ビジネスアジリティを実現するWebスケールITとは
クラウドサービス・プロバイダーは、巨大化・複雑化する自社サービスの課題を解決するために、サーバやストレージなどの既存のインフラストラクチャーに頼らず、独自のアーキテクチャでインフラストラクチャーを構築しています。
このアーキテクチャは「WebスケールIT」と呼ばれ、SAN/NASといったネットワークストレージを撤廃してスケールアウト型の分散ファイルシステムを構築できます。
つまり、自社の要求に応じた自在な拡張性、短期間でのアプリケーション開発、短い導入サイクルの実現、コストの抑制などの様々な課題を克服し、ビジネススピードの変化に対応した柔軟な、ビジネスアジリティのある、ITインフラストラクチャーを実現するのです。
WebスケールITを構成するITインフラストラクチャー
一般的に、WebスケールITを構成するインフラストラクチャーは、以下の要素を満たすものと定義されています。
- ●x86サーバ上のハイパーコンバージェンス(サーバとストレージの統合)
- ●ソフトウェアによるインテリジェンス(100%ソフトウェアでファインド)
- ●完全分散(クラスター全体にわたるデータとサービス)
- ●自己修復型システム(分散リカバリによる障害の切り離し)
- ●APIドリブンな自動化と豊富な分析機能
これらの要件を満たすことで、ITインフラストラクチャーにシンプルなストレージ処理プロセスと自動化された運用管理システムが実装され、システム規模の拡張にも負荷を最小限に抑えて、圧倒的な効率性とスピード感、安定性を高いバランスで両立するITインフラストラクチャーを構築します。
特に大手企業の急成長が明確な成功事例を示したことから、世界のクラウドサービス・プロバイダー企業が率先してWebスケールITに着目し、多くのグローバル企業で運用されるアーキテクテクチャだと言われているのです。
小規模サービス・プロバイダーもWebスケールIT活用を!
このようにWebスケールITは、システムの拡張が常態化する、大手クラウドサービス・プロバイダー向けのアーキテクチャだと解釈されがちですが、WebスケールITのアーキテクチャを適用させることにより、小規模のサービス・プロバイダーでもWebスケールITを活用することが可能になります。
WebスケールITの開発プロセスへの適用は、調和された環境で開発と運用を統合することにより、アプリケーションとシステムの迅速かつ継続的で拡張可能な開発を実現します。このように、開発プロセスを根本的に改善するアーキテクチャとして、WebスケールIT導入を検討してみてはいかがでしょうか。