SaaS管理ツールとは
SaaS管理ツールとは、社内で利用しているSaaSサービスの利用人数や利用状況、利用コストなどを一元管理するツールです。SaaS管理システムやSaaS管理サービスとも呼ばれます。複数のSaaSサービスの契約情報を一括で管理し、アカウントの発行や棚卸など手間のかかる作業をまとめて実施できます。
なおSaaS(サースまたはサーズ)とは、クラウドサーバ上にあるソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスのことです。テレワークの普及にともない、SaaSを導入する企業が急増しています。企業によっては、数十以上のSaaSサービスを利用しているケースもあるでしょう。
利用SaaSが複数ある場合、SaaSごとのアカウント作成や削除、利用人数やコストの正確な把握には膨大な労力が必要です。アカウント管理業務を担当する情報システム部門にとって大きな負担となるため、業務効率化を促進するためにSaaS管理ツールが導入されています。
SaaS管理ツールの機能
SaaS管理ツールにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。ここでは、主な機能を3つ紹介します。
- ■アカウントの一元管理機能
- 社員や組織ごとのSaaSアカウントの発行や棚卸、ライセンス数の確認ができます。各SaaSやプランごとに契約更新日も把握可能です。
- ■利用状況の分析機能
- 利用SaaSのプラン・利用金額・支払い先を登録し、会社や組織、社員ごとのSaaS利用コストを可視化します。また、各SaaSの使用率も把握できます。
- ■セキュリティ対策機能
- 二要素認証やIPアドレス制限、管理者権限、セキュリティルール設定などの機能があります。自社のセキュリティ要件にあわせて設定可能です。
SaaS管理ツールをお探しの方へ
この記事では、おすすめのSaaS管理ツールを以下のタイプ別に分類し、価格や特徴などを比較しています。「すぐにツール選定に移りたい」という方は、見出しをクリックして、詳しい製品情報をご覧ください。
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【比較表】おすすめのSaaS管理ツール
SaaS管理ツールのメリット・デメリット
ここでは、SaaS管理ツールの導入によるメリットとデメリットについて解説します。
SaaS管理ツールのメリット
SaaS管理ツールの主な導入メリットは以下の3つです。
- ■業務負担の軽減
- 複数のSaaSサービスを一元管理することで、アカウント発行や削除などの煩雑な作業が効率化されます。特に社員の入退社や異動にともなう管理負担を大幅に軽減し、設定ミスや不要アカウントの放置によるリスクも低減します。
- ■コストの見直しや無駄の削減
- SaaS利用状況やコストを可視化することで、未使用のアカウントや不要なサービスを特定し、契約プランの見直しが可能です。これにより、部署を横断した統一的な管理を実現し、全体のコスト最適化が図れます。
- ■セキュアな環境の構築
- シャドーITの防止や退職者アカウントの適切な管理により、セキュリティリスクを軽減できます。また、二要素認証やIPアドレス制限などを活用して、組織全体のセキュリティレベルを向上させ、情報漏えいの防止を実現します。
SaaS管理ツールのデメリット
SaaS管理ツール導入におけるデメリットは、主に以下の2つが挙げられます。
- ■導入コストの発生
- SaaS管理ツールの利用には導入費用や月額料金が必要です。利用するSaaSが少ない場合、手動管理で十分なケースもあるため、費用対効果を見極めることが重要です。
- ■初期登録が必要
- ツール導入時にすべてのSaaSアカウント情報を登録する必要があり、アカウント数が多いほど初期作業の負担が大きくなります。ただし、契約情報を自動収集する機能を備えたツールも存在するため、事前にツールの仕様を確認しておくとよいでしょう。
SaaS管理ツールの機能やメリットについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
SaaS管理ツールのタイプ
SaaS管理ツールには、多機能タイプやアカウントの一元管理に役立つタイプ、利用状況の把握に強みをもつタイプなどがあります。以下で詳しく解説します。
多彩な機能を備えたSaaS管理ツール
多彩な機能を備えたSaaS管理ツールは、SaaSアカウントの管理から利用状況の可視化、セキュリティまで幅広く対応できるのが特徴です。アカウントの発行・削除や分散された従業員データの一元管理、シャドーアカウントの検出やファイルの共有状況を可視化するなど、さまざまな機能を搭載しています。さらに、権限管理や監査ログなどのセキュリティ面における対策も充実しています。
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アカウントの一元管理に役立つSaaS管理ツール
アカウントの発行や棚卸、ライセンス数の確認など、サービスごとに設定されているアカウント情報をまとめ、管理を効率化するタイプのSaaS管理ツールもあります。製品によっては、社内をはじめ外部関係者のSaaSアカウント管理にも対応可能です。年度はじめに新入社員のアカウントを大量に発行する場合や、組織改編時にアカウントを見直す場合などに活用しやすいでしょう。
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利用状況の把握に強みをもつSaaS管理ツール
SaaS管理ツールには、誰がいつ、どのSaaSにアクセスしたかなど利用状況の可視化に強みをもつツールもあります。SaaSツールの利用頻度を割り出し、社内管理できていないシャドーITを検出することで、コストの最適化を図ったりセキュリティ対策を強化したりできます。
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SaaS管理ツールの選び方
SaaS管理ツールを選ぶ際のポイントは以下の4つです。それぞれ詳しく解説します。
- ●連携できるSaaSは何か
- ●管理画面は見やすいか
- ●コスト管理機能を有しているか
- ●セキュリティ対策は十分か
連携できるSaaSは何か
SaaS管理ツールといっても、すべてのSaaSを管理できるわけではありません。管理可能なSaaSは製品によってさまざまです。自社で利用しているSaaSサービスが管理対象に含まれているか、事前に確認しましょう。
また、多くのSaaS管理ツールは管理対象のSaaSを拡充しています。今後追加される管理対象も考慮して選ぶとよいでしょう。
管理画面は見やすいか
ツールの操作性も重要なポイントです。特に管理画面の使いやすさを確認しましょう。SaaS管理ツールは、システム管理者だけでなく一般の従業員も利用する頻度が高いため、誰にとっても使いやすい製品を選ぶ必要があります。
どの程度の操作性を求めるかは、自社の社員のITリテラシーによっても変わってくるでしょう。無料トライアルが提供されている製品も多いので、実際に操作してから判断することをおすすめします。
コスト管理機能を有しているか
SaaS運用コストの削減を目的に、SaaS管理ツールの導入を考えている企業も多いでしょう。例えば、部署や個人別にSaaSの利用コストを把握できれば、各SaaSの費用対効果を算出しやすくなります。また、前回比や前々回比などのコスト推移を簡単に閲覧できれば、契約プランの見直しやほかのサービスへの乗り換えを検討しやすく、契約が自動更新される前に対処可能です。
なお、ツールごとに搭載されているコスト管理機能は異なります。どのくらいの業務効率化やコスト削減を実現できるか、導入前にじっくり検討しましょう。
セキュリティ対策は十分か
SaaS管理ツールでは、ユーザーアカウントなどの重要な情報を数多く扱います。複数のSaaSにおける情報が集約されているため、万が一社外に流出すれば甚大な被害につながりかねません。
情報漏えいを防ぐために、多くのSaaS管理ツールにはIP制限やアカウントロックといったセキュリティ機能が搭載されています。自社に必要なセキュリティ機能を網羅し、セキュリティ要件に沿った運用ができるツールを導入しましょう。
効率よく比較検討を進めたい方には、一括資料請求の利用がおすすめです。各製品の機能や特徴をじっくり比べられるほか、費用感もつかみやすくなるでしょう。
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【比較表】おすすめSaaS管理ツール
この記事で紹介するおすすめのSaaS管理ツールを比較表にまとめました。機能や口コミ評価などを比較できます。また、ITトレンド編集部が調査し見えてきたSaaS管理ツールの傾向もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
- ●アカウント情報の自動取得機能は多くの製品に搭載されている。
- ●コスト管理機能が搭載されている製品は3割ほど。
- ●シングルサインオンに対応している製品は少ない。
- ●多くの製品が無料トライアルに対応している。
ここまでに紹介したおすすめのSaaS管理ツールは、以下のボタンから一括資料請求できます。各製品の特徴を比較検討するためにご活用ください。
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多彩な機能を備えたSaaS管理ツール
ここからは、アカウント管理や利用状況の把握など多彩な機能を搭載したツールを紹介します。気になる製品は資料請求を活用して、自社に最適なツールを選定しましょう。
《ジョーシス》のPOINT
- デバイスやSaaS利用状況が可視化され、管理工数削減が可能
- 情シスの把握していないシャドーIT・SaaSアカウントも自動検知
- 自動反映されるITデバイス台帳により更新漏れ防止。作業効率化
ジョーシス株式会社が提供する「ジョーシス」は、SaaSアカウント発行からIDの検知、オンライン棚卸、従業員情報管理まで幅広い機能を備えたシステムです。セキュリティも充実し、管理者権限のカスタマイズに対応しています。また、調達・キッティング・廃棄といったITデバイス関連のアウトソーシングもあわせて提供されています。
参考価格 |
ー ※ユーザー数に対応した料金体系 |
無料トライアル |
◯(14日間) |
対象規模 |
すべての規模に対応 |
機能 |
契約更新管理/シャドーIT防止/アカウント情報の自動取得/シングルサインオン |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
100名以上 250名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
50名以上 100名未満
《OPTiM サスマネ》のPOINT
- オンプレミスや自社開発ソフトウェア、ITデバイスも一元管理可能
- 退職や未使用による不要アカウントを自動検知し無駄な費用を発見
- シャドーITを自動検知し情報漏洩のリスクを低減
株式会社オプティムが提供する「OPTiM サスマネ」は、社内のSaaSやオンプレミスソフトウェア、ITデバイスの利用状況を一元管理し、コスト削減とセキュリティ向上を支援するSaaS管理サービスです。アカウントやソフトウェアの使用状況を自動で可視化し、未承認ソフトウェアの検知や退職者アカウントの管理、契約情報の一元化に対応。さらに、デバイス台帳機能やプロビジョニング機能も搭載しており、効率的なIT資産管理を実現します。
参考価格 |
スタンダードプラン:初期費用無料、月額250円/アカウント |
無料トライアル |
◯ |
対象規模 |
すべての規模に対応 |
機能 |
ダッシュボード/契約更新管理/シャドーIT防止/アカウント情報の自動取得/シングルサインオン |
《Bundle by freee》のPOINT
- SaaSのアカウントの棚卸しを自動化
- SaaSアカウントの自動作成/削除が可能
- 外部共有されたファイル・フォルダの棚卸しも可能
フリー株式会社が提供する「Bundle by freee」は、アカウント発行・削除・棚卸を自動化できるSaaS管理ツールです。新入社員の入社時や、既存社員の退職時に発生するアカウントの作成・削除作業にともなう負担を軽減します。人事管理システムへの情報入力により、自動的にアカウントを作成することも可能です。Google DriveやDropboxなど、オンラインストレージで外部共有されているファイルを可視化する機能も備わっています。
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
◯ |
対象規模 |
すべての規模に対応 |
機能 |
ダッシュボード/契約更新管理/組織図管理/シャドーIT防止/アカウント情報の自動取得 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
コンサル・会計・法律関連
100名以上 250名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
100名以上 250名未満
アカウントの一元管理に役立つSaaS管理ツール
サービスごとに設定されているアカウント情報の一元管理に強みをもつSaaS管理ツールを紹介します。アカウントの発行や削除、棚卸を効率化したい場合におすすめです。
《zooba》のPOINT
- 棚卸しに強い!SlackやTeamsでアンケート回答・集計を実行
- 人事データ、デバイス、SaaS、オンプレアプリの一元管理台帳
- SlackやTeamsでのAIヘルプデスクサポートを実現!!
株式会社zoobaが提供する「zooba」は、社内をはじめ外部協力者のSaaSアカウントも自動で収集し一元管理するクラウドサービスです。人事システムとの連携機能や特許出願済みの独自アラート機能などによって、SaaS運用をトータルサポートします。さらに、運用コンサルティングサービスも提供しており、幅広い業務課題に対応可能です。
参考価格 |
月額~500円/ユーザー |
無料トライアル |
◯ |
対象規模 |
すべての規模に対応 |
機能 |
ダッシュボード/契約更新管理/シャドーIT防止/アカウント情報の自動取得/シングルサインオン |
YESOD
株式会社イエソドが提供する「YESOD」は、利用中のSaaSから自動的にアカウント情報や権限情報を取得し、棚卸を効率化します。ブラウザからログインするだけですぐに連携可能で、APIの準備や設定は必要ありません。Google Workspace上のメールアドレスにもとづいて名寄せし、情報を一元管理できます。
Zylo
Zylo社が提供する「Zylo」は、Microsoft 365やSalesforceなどのSaaS利用状況や支出を一元管理するツールです。特許出願中のDiscovery Engineにより、組織内のSaaSをすべてリアルタイムに可視化します。管理データを提供するだけでなく、実用的なインサイトを提示することで、最適なSaaS利用を支援します。
利用状況の把握に強みをもつSaaS管理ツール
各社員のSaaS利用状況を可視化したり、シャドーITを検出したりするなどして、コストの最適化やセキュリティ性を高めたい場合におすすめのSaaS管理ツールを紹介します。
《dxeco(デクセコ)》のPOINT
- 契約SaaSとその契約情報を一元管理。会計システムとも連携可能
- 誰が、いつ、どのSaaSにアクセスしたかを把握
- 社内管理できていない「シャドーIT」の一覧も表示可能
株式会社オロが提供する「dxeco(デクセコ)」は、契約しているSaaSの金額・契約数・アカウント情報・契約担当者などを一元管理するシステムです。アンケート機能を搭載し、社員からID情報を取得できます。会計システムとの連携により、仕入や発注の情報にもとづいてSaaSを検出可能です。ブラウザの拡張機能を活用すれば、いつ誰がSaaSを利用したかもわかります。
参考価格 |
初期費用無料 スタータープラン:月額10,000円〜/20名まで、スタンダードプラン:月額50,000円~/100名まで |
無料トライアル |
◯(1か月) |
対象規模 |
すべての規模に対応 |
機能 |
ダッシュボード/契約更新管理/シャドーIT防止/アカウント情報の自動取得 |
《マネーフォワードAdmina》のPOINT
- ISMSに必要な情報資産(SaaSとデバイス)をAdminaに統合
- 利用していないアカウントを自動検知。不要なコストを大幅削減に
- アカウント作成と削除を効率化。工数削減と不正アクセスの防止に
マネーフォワードi株式会社が提供する「マネーフォワードAdmina」は、アカウントの一元化とコスト削減に役立つSaaS管理サービスです。金融機関との連携実績をもつマネーフォワードグループだからこその高度なセキュリティが特徴です。シャドーIT・シャドーIDを検知し、潜在的なリスクを排除するほか、多様なクラウドサービスやSaaSと最短1クリックで連携できます。
参考価格 |
初期費用無料 月額無料/~50ID、月額300円/51ID〜300ID |
無料トライアル |
◯(14日間) |
対象規模 |
従業員50名以上 |
機能 |
ダッシュボード/契約更新管理/シャドーIT防止/アカウント情報の自動取得 |
いい点
人材サービス
1,000名以上 5,000名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
10名以上 50名未満
まとめ
自社にあったSaaS管理ツールを導入できれば、コストの削減やアカウント管理業務の効率化が実現します。コスト管理やセキュリティ対策などの機能のほか、連携性や操作性に着目しツールを選定しましょう。
ツールごとに特徴や強みは異なるため、資料をもとに製品をよく比較検討することがおすすめです。以下のボタンよりSaaS管理ツールの一括資料請求が可能です。ぜひ活用して、自社に最適なSaaS管理ツールを見つけてください。