MySQLとは
まずはMySQLの概要を見ていきましょう。
世界で多く利用されるデータベース管理システムのこと
MySQLは世界的に広く使われている、オープンソースのデータベース管理システムです。商用目的でなければ無償で使えます。世界中で利用されているCMSのWordPressでも使われています。
そもそもデータベースとは、複数人での共有や利用、情報の検索・加工を目的とした整理されたデータの集合体です。一般的にはサーバ上に構築されたものを指しますが、紙の住所録も広義のデータベースに含まれます。
そして、データベース管理システムは、データベースを構築・管理するためのソフトウェアです。データベース自体はあくまで情報の集合体に過ぎないため、自身を構築したり、情報を検索したりできません。
データベース管理システムによってそれらの作業を行い、大量のデータを分析やアプリ開発に活用します。
4つの優れた特徴をもっている
データベース管理システムには、MySQLのほかにも、OracleやPostgreSQLが存在します。その中でもMySQLが広く使われているのはなぜなのでしょうか。ここでは、MySQLがもつ4つの優れた特徴を見ていきましょう。
1.ハイパフォーマンス
データベース管理システムには、さまざまな機能が備わっています。その中でも、データの追加や削除、検索といった基本的な機能は、ストレージエンジンと呼ばれます。MySQLには、いくつかの種類のストレージエンジンがあり、アプリケーションに応じて選べるのが特徴です。
たとえば、データの高速処理と大量処理では、異なる能力が求められます。MySQLはそれぞれに適したストレージエンジンを選ぶことでどちらにも対応可能です。
そのほか、独自のメモリキャッシュ機構や全文インデックスなど、便利な機能を備えています。総合的に性能が高く、さまざまな局面に対応できるデータベース管理システムと言えるでしょう。
2.高い柔軟性と拡張性
MySQLはあらゆる規模のデータベースに対応できます。1MB程度の容量から、テラバイト級のデータウェアハウスなどにも対応可能です。また、プラットフォームも選びません。WindowsやMac、Linuxなど、幅広い環境で動作します。
拡張性にも優れており、オープンソースという性質上、自由なカスタマイズも可能です。
3.強固なセキュリティ
データベースの情報漏洩を防ぐためには、データベース管理システムに強固なセキュリティ機能が求められます。MySQLにはセキュリティ機能が豊富です。安全性の高い通信を保証するSSLやアクセス制御に加え、SSHによるデータ暗号化機能も備えています。
そのほか、バックアップ・リカバリユーティリティを活用した論理バックアップや物理バックアップも作成できます。
4.トランザクションのサポート機能
トランザクションとは、データ処理をロックできる機能のことです。
たとえば、ECサイトにおける購買情報の処理は分断できないため、トランザクション処理といえます。入金や発送の手続きなど、どこかに問題が生じた場合は、そのやり取り全体をなかったことにする必要があります。
つまり、トランザクションはデータの二重登録や、データの破損や誤記を防ぐために備わっています。
MySQLではトランザクション分散やマルチバージョントランザクションをサポートし、データの一貫性を保ちます。
MySQLを理解するメリット
MySQLを習得することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
Webアプリの開発ができる
多くのWebアプリにMySQLが使われています。実際にMySQLは世界的に有名な大規模Webサイトで採用されています。
MySQLはマルチユーザー対応で、大量のアクセスが予測されるWebアプリでの利用に適しているためです。また、JavaやPHPなどで簡単に利用できることも、普及に拍車をかけています。
MySQLだけではWebアプリを開発できませんが、それを目指すのであればMySQLは必須といえます。
サーバーの構築ができる
MySQLが使われるのはWebアプリ開発に限らず、サーバ構築にも利用されます。
サーバ構築にはLAMP環境が利用されます。LAMPはよく使われるオープンソースソフトウェアの頭文字を取ったもので、MはMySQLの頭文字です。LAMP環境は無償で使えるうえ、カスタマイズの自由度が高いため、多くの企業に採用されています。
MySQLを学習することで、サーバ構築関連の仕事がスムーズにできるでしょう。
MySQLをインストールする流れ
MySQLをインストールする流れを、Windowsの場合を例に見ていきましょう。
- 1.公式サイトでWindows版のインストーラーをダウンロード
- Oracleアカウントの作成を要求されますが、アカウントがなくてもインストール可能です。
- 2.インストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストール
- MySQLを使うのに必要なランタイムのダウンロードも要求されるため、まとめてダウンロードします。
- 3.MySQL Serverの設定を行う
- 具体的には、通信ポートの選択やパスワード設定を行います。これらの設定が終わり次第、インストールが完了します。
以上はWindowsにおける例で、MacやLinuxでは異なる手順が求められます。MacはWindowsの場合と大きく変わりませんが、Linuxではターミナル上でコマンドを使う必要があるため要注意です。
参照:MySQL
MySQLの操作方法
はじめにMySQLにログインしましょう。「mysql -u root -p」と入力すると、パスワードを求められます。ログイン後はMySQLのコマンドで操作していきます。
では、基本的な2つの操作を見ていきましょう。
- データベース作成
- データベースを作成するには、「create database A;」と入力します。Aの部分はデータベースの名称のため、自由に設定しましょう。コマンドが通ると、「Query OK, 1 row affected (0.01 sec)」と表示されます。
- テーブル作成
- 「use A」と入力し、使用するデータベースを指定します。続いてテーブルを作成します。入力コマンドは、例として「create table B(C int, D varchar(E));」のようになります。
- Bはテーブル名、C・Dはカラム名、Eは最大バイト数です。「int」と「varchar」はデータ型と呼ばれる項目で、前者は整数、後者は可変型文字列を示し、ほかにも種類があります。
MySQLとは何かを理解し、効率的なデータ管理を!
MySQLは世界中で使われているデータベース管理システムです。以下の4つの優れた特徴を備えています。
- ■ハイパフォーマンス
- ■高い柔軟性と拡張性
- ■強固なセキュリティ
- ■トランザクションのサポート機能
MySQLを学ぶと、Webアプリ開発やサーバ構築が可能になります。プログラミングを効率化するアプリ開発ツールも存在します。それらも視野に入れ、データ管理の効率化を目指してみてください。