サーバ障害が起こる3つの原因
まずは、なぜサーバ障害が起こるのかを見ていきましょう。
1.アクセス集中
企業にとって自社サイトへの大量のアクセスは嬉しいものです。しかし、アクセス数が増えすぎると、サーバはリクエストの処理が追いつかずダウンします。そしてサイトが一時停止状態となり、さまざまな悪影響を及ぼします。
例えばECサイトを運営していると、人気商品が新発売もしくはセールになるタイミングでアクセスが集中しやすいです。サーバがダウンすればユーザーが購入できないので、機会損失となってしまうかもしれません。復旧までに時間がかかれば離脱するユーザーもいるでしょう。
2.サイバー攻撃
サイバー攻撃の中には、サーバがターゲットの種類もあります。特にサーバに障害が発生しやすいのは「Dos攻撃」です。Dos攻撃とは、外部から大量のトラフィックを発生させることで、サーバに負荷をかけてシステムダウンさせる手法です。一つ1つの電話へ大量発信し、回線をパンクさせる仕組みに似ているでしょう。
代表的な「F5攻撃」は、ブラウザのリロードを何回も行うことで、サーバがリクエストを処理できず、ダウンさせる攻撃です。ほかにも、ウイルスに感染した端末を乗っ取り、特定のサーバに複数のPCからDos攻撃を仕掛ける「DDos攻撃」も有名です。
近年は、サイバー攻撃が巧妙化しているため、対策をしなければサーバの安定運用は難しいでしょう。
3.ハードウェア障害
ハードウェア障害とは、サーバを構成するパーツが故障して障害が起こることです。例えば、電気を供給するパーツが故障すれば起動しなくなるでしょう。特に24時間稼働のサーバは常に熱を帯びているため、各パーツが劣化しやすいです。
また、負荷が大きいサーバは、ハードウェアの寿命が短くなる傾向があります。ほかにも、地震や火災、落雷による物理的なダメージが原因でサーバ障害が発生します。
短時間で復旧する場合もありますが、原因を把握できていないと再度障害が発生するかもしれません。そうなれば、二次障害や、より重大なトラブルが発生する可能性があるため、注意が必要です。
サーバ障害を未然に防ぐ3つの対策
サーバ障害が発生する原因をもとに、適切な運用体制を構築しましょう。未然に防ぐための具体的な対策を解説します。
1.サーバの冗長化
サーバ冗長化とは、障害発生用の予備サーバを設置することです。もし、サーバを1台のみ設置している状態で障害が発生すれば、復旧するまで時間がかかってしまいます。仮に基幹システムなどの重要なシステムが停止してしまえば、業務に大きな影響を与えるでしょう。
サーバを冗長化していれば、メインのサーバにハードウェア障害が発生しても、予備のサーバに切り替えることで、業務を続けられます。
しかし、冗長化はサーバをもう1セット用意しなければならないため、対策費用は高額になりやすいです。システムの停止による損失を考慮して実施するか検討してください。
もしそこまで費用をかけられないのであれば、電源などの一部のパーツを冗長化するのも効果的です。突然電源が切断されたとしても、UPS(無停電電源装置)で冗長化しておけば、サーバを継続して稼働できるでしょう。
2.ロードバランサの導入
ロードバランサとは「負担分散装置」のことで、アクセス集中によるサーバの負担を複数のサーバに分散できます。つまり、ロードバランサを導入しておけばアクセスが急増しても、安定した稼働が可能です。
また、サーバへの負荷が大きくなると、ページを表示する速度も落ちてしまいます。ロードバランサによる負荷分散を行えば、表示速度が遅くなる可能性が低く、ユーザーが快適に利用できます。先述したサーバ冗長化は障害発生に備えるのが目的ですが、ロードバランサは普段でもメリットを実感できるでしょう。
3.サーバ運用監視システムの導入
サーバ運用管理者の主な業務は「死活監視」「ハードウェア監視」「トラフィック監視」です。これらの業務は24時間365日体制で行われることが求められるので、人が行うと大きな負担になります。そこで、サーバ運用監視システムを導入すれば、管理者の負担を軽減しながら効率的にサーバを運用できます。
サーバ運用監視システムは、サーバの状態を常に把握し、異常があればメールなどで通知してくれます。サーバ障害やその予兆に対して迅速に対応できるでしょう。また、ログ管理やIT資産管理などのセキュリティ対策機能を持つことが多いです。サイバー攻撃を受けた際には、侵入経路などを知らせてくれたり、復旧作業もサポートしてくれたりする製品もあります。以下のページから人気の製品をご覧ください。
サーバ障害を防ぐため、運用監視システムの導入検討を!
サーバ障害が発生してしまうと事業に大きな被害が出てしまうため、早急な対処が求められます。
障害の原因は主に「アクセス集中」「サイバー攻撃」「ハードウェア障害」の3種類です。その原因には「サーバの冗長化」「ロードバランサの導入」「運用監視システムの活用」で対策してください。
負担を軽減しつつ安定した運用を目指す場合は、運用監視システムの導入を検討しましょう。