クラウドメールサービスとは
クラウドメールサービスとは、インターネット上のサーバを介してメールを送受信するサービスです。Webブラウザやアプリでメールを作成できるほか、クラウドサービスのためインターネット環境下であれば場所や端末を問わず利用可能です。サーバの導入や保守管理にかかる負担だけでなく、障害対応のリスクも減るため、多くの企業で導入されています。
▼さっそく製品比較をしたい方はこちら!
【ランキング】クラウドメールサービス比較表一覧
クラウドメールサービス導入のメリット
クラウドメールサービスを活用することで得られるメリットは、以下のとおりです。クラウドならではの利点を活かして運用したい企業は、ぜひ導入を検討してください。
- ■モバイル端末でも利用できる
- ネット環境があれば、ノートパソコンやタブレット、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン端末でも場所を選ばずにメールの確認が可能。テレワークにも対応できる。
- ■メールボックスを拡張しやすい
- あらかじめ大容量の保存領域が用意されているほか、契約プランを変更するだけで簡単にメールボックスの容量を追加できる。
- ■セキュリティ対策にかかる負担を軽減できる
- セキュリティ対策はベンダーに任せられるため、管理者の負荷を軽減できる。また、最新のウイルスやセキュリティ事情を随時チェックする必要もなくなる。
法人向けサービスと無料サービスの違い
クラウドメールサービスは、GmailやYahoo!メールなど個人利用に特化したものなら基本的に無料で利用できます。しかしビジネスでの利用において、個人向けの無料ツールでは機能や容量などが不十分な場合があります。法人向けの有料サービスと無料サービスの主な違いは以下のとおりです。
|
法人向け有料サービス |
無料サービス |
セキュリティ機能 |
ウイルスチェック・誤送信防止・PPAP対策などセキュリティ機能が充実 |
企業向けの高度なセキュリティ機能は提供されていない場合が多い |
ストレージ容量 |
大容量 |
制限がある |
独自ドメイン |
取得可能 |
取得不可 |
ユーザー管理 |
メールアカウントの追加・変更・削除などがしやすい |
不可の場合が多い |
外部ツールとの連携 |
CRMやSFA、グループウェアやチャットツールなどと連携可能 |
制限がある |
以下の記事では、クラウドメールサービスの概要やメリットなどを詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
クラウドメールサービスのタイプ
この記事では、クラウドメールサービスを「セキュリティを強化するタイプ」「問い合わせ管理を効率化するタイプ」「社外でも利用できるマルチデバイス対応タイプ」に分類して紹介しています。それぞれの特徴を解説します。
セキュリティを強化するクラウドメールサービス
メールセキュリティに強みをもつクラウドメールサービスでは、誤送信防止やウイルス対策、スパム対策など、企業情報を保護するためのセキュリティ対策機能が充実しています。また製品のなかには、オンラインストレージサービスと連携できるものもあり、PPAP(メールでパスワード付きZipファイルを送り、別途パスワードを送信する方式)の代替えとなる製品を探している企業にもおすすめです。
▶セキュリティ強化におすすめのクラウドメールサービスはこちら!
問い合わせ管理を効率化するクラウドメールサービス
顧客からの問い合わせ窓口に、クラウドメールサービスを活用している企業におすすめのタイプです。LINEやSNSなどさまざまなツールと連携し、問い合わせ窓口を一本化できます。またメールの対応状況がステータスとして表示できたり、対応漏れをアラートできたりする製品もあります。
▶問い合わせ管理効率化におすすめのクラウドメールサービスはこちら!
社外でも利用できるマルチデバイス対応のクラウドメールサービス
iPhoneやiPad、Androidなどさまざまな端末でクラウドメールサービスを利用したい場合におすすめです。外出先や移動中、在宅勤務など場所を選ばず、いつでもメールにアクセスできます。iPhoneの通知機能を利用すれば、迅速な対応も可能です。製品のなかには、端末にメールデータを残さず、セキュアに利用できるものもあります。
▶iPhoneなどマルチデバイス対応のクラウドメールサービスはこちら!
【ランキング】クラウドメールサービス比較表一覧
ITトレンド年間ランキング2023「クラウドメールサービス」より、ユーザーにもっとも支持された人気TOP3は以下の製品でした。
- 1位 Re:lation【メールやSNSなどさまざまな問い合わせを一本化するシステム】
- 2位 メールディーラー【返信漏れや二重返信を防止し顧客対応を効率化するツール】
- 3位 xgate4 【マルチブラウザ対応でいつでもどこでも使えるWebメール】
なお、TOP3の製品をはじめとするITトレンド掲載中のクラウドメールサービスについて、機能や特徴、口コミなどを一覧表にまとめました。
最新の人気傾向を参考にしたうえで製品選定を進めたい方は、ぜひ以下の月間ランキングページもご覧ください。
▶セキュリティ強化におすすめのクラウドメールサービス
まずは、サービス導入によりセキュリティ強化やBCP対策が可能なクラウドメール製品を紹介します。気になる製品は緑色の「+資料請求リストに追加」ボタンをクリックすれば、複数製品をまとめて資料請求できます。
《Microsoft 365 with IIJ》のPOINT
- Microsoft 365のメールセキュリティを強化
- Microsoft 365とIIJの二重防御でスパム対策
- Microsoft 3655導入についてのお悩みを解消
株式会社インターネットイニシアティブ提供の「Microsoft 365 with IIJ」は、月額料金はそのままで、Microsoft 365のメールセキュリティ機能を強化できるクラウドメールサービスです。5層のフィルタリング機能を備えているほか、Microsoft 365では判定が難しいとされる日本語メールの検知率も高められます。また、誤送信防止としてメール送信の保留や宛先の再確認、送信取り消しも可能です。
機能 |
ウイルス対策/スパム対策/誤送信防止 |
無料トライアル |
ー |
参考価格 |
ー ※Microsoft 365の利用料金と同じ(300ユーザー以下向けプラン) |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点 その他 100名以上 250名未満
《IIJセキュアMXサービス》のPOINT
- 送受信時に求められる複数セキュリティをワンストップで提供
- メールボックス機能でメールのフルアウトソースを実現
- 独自セキュリティ機能を実装したWebメール
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアMXサービス」は、迷惑メールフィルタやアンチウイルスを搭載しているクラウド型メールセキュリティサービスです。6社のエンジンを使用した多層的なフィルタリングで、迷惑メールやなりすましなどの脅威を防御します。また、Microsoft 365、Google Workspaceなど外部メールシステムと連携したセキュリティ対策にも対応しています。
機能 |
ウイルス対策/スパム対策/誤送信防止 |
無料トライアル |
◯ |
参考価格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点 放送・広告・出版・マスコミ 100名以上 250名未満
改善してほしい点 通信サービス 100名以上 250名未満
▶問い合わせ管理効率化におすすめのクラウドメールサービス
ここでは、顧客やユーザーからの問い合わせ窓口としてメールを利用している企業におすすめのクラウドメールサービスを紹介します。
《Re:lation》のPOINT
- 問い合わせ窓口をチームで見える化
- タイムライン表示で過去のやり取りを確認
- グッドデザイン賞受賞。4,000社以上の導入実績
株式会社インゲージ提供の「Re:lation」は、メールやSNSなどさまざまな問い合わせを一つの画面で管理できます。対応漏れ防止のステータスや遅延時のアラート機能を搭載しているほか、AIが推奨する回答文も表示されます。また、問い合わせ管理とあわせて顧客管理や案件管理、情報共有などの多彩な機能が利用可能です。
機能 |
ウイルス対策/スパム対策/誤送信防止/メール暗号化/スマホ対応 |
無料トライアル |
〇 |
参考価格 |
有償プラン:月額12,980円~ ※無料プランあり |
いい点 放送・広告・出版・マスコミ 50名以上 100名未満
改善してほしい点 卸売・小売業・商業(商社含む) 50名以上 100名未満
《メールディーラー》のPOINT
- メール、SNS、電話、チャットの一元管理が可能
- ユーザーデータ・メールデータ管理もクラウドサービスで簡単
- 8,000社を超える導入実績
株式会社ラクスが提供するメール共有管理システム「メールディーラー」は、問い合わせを一括管理し、メール業務の効率化や顧客対応の最適化を実現します。メールの対応状況がステータスで表示され、リアルタイムで確認できるため、対応漏れや二重対応などの改善につながるでしょう。また、メールだけではなく、SNSや電話、チャットによる問い合わせにも対応しています。
機能 |
スパム対策/誤送信防止/メール暗号化/スマホ対応 |
無料トライアル |
〇 |
参考価格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点 情報処理、SI、ソフトウェア 1,000名以上 5,000名未満
▶iPhoneなどマルチデバイス対応のクラウドメールサービス
ここからは、iPhoneやiPad、Androidでも利用できるクラウドメールサービスを紹介します。社外での利用を検討している企業におすすめです。
《xgate4》のPOINT
- 「快適」かつ「安全」な利用 メール環境を導入したい企業
- マルチブラウザ、キャリア対応
- 使いなれたわかりやすいユーザーインター フェース
株式会社オレンジソフトが提供する「xgate4」は、PCや携帯、スマートフォンなどのマルチデバイス対応のWebメーラーです。ファイルの添付忘れ検出やメール送信時の宛先確認機能があり、誤送信対策機能も充実しています。またアドレス帳管理では個人と共有のものが使い分けできるほか、さまざまな条件や全文での検索も可能です。
機能 |
誤送信防止/携帯電話対応/スマホ対応 |
無料トライアル |
ー |
参考価格 |
●ライセンス:150,000円~/50ユーザー ●年間保守:30,000円~/50ユーザー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点 コンサル・会計・法律関連 250名以上 500名未満
《@Securemail Plus Webmail》のPOINT
- 受信ファイルに潜む危険を排除するセキュリティ機能
- 宛先確認やメールアドレス数チェックで誤送信防止
- フィーチャーフォンにも対応
株式会社ケイティケイソリューションズが提供する「@Securemail Plus Webmail」は、PCやスマホにメールを残さず、クラウド内でメール送受信が可能なWebメールサービスです。数千通のメールを数秒で検索可能な全文検索エンジンを搭載しています。URLクリックの際に警告する確認画面を表示するため、悪質なサイトへのアクセスを防止できるでしょう。
機能 |
ウイルス対策/スパム対策/誤送信防止/携帯電話対応/スマホ対応 |
無料トライアル |
〇 |
参考価格 |
初期費用50,000円 月額3,000円/10アカウント |
いい点 情報処理、SI、ソフトウェア 100名以上 250名未満
改善してほしい点 情報処理、SI、ソフトウェア 50名以上 100名未満
ここまで紹介したおすすめのクラウドメールサービスは、以下のボタンから一括資料請求(無料)できます。ぜひご利用ください
\ クラウドメールサービス の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求! 資料請求フォームはこちら
▶無料で使えるクラウドメールサービス
ここからはコストが気になる方や、小規模なチーム・個人での利用を想定している方向けに、無料で利用できるクラウドメールサービスを紹介します。
Gmail
Googleが提供するクラウドメールサービス「Gmail」は、無料プランでも15GBの容量まで利用可能です。添付ファイルのウイルススキャンにも対応しているほか、フィルタやラベルを活用することで、メールの振り分けも可能です。
Microsoft Outlook
マイクロソフトが提供しているクラウドメールサービス「Microsoft Outlook」は、Microsoft Officeのアカウントがあれば、15GBまで無料で利用できます。ワードやエクセルなどのマイクロソフトアプリとの連携性にも優れており、モバイル利用にも対応しています。
そのほかの無料クラウドメールサービスについては、以下の記事で詳しく比較紹介しています。あわせてご覧ください。
クラウドメールサービスの選び方
ここからは、クラウドメールサービスを選ぶ際に重要なポイントを紹介します。
ツール上でメール以外の作業も想定しているか
Google WorkspaceやMicrosoft 365といったクラウドメールサービスのなかには、カレンダーやファイル共有、タスク管理などメールの送受信にとどまらないアプリ・ツールが搭載された製品も多くあります。
複数機能のある製品は、ツールを切り替えることなく同一画面で管理できる点がメリットですが、機能が増えるほどコストが上がる傾向にあります。自社の課題を見極め、必要な機能を精査したうえで製品を比較しましょう。
セキュリティ要件が適しているか
クラウドメールサービスには、ウイルスチェック機能のほか、スパム判定機能や誤送信防止機能など、多彩なセキュリティ機能を備えた製品が多くあります。サービスの稼働率や品質保証、セキュリティ対策の充実度についてよく比較してみましょう。
また、メールサーバが国内外のどこにあるかも確認してみてください。重要機密情報を取り扱う企業であれば、国内サーバのほうが安心でしょう。海外サーバは日本の法律が適用されないうえ、当該国の権力で強制的にチェックがある場合、従わざるをえないことがあります。
LINEやSNSなどのチャネルと連携しやすいか
メールサービスを用いて顧客からの問い合わせを効率化したい場合、チャットツールやLINE、SNSなどさまざまなチャネルとの連携に優れていると、異なる窓口からの問い合わせを一元化できます。
さらに顧客データベースと連携できれば、顧客一人ひとりに適したコミュニケーションが図れ、顧客満足度も向上します。また、カレンダー機能やタスク管理機能などと連携すると、業務効率や時間管理においても有効です。
システム移行がしやすいか
クラウドメールサービスを導入する際は、既存システムからの移行がスムーズにできるかを重視しましょう。また移行後に操作方法などで混乱が生じないよう、使用感が大きく変わらないサービスがおすすめです。
そのほか、移行期間中は新旧両方のメールシステムでメールを送受信するケースも想定されます。移行プロセス全体がスムーズに進行できるよう、移行前から移行後まで一貫したサポートを提供しているベンダーを選びましょう。
iPhone・iPad・Androidでも利用できるか
クラウドメールサービスは、iPhoneやiPadなどのモバイル端末で利用できると、業務効率がアップします。モバイル端末向けに最適化された画面設計で、ボタン操作やテキスト入力がしやすいユーザビリティーのものが望ましいでしょう。
また、パソコンでは利用できる機能が、モバイル端末向けの画面では表示されない場合もあります。無料トライアルを活用し、さまざまなデバイスでの使い心地を試してみましょう。
以下の記事では、クラウドメールの選び方について詳しく解説しています。
クラウドメールサービスの注意点
最後に、クラウドメールサービスを利用するうえでの注意点について解説します。
- ■利用環境によっては割高になる可能性がある
- 1ユーザーあたりの月額課金制で提供されているものがほとんどのため、従業員が増えるほど費用がかかる。場合によっては、自社内でメールサーバを構築するオンプレミス型より高くなる可能性もある。
- ■オンプレミスに比べてカスタマイズ性が低い
- 機能や容量の拡張については、基本的にベンダー指定の範囲内に限られる。
- ■障害に自社で対応できない
- サーバ管理はベンダーが行うため、サーバ障害時には復旧を待つしかない。
クラウドメールサービスのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
サーバ管理が不要かつ、一定のセキュリティ環境下でメールの送受信が可能なクラウドメールサービスは、今やコミュニケーションツールとして欠かせないものとなっています。メール機能以外にも複数の機能を搭載しているサービスや、セキュリティ強化に特化した法人向けサービスなど、製品によってその特徴はさまざまです。
自社に最適な製品を見つけるためには、まずは資料請求からはじめてみましょう。費用の相場感などもつかめます。