ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■対応する連携方式別
- SAML対応:IIJ IDサービス、HENNGE One Identity Edition、Gluegent Gate(グルージェント ゲート)、GMOトラスト・ログイン、Secioss Access Manager Enterprise(SAME)、SeciossLink(セシオスリンク)、AccessMatrixUSO、IDFederation
- OpenID Connect対応:IIJ IDサービス、Gluegent Gate(グルージェント ゲート)、Secioss Access Manager Enterprise(SAME)、SeciossLink(セシオスリンク)、IDFederation
- 代理認証(ID・パスワードの代行入力)対応:Gluegent Gate(グルージェント ゲート)、Secioss Access Manager Enterprise(SAME)、SeciossLink(セシオスリンク)
- ■あわせて使いたい機能別
- パスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証:IIJ IDサービス、CloudGate UNO、Secioss Access Manager Enterprise(SAME)、SeciossLink(セシオスリンク)
- アカウントの作成・削除の自動連携(プロビジョニング):Gluegent Gate(グルージェント ゲート)、Okta Workforce Identity、HENNGE One Identity Edition、SeciossLink(セシオスリンク)、IDFederation
SSOの歴史は社内ネットワークの認証から始まった
シングルサインオンの考え方は、インターネットが広く使われる前の、大学や企業の社内ネットワークで生まれました。まずは、SSOが必要とされた背景と、初期の代表的な仕組みを見ていきます。
複数のシステムを一度の認証で使うという発想
SSOが求められた理由は、社内で使うコンピューターやシステムが増えるにつれ、システムごとにIDとパスワードを入力する手間と管理の負担が大きくなったことです。利用者は複数のパスワードを覚える必要があり、管理者はシステムごとにアカウントを登録し、削除しなければなりませんでした。
そこで、利用者の情報を1か所にまとめて管理し、一度本人確認を済ませれば、ほかのシステムでは改めて入力しなくて済む仕組みが考えられました。この「認証を担う役割を1か所に集める」という発想は、現在のシングルサインオンにも引き継がれています。
1980年代に開発が始まったKerberos
初期の代表的な仕組みが、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究プロジェクトで開発されたKerberos(ケルベロス)です。信頼できる認証サーバーが「チケット」と呼ばれる証明を発行し、利用者はそのチケットを示すだけで各サーバーを利用でき、パスワードを何度も送る必要がありません。
1993年9月には、バージョン5の仕様がインターネットの技術標準を定めるIETFからRFC 1510として公開されました。この仕様は改訂を経て、現在はRFC 4120に引き継がれています。Kerberosの考え方は、現在も社内ネットワークでの認証の仕組みとして使われています。
Webの普及で広がったシングルサインオンの方式
社内システムのWeb化が進むと、ブラウザで使うシステム向けのSSOが求められるようになりました。社内向けの方式に加え、組織をまたいで認証情報をやり取りする標準規格も登場します。
社内Webシステム向けの方式
社内のWebシステムをまとめる方法には、各サーバーに専用のソフトを組み込むエージェント方式があります。また、利用者とシステムの間に中継用のサーバーを置くリバースプロキシ方式も使われてきました。いずれも、一度ログインした情報をブラウザやサーバー側で引き継ぎ、ほかのシステムへの入力を省く仕組みです。
こうした方式は、自社のネットワークの中にあるシステムをまとめる用途に向いていました。一方で、仕組みが製品ごとに異なり、社外のサービスや取引先のシステムと認証をつなぐには、共通のルールが必要とされるようになりました。
組織をまたぐ認証を可能にしたSAML
組織の境界を越えて認証情報を受け渡すために生まれた標準規格が、SAML(サムル)です。認証を担う側(IdP)が「この利用者は本人確認済み」という証明をXML形式で発行し、サービス側(SP)がそれを信頼してログインを認める仕組みです。
標準化団体のOASISは、2005年3月にSAML 2.0を標準として承認しました。この規格により、自社で管理するIDを使って、外部のWebサービスにもログインできるフェデレーション(ID連携)が広がりました。SAML 2.0は、現在も業務向けクラウドサービスとの連携方式として使われています。
クラウド時代のシングルサインオン規格
2010年代に入ると、スマートフォンアプリやクラウドサービスの利用が広がり、より軽量で扱いやすい規格が求められました。SSOそのものもクラウドで提供される形が広がっていきます。
OAuth 2.0とOpenID Connectの登場
2012年10月には、IETFからOAuth 2.0の仕様がRFC 6749として公開されました。OAuth 2.0は、利用者のパスワードを渡さずに、別のサービスへ限られた操作の権限を与えるための仕組みです。権限を与える「認可」の規格であり、本人確認の手順までは定めていません。
そこで、OAuth 2.0の上に本人確認の仕組みを加えたOpenID Connectが、OpenID Foundationによって2014年2月に最終仕様として公開されました。データの形式が軽く、スマートフォンアプリとも組み合わせやすいことから、SAMLと並ぶSSOの連携方式として利用されています。
IDaaSとして提供されるSSO
クラウドサービスの利用が増えると、SSOの仕組み自体をクラウドで提供するIDaaSが広がりました。自社でサーバーを用意しなくても、管理画面から連携するサービスを登録してシングルサインオンを始められる点が特徴です。
あわせて、アカウントの作成や削除を連携先へ自動で反映する規格として、SCIM 2.0が2015年9月にIETFからRFC 7643とRFC 7644として公開されました。SSOが「ログインをまとめる」だけでなく、IDの登録から削除までを一元管理する役割を担うようになったことも、この時期の大きな変化です。
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市場データで見るSSO・IDaaSの現在地
SSO単体の市場規模を示す公的な統計は限られるため、ここではSSOを主要な機能に含むIDaaS市場について、調査会社が公表したデータを紹介します。調査ごとに対象範囲や集計方法が異なる点に注意してください。
国内のIDaaS市場の規模と伸び
調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は、2026年4月14日に「ITR Market View:アイデンティティ・アクセス管理/個人認証型セキュリティ市場2026」を発表しました。それによると、2024年度の国内IDaaS市場の売上金額は303億5,000万円で、前年度から23.9%増えています。
同社の予測では、2024~2029年度の年平均成長率は9.5%です。成長の背景には、SaaSやIaaSの利用拡大とハイブリッド環境の普及によるID管理の複雑化が挙げられています。多要素認証など強固な認証基盤への需要や、人事異動・退職時のID管理を効率化したいニーズも要因とされています。
世界のIDaaS市場の予測
海外の調査会社MarketsandMarketsは、2023年11月に世界のIDaaS市場の予測を公表しました。それによると、市場は2023年の70億米ドルから2028年には214億米ドルへ、年平均25.0%で成長するとされています。同調査では、構成要素の中でシングルサインオンが予測期間に最も高い成長率を示すと見込まれています。
国内と世界の数値は、調査会社や対象範囲、通貨、集計の期間が異なるため、そのまま比較することはできません。ただし、いずれの調査もクラウド利用の広がりや認証強化の需要を成長の要因に挙げており、ID管理の基盤としてSSOへの関心が続いていることがうかがえます。
ゼロトラストとパスワードレスで変わるSSOの役割
SSOは、利便性を高める仕組みから、セキュリティ対策の中心となる仕組みへと位置づけが変わりつつあります。ここでは、近年の考え方の変化と、これからの論点を紹介します。
ゼロトラストで高まる入口としての役割
米国国立標準技術研究所(NIST)は、2020年8月に「SP 800-207 ゼロトラスト・アーキテクチャ」を公表しました。ゼロトラストとは、社内ネットワークの内側であっても無条件には信頼せず、アクセスのたびに利用者や端末を確認する考え方です。
この考え方では、アクセスのたびに本人確認を行うことが前提です。そのため、ログインを1か所にまとめるシングルサインオンは、多要素認証や端末の状態による制御を組み合わせる場所として、重要な役割を担うようになりました。
パスキーやAIエージェントへの対応
近年は、パスワードを使わずにスマートフォンの生体認証などでログインするパスキー(FIDO2)を、SSOの認証手段として取り入れる動きがあります。パスワードの漏えいや使い回しのリスクを減らせる点が、導入の理由として挙げられます。
また、前述のITRの発表では、AIエージェントの普及や人ではないID(非人間ID)の増加を見据えた管理ニーズが、今後の論点として触れられています。人の利用者だけでなく、システムやAIが使うIDまでどう管理するかが、これからのSSOとID管理の論点の一つといえるでしょう。
連携方式の対応範囲で見るSSO製品一覧
SSOはKerberosからSAML、OpenID Connect、IDaaSへと発展してきました。その歴史を踏まえ、現在の主な連携方式や機能への対応が製品ごとにどう異なるかを一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| IIJ IDサービス | OpenID Connect 1.0とSAML 2.0に準拠したサービスへSSO。FIDO2にも対応 |
| HENNGE One Identity Edition | SAML認証で300を超えるクラウドサービスと連携 |
| Gluegent Gate(グルージェント ゲート) | SAML、OpenID Connect、代理認証など複数の連携方式に対応 |
| GMOトラスト・ログイン | SAML認証、フォームベース認証、Basic認証の3種類のSSOを選択 |
| Secioss Access Manager Enterprise(SAME) | SAML、OpenID Connect、代理認証、リバースプロキシ方式などに対応 |
| SeciossLink(セシオスリンク) | SAML、OpenID Connect、代理認証など多様な方式でSSO連携 |
| AccessMatrixUSO | アプリの設定変更なしで導入。デスクトップ・Web・メインフレームに対応 |
| CloudGate UNO | ゼロトラスト型のSSOにパスキー(FIDO2)認証とアクセス制限を組み合わせ |
| Okta Workforce Identity | SSOと多要素認証に加え、人事連携でアカウントを自動管理 |
| IDFederation | SAMLとOpenID Connectで複数のWebアプリにSSO。SCIM連携にも対応 |
規格の変遷を踏まえて選ぶSSO製品
古くからの代理認証やリバースプロキシ、標準規格のSAMLとOpenID Connect、近年のパスキーやアカウント自動連携まで、どの時代の仕組みに対応するかを軸に選びました。自社が使うサービスの連携方式と照らして確認してください。
IIJ IDサービス
- 超図解マニュアルと直感的・シンプルなUIで導入・運用がカンタン
- デバイス証明書認証やFIDO2認証など、さまざまな認証機能に対応
- 複数の国内DCで稼働する万全のセキュリティ体制
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJ IDサービス」は、OpenID Connect 1.0とSAML 2.0に準拠したサービスへのSSOを実現する国産のIDaaSです。一度の認証で、その後は再認証なく連携先へログインできます。ADとのID・パスワード・グループ情報の自動同期や、Windowsにログオンするだけで使える統合Windows認証にも対応し、FIDO2などの認証方式も選べます。
HENNGE One Identity Edition
- SAML認証で300超のクラウドサービスと連携が可能
- わかりやすいSSOマニュアルによりスムーズな導入が実現
- ID/パスワードを統合化し、パスワード管理の利便性が向上
HENNGE株式会社が提供する「HENNGE One Identity Edition」は、SAML認証で300を超えるクラウドサービスと連携できるIDaaSです。連携マニュアルが豊富で、SSOの実績がないサービスとの接続検証も、サポート内で無償対応しています。SSO対象のサービスをアイコンで一覧表示するポータルも用意され、利用者はそこから各サービスにログインできます。
Gluegent Gate(グルージェント ゲート)
- 連携サービスとのシングルサインオン設定で利便性を向上
- 連携サービスのIDを一元管理することで管理者の負荷を軽減
- 多要素認証、アクセス制限をサービスごとに自由に組み合わせ可能
サイオステクノロジー株式会社が提供する「Gluegent Gate(グルージェント ゲート)」は、クラウドとオンプレミスのどちらのWebアプリにもSSOを広げられるサービスです。汎用のSAML連携、OpenID Connect・OAuth連携、SAMLなどに未対応のWebアプリ向けの代理認証をそろえており、方式の異なるアプリが混在している環境で役立ちます。クラウドサービスとはプロビジョニングも連携できます。
GMOトラスト・ログイン
- 社内システム、業務アプリ、複数SaaSのIDを効率的に一元管理
- シングルサインオンで情報漏えいのリスクを減らし、利便性も向上
- 迅速に多要素認証を導入し、セキュリティを強化
GMOグローバルサイン株式会社が提供する「GMOトラスト・ログイン」は、Basic認証、SAML認証、フォームベース認証の3種類のSSOから、連携先にあった方式を選べるクラウド型のIDaaSです。社内システムでよく使われるBasic認証から、IDとパスワードを使わないSAML認証までを一つのサービスで扱えます。連携できる業務アプリのテンプレートが多数用意されている点も特徴です。
Secioss Access Manager Enterprise(SAME)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
- 柔軟なルール設定が可能なアクセス制御機能を搭載
株式会社セシオスが提供する「Secioss Access Manager Enterprise(SAME)」は、自社に設置して運用するオンプレミス型のSSOソフトです。SSOの方式として、SAML、OpenID Connect、OAuth、WS-Federation、リバースプロキシ方式、エージェント方式などに対応しており、新旧さまざまな連携方式を一つの基盤で扱えます。SAML未対応のSaaSには、代理認証でもSSOできます。
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink(セシオスリンク)」は、SAML、OpenID Connect、OAuth、WS-Federation、代理認証、リバースプロキシといった多様な方式でSSO連携できるIDaaSです。SAML対応のサービスはもちろん、未対応のサービスも代理認証やリバースプロキシでまとめられます。ワンタイムパスワードやFIDO(パスキー)を使った多要素認証にも対応しています。
AccessMatrixUSO
- IBMiシリーズ、AS/400にも対応!対象アプリを選ばずSSOを実現!
- 対象アプリ、ネットワークの設定変更は一切不要!
- らくらく無料トライアル!お客様にはPCをご用意いただくだけ!
株式会社ハイ・アベイラビリティ・システムズが提供する「AccessMatrixUSO」は、アプリケーションのソースコードや利用環境を変更せずにSSOを実現するソフトウェアです。デスクトップアプリ、Webアプリ、Javaアプリ、メインフレームのアプリなど幅広い種類に対応し、AS/400向けの端末エミュレータもSSOの対象にできます。SAMLにも対応しています(オプション)。社内ネットワーク時代から使われる環境が残る企業で検討しやすい製品です。
CloudGate UNO
- 認証機能とアクセス条件機能を組み合わせた柔軟なアクセス制限
- ゼロトラストモデルのシングルサインオンでユーザーの利便性向上
- ユーザーの活動状況などを一元管理することで管理コストの削減
株式会社インターナショナルシステムリサーチが提供する「CloudGate UNO」は、ゼロトラストアーキテクチャを採用したクラウド型のSSOサービスです。パスワードを使わない認証として、FIDO2に準拠した認証器や生体認証を使ったパスキー認証に対応しています。認証機能とアクセス条件を組み合わせた柔軟なアクセス制限もあり、パスワードレスへの移行を視野に入れる企業の候補です。
Okta Workforce Identity
- フィッシングに強い認証フローでログインをより簡単・安全にする
- ADやLDAP等と統合。全てのIDを単一コントロールプレーンから管理
- ユーザーのアクセスを1か所で管理しアクティビティを適切に把握
Okta Japan株式会社が提供する「Okta Workforce Identity」は、SSOと多要素認証に加えて、ユーザーアカウントのライフサイクルを管理できるクラウド型のサービスです。入退社や異動にともなうアカウントの作成・更新・停止を、人事システムと連携して自動化するプロビジョニング機能を備えています。SSOをログインの共通化にとどめず、IDの管理まで広げたい場合の選択肢です。
IDFederation (NTTドコモビジネス株式会社)
- SAML/OpenID Connectで複数WebアプリにSSO (Single Sign-On).
- 多要素認証、リスクベース認証に対応。
- 外部IdPやSCIM連携等によるID基盤との統合運用に適合。
まとめ
SSOの歴史は、社内ネットワークで認証をまとめるKerberosから始まりました。その後、組織をまたぐSAML 2.0、クラウドやアプリに適したOpenID Connect、IDaaSへと発展しています。ITRの調査では国内IDaaS市場の拡大が示され、ゼロトラストやパスキーの広がりでシングルサインオンの役割も増しています。自社が使うサービスの連携方式や認証手段を確認し、資料請求で各製品の対応範囲を比較してみてください。

