元管理することで、業務を効率化
- リアルタイムであらゆる情報を共有できるため、属人化の解消へ
ソフトブレーン株式会社が提供する「esm appli」は、プログラミング不要で業務管理をアプリ化できるノーコードアプリです。現場で発生する業務情報を整理し、管理表や依頼内容をアプリで扱いたい企業に適しています。クラウド型として導入する場合は、利用部門の範囲やデータ項目の設計、運用後の変更しやすさを確認しましょう。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、大企業向け業務デジタル化クラウドとして掲載されている製品です。複数部門にまたがる申請や業務プロセスをデジタル化したい企業に向いています。クラウド型のノーコード・ローコード開発を全社で活用する場合は、権限管理や承認フロー、既存業務との連携範囲を確認するとよいでしょう。
楽々Webデータベース
- 活エクセル|Excelを活用したままExcel業務の課題解決
- かんたん構築|ノーコードでだれもがIT人材に
- つなげて活用|貯めたデータも人もつなげて新たな価値を
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Webデータベース」は、Webアプリで表計算ソフト業務の効率化を支援するノーコード型製品です。表計算ソフトで管理している台帳や申請データを、Web上で共有、検索、集計したい企業に向いています。入力ルールを統一したい場合や、部門間で同じ情報を扱いたい場合に比較候補になります。
Platio
- ノーコードで誰でも簡単に業務アプリ作成
- 初期費用ゼロ!月々2万円台からの始めやすい価格感
- 現場に合った業務アプリをスピード導入
アステリア株式会社が提供する「Platio」は、現場業務で使うアプリ作成に活用できるノーコード開発製品です。スマートフォンやタブレットからの入力を想定する業務で、点検、報告、記録、現場写真の管理などに利用しやすいでしょう。外出先や店舗、工場で使う場合は、端末対応や入力画面の操作性を確認してください。
楽々Framework3
- スクラッチ開発より5倍以上の生産性。素早くシステムをリリース
- ノンコーディングで品質も担保、テスト工数も大幅削減
- 部品の組合せの変更だけで修正開発も容易。内製化に最適
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、部品組み立て型のローコード開発プラットフォームです。業務に適用できる部品を組み合わせ、Webアプリ開発を進めたい企業に向いています。現場改善だけでなく、基幹業務に近いシステム開発も検討する場合は、開発体制や保守運用、既存システムとの連携条件を確認しましょう。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、業務アプリを作成し、チーム内の情報共有や進捗管理に活用できる製品です。案件管理、問い合わせ管理、タスク管理など、表計算ソフトで管理していた業務のアプリ化を検討する企業に適しています。クラウドで利用する際は、利用者数やプラグイン、外部サービス連携の条件も比較しましょう。
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クラウド型のノーコード・ローコード開発に関するFAQ
クラウド型のノーコード・ローコード開発を検討する際は、開発範囲やセキュリティ、運用体制に関する疑問が出やすくなります。導入前によくある質問を整理します。
- Q1:ノーコードとローコードはどちらを選ぶべきですか?
- 現場部門が管理表や申請フォームを作る用途なら、ノーコード型が使いやすい場合があります。外部システム連携や複雑な業務ロジックが必要なら、ローコード型も候補です。自社で作りたいアプリの複雑さにあわせて選びましょう。
- Q2:クラウド型でもセキュリティは大丈夫ですか?
- クラウド型でも、認証、権限管理、ログ取得、データ保護に対応した製品を選べば、社内ルールに沿った運用を検討できます。ただし、設定内容や運用ルールは自社側の管理も重要です。利用者権限や退職者アカウントの管理方法を確認しましょう。
- Q3:情報システム部門が関与しなくても運用できますか?
- 現場部門だけで小さなアプリを作れる製品もありますが、全社利用では情報システム部門の関与が重要です。権限設計、データ管理、外部連携、アプリの棚卸しは統制が必要になります。現場と情報システム部門で役割を分けると運用しやすくなります。
- Q4:表計算ソフトから移行する際の注意点はありますか?
- まず、現在使っている表の目的、入力者、更新頻度、参照者を整理しましょう。項目をそのまま移すだけでは、不要な列や重複データも残る可能性があります。移行前に業務フローを見直し、必要な項目へ絞ることが大切です。
- Q5:導入後に見るべき効果指標は何ですか?
- 申請処理時間、入力作業時間、転記件数、利用者数、アプリ数、差し戻し件数などが指標になります。目的が業務効率化か、情報共有か、開発スピード向上かによって見るべき項目は変わります。導入前に評価軸を決めておきましょう。
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まとめ
クラウド型のノーコード・ローコード開発は、業務アプリ作成や申請承認、データ管理をスピーディーに進めたい企業に向いています。一方で、権限管理やアプリの棚卸し、既存システム連携の確認は欠かせません。自社の開発体制や利用部門を整理したうえで、複数製品を比較しましょう。気になる製品があれば、資料請求を活用して機能や費用、サポート体制を確認してください。



