工程管理と進捗管理が扱う対象の違い
まず、それぞれの言葉が指す業務範囲を確認します。
工程管理が扱う範囲
工程管理は、製品や成果物が完成するまでの一連の作業手順(工程)を計画し、管理する業務です。どの工程を、いつ、誰が担当するかを事前に組み立て、全体の流れを設計することが中心になります。
製造業では加工や組立といった工程の順序を、建設業では基礎工事から仕上げまでの手順を管理する場面で使われます。計画段階から関わる業務といえます。
進捗管理が扱う範囲
進捗管理は、計画に対して実際の作業がどこまで進んでいるかを追いかける業務です。工程管理で立てた計画をもとに、日々の実績を記録し、遅れが生じていないかを確認します。
計画と実績のずれを早期に見つけ、必要に応じて人員配置や作業順序を調整するための情報として活用されます。実行段階に関わる業務です。
両者の関係性
工程管理と進捗管理は、それぞれ独立した業務ではなく、連続した関係にあります。
計画があって初めて進捗を測れる
進捗管理を行うには、比較対象となる計画が必要です。工程管理で立てた計画がなければ、現在の作業がどの程度進んでいるのか、遅れているのかを判断する基準がありません。
そのため、工程管理と進捗管理は切り離して考えるものではなく、計画と実績を照らし合わせる一連の流れとして捉えることが大切です。
進捗の実績が次の計画に反映される
進捗管理で得られた実績データは、次回以降の工程管理にも活用されます。特定の工程で遅れが繰り返し発生している場合、次の計画ではその工程に余裕を持たせるといった見直しにつながります。
このように、両者は一方向の関係ではなく、互いに情報をやり取りしながら精度を高めていく関係にあります。
システムを選ぶ際の考え方
自社の課題がどちらに近いかによって、重視すべき機能は変わります。
計画立案の負担が大きい場合
工程の組み立てに時間がかかっている、担当者ごとに計画の作り方がばらついているといった課題がある場合は、工程管理の機能を重視する考え方があります。テンプレートを使った計画作成や、工程間の依存関係を可視化できる機能があると、計画立案の負担を抑えやすくなります。
過去の実績データをもとに標準的な所要時間を提示してくれる機能も、計画の精度を高める材料になります。
実績把握の遅れが課題の場合
現場からの報告が遅く、遅延に気づくのが遅れがちな場合は、進捗管理の機能を重視する考え方があります。現場担当者がスマートフォンなどから手軽に実績を入力できる機能があると、リアルタイムに近い形で進捗を把握しやすくなります。
遅延が発生した際にアラートを出す機能があれば、対応の初動を早めることにもつながります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で工程管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
両方の機能を備えたシステムを検討する場合
工程管理と進捗管理をまとめて扱えるシステムを選ぶ企業も少なくありません。
一体型システムのメリット
計画作成から実績入力までを同じシステム内で完結できると、計画と実績の突き合わせ作業を自動化しやすくなります。ガントチャートなどで両者を並べて表示できる機能があれば、遅れている工程を視覚的に把握しやすくなります。
担当者間の情報共有もスムーズになり、変更が生じた際の連絡漏れを防ぎやすくなる点もメリットです。
導入時に確認したい範囲
一体型システムであっても、計画作成の柔軟性と実績入力のしやすさは製品によって差があります。自社の業務フローに沿って、どちらの機能により重点が置かれているかを確認しておくことが大切です。
現場担当者が実際に入力する場面を想定し、操作の手間が業務の妨げにならないかを事前に確かめておくと安心です。
工程管理システムの主要製品を紹介
工程管理システムは、製造現場の進捗把握や稼働状況の可視化を目的に導入されるケースが多くあります。自社の課題に合わせて、以下の製品を比較検討してみてください。
A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>
- 導入が簡単(対象物に対してネットワークカメラを設置すればOK)
- 設備稼働の見える化を実現、改善活動の推進に興味がある企業様へ
- リモート、電話、メールでのサポート(稼働監視や検出精度の点検)
株式会社テクノアが提供する「A-Eyeカメラ<エーアイカメラ>」は、AIによる画像認識と、クラウド上でのデータ分析を組み合わせた中小製造業向けの工程管理ソリューションです。ネットワークカメラで撮影した映像をもとにAIが生産設備の稼働状況を判断し、情報をクラウド上に蓄積・集計します。稼働状況を全社員で共有することで工場の見える化を進められ、パソコンやスマートフォンからいつでも確認できます。
スマートF
- 工程管理や在庫管理など、必要な機能からスモールスタート可能
- 導入コンサルつきのトライアル可能、既存システムにも柔軟に連携
- バーコード管理やタブレット活用でペーパーレスIoTを実現
株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、製造現場の手書き作業やExcel管理をバーコードでシステム化し、在庫管理・工程管理・原価管理のデジタル化を実現するクラウドサービスです。工程管理など必要な機能からスモールスタートでき、ハンディ端末やタブレットを使ったバーコード管理で現場状況をデータ化できます。外注先や海外工場を含むサプライチェーン全体で、各工程の進捗をリアルタイムに管理できる点も特徴です。
DIRECTOR6 (株式会社シムトップス)
- 個別受注生産に特化し、工程や進捗を一元管理。
- 生産計画の自動化と工場の可視化を支援
- 進捗や実績をリアルタイムで把握可能。
サクっと工程 (株式会社インプローブ)
- ガントチャートで工程進捗と納期管理を可視化
- 工程手順の登録により、作業指示書を迅速に発行。
- 進捗や遅延をリアルタイムで確認可能
工程管理と進捗管理の違いに関するよくある質問
よくある質問と回答をまとめました。疑問点の解消や理解を深める際の参考にしてください。
工程管理と進捗管理は別々のシステムで運用してもよいですか?
運用は可能ですが、計画と実績の情報が分断されると突き合わせ作業に手間がかかります。可能であれば、両者を連携できる仕組みを整えておくことをおすすめします。
小規模な現場でも両方の管理が必要ですか?
作業内容が単純で工程数が少ない場合は、簡易な方法で対応できることもあります。ただし、関わる人数や工程が増えるほど、計画と実績を分けて管理する必要性は高まります。
まとめ
工程管理は作業の計画を立てる業務であり、進捗管理はその計画に対する実績を追いかける業務です。両者は連続した関係にあり、計画と実績を照らし合わせることで初めて意味を持ちます。自社の課題が計画立案にあるのか、実績把握にあるのかを見極めたうえで、システムの機能を比較しましょう。


