サーバ運用監視システム導入の5つの失敗例
サーバ運用監視システム導入の失敗例には次のようなものがあります。
- 1.オーバースペックでコスト負担が大きくなった
- 2.サーバのベンダを確認せずに導入してしまった
- 3.セキュリティポリシーに合わないシステムを導入してしまった
- 4.社内の人的資源が不足していた
- 5.低価格にこだわり過ぎてしまった
それでは具体的にみていきましょう。
1.オーバースペックでコスト負担が大きくなった
導入検討においてまずするべきことは、自社に導入すべきサーバ運用監視システムの対象の決定です。具体的には、サーバ・ネットワーク・セキュリティなどの対象範囲を明確にし導入する必要があります。
つまり、とりあえずなんでもできそうだからと、統合監視タイプのシステムを導入してしまうと失敗例に陥ってしまうのです。
また統合監視タイプはハイスペックの傾向があり、導入コストが予算を超えてしまうという事態も引き起こしかねません。しかも多機能である分、高度な運用技術が必要となり、担当者が対応しきれずに使いこなせていない、といった問題も起きる可能性があります。
2.サーバのベンダを確認せずに導入してしまった
次の失敗例として、自社のサーバが限られたベンダによる構成か、複数のベンダによる構成か、を確認しないままにサーバ運用監視システムを選んでしまっているケースがあります。
例えば、単一ベンダのサーバを運用しているにもかかわらず、マルチベンダ対応のサーバ運用監視システムを導入してしまうと、オーバースペックとなり必要以上の予算がかかってしまいます。
一方、複数のベンダを運用しているにもかかわらず、単一ベンダ対応のサーバ運用監視システムを導入してしまうと、後から追加予算が必要となり、監視業務も標準化できず効率が悪くなってしまうといった問題が発生します。
3.セキュリティポリシーに合わないシステムを導入してしまった
次の失敗例としては、サーバ運用管理システムのタイプを無視して導入してしまうケースがあります。
具体的なタイプとしては、エージェントというサーバにソフトウェアをインストールするタイプと、エージェントレスというサーバにソフトウェアをインストールしないタイプがあります。
例えば、自社のセキュリティポリシーでサーバへのソフトウェアインストールが禁止されているにもかかわらず、エージェントが必要なタイプのサーバ運用監視システムを導入してしまう場合があります。
この場合では、そもそもシステムを運用することができない、またはセキュリティポリシー違反を行っていた、という問題が生じてしまう可能性があるのです。
4.社内の人的資源が不足していた
次に紹介する失敗例としては、社内の人的リソースの現状を確認せずにシステムを導入してしまうケースがあります。
ただでさえ忙しい社員に、サーバ管理業務の負担をかけてしまうと、本来業務の生産性が落ちてしまうことがあります。これは人的リソースをコアコンピタンスに集中させることができず、ビジネス全体の生産性を落としてしまうということです。
5.低価格にこだわり過ぎてしまった
最後の失敗例は、社内の人的リソースをコアコンピタンスに集中させるため、アウトソーシングタイプのサーバ運用監視システムを導入する場合です。
一般的にアウトソーシングは、社内の人的資源を効率的に活かすための有効な選択です。しかし、低価格に押さえることにこだわってサービスを選んでしまうと、スキル上の信頼性の低いスタッフで賄われる、技術力の低いサービスを選択してしまう可能性があるので注意しましょう。
サーバ運用監視システムの導入で失敗しないために
これまで見てきたように、サーバ運用監視システムの導入で失敗しないためには、自社が運用しているサーバのタイプや規模を踏まえて、最も適したシステムのタイプを選ぶことが重要です。
また、自社のセキュリティポリシーや一時的にサーバを停止することが可能な状態かどうかも確認する必要があるでしょう。さらに、社内の人的リソースをサーバ管理にどれだけ投入できるのかを調査し、必要に応じてアウトソースすることも検討する可能性も忘れてはいけません。
ぜひ自社のコアコンピタンスを高めるためにも、導入失敗をさけ、最適なサーバ運用監視システムを選びましょう。