ソフトウェア開発言語のトレンド
現在のソフトウェア開発環境の特徴は、多様な言語が採用されていることです。一昔前は環境が標準化されていたのに対し、現在では1つのソフトウェアに複数の言語が使われていることもあります。それに合わせて、用途が広い言語が学習されるようになってきています。
また、学習負担が少ない言語も好まれる傾向にあります。文法が簡単で、記述が少なく済むなど、初心者にも使いやすい言語が人気です。総じて、利便性が重視されているのが、現在の開発言語を取り巻く環境の特徴と言えるでしょう。
ソフトウェア開発手法のトレンド
続いて、開発手法のトレンドを見ていきましょう。
アジャイル開発
従来はウォーターフォール開発が重視されていました。ウォーターフォール開発とは、あらかじめ綿密な計画を立て、後戻りすることなく計画を進行させる方式です。途中での計画変更ができないため、各工程を異なるスタッフが担当しても情報共有が容易です。
ところが、昨今のソフトウェア開発では計画変更への柔軟な対応が重視されます。そこで採用されるようになったのがアジャイル開発です。ウォーターフォール開発とは違い、綿密な計画を立てずにソフトウェア開発を進めます。その分、開発途中での変更に柔軟な対応ができます。
DevOps
DevOpsはアジャイル開発に続いて注目されるようになった手法です。開発(Development)と運用(Operations)を合わせた造語で、この両者の垣根を取り払い円滑に開発を進めることを目的とします。
開発チームと運用チームが衝突することは珍しくありません。開発チームはより良いサービスを作るために変更や改修を行いたいのに対し、運用チームはシステムの安定性を求めるためです。
DevOpsはそのような衝突を避けるための手法で、変化の激しいアジャイル開発を支える手法でもあります。変化が激しい現代のビジネス環境に即した開発体制を目指すためのものです。
ソフトウェア開発方法のトレンド
次は、ソフトウェア開発方法のトレンドを見ていきましょう。
ノンプログラミング
従来のソフトウェア開発ではプログラミングをするのが当たり前でした。しかし、現在はノンプログラミングで開発するツールが増えています。これにより、プログラミングの知識がないスタッフも開発に携われるようになりました。
ただし、そういったツールを開発体制に組み込む方法が確立されていない、という問題がありました。どんなに便利なツールでも、それを使う体制が整っていなければ導入へのハードルが高くなります。
しかし、近年はそのハードルも低くなりました。新たな開発手法が導入されると同時に、ツールもそれに適するよう見直されているためです。特に、アジャイル開発においては、開発期間を短縮できるノンプログラミングの開発ツールが重宝されています。
クラウドネイティブ
クラウドネイティブ開発とは、クラウド環境での利用を前提としたソフトウェアの開発方法です。近年、ソフトウェアの利用形態はクラウド型が増加しています。開発においてもクラウド利用を重視する傾向があります。
また、開発側にとってもクラウドでの開発はメリットが豊富です。テストや改修など、ソフトウェア開発や運用に必要な作業がすべてクラウド環境で完結するためです。クラウドサービス事業者もその潮流に合わせ、クラウドネイティブ開発用の統合開発環境を提供しています。
マルチプラットフォーム
ソフトウェア利用環境の主軸はパソコンからモバイル端末へと移ってきています。同時に、ブラウザでの利用を前提としたソフトウェアも増えています。
つまり、さまざまな環境で使えるマルチプラットフォーム対応のソフトウェアが求められているということです。今後も、幅広いユーザーを獲得するうえで無視できない問題となるでしょう。
特に近年は、Webviewを利用せず、使用言語をネイティブのコードに変換して表示できる開発ツールが好まれています。Webviewを採用すると読み込み時間がかかるなどの難点がありますが、使用言語を変換する方式であれば問題ありません。
マルチプラットフォームでありながら、ネイティブアプリと変わらない操作性が実現します。
ソフトウェア開発のトレンドを知り、最適な選択をしよう!
ソフトウェア開発言語は、利便性や汎用性の高いものが好まれるようになってきています。開発手法では、DevOpsやアジャイル開発など、柔軟性や迅速性に主眼を置いたものが重視されています。また、開発方法で重視されているのは以下の3点です。
- ■ノンプログラミング
- ■クラウドネイティブ
- ■マルチプラットフォーム
以上のトレンドを踏まえ、最適な開発言語・手法・方法を選択しましょう。