サーバ運用管理とサーバ運用監視のと違い
まずはサーバ運用管理とサーバ運用監視、それぞれの概要について確認していきましょう。
サーバ運用管理はサーバ運用監視を含む
サーバ運用管理は、運用監視を含む、より幅広い概念です。サーバ運用管理の一般的な概要は、サーバ全体の構造や働きについての精査、予見できる障害に対する自動復旧、または遠隔復旧できるような仕組み構築など、「サーバの継続的な安定稼働」のための一切の業務のことを指します。
また、すべての障害が自動復旧/遠隔復旧できるわけではありません。そのため想定外、あるいは原因不明の障害に対しては、エンジニアが原因を調査・解明し、手動による復旧作業を行う必要があります。こうした業務もサーバ運用管理に含まれるのです。
サーバの稼働状況を確認するサーバ運用監視
サーバ運用監視は「サーバが正常に稼働しているかどうか」の確認や、「障害が発生しているかどうか」の通知などを指します。主な監視は以下の通りです。
死活監視
死活監視とはシステムの外部からサーバに対して一定時間置きにPINGなどの信号を送信し、正常な応答が一定時間内に返ってくるかどうかを監視することです。サーバがダウンしているかどうか迅速に知ることがきるため、サーバ運用監視に欠かせない監視となっています。
トラフィック監視
トラフィック監視とは、ネットワーク上を流れるデータ量(トラフィック)を監視することです。トラフィックが増加傾向にあることを検知すればネットワークを分割したり、機器を増設したり、あるいは不適切な情報を遮断するなどの対策をとることにより、障害を未然に防ぐことができます。
ネットワーク監視
ネットワーク監視とは、何らかの理由でネットワークの異常な遅延や接続障害が発生した場合や、障害が発生しそうな予兆を早期に発見するための監視です。
例えば、アクセス数の急増によりサーバが情報を処理しきれなくなる場合や、ネットワーク機器の不調、ケーブルの物理的断線などもネットワーク監視の対象となります。
ネットワーク監視の方法としては、外部から定期的にサーバに信号を送り、一定時間に正常な応答があるかを監視する方法などが一般的です。
ログ監視・ログ管理
ログとは、サーバが行った処理や検知した出来事を時系列とともに記録したデータです。そのサーバの履歴ともいうべきもので、何らかの障害が発生したとき、ログを丹念に追跡していくと異常が発生した正確なタイミングやその原因をつかむための重要な資料となります。
しかしログは膨大なデータであり、正常稼働しているサーバのログを人間が常時監視し続けることはほぼ不可能でしょう。そこで、ソフトウェアや外部サービスを利用してログを随時解析させ、異常を意味する文字列の発生や、通常ではみられないようなパターンのログを発見した際に管理者に通知するのが「ログ監視」です。
また、ログ管理とは、このようなログ監視を含め、ログをどのくらいの期間保存するか、あるいはどのようなログを発見した際に障害の予兆と判断するかなどのルールづくりなど、ログの取り扱い全般を管理する業務となります。
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サーバ運用監視システムの種類
ここまでサーバ運用監視とサーバ運用管理の違いについてみてきました。そこでここからは、サーバ運用監視を実現させるシステムに焦点をあてていきましょう。
特にサーバ運用監視システムは、多くの種類があるため、その選定が大切になります。それではシステムの種類についてみていきましょう。
種類1.商用製品かオープンソースか
まずサーバ運用監視製品には大きく分けると、自由度の高いオープンソースソフトウェア(OSS)と商用ベースの2種類があります。
OSSは自由度が高い半面、製品を導入すれば即運用監視を自動化できるわけではありません。OSSは機能がシンプルで使い易いのですが、適用範囲を広げるたり、UIのカスタマイズや他のツールと連携させるには、管理者に時間とスキルが要求され、構築費用やサポートコストがかかります。
その一方で、商用の運用監視製品はある程度のコストがかかる半面、適用範囲の広さやツール同士の連携性、使い勝手の面で圧倒的に優れているのです。
現在サーバ運用監視業務に何か問題があれば、その問題の洗い出しや、サーバ全体のあらゆる運用まで見越した機能が網羅されています。特に低価格帯からスタートできる製品や、他社製品と共存できる製品などきめ細かい機能が多く、より利便性が高いことが魅力でしょう。
種類2.エージェント型かエージェントレス型か
サーバ運用監視システムの中には、サーバにエージェントソフトをインストールするタイプと、インストールしないエージェントレスタイプの2種類が存在します。
前者は、サーバに監視ソフトウエア専用のエージェントプログラムをインストールします。監視はエージェントが行ない、結果を中央の監視ソフトウエア(またはサーバ)に送信するのです。
一方、エージェントレスタイプはそのようなプログラムは存在せず、その代わりに監視のために別の機能を実行します。その機能とはOSやDB、Webサーバの標準機能を呼び出して監視対象の状態を取得するものです。
エージェントをインストールするタイプは詳細な稼働情報が収集でき、ネットワーク障害時にもエージェント側で情報収集が可能なのです。
しかし、仮想マシンの数が増減するような環境の場合は個々のサーバにエージェントを配置しなくても稼働状況が確認できるエージェントレス機能を使う方が有利です。
何よりシステム環境の変化に伴うリスク回避にもなり、かつ管理者の負担が軽減します。どちらの場合もサーバ構成や条件によって変わりますので、現在の環境に合わせて選択しましょう。
サーバ運用監視で自社ビジネスを守ろう!
いかがだったでしょうか。「サーバ運用監視」と「サーバ運用管理」の違い、そして、サーバ運用監視システムの種類について説明してきました。
ここまで読んでいただいて、もし、自社で監視業務を実施できそうであれば、必要な監視システムの導入検討をしてください。また、監視業務の実施が難しいです判断した場合は、運用監視を委託できるデータセンターのマネージドサービスや運用監視がサービスに含まれるクラウドサーバなどのサービスの利用を検討すると良いでしょう。