サーバ運用監視者の基本的な業務
サーバ運用監視の基本は、文字通り「サーバの運用状態を監視すること」です。サーバの監視にはさまざまな種類・方法があります。
- ●死活監視
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システムの外部からサーバに対して一定時間置きにPINGなどの信号を送信し、正常な応答が一定時間内に返ってくるかどうかを監視する。
- ●ハードウェア監視
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システム内に監視用ハードウェア/ソフトウェアを置き、サーバやネットワーク機器の物理故障が発生したら通知する
- ●トラフィック監視
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ネットワークのトラフィック(情報負荷状態)をチェックし、アプリケーションが利用するネットワーク帯域を制限する
これらのように原則としてリアルタイムにサーバが正常稼働しているかどうかを監視する業務全般を「サーバ運用監視」と呼んでいます。
この監視作業は365日・24時間体制が一般的なので、サーバ運用監視業務は人間による業務ではなく、ソフトウェア製品を導入するか、あるいはASP/SaaSをSaaSプロバイダー(サービス提供事業者)からサービス提供を受けるかして、監視業務にあたらせることになります。
変遷するサーバ運用監視者の業務内容
これまでサーバ運用監視が監視する対象や業務の基本についてみてきました。これらの業務内容からサーバ運用監視者の仕事は監視のみだと思われがちです。
しかしサービスの幅が広がりつつ今、監視のみの業務が復旧まで行うサービス業者も増えています。そこでここからは、サーバ運用監視者が行う業務の変遷についてみていきましょう。
狭義の業務は「監視」のみ
サーバ運用監視業務は、狭義で言えば「監視のみ」を指します。つまり、サーバに何らかの障害が発生した際や「この状況を放置すると近く障害発生が予測される」といった際に管理者に対して何らかの方法で通知を行うまでが狭義のサーバ運用監視業務です。
広義の業務は「復旧」まで
しかし、今日では、多くのソフトウェア/サービスが「障害の発生原因」「発生箇所または問題箇所」などの情報を詳細に報告する用になっています。またこうした監視業務に加え、インシデント対応やエンジニアの人的サービスによる復旧対応などのサーバ運用管理サービスまでをセットにして提供するサービス提供事業者も増えています。
ただし、オンプレミス(on-premis=社内に物理的に設置された自社運用のシステム/サーバ)の場合は社内にシステム管理者や運用管理責任者が常駐していることが予測され、こういう場合は純粋に狭義のサーバ運用監視用ソフトやサービスの導入だけで事足りるのではないかと考えられます。
クラウドサーバを利用する場合は専門サービスを利用しよう
サーバ運用監視ソフトやサーバ運用監視サービスは、従来はもっぱらオンプレを対象としてきました。しかし今日では多くのサーバはクラウド化しており、社内サーバだけでなく、直接タッチすることのできない国内外データセンター内のサーバを監視しなくてはならない場合も考えられます。
今日では、こうしたクラウド型サーバに対応したサーバ運用監視製品/サービスも数多く提供されていますが、すべての製品/サービスが対応しているというわけではありません。クラウド型サーバを利用しておられる企業では製品/サービスを選ぶ際にこの点も考慮しておく必要があるでしょう。