社内システムとの認証連携で確認したいこと
アカウント管理の効率化を考えるうえで、社内の認証基盤との連携は重要な検討項目になります。Active Directoryとの連携とシングルサインオンの考え方を整理します。
Active Directoryとの連携の仕組み
Active Directoryと連携できるクラウドメールでは、社内のユーザー情報をもとにアカウントを一括で作成・更新できる場合があります。人事異動や退職に伴うアカウントの整理も、連携によって効率化しやすくなります。
連携の範囲は製品によって異なり、パスワードの同期まで対応するものと、アカウント情報の同期のみに対応するものがあります。自社が求める連携範囲を明確にしたうえで、対応可否を確認することが重要です。連携による同期の頻度や、反映までにかかる時間も、退職者アカウントの停止など緊急性の高い操作では確認しておきたい項目です。
シングルサインオンに関する確認事項
シングルサインオンに対応していると、利用者は一度の認証で複数のシステムにアクセスできるようになり、パスワード管理の負担を減らせる場合があります。導入にあたっては、対応する認証方式が自社の環境と合うかを確認しましょう。
シングルサインオンの設定に不備があると、意図しないアクセス権限が発生する可能性があります。設定後は情報システム部門による動作確認を行い、権限が正しく反映されているかをチェックする体制を整えることが望ましいといえます。設定変更を行った際は、複数の担当者でダブルチェックを行う運用にしておくと、意図しない権限付与を防ぎやすくなります。
カレンダーやグループウェアとの連携
日常業務ではメールだけでなく、予定管理や社内コミュニケーションのツールとあわせて利用する場面が多くあります。カレンダーとグループウェアとの連携を確認します。
カレンダー連携で実現できること
カレンダー機能と連携できるクラウドメールでは、メールから会議の予定を直接登録したり、参加者の空き時間を確認したりできる場合があります。予定調整にかかるやり取りの往復を減らせる可能性があります。
社外の取引先とやり取りする機会が多い企業では、カレンダーの共有範囲を細かく設定できるかも確認しておくと安心です。誤って社外に予定の詳細を公開してしまわないよう、共有設定の初期値も確認しておきましょう。部署をまたいだ会議室の予約状況を横断的に確認できる機能があれば、社内調整の手間も減らせる場合があります。
グループウェアと連携する際の注意点
既存のグループウェアを利用している企業では、クラウドメールとの連携によって掲示板やワークフローの通知をメールで受け取れる場合があります。連携範囲が広いほど、複数のツールを行き来する手間を減らせる可能性があります。
一方で、連携する製品同士のバージョンやAPI仕様の違いにより、一部の通知が届かないなどの不具合が起こる場合があります。連携前に対応バージョンを確認し、導入後は定期的に連携状況を確認する運用を組み込みましょう。グループウェアの更新にあわせて連携仕様が変更される場合もあるため、更新情報を継続的に確認する担当者を決めておくと安心です。
セキュリティ製品との連携によるリスク低減
メールを起点としたサイバー攻撃への対策として、セキュリティ製品とクラウドメールを連携させる企業が増えています。連携の目的と確認事項を整理します。
セキュリティ製品と連携する目的
標的型攻撃メール対策や、不正アクセス検知の製品と連携することで、クラウドメール単体では検知しにくい脅威にも対応しやすくなる場合があります。連携によって、複数のセキュリティ層で確認できる体制を整えられます。
連携する製品同士で検知基準が異なる場合、通知が重複したり、対応の優先順位づけが難しくなったりすることがあります。導入前に、どの製品がどの範囲を担当するのかを整理しておくことが望ましいといえます。役割分担を整理する際は、情報システム部門とセキュリティ担当部門が連携して要件をすり合わせることが重要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウドメールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
連携時に確認したい設定範囲
セキュリティ製品との連携範囲は、送受信メールのスキャンだけでなく、添付ファイルの検疫やURLリンクの検査まで及ぶ場合があります。自社が求めるセキュリティ水準にあわせて、必要な連携範囲を確認しましょう。
連携設定を誤ると、正当なメールが誤って隔離されてしまう場合があります。隔離されたメールを管理者や利用者が確認できる仕組みがあるか、誤検知が発生した際の対応手順もあわせて整理しておくと安心です。隔離されたメールの一覧を定期的に確認する担当者を決めておくと、重要な連絡の見落としを防ぎやすくなります。
クラウドストレージやAPIとの連携
ファイル共有やシステム間連携の効率化を図るうえで、クラウドストレージとの連携やAPIの活用が検討されます。それぞれの確認ポイントを整理します。
クラウドストレージとの連携で実現できること
クラウドストレージと連携できるクラウドメールでは、大容量の添付ファイルをリンク形式で共有し、メール本体の容量を圧迫せずに送受信できる場合があります。誤送信時にリンクを無効化できる機能があれば、情報漏えいのリスクを抑えやすくなります。リンクの有効期限やダウンロード回数を制限できる機能があると、より慎重にファイルを取り扱いたい場面でも対応しやすくなります。
連携先のストレージサービスによって、アクセス権限の設定範囲や保存期間の管理方法が異なります。自社で既に利用しているストレージサービスと連携できるかを、導入前に確認しておきましょう。既に複数のストレージサービスを併用している企業では、対応できるサービス数が多い製品の方が運用の一元化につながりやすくなります。
API連携のしやすさを確認する視点
独自の業務システムとクラウドメールを連携させたい場合、APIが公開されているか、必要な機能がAPI経由で操作できるかを確認する必要があります。APIの仕様書やサンプルコードが整備されているかも、開発のしやすさに影響します。開発を外部委託する場合は、委託先が過去に同様のAPI連携を手がけた実績があるかも確認しておくと安心です。
API連携では、リクエストの上限回数や、認証エラーが発生した際の挙動もあらかじめ確認しておくことが重要です。開発担当者だけでなく、運用担当者もエラー発生時の対応手順を共有しておくと安心です。上限回数に達した場合の挙動が製品によって異なるため、業務への影響を事前にシミュレーションしておくと安心です。
連携機能を評価する際に押さえたい確認軸
連携できるシステムの種類だけでなく、実際の運用でどこまで活用できるかを見極めることが、導入後の満足度を左右します。
対応システムの範囲を確認する
連携できるシステムの一覧が公開されていても、自社が利用しているバージョンやプランで実際に連携できるとは限りません。導入前に、自社の利用環境で動作確認が取れているかをベンダーに確認しておくことが望ましいといえます。
将来的に利用するシステムを変更する可能性がある場合は、変更後も連携を維持できるかどうかもあわせて確認しておくと、長期的な運用の安定につながります。複数の候補システムを比較する際は、連携実績の有無をベンダーに確認しておくと判断材料が増えます。既に連携実績が豊富な組み合わせであれば、導入後の想定外のトラブルを減らせる可能性が高まります。
連携エラー発生時の対応体制を確認する
複数のシステムが関わる連携では、どちらの製品に原因があるか切り分けが難しい場合があります。エラー発生時にどちらのサポート窓口へ問い合わせるべきか、あらかじめ確認しておくと対応がスムーズになります。
連携エラーの通知が管理者に届く仕組みがあるかも重要な確認項目です。エラーに気づかないまま業務が滞ってしまう事態を防ぐため、監視体制もあわせて検討しましょう。定期的な連携テストを運用に組み込んでおくと、システム更新に伴う不具合を早期に発見しやすくなります。
連携性に強みを持つクラウドメールサービス
ここまで解説したActive Directoryやカレンダー、セキュリティ製品との連携を踏まえ、連携機能に対応したクラウドメールサービスを紹介します。自社が既に利用しているシステムとの組み合わせを確認しながら比較検討してください。
Microsoft 365 with IIJ
- Microsoft 365のメールセキュリティを強化
- Microsoft 365とIIJの二重防御でスパム対策
- Microsoft 365導入についてのお悩みを解消
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「Microsoft 365 with IIJ」は、Exchange Onlineを中心としたMicrosoft 365をベースにしたサービスです。IIJのサポートを受けながら利用できる点が特徴です。Active Directoryとの連携によるアカウント管理や、Outlookのカレンダー機能との連動など、社内システムとの連携性を重視する企業に適した構成になっています。
IIJセキュアMXサービス
- 送受信時に求められる複数セキュリティをワンストップで提供
- メールボックス機能でメールのフルアウトソースを実現
- 独自セキュリティ機能を実装したWebメール
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアMXサービス」は、法人向けのメールセキュリティサービスです。既存のメール環境と組み合わせて導入できる構成になっており、標的型攻撃メール対策などのセキュリティ製品と連携させて多層的な防御体制を整えたい企業の検討先になります。
xgate4
- 「快適」かつ「安全」な利用 メール環境を導入したい企業
- マルチブラウザ、キャリア対応
- 使いなれたわかりやすいユーザーインター フェース
株式会社オレンジソフトが提供する「xgate4」は、迷惑メール対策や誤送信防止など複数のセキュリティ機能を備えたクラウドメールサービスです。既存の社内システムと組み合わせて運用しやすい構成になっており、セキュリティ製品との連携を重視する企業の選択肢の一つです。
Microsoft Exchange (日本マイクロソフト株式会社)
- メール、予定表、連絡先、タスク管理を一元化で円滑に業務連携
- クラウド版は自動更新・セキュリティ対応、最新機能利用可。
- オンプレミス版にも対応。自社サーバ運用や既存システム連携も
CyberMail (サイバーソリューションズ株式会社)
- 日本企業独自のニーズに応える豊富な機能
- 月額250円~の低コスト高セキュリティ。
- 国内DC稼働、稼働率99.991%
まとめ
クラウドメールは、認証基盤やグループウェア、セキュリティ製品、クラウドストレージなどと連携することで運用効率を高められる場合があります。連携範囲やエラー時の対応体制を確認しながら、自社のシステム構成にあう製品を比較検討しましょう。連携先が多いほど便利に感じられますが、実際に運用で使う範囲を見極めて選ぶことが大切です。


