サーバダウンとは
サーバダウンとは、サーバが正常に処理を行えなくなり、Webサイトやシステムなどのサービスを利用できなくなる状態です。
サーバ本体が完全に停止しているケースだけでなく、アクセス集中などによって処理能力を超え、実質的にサービスを利用できない状態もあります。
サーバダウンが発生すると、Webサイトを閲覧できなくなったり、社内システムを利用できなくなったりする可能性があります。そのため、発生時には影響範囲と原因を迅速に把握し、復旧に向けて対応することが重要です。
サーバダウンが起こる6つの主な原因
サーバダウンは、サーバ本体の故障だけで発生するわけではありません。アクセス量やソフトウェア、ネットワーク、サイバー攻撃なども原因になります。代表的な6つの原因を紹介します。
1.アクセス集中・リソース不足
短時間に大量のアクセスが集中すると、CPUやメモリ、ネットワーク帯域などの処理能力を超え、サーバの応答が遅くなったり停止したりする場合があります。
例えば、ECサイトのセール開始時やチケット販売、テレビ・SNSなどで商品やサービスが話題になった場合には、通常よりもアクセスが急増する可能性があります。
また、アクセス数自体は通常と変わらなくても、CPU・メモリ・ストレージなどのリソースが不足していれば、処理が滞ってサービスを利用できなくなる場合があります。
2.ハードウェアや電源の障害
サーバを構成するストレージやメモリ、電源ユニットなどが故障すると、サーバダウンにつながる可能性があります。
特にオンプレミス環境では、機器の経年劣化だけでなく、停電や瞬断、冷却設備の異常などにも注意が必要です。
また、地震や火災、水害などによってデータセンターや社内のサーバ設備が物理的な被害を受けるケースもあります。
3.ソフトウェアやアプリケーションの障害
OSやミドルウェア、アプリケーション、データベースなどの不具合によって、サービスが停止する場合もあります。
例えば、プログラムのバグやアップデート後の不具合、データベースの異常、ログファイルの肥大化によるストレージ容量不足などが挙げられます。
サーバ本体が稼働していても特定のアプリケーションだけ利用できなくなるケースもあるため、サーバだけでなくアプリケーションやデータベースの状態も確認する必要があります。
4.ネットワークやDNSの障害
サーバ自体に問題がなくても、ネットワーク機器や回線、DNSなどに障害が発生すると、ユーザーからサーバへアクセスできなくなる場合があります。
例えば、ルーターやスイッチの故障、通信回線の障害、DNS設定の不備などです。
「サーバにアクセスできない=サーバ本体が停止している」とは限らないため、障害発生時にはネットワークも含めて原因を切り分ける必要があります。
5.DoS・DDoSなどのサイバー攻撃
サーバダウンを引き起こす代表的なサイバー攻撃として、DoS攻撃やDDoS攻撃があります。
DoS攻撃は大量のリクエストなどを送り、サーバやネットワークのリソースを消費させてサービスを利用しにくくする攻撃です。DDoS攻撃では、複数の端末などから大量の通信を発生させ、サービス停止を狙います。
DDoS攻撃にはネットワーク帯域を圧迫するものだけでなく、サーバの接続数や処理能力を消費させるものなど、さまざまな手法があります。
6.設定ミスや誤操作などの人為的ミス
サーバやネットワークの設定変更、システム更新などの作業ミスによってサーバダウンが発生することもあります。
例えば、設定ファイルの誤変更や必要なデータの削除、アクセス制御の設定ミス、アップデート時の操作ミスなどです。
特にシステム変更の直後に障害が発生した場合は、直前に行った設定変更やデプロイ内容を確認することが原因特定の手がかりになります。
サーバダウンが発生したときの対処法
サーバダウンが発生した場合、慌てて再起動するのではなく、まず状況を把握して原因を切り分けることが重要です。基本的な対応の流れを紹介します。
障害の発生状況と影響範囲を確認する
まず、いつからどのサービスが利用できなくなっているのかを確認します。例えば、以下のような点を確認しましょう。
- ■すべてのユーザーが利用できないのか
- ■一部のユーザー・拠点だけ利用できないのか
- ■Webサイトやシステム全体が停止しているのか
- ■特定の機能だけ利用できないのか
- ■障害が発生した直前に設定変更などを行っていないか
影響範囲を確認することで、サーバ本体・ネットワーク・アプリケーションなど、どこに原因があるかを絞り込みやすくなります。
監視情報やログを確認する
次に、監視システムや各種ログから異常が発生している箇所を確認します。CPU使用率やメモリ使用量、ストレージ容量、ネットワークトラフィックなどを確認すると、アクセス集中やリソース不足の有無を把握できます。
あわせてOSやアプリケーション、データベース、ネットワーク機器などのログを確認し、エラーや障害発生時刻を調査しましょう。
原因に応じて復旧対応を行う
原因を切り分けたら、それぞれの状況に応じて復旧対応を行います。
| 主な原因 | 対処例 |
|---|---|
| アクセス集中・リソース不足 | 不要な処理の停止、アクセス制限、リソース追加、負荷分散など |
| ハードウェア障害 | 故障箇所の確認・交換、待機系サーバへの切り替えなど |
| ソフトウェア障害 | エラーの確認、変更前の状態へのロールバックなど |
| ネットワーク障害 | ネットワーク機器や回線、DNSなどの状態確認 |
| DDoS攻撃 | 不正トラフィックの遮断・制限、DDoS対策サービスの利用など |
| 人為的ミス | 変更履歴の確認、設定のロールバックなど |
なお、原因がわからないまま安易に強制再起動を繰り返すと、原因調査が難しくなったり、データに影響したりする可能性があります。対応方法を判断できない場合は、保守ベンダーやシステム担当者へ連絡しましょう。
復旧後に原因と対応内容を記録する
サービスが復旧したら対応を終えるのではなく、障害の原因や発生時刻、影響範囲、実施した対応などを記録しましょう。
障害記録を残しておけば、同じトラブルが再発した際の対応に活用できます。また、根本原因を分析し、システム構成や運用方法を見直すことで再発防止につなげられます。
サーバダウンの発生や影響を抑える対策
サーバ障害が発生する原因をもとに、適切な運用体制を構築しましょう。未然に防ぐための具体的な対策を解説します。
サーバの冗長化
サーバ冗長化とは、障害発生用の予備サーバを設置することです。もし、サーバを1台のみ設置している状態で障害が発生すれば、復旧するまで時間がかかってしまいます。仮に基幹システムなどの重要なシステムが停止してしまえば、業務に大きな影響を与えるでしょう。
サーバを冗長化していれば、メインのサーバにハードウェア障害が発生しても、予備のサーバに切り替えることで、業務を続けられます。
しかし、冗長化はサーバをもう1セット用意しなければならないため、対策費用は高額になりやすいです。システムの停止による損失を考慮して実施するか検討してください。
突然の停電や瞬断に備えるには、UPS(無停電電源装置)を導入するのも有効です。一時的に電力を供給することで、安全なシャットダウンや電源復旧までの稼働継続に役立ちます。
ロードバランサの導入
ロードバランサとは「負荷分散装置」のことで、アクセス集中によるサーバの負担を複数のサーバに分散できます。つまり、ロードバランサを導入しておけばアクセスが急増しても、安定した稼働が可能です。
また、サーバへの負荷が大きくなると、ページを表示する速度も落ちてしまいます。ロードバランサによる負荷分散を行えば、表示速度が遅くなる可能性が低く、ユーザーが快適に利用できます。先述したサーバ冗長化は障害発生に備えるのが目的ですが、ロードバランサは普段でもメリットを実感できるでしょう。
サーバ運用監視システムの導入
サーバ運用管理者の主な業務は「死活監視」「ハードウェア監視」「トラフィック監視」です。これらの業務は24時間365日体制で行われることが求められるので、人が行うと大きな負担になります。そこで、サーバ運用監視システムを導入すれば、管理者の負担を軽減しながら効率的にサーバを運用できます。
サーバ運用監視システムは、サーバの状態を常に把握し、異常があればメールなどで通知してくれます。サーバ障害やその予兆に対して迅速に対応できるでしょう。また、ログ管理やIT資産管理などのセキュリティ対策機能を持つことが多いです。サイバー攻撃を受けた際には、侵入経路などを知らせてくれたり、復旧作業もサポートしてくれたりする製品もあります。
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サーバダウンの原因を把握して安定稼働につなげよう
サーバダウンの原因は、アクセス集中だけではありません。ハードウェアやソフトウェアの障害、ネットワーク障害、サイバー攻撃、人為的ミスなど、さまざまな要因が考えられます。
障害が発生した場合は、まず影響範囲とサーバの状態を確認し、監視情報やログなどから原因を切り分けましょう。また、平常時からサーバ監視や冗長化、負荷分散、バックアップなどの対策を実施しておくことも重要です。
サーバの状態を継続的に把握し、異常を早期に検知したい場合は、運用監視システムの活用も検討してみましょう。


