403エラーとアクセス遮断の原因パターン
WAFが原因で発生するエラーの中で最も多いのが403(アクセス禁止)エラーです。
誤検知による403エラーの発生原因
WAFが特定のリクエストを攻撃パターン(シグネチャ)に一致すると判断して遮断した場合、ユーザーは「403 Forbidden」のエラーページを表示されます。よくある誤検知のパターンとして、フォームの自由入力欄にSQLのキーワード(「or」「select」「union」等)が含まれるリクエスト・URLのパラメータに特殊文字(シングルクォート「'」やアングルブラケット「<>」等)が含まれるリクエスト・Webスクレイピングツールに似たUser-Agentを持つリクエストなどがあります。
403エラーがWAFに起因するかどうかを確認する手順として、まずWAFの管理画面でリクエストが遮断されたログを確認することが重要です。遮断ログに「遮断したルール名・リクエストのURL・送信元IP」が記録されている場合、そのルールが誤検知の原因です。WAFを一時的に検知モード(遮断しない)に切り替えて同じ操作を試し、エラーが解消されればWAFが原因と確定できます。
IPアドレスブロックリストによる意図しない遮断
WAFのIPアドレスブロック機能(特定のIPからのアクセスを遮断する設定)やIPレピュテーション機能(悪評のあるIPを自動ブロックする機能)が原因で、正規のユーザーや社内のIPアドレスが遮断されることがあります。特に、社内ネットワークのグローバルIPが過去にスパム送信や攻撃活動に使われたIPとして悪評リストに登録されている場合、社内からのアクセスが遮断されることがあります。
IPレピュテーションによる誤遮断が疑われる場合は、WAFの管理画面で該当のIPアドレスを許可リスト(ホワイトリスト)に登録することで解消できます。社内のIPアドレス・信頼できる外部サービスのIPアドレス・CDNのIPアドレスなどを事前にホワイトリストに登録しておく設定が、誤遮断を防ぐ有効な対策です。
フォーム送信・ファイルアップロードエラーの原因
ユーザーが最も気づきやすいWAFのエラーが、フォームの送信失敗やファイルアップロードのエラーです。
フォームデータに含まれる特殊文字による遮断
お問い合わせフォーム・コメント欄・レビュー入力などのテキストフォームで、ユーザーが入力した内容にSQLインジェクションやXSSの攻撃パターンに類似した文字列が含まれる場合、WAFが攻撃として判断して送信を遮断することがあります。例えば、プログラミングについてのコメントに「<script>」や「'; DROP TABLE」といった文字列が含まれる場合、正当なコメントでもWAFが遮断する可能性があります。
フォーム送信エラーへの対処として、対象のフォームが送信するURLパスに対してXSS・SQLインジェクションのルールの厳しさを緩和するか、ユーザー入力フィールドへの攻撃判定の閾値を調整する例外ルールを設定することが有効です。ただし、例外ルールを設定する際は、そのフォームに対して実際の攻撃が届くリスクを評価し、必要に応じてアプリケーション側でのサニタイジング(入力値の無害化処理)を実装することをお勧めします。
ファイルアップロードのサイズ・形式制限によるエラー
WAFのルールによって、特定のファイル形式(実行可能ファイル・スクリプトファイル等)や一定サイズ以上のファイルのアップロードがブロックされることがあります。ユーザーが画像・PDFなどの通常のファイルをアップロードしようとしてエラーが発生する場合、WAFのファイルアップロード制限が原因のことがあります。また、マルチパートリクエスト(ファイルアップロードに使われる形式)の最大サイズ制限がWAF側で設定されていて、大きなファイルのアップロードが失敗することもあります。
ファイルアップロードエラーが発生した場合は、WAFのログで遮断の詳細(拒否されたファイルの種類・サイズ・適用されたルール)を確認し、必要に応じてアップロードを許可するファイル形式の追加または許可サイズの上限変更を設定することをお勧めします。なお、実行可能ファイルや潜在的に危険なファイル形式のアップロードを許可する場合は、アプリケーション側での安全性確認(ウイルスチェック・ファイル形式の検証等)の実装を検討することが重要です。
APIエラーとSSL/TLS関連エラーへの対処
APIとの通信やHTTPS設定に関連するエラーは、技術的な確認が必要なことが多いです。
APIレスポンスのWAF起因エラーを特定する方法
REST APIやGraphQL APIを使うアプリケーションでは、APIへのリクエストがWAFに遮断されると、クライアント側で「503 Service Unavailable」「403 Forbidden」などのエラーが発生します。APIのエラーがWAFに起因するかどうかを確認するには、APIリクエストのヘッダー・ボディの内容とWAFのログを照合することが重要です。特に、大きなJSONペイロード・特殊な文字エンコード・標準外のHTTPヘッダーを含むAPIリクエストが遮断されることがあります。
API固有の通信パターンをWAFに学習させるか、APIエンドポイントへのリクエストに対して適切な例外ルールを設定することで、APIの通信を正常に通過させながら攻撃を防御できます。APIセキュリティ機能を持つWAFでは、OpenAPI仕様(Swagger)からAPIの正常なリクエスト形式を定義することで、誤検知なく攻撃のみを遮断する設定が可能です。
SSL/TLS関連のエラーと証明書設定の問題
クラウド型WAFを通じてHTTPSサイトを提供する場合、WAFにSSL/TLS証明書を正しく設定しないと、ユーザーのブラウザに「証明書エラー」が表示されたり、HTTPSでの接続が確立できなくなったりします。よくある問題として、WAFへのSSL証明書のインポート時にチェーン証明書(中間CA証明書)が不完全な場合や、証明書の有効期限切れ後に更新が行われていない場合があります。
SSL証明書のエラーが発生した場合は、まずWAFの管理画面で証明書の設定状態と有効期限を確認することをお勧めします。ブラウザの開発者ツールで証明書の詳細(発行者・有効期限・チェーン構成)を確認することで、問題の箇所を特定できます。証明書の更新作業を忘れないよう、有効期限の30~60日前に通知が届くアラート設定を行っておくことが重要です。
エラー対処も見据えてWAF製品を比較する
WAFの導入後は、誤検知やアクセス遮断、設定変更が必要になる場合があります。防御機能だけでなく、ログ確認や運用サポート、設定のしやすさも含めて比較しましょう。
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攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)は、Webサイトの前段に設置するクラウド型のWebセキュリティサービスです。Webアプリケーション層へのサイバー攻撃をリアルタイムに可視化・遮断します。
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WAFのエラーに関するFAQ
WAFの機能に起因するエラーについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:WAFが原因かどうかを確認する最初のステップは何ですか?
- WAFを一時的に検知モード(遮断しないモード)に切り替えて、エラーが解消されるかを確認することが最初のステップです。エラーが解消されればWAFが原因と特定でき、WAFのログで遮断されたリクエストの詳細を確認できます。
- ■Q2:例外ルールを設定するとセキュリティが低下しますか?
- 例外ルールを設定すると、その対象のリクエストに対して特定のチェックが行われなくなります。影響範囲を最小限に絞った例外設定(特定のURLパス・パラメータのみ)にし、アプリケーション側での入力検証も併用することをお勧めします。
- ■Q3:WAFのエラーログをわかりやすく解析するツールはありますか?
- WAF管理画面のログ検索機能を活用するほか、SIEMにログを連携してフィルタリング・可視化する方法があります。ベンダーが提供するログ解析ダッシュボードや、専用のレポート機能があるとログの解析効率が向上します。
まとめ
WAFの機能に起因するエラーは、誤検知による403エラー・フォーム送信の遮断・ファイルアップロード制限・APIリクエストの遮断・SSL証明書の設定問題が代表的です。エラーが発生した際は、WAFを検知モードに切り替えてWAFが原因かを確認し、管理画面のログで遮断の詳細を特定してから例外ルールを設定する手順が基本です。エラーへの対処が容易なサポートとログ機能を持つWAF製品を選ぶことで、トラブル解決の負担を軽減できます。


