中小企業におけるWAFの重要性
中小企業にとって、Webサイトやクラウドサービスはビジネスの成長を支える重要なツールです。しかし、近年、サイバー攻撃のリスクが高まっており、大企業に比べて対策が遅れがちな中小企業は、標的にされるケースが増えています。その主な理由は以下のとおりです。
- ●限られたセキュリティ予算のため、十分な対策を講じるのが難しい
- ●IT専任の担当者が不足しており、Webサイトの脆弱性が放置されやすい
- ●取引先を経由したサプライチェーン攻撃を受けやすい
こうしたリスクからWebサイトを守るために有効なのが、WAF(Web Application Firewall)です。WAFは、Webサイトの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を防ぐための重要なセキュリティ対策ツールであり、以下のようなメリットがあります。
- ●DDoS攻撃やSQLインジェクションなどのサイバー攻撃をブロック
- ●個人情報や機密データの漏えいリスクを低減
- ●安全なWebサービスの提供を実現
WAFは、低コストで導入できるセキュリティ対策として、中小企業にも最適です。企業の信頼を守るために、早めの導入を検討しましょう。なお、WAFの仕組みや必要性については、以下の記事で詳しく解説しています。ファイアウォールとの違いも紹介しているので、自社に適したセキュリティ対策を検討する際にお役立てください。
中小企業がWAFを導入するメリット
中小企業がWAFの導入によって得られる主なメリットを解説します。
Webサイトのセキュリティ向上
WAFを導入することで、専門知識がなくても簡単な設定でWebサイトのセキュリティ強化が可能です。これにより、顧客の個人情報や取引データを安全に保護できます。また、導入や運用も簡単なため、IT担当者が不在の中小企業でもスムーズに導入できる点も大きなメリットです。
情報漏えいリスクの低減
中小企業では、セキュリティ専任の担当者がいない場合が多く、手動での監視が難しいのが実情です。WAFを導入すれば、24時間体制でWebサイトを監視し、異常なトラフィックを即座に検知・ブロックします。これにより、被害拡大を防ぎ、ビジネスの継続性を確保できます。
コンプライアンスへの対応
近年、個人情報保護法やGDPRなどの規制が強化され、中小企業にも適切なセキュリティ対策が求められています。 WAFを導入することで、不正アクセスの防止やデータの適切な管理を実現し、情報漏えいによる法的リスクを回避できます。特に、顧客情報を扱うECサイト、医療、金融などの分野では、WAF導入が企業の信頼向上につながります。
サイバー攻撃への迅速な対応
中小企業では、サイバー攻撃に気づかないまま被害が拡大するケースもあります。WAFを導入すれば、24時間体制でWebサイトを保護し、攻撃を受けても迅速な対応が可能になります。これにより、被害を最小限に抑えられます。
中小企業向けWAFの選び方
ここでは、中小企業がWAFを選ぶ際に特に重要なポイントを解説します。
オンプレミス型かクラウド型か
WAFの導入形態には、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。自社の予算や運用体制にあわせて、最適な形態を選ぶことが重要です。
- ■オンプレミス型
- ●メリット:自社サーバに設置するため、高度なカスタマイズが可能。自社のセキュリティポリシーにあわせた柔軟な運用ができる。
- ●デメリット:初期費用が高く、システムの運用には専門知識をもった担当者が必要。
- ■クラウド型
- ●メリット:初期費用を抑えられ、運用負荷も少ない。専門知識がなくても簡単に導入・管理が可能。
- ●デメリット:カスタマイズの自由度が低く、ベンダーのサービス内容に依存することがある。
中小企業では、コストを抑え、導入・運用の手間を最小限にできるクラウド型WAFの導入がおすすめです。
必要な機能が備わっているか
中小企業に適したWAFを選ぶには、必要なセキュリティ機能が充実しているかを確認することが重要です。特に、以下の機能はWebサイトの安全性を確保するために不可欠です。
- ●DDoS対策:大量の不正アクセスによるサーバダウンを防げるか
- ●SQLインジェクション対策:データベースへの不正アクセスを防げるか
- ●クロスサイトスクリプティング(XSS)対策:Webサイトの改ざんや情報漏えいを防げるか
- ●ログ管理機能:アクセス履歴を可視化し、不正アクセスの追跡ができるか
- ●カスタマイズ性:自社の業務にあわせた設定変更が可能か
これらの機能が適切に搭載されているかを確認し、自社のニーズに最適なWAFを選びましょう。
既存のWebサイトと簡単に連携できるか
WAFを導入する際、既存のWebサイトに影響を与えず、スムーズに導入・運用できるかが重要です。DNS設定の変更やシステム改修を最小限に抑えられるWAFを選ぶことで、業務の継続性を確保します。特にクラウド型WAFは、導入が簡単で、手軽に既存の環境と連携できるため、中小企業に適しています。
IT担当者がいなくても導入できるか
中小企業では、IT担当者が不足している、または十分なリソースを確保できないケースが多く、簡単に導入・運用できるWAFを選ぶことが重要です。操作がわかりやすい管理画面や、自動化機能が搭載されているWAFであれば、専門知識がなくてもスムーズに運用可能です。また、導入サポートや運用支援サービスの充実度も、選定時に必ず確認しましょう。
【中小企業向け】おすすめのWAF製品
中小企業でも導入しやすい、おすすめのWAF製品を厳選して紹介します。
攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)
株式会社サイバーセキュリティクラウドが提供する「攻撃遮断くん」は、コストを抑えて導入できるクラウド型のWAFです。設定がシンプルで、IT担当者が不在の中小企業でも運用しやすいのが特徴です。日本語によるサポートも充実しており、トラブル時にも安心です。無料トライアルが用意されているため、操作性や機能を事前に確認し、自社のニーズに適しているかを確認できます。
参考価格:ベンダーにお問い合わせください。
SiteGuard
EGセキュアソリューションズ株式会社が提供する「SiteGuard」は、クラウド型とソフトウェア型の両方に対応した国産WAFです。中小企業向けに最適化された3つの製品ラインナップがあり、予算や運用環境にあわせた選択が可能です。特に、国内企業ならではの充実した日本語サポートにより、導入後の運用も安心です。
参考価格:ベンダーにお問い合わせください。
Cloudbric WAF+
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「Cloudbric WAF+」は、DNS設定のみで導入できる手軽なクラウド型WAFです。無料のSSL証明書が付帯しており、コストを抑えつつセキュリティを強化したい中小企業に適しています。また、直感的な管理画面により、IT担当者がいなくても簡単に運用が可能です。
参考価格:月額28,000円~
まとめ
中小企業のWebサイトは、サイバー攻撃の標的になりやすいのが現状です。WAF導入により、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの攻撃からWebサイトを守り、顧客情報や重要なデータを安全に保護できます。
適切なセキュリティ対策を講じることは、企業の信頼向上にもつながります。まずは資料請求を行い、自社に最適なWAFを見つけましょう。ITトレンドではさまざまなWAF製品を比較できるので、ぜひご活用ください。