クラウドサーバーの導入条件を確認する前に押さえたいポイント
導入条件を検討する際は、まず自社がクラウドサーバーに何を求めているのかを明確にすることが出発点になります。
導入条件は自社の業務要件から洗い出す
クラウドサーバーの導入条件は、企業によって重視するポイントが異なります。セキュリティを重視する企業もあれば、既存システムとの連携性を重視する企業もあります。まずは自社の業務でどのような要件が発生しているかを洗い出すことが最初のステップです。
具体的には、扱うデータの機密性、外部システムとの連携有無、拠点の所在地、将来の事業拡大計画などを整理しておくと、比較する際の判断軸が明確になります。要件が曖昧なまま製品を比較すると、後から条件に合わないことが判明し、再度の選定作業が必要になる可能性があります。部署をまたいで必要な条件を出し合っておくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。要件の整理には一定の時間がかかるため、比較検討のスケジュールにも余裕を持たせておくとよいでしょう。
国産・海外どちらのサービスも選択肢に入れて比較する
クラウドサーバーには国産のサービスと海外事業者が提供するサービスがあります。国産だからサポートが手厚い、海外製だから機能が豊富といった短絡的な判断ではなく、個別の製品仕様やサポート体制を確認することが重要です。
国産サービスは日本語でのサポート対応や国内法令への準拠を確認しやすい傾向がある一方、海外サービスは世界各地にデータセンターを持つ場合があります。自社が重視する条件に応じて、両方を比較対象に含めて検討するとよいでしょう。どちらの場合も、サポート窓口の対応言語や対応時間帯は事前に個別確認しておくと安心です。
セキュリティ要件が厳しい企業で確認したい導入条件
取引先や監督官庁から厳しいセキュリティ基準を求められる企業では、認証取得状況や具体的な対策内容を確認する必要があります。
ISMSなど認証取得状況を確認する
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)は、組織の情報セキュリティ管理体制に関する国際規格です。クラウドサーバーの提供事業者がISMS認証を取得しているかどうかは、セキュリティ体制を確認する一つの目安になります。
ただし、認証を取得していることと、自社が求める個別の要件をすべて満たすことは同じではありません。取引先から求められる具体的な基準がある場合は、認証の取得状況にあわせて、個別の対策内容についてもベンダーへ確認しておく必要があります。認証の適用範囲がサービス全体か一部の機能に限られるかによっても、実際に満たされる要件の範囲は変わってきます。
セキュリティ要件を満たすための具体的な確認項目
セキュリティ要件を満たすためには、通信の暗号化方式、アクセスログの保存期間、不正アクセス検知の仕組みなど、具体的な項目ごとに確認することが有効です。「セキュリティが高い」という表現だけでは、実際に自社の基準を満たすか判断できません。
自社のセキュリティポリシーに定められた基準と、製品が提供する機能を項目ごとに突き合わせて確認する方法が実務的です。情報システム部門やセキュリティ担当者と連携し、比較表を作成しながら検討を進めるとよいでしょう。基準を満たさない項目が見つかった場合は、他の代替手段で補えるかもあわせて検討しておくと、選択肢を広げやすくなります。
API連携や構成の自由度に関する導入条件
既存システムとの連携や、独自の構成を組みたい企業では、API連携の可否やカスタマイズ性が重要な導入条件になります。
API連携が必須の場合に確認すべきこと
社内の他システムとクラウドサーバーを連携させたい場合、APIが提供されているかだけでなく、どのような操作がAPI経由で行えるかを確認する必要があります。APIの仕様書が公開されているか、呼び出し回数に制限があるかもあわせて確認しましょう。
また、連携先のシステムによっては、想定した通りに動作しない場合があります。契約前に検証環境で実際の連携動作を確認できるかをベンダーに相談しておくと、導入後のトラブルを避けやすくなります。連携するシステムが複数ある場合は、それぞれの担当者から要件を集め、優先順位をつけて確認を進めることが効率的です。
構成のカスタマイズ性を確認する
独自の業務要件にあわせてサーバー構成を細かく調整したい場合は、標準プランの範囲でどこまでカスタマイズできるかを確認する必要があります。プランによっては、CPUやメモリの構成を柔軟に選べる場合と、固定の構成しか選べない場合があります。
カスタマイズの自由度が高いほど、自社の要件に合わせやすくなりますが、設定項目が増えるほど運用の複雑さも増す可能性があります。自社の運用体制で対応できる範囲かも、あわせて確認しておきましょう。設定変更の際にベンダーのサポートをどこまで受けられるかどうかも、運用負担を左右する重要な確認項目といえます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウドサーバーの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
海外拠点やマルチクラウド構成に関する導入条件
海外に拠点を持つ企業や、複数のクラウドサービスを組み合わせたい企業では、対応言語や連携のしやすさが導入条件になります。
海外拠点向けの多言語対応や現地拠点への対応を確認する
海外拠点がある企業では、管理画面やサポート窓口の多言語対応が導入条件の一つです。日本語のみの対応では、現地スタッフが運用に関わる際に支障が出る可能性があります。対応言語は製品によって異なるため、進出予定の国や地域の言語に対応しているかを個別に確認しましょう。
また、現地の法令やデータの保管場所に関する規制に対応できるかも確認が必要です。拠点ごとに異なる規制がある場合は、各国の規制に詳しい担当者やベンダーの現地窓口に相談しながら進めるとよいでしょう。データの保管場所が国によって指定されている業種もあるため、事前に法務部門への確認をあわせて行うと安心です。
マルチクラウド構成を組む場合の導入条件
複数のクラウドサービスを組み合わせて利用するマルチクラウド構成では、サービス間でのデータ連携や管理の一元化が課題になりやすくなります。異なる事業者のサービスをまたいで管理できるツールに対応しているかを確認しておく必要があります。管理ツールが対応していない組み合わせでは、個別に設定作業が発生し、運用の手間が増える可能性があります。
また、障害が発生した際にどちらのサービスに原因があるのか切り分けが難しくなる場合もあるため、監視体制やログの取得方法についても、複数サービスをまたいで一元的に確認できるかを事前に確認しておきましょう。責任分界があいまいなまま運用を始めると、障害対応が遅れる可能性があるため、体制を整理してから導入することが望ましいといえます。
導入条件を整理し比較する際の進め方
ここまで紹介した条件を踏まえ、実際に製品を比較する際の進め方を整理します。
要件を一覧化してベンダーに確認する
自社が求める導入条件を一覧にまとめ、複数のベンダーへ同じ質問項目で確認すると、比較がしやすくなります。口頭での説明だけでなく、書面や資料での回答を求めておくと、担当者間の認識のずれによって後から条件の食い違いが発覚するリスクを減らせます。
一覧化する際は、必須の条件と、あれば望ましい条件を分けておくと、優先順位をつけやすくなります。複数の担当者で確認項目を出し合えば、抜け漏れの防止にもつながります。作成した一覧は選定後も残し、契約更新時の見直しにも活用しましょう。
導入後の変更にも対応できるか確認する
導入時点で満たしている条件だけでなく、事業の変化にあわせて条件が変わった場合に柔軟に対応できるかも確認しておく必要があります。契約プランの変更や、機能の追加にどの程度の期間がかかるかもあわせて確認しておきましょう。
特に事業拡大や組織再編が見込まれる企業では、将来の変化を見据えた確認が重要です。ベンダーに相談しながら、長期的な運用を見据えた選定を進めることをおすすめします。契約期間や解約時の条件についても、あわせて確認しておくと将来の見直しがしやすくなります。
導入条件の確認に役立つクラウドサーバー製品
セキュリティ要件や構成の自由度、海外拠点対応まで、自社の導入条件と照らし合わせて検討したい製品を紹介します。
リンク ベアメタルクラウド
- 用途に合わせてパブリック/プライベート、仮想/物理を選択可能
- データ転送料無料・10GbpsバックボーンNWで通信量が多くても安心
- 専門的なエンジニアによる「24時間365日」のサポート体制
株式会社リンクが提供する「リンク ベアメタルクラウド」は、物理サーバーとクラウドを組み合わせて構成できるホスティングサービスです。仮想サーバーと物理サーバーの構成をコントロールパネルから変更でき、CPUやメモリなど自社の要件にあわせた構成を検討しやすい点が特徴です。電話・メールでの24時間365日サポートを標準で提供しているため、導入条件の確認や契約後の設定変更についても相談しながら進められます。
SHARERN(シェアルン)
- データの保管は国内で安心
- データの移行もお手伝い
- 使いやすい
日本ワムネット株式会社が提供する「SHARERN(シェアルン)」は、セキュリティ機能を備えた企業向けクラウドストレージです。法人向けファイル転送・共有サービスで20年以上の実績を持つノウハウを活かして開発されており、容量やユーザー数に応じたプランが用意されています。機密性の高いデータを扱う企業がセキュリティ要件を満たすストレージ環境を検討する際の選択肢の一つになります。
AlibabaCloud ECS (ソフトバンク株式会社)
- 最新CPUと高速メモリで低レイテンシ・高性能処理を実現
- 複数ゾーンと高可用構成で99.975%の稼働率を達成
- 従量課金や予約制など多様な料金体系でコスト最適化
IDCFプライベートクラウド (株式会社IDCフロンティア)
- vCenter対応環境で既存資産と同様の運用を実現。
- 需要に応じて1〜4クラスタまで柔軟に拡張・縮小可能。
- マルチサイト構成でクラウド・オンプレ・ベアメタルを横断接続。
AmazonLightsail (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- 仮想サーバーやコンテナを数クリックで起動。
- 月額固定でクラウドリソースをシンプルに利用。
- ニーズに応じてリソースを拡張し、AWSと連携可能。
まとめ
クラウドサーバーの導入条件は、セキュリティ要件、API連携、構成の自由度、海外拠点対応、マルチクラウド構成など企業によって異なります。自社の業務要件を整理し、複数のベンダーに同じ条件で確認することが比較のポイントです。資料請求を活用し、自社の要件に合う製品をじっくり検討してみてください。


