ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■AIを使う場面別
- ログイン時・ログイン後のリスク判定:Okta Workforce Identity
- 端末やネットワークの脅威検知・自動対応:Sophos MDR、iboss
- ログの分析と調査の補助:Sophos MDR
- アクセスログにもとづくサービスの自動識別:CYGIENE ECAP(サイジーン イーキャップ)
- ■生成AI利用の管理範囲別
- 生成AIサービスの利用状況の可視化:Cloudflare One
- 入力データの持ち出し制御:Cloudflare One
- ■AI機能以外の選定目的別
- ID管理・認証の強化:SeciossLink(セシオスリンク)
- 社内外のアクセス制御:Zero Trust Secure Access
ゼロトラスト・セキュリティでAIを活用する方法
ゼロトラストでは、アクセスのたびに利用者や端末の状態を確かめます。確かめる回数と見るべきログが増えるため、人の目だけでは追いつかない部分をAIが補う形です。役割は大きく3つに分けられます。
アクセスのたびに検証する負担を減らす
AIの役割の1つ目は、毎回のアクセス検証を自動で判断し、管理者の負担を抑えることです。ゼロトラストでは社内からの接続であっても無条件には許可せず、ID・端末・場所・時間などを組み合わせて判断します。
条件をすべて人が手作業でルール化すると、例外が増えて管理しきれなくなる場合があります。AIを使う製品では、過去の利用傾向をもとに「いつもと違う」アクセスを見分け、追加認証やブロックを自動で求める仕組みが用意されています。
大量のログから注意すべき動きを拾う
2つ目の役割は、ID基盤やプロキシ、端末から集まる大量のログの中から、調査が必要な動きを拾い出すことです。ゼロトラストの構成では複数の製品がそれぞれログを出すため、記録の量は従来より増える傾向があります。
AIによる分析では、ばらばらのログを利用者単位でつなぎ、ふだんと異なる操作の流れを警告として示します。ただし、警告の精度は学習に使うデータ量や設定にも左右されます。最終的な判断は人が行う前提で使いましょう。警告の重要度で並べ替えられるかどうかも、調査の手間に影響します。
生成AIの利用を守る側に回る
3つ目は、AIそのものを守る対象として扱う役割です。社員が生成AIサービスに社内情報を入力すると、意図しない情報の外部送信につながるおそれがあります。
そこでゼロトラストの「誰が・どの端末から・何に接続するかを都度確かめる」考え方を、生成AIサービスへの接続にも当てはめます。利用を一律に禁止するのではなく、許可したサービスと用途に限って使わせる管理方法も選べます。
AIを使ったアクセス判定の仕組み
AIを使ったアクセス判定は、利用者や端末の「ふだんの状態」を学び、そこからのずれを点数のように評価する仕組みです。代表的なリスクベース認証と振る舞い分析、そして判定後の自動対応の流れを見ていきます。
リスクベース認証の判定
リスクベース認証とは、ログインの危険度を評価し、危険度に応じて認証の強さを変える方式です。例えば、いつもの端末と場所からのログインはそのまま通し、初めての国や深夜の接続では多要素認証を追加で求めます。
評価には、接続元のIPアドレスや端末の識別情報、ログインの時間帯、直前の失敗回数などが使われます。どの情報を評価に使うかは製品によって異なるため、自社で取得できる情報と照らし合わせて確認しましょう。
利用者と端末の振る舞い分析
振る舞い分析は、ログイン後の操作まで含めて、いつもと違う動きを見つける仕組みです。英語の略称でUEBA(User and Entity Behavior Analytics)と呼ばれることもあります。
例えば、ふだん営業資料しか開かない利用者が、短時間に大量の設計データをダウンロードした場合に警告を出します。正規のIDが盗まれて使われるケースは認証だけでは見分けにくいため、ログイン後の監視で補う考え方です。
判定結果にもとづく自動対応
危険度が高いと判定されたあとの対応も、あらかじめ自動化できます。代表的な対応は、セッションの切断、追加認証の要求、端末のネットワークからの隔離、管理者への通知です。
自動対応は被害の広がりを抑えるうえで有効ですが、誤って正規の業務を止める可能性もあります。最初は通知だけにとどめ、判定の傾向を確かめてから遮断まで自動化するなど、段階を分けて設定すると影響を抑えられます。
生成AIの業務利用をゼロトラストで守る
生成AIの業務利用は、ゼロトラスト・セキュリティで管理する対象の1つとして扱えます。利用状況の把握、入力するデータの制御、利用者と端末の条件づけという3つの観点で、守り方を整理します。
利用されている生成AIサービスを把握する
最初に取り組みたいのは、社内でどの生成AIサービスが使われているかを把握することです。会社が把握していないクラウドサービスの利用は「シャドーIT」と呼ばれ、生成AIでも同じ状況が起こり得ます。
Webアクセスを中継するプロキシ(SWG)や、クラウドサービスの利用を可視化するCASBを使うと、接続先と利用者を一覧で確認できます。実態をつかんでから、許可するサービスと禁止するサービスを決めると現場の混乱を抑えられます。
入力するデータの種類で制御する
次に、生成AIへ送るデータの中身で利用を制御します。個人情報や顧客の機密情報など、外部に出したくない情報の種類をあらかじめ定義し、該当する入力を検知・警告・遮断する方法です。
この仕組みはDLP(情報漏えい対策)と呼ばれる機能で実現されます。すべてを遮断すると業務での活用が進まないため、警告にとどめる情報と遮断する情報を分けて設定するのが現実的です。対応範囲は製品ごとに確認しましょう。
利用者と端末の条件をつける
生成AIサービスへの接続にも、ゼロトラストの条件づけを当てはめます。会社が管理する端末からのみ利用を認める、特定の部署だけに利用を許可する、多要素認証を済ませた利用者に限る、といった設定です。
条件をつけておくと、私物端末からの利用や退職者のアカウントが残った状態での利用を抑えやすくなります。社内の生成AI利用ルールと設定内容をそろえ、ルールの改定にあわせて設定も見直しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でゼロトラスト・セキュリティ製品の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
ゼロトラスト製品のAIを運用するコツ|判定を運用に組み込む
AIの判定は便利な一方で、誤検知や判断理由の見えにくさといった課題もあります。導入後に「警告が多すぎて誰も見なくなる」状態を避けるため、運用に組み込む際の注意点を押さえておきましょう。
誤検知と見逃しへの備え
AIの判定には、正しい操作を危険と判断する誤検知と、危険な操作を見逃すケースの両方が起こり得ます。どちらも学習データの量や、業務の変化、設定のしきい値など複数の要因に左右されます。
対策として、導入初期は警告の内容を定期的に振り返り、しきい値や除外条件を調整します。繁忙期や組織変更の直後は利用傾向が変わりやすいため、判定の傾向が変わっていないかも確認しましょう。調整の内容は記録に残し、担当者が替わっても経緯をたどれるようにしておくと安心です。
判定理由を確認できるかどうか
警告を受けた管理者が対応を決めるには、なぜ危険と判定されたのかを確認できることが大切です。判定理由が示されないと、利用者への説明や再発防止策の検討が難しくなります。
製品を比べる際は、判定に使われた要素が警告画面に表示されるか、関連するログへすぐに移動できるかを確かめましょう。デモ環境や無料トライアルで、実際の警告画面を見ておくと判断材料が増えます。
AIに任せる範囲と人が判断する範囲
ゼロトラストにAIを取り入れる際は、何をAIに任せ、何を人が判断するかを先に決めておくと運用が安定します。任せ方の考え方と、そのための体制づくりを紹介します。
影響の大きさで線を引く
AIに任せる範囲は、判定を誤ったときの影響の大きさで決めるとわかりやすくなります。追加認証の要求のように、誤っても利用者が少し手間をかけるだけの対応は自動化に向いています。
一方、全社員のアクセスを止める、重要システムを遮断するといった業務への影響が大きい対応は、人の承認を挟む設定にしておくと安心です。自動対応の範囲は一度決めて終わりにせず、運用実績を見ながら広げていきましょう。
警告を受け止める体制を整える
AIが警告を出しても、受け止める人や手順がなければ対応は進みません。夜間や休日の警告を誰が確認するのか、どの段階で情報システム部門の責任者に報告するのかを手順書にまとめておきます。
社内だけで24時間の監視が難しい場合は、監視と初動対応を外部に任せるMDRなどのサービスを組み合わせる方法もあります。担当者1人に依存しないよう、対応記録を共有して複数人で状況を把握できるようにしましょう。
AI搭載のゼロトラスト製品を比較するポイント
ゼロトラスト関連製品のAI機能は、判定の対象や自動対応の範囲が製品ごとに異なります。搭載の有無だけで選ばず、確認できる項目で比べましょう。
AIが判定する対象と範囲
AIが判定するのがログイン時のアクセス可否なのか、ログイン後の操作なのか、端末の状態なのかを確認します。クラウドサービスや社内システムなど、自社が守りたい接続先をどこまで対象にできるかも比べる点です。
生成AIサービスへの入力を制御できるかどうかも確認し、自社が重視する用途に合う範囲の製品を選びましょう。
判定理由の確認と自動対応の設定
判定結果だけでなく、その理由を管理画面で確認できるかを比べます。理由が分かれば、誤検知かどうかの判断や設定の見直しに使えます。
自動対応は、追加認証の要求やアクセスの遮断など、どこまでを自動で行うか選べるかを確認しましょう。影響の大きい対応は、人の承認を挟めると安心です。設定した内容を変更した際の履歴が残るかも、あわせて確認しておきましょう。
既存環境との連携と費用の条件
認証基盤やセキュリティ製品との連携方法、ログを取り込める範囲を確認します。連携できない場合は、判定に使える情報が限られるおそれがあります。
AI機能が標準で使えるのか、オプションや上位プランでの提供なのかによって、費用の発生条件も変わります。資料請求の際は、利用人数や接続先を伝えて見積もりを依頼すると、比較しやすくなります。
AI機能搭載のゼロトラスト製品一覧
この記事で紹介するゼロトラスト製品のうち、製品ページでAI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Sophos MDR | AIと専門アナリストが24時間365日、脅威の監視から対応まで代行 |
| Okta Workforce Identity | SSOや多要素認証に加え、AIがログイン後も脅威を継続監視 |
| Cloudflare One | ZTNA・SWG・DLPを統合したSASE。シャドーAIの可視化機能も提供 |
| CYGIENE ECAP(サイジーン イーキャップ) | 端末内でCASB・SWGを実現。アクセスログからAIがサービスを自動識別 |
| iboss | クラウド型SASEでネットワークとセキュリティを統合し、AIで脅威を検知 |
AI機能搭載のゼロトラスト製品の紹介
ここでは、AI機能を備えたゼロトラスト製品を紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。
Sophos MDR
- AIが平均89秒で自動対応し、迅速に脅威を抑止
- 350超の外部セキュリティツールと連携可能
- 人間のアナリストが最終判断を担い説明責任を確保
三信電気株式会社が提供する「Sophos MDR」は、AIの自動対応と専門アナリストの判断を組み合わせた、フルマネージド型の脅威検知・対応サービスです。AIが調査と対応を素早く進め、アナリストがその結果を監視して最終判断を担うため、AIに任せきりにしない運用を目指す企業に向きます。24時間365日体制で、エンドポイントやメール、ネットワーク、クラウドを対象に、監視から封じ込め、排除までの対応を代行します。
Okta Workforce Identity
- リソースへのアクセスに必要な認証と認可を実施
- エンドポイントやネットワークセキュリティなどとも連携が容易
- ユーザーライフサイクル管理、APIへのセキュアなアクセスを提供
Okta Japan株式会社が提供する「Okta Workforce Identity」は、ログイン後の動きまでAIで見守る、クラウド型のID管理・認証基盤です。シングルサインオンやパスワードレス認証に加え、AIがログイン後も継続的に脅威を監視してアイデンティティを保護するIdentity Threat Protectionを提供します。機密性に応じて必要なときだけ追加の認証を求める仕組みもあり、利便性とのバランスを取りやすい点が特徴です。ログイン時の判定を重視する企業の候補です。
Cloudflare One
- VPN不要のゼロトラスト(ZTNA)を既存環境と併用し段階的に導入
- SWG・CASB・DLP等の多層防御を単一画面で一元管理
- 世界125カ国330都市以上の拠点網が低遅延かつ高可用性を提供
TDI株式会社が提供する「Cloudflare One」は、生成AIの業務利用の管理まで視野に入れたい企業が検討できるSASEです。ネットワーク機能とセキュリティ機能を一つのプラットフォームに統合し、アプリ単位のアクセス制御(ZTNA)、Webの閲覧制御(SWG)、DLP、CASBなどを備えます。生成AI関連では、シャドーAIのダッシュボードやプロンプトのログ・分類、DLPとの連携を行うSASE for AIが用意されています。
iboss (iboss)
- SASEでNWとセキュリティを統合
- ゼロトラストで全アクセスを保護
- AIで高度な脅威をリアルタイム検知・防御
AI機能以外の目的で選ぶゼロトラスト製品
AI機能以外の観点でゼロトラスト製品を選びたい場合に検討できる製品を紹介します。AIの有無は資料で確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| SeciossLink(セシオスリンク) | IDaaS機能にリスク検知を搭載。いつもと違う挙動を管理者へ通知 |
| Zero Trust Secure Access | ID・端末評価と動的ポリシーでアクセスを制御。SWGとZTNAを提供 |
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink(セシオスリンク)」は、IDaaS機能にリスク検知を加えたセキュリティサービスです。ID管理、シングルサインオン、多要素認証を備え、いつもと違う挙動を検知して管理者やユーザーに通知するため、ログイン時の異常に気づく手がかりとなります。IPアドレスや時間、国によるアクセス制御も設定できます。検知の仕組みの詳細は、資料請求の際にあわせて確認しておくと安心です。
Zero Trust Secure Access (トレンドマイクロ株式会社)
- ID・端末評価と動的ポリシーでアクセス制御。
- SWGによるWeb/SaaS脅威検査、URLフィルタ、サンドボックスに対応
- VPN代替で社内アプリへ安全接続。
まとめ
ゼロトラストとAIは、AIがアクセス判定やログ分析を補う関係と、生成AIの業務利用をゼロトラストで守る関係の両面から考えると整理しやすくなります。AIの判定には誤検知も起こり得るため、判定理由を確認できるか、自動対応の範囲をどう決めるかが運用のポイントです。自社がどちらの面を重視するかを決めたうえで、ゼロトラスト・セキュリティ製品の資料請求をして比較検討を進めましょう。

