クラウドサーバーは企業規模でどう選ぶべきか
クラウドサーバーの選定では、従業員数だけでなく利用目的や事業の成長速度も判断材料になります。まずは規模ごとに何が変わるのか、全体像を確認しておきましょう。
企業規模によって必要なスペックや管理体制は異なる
クラウドサーバーは同じサービスでも、契約するプランやスペックを企業規模にあわせて選べる仕組みが用意されている場合があります。従業員数が少ないうちは最小構成でも業務が回りますが、人数が増えるほどアクセス数やデータ量も増加しやすくなります。
そのため、単純に価格だけで選ぶと後から容量やスペックが不足するケースがあります。例えば従業員が急増した企業では、当初の契約プランでは処理が追いつかず、上位プランへの変更や構成の見直しが必要になる場合があります。導入時点で将来の増員も見据えて確認しておくことが望ましいでしょう。
従業員数だけでなく利用目的や成長速度も基準になる
企業規模を従業員数だけで判断すると、実際の利用状況とずれる場合があります。例えば少人数でも大量の画像や動画データを扱う企業では、従業員50名規模の企業より高いスペックが必要になるケースがあります。
逆に人数が多くても定型業務が中心であれば、比較的シンプルな構成で対応できる場合もあります。判断軸としては、従業員数に加えてデータ量の増加ペース、拠点数、今後の事業拡大予定を確認し、複数の軸で比較検討することが実務的な進め方といえます。
従業員10~30名規模の小規模企業に適したクラウドサーバー
小規模企業では、専任の情報システム担当者がいないケースが多くあります。管理の手間を抑えられる構成かどうかを確認しておくことが重要です。
10名規模なら管理負担の少ない構成から始めやすい
従業員10名程度の企業では、担当者が他の業務と兼務しながらクラウドサーバーを管理するケースが想定されます。そのため、初期設定や日常の運用に専門知識を多く必要としない構成を選択肢に入れると、運用負担を抑えやすくなります。
具体的には、管理画面から状況を確認できるか、設定変更の際にベンダーへ相談できる窓口があるかを事前に確認しておくと安心です。契約前に無料相談やトライアル期間が用意されているサービスであれば、実際の操作感を確かめたうえで選定できます。あわせて、契約後のプラン変更やサポート窓口の対応時間についても、資料や問い合わせで確認しておくと運用開始後の不安を減らせます。
30名規模になると拠点間や部署間の共有体制も検討する
従業員30名程度になると、部署が分かれ始め、共有すべきデータやアクセス権限の範囲も広がりやすくなります。この段階では、利用者ごとにアクセス権限を分けられるかどうかが比較のポイントになります。
また、拠点が複数に分かれている場合は、拠点間でのデータ共有や同時アクセスに対応できる構成かも確認が必要です。将来的に人数が増える見込みがあるなら、契約プランの変更が柔軟に行えるかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。部署ごとに担当者を分けてアクセス権限を管理できる仕組みがあれば、人数増加後も混乱を抑えやすくなります。
従業員50~100名規模の中堅企業で比較したいポイント
従業員50名を超えるあたりから、複数の部門やシステムが同時にクラウドサーバーを利用する状況が増えてきます。冗長性や管理のしやすさを軸に比較する時期といえます。
50名規模は事業拡大を見据えた冗長構成を検討する時期
従業員50名規模になると、サーバーへのアクセスが一時的に集中する場面が増える可能性があります。障害発生時に業務が完全に止まると影響範囲も広がりやすいため、冗長化構成への対応も確認しておくとよいでしょう。
冗長化とは、同じ機能を持つ設備を複数用意し、一方に不具合が起きても他方で処理を継続できるようにする仕組みです。加えて、障害発生時に管理者へ通知が届く仕組みや、復旧までの手順が明確になっているかも、あわせて確認しておく必要があります。
100名規模では複数部門のシステムをまとめて管理する視点が必要
従業員100名規模になると、営業部門や管理部門など複数の部署がそれぞれ異なるシステムをクラウドサーバー上で運用しているケースが増えてきます。この場合、部門ごとにアクセス権限や利用状況を分けて管理できるかが重要な確認事項です。
また、利用料金が部門ごとにどう按分されるか、請求や利用状況のレポートを一括で確認できるかも比較材料になります。情報システム部門が一元的に状況を把握できる管理画面が用意されているサービスであれば、運用の見通しを立てやすくなります。部門間で利用ルールに差が出ないよう、導入時にあわせて社内の運用ガイドラインを整理しておくと、後の混乱を抑えやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。 忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウドサーバーの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
300名以上の大規模組織で求められるクラウドサーバーの条件
従業員300名を超える組織では、システムの利用者数やデータ量が大きく増えるため、処理能力と一元管理のしやすさの両立が課題になりやすくなります。
大規模なアクセス量や処理負荷に対応できる構成を確認する
大規模組織では、社内システムへの同時アクセス数や処理するデータ量が中小規模の企業と比べて大きくなる傾向があります。そのため、アクセス増加にあわせてサーバーの処理能力を柔軟に増減できる、いわゆるスケーリング機能が備わっているかを確認しておく必要があります。
スケーリングには、事前に設定した条件にもとづき自動で調整する方式と、管理者が手動で変更する方式があります。自社の運用体制にあわせてどちらが適しているか、契約前にベンダーへ確認しておくことをおすすめします。急なアクセス増加が想定される事業であれば、自動での調整に対応しているかどうかが、選定時の重要な確認事項になります。
情報システム部門による一元管理のしやすさを確認する
組織規模が大きくなるほど、利用者アカウントの管理やアクセス権限の設定は複雑になります。情報システム部門が全体を把握しきれない場合、退職者のアカウントが残るなど、意図しない設定ミスにつながる可能性があります。
この対策として、利用者の権限や利用状況を一覧で確認できる管理機能があるか、変更履歴を追跡できるかを確認しておくことが重要です。複数人での確認体制を整えておくことで、特定の担当者だけに依存しない運用につながります。
上場企業やグループ会社で重視される管理体制
上場企業やグループ会社では、内部統制やセキュリティ監査への対応、複数法人にまたがる管理の一貫性が求められる場面が増えてきます。
上場企業では内部統制やセキュリティ監査への対応が必要
上場企業では、情報セキュリティに関する社内規程や監査対応が求められる場面が多くあります。クラウドサーバーの選定では、アクセスログの保存期間や第三者機関による認証取得の有無など、監査で確認される項目に対応できるかを事前に把握しておくことが重要です。
具体的には、通信の暗号化方式、ログの改ざん防止機能、権限変更履歴の保存期間などが確認対象になりやすい項目です。自社の監査基準にあわせて、ベンダーに個別の対応状況を確認しておくと選定がスムーズに進みます。監査対応が求められる部門とそうでない部門で必要な機能が異なる場合もあるため、社内の担当部署と事前にすり合わせておくことも有効です。
グループ会社をまとめて管理する場合はアカウント権限の設計が重要
複数の子会社やグループ会社を持つ企業では、法人ごとにアカウントや権限を分けつつ、全体の状況を親会社側で把握したいという要望が出てきます。この場合、組織階層に応じて権限を分割できる管理機能があるかが比較のポイントになります。
また、グループ会社間でシステム構成やセキュリティ基準にばらつきが生じると、管理が煩雑になる場合があります。統一した基準で運用できるよう、契約形態やアカウント管理の仕組みについて、導入前に情報システム部門やベンダーへ相談しておくことをおすすめします。子会社の増加や組織再編が想定される場合は、契約単位を柔軟に見直せるかも、あわせて確認しておくと安心です。
企業規模に応じて選びたいクラウドサーバー製品
小規模企業の運用負担の軽さから、上場企業やグループ会社の統制のしやすさまで、規模ごとの課題に対応できる製品を紹介します。
リンク ベアメタルクラウド
- 用途に合わせてパブリック/プライベート、仮想/物理を選択可能
- データ転送料無料・10GbpsバックボーンNWで通信量が多くても安心
- 専門的なエンジニアによる「24時間365日」のサポート体制
株式会社リンクが提供する「リンク ベアメタルクラウド」は、クラウドの手軽さと物理サーバーの高性能・安定性を両立したホスティングサービスです。仮想サーバーをハイパフォーマンスな物理サーバーに集約することで管理対象のサーバー台数を抑えられるほか、必要に応じて低価格な仮想サーバーへの移行もコントロールパネルから簡単に行えます。電話・メールでの24時間365日サポートを標準で提供しており、小規模企業から大規模な組織まで、担当者の負担を抑えながら運用しやすい体制が整っています。
SHARERN(シェアルン)
- データの保管は国内で安心
- データの移行もお手伝い
- 使いやすい
日本ワムネット株式会社が提供する「SHARERN(シェアルン)」は、社内のNASやファイルサーバーからの移行を想定した企業向けクラウドストレージです。20年以上にわたり法人向けファイル転送・共有サービスを提供してきたノウハウを活かして開発されており、容量とユーザー数に応じたプランを用意しています。部署や拠点が増えて共有すべきデータ量が拡大していく中堅・大規模企業においても、セキュリティ機能を備えたストレージ環境を段階的に整えやすいサービスです。
AmazonLightsail (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- 仮想サーバーやコンテナを数クリックで起動。
- 月額固定でクラウドリソースをシンプルに利用。
- ニーズに応じてリソースを拡張し、AWSと連携可能。
IDCFプライベートクラウド (株式会社IDCフロンティア)
- vCenter対応環境で既存資産と同様の運用を実現。
- 需要に応じて1〜4クラスタまで柔軟に拡張・縮小可能。
- マルチサイト構成でクラウド・オンプレ・ベアメタルを横断接続。
SDPFクラウド/サーバー (NTTドコモビジネス株式会社)
- ハイブリッドクラウドでスムーズな移行を実現。
- 用途に応じたクラウド選択で高信頼運用。
- EA基盤でデータ収集・蓄積・管理・分析をワンストップ提供。
まとめ
クラウドサーバーは、従業員10名程度の小規模企業から300名以上の大規模組織、上場企業やグループ会社まで、規模によって確認すべきポイントが異なります。管理負担、冗長化構成、権限設計など、自社の状況にあわせた比較軸を持つことが大切です。資料請求を活用し、複数の製品を比較しながら自社に合うクラウドサーバーを検討してみてください。


