使いやすい文書電子化サービスを決める要素
文書電子化とは、紙の文書をスキャナーなどで読み取ってデータにし、保管や検索ができる状態にすることです。使いやすさは操作画面だけでなく、導入から日々の運用まで、複数の場面で決まります。主な場面は次のとおりです。
| 場面 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 取り込み | スキャンの操作手順、対応するファイル形式 |
| 整理と保存 | フォルダ分けやファイル名の付け方 |
| 検索 | キーワードや日付での絞り込み |
| 導入とサポート | 初期設定の手間、問い合わせ窓口 |
使いやすさの評価基準の設定
「使いやすい」と感じる基準は、人によって異なります。基準があいまいなままだと、製品を比べても判断が分かれてしまいます。
まずは、評価する項目を言葉にしておきましょう。人によって評価が分かれる点は、全員で話し合って決めておくと安心です。
例えば、初めて使う人が説明なしでスキャンから保存まで終えられるか、目的の文書を何秒で探せるかといった基準です。具体的な基準を決めておけば、複数の製品を同じ条件で比べられます。数値で測れる基準は、比較の根拠として社内にも説明しやすくなります。
利用する人の範囲と習熟度の確認
文書電子化サービスを使うのは、総務担当者だけとは限りません。経理や営業など、複数の部門の人が文書を取り込んだり探したりする場合もあります。部門ごとに使う場面を書き出しておくと、必要な操作が見えてきます。
パソコン操作に慣れた人だけでなく、普段あまり使わない人も想定して基準を決めましょう。利用者の人数や習熟度によって、求められる操作の簡単さが変わります。実際に使う予定の人に画面を見てもらうと、課題に気づきやすくなります。
電子化する文書の種類と量の整理
契約書や請求書、図面など、文書の種類によって求められる機能が異なります。大きなサイズの紙や、複数ページの文書が多い場合は、スキャナーとの相性も確認が必要です。紙の状態が悪い文書は、読み取りに時間がかかる場合もあります。
月ごとの文書の量と、過去の紙文書をまとめて電子化する量も把握しておきましょう。量が多いほど、取り込みや整理を効率化する機能の有無が使いやすさに影響します。文書の量は、スキャンの頻度や使う機器の選定にも関わります。
文書電子化の操作がシンプルかを確かめる点
文書電子化サービスの操作は、取り込み、整理、検索の流れで進みます。それぞれの場面で、手順が少なく迷わず進められるかを確かめることが、日々の使いやすさにつながります。
スキャンから保存までの操作手順
スキャンから保存までに必要な操作の数は、製品によって異なります。スキャナーのボタンを押すだけで自動的に保存されるものもあれば、画面で保存先を選ぶ必要があるものもあります。手順が少ないほど、担当者による作業のばらつきも抑えられます。
複合機やスキャナーとの連携方法も確認しましょう。お使いの機器に対応しているか、専用ソフトの導入が必要かで、現場の作業負担が変わります。スマートフォンのカメラで取り込めるかも、外出先で使う場合には確認項目です。
ファイル名と保存先の整理の仕組み
文書をデータにしても、整理されていなければ後から探せません。文字認識(OCR)の機能で、文書内の日付や取引先名を読み取り、ファイル名に自動で反映できる製品があります。
ただし、読み取り結果に誤りが出る場合もあります。誤りを画面上で簡単に修正できるか、自動でフォルダに振り分ける条件を自社で設定できるかを確認しましょう。
整理のルールを決める手間も考慮が必要です。設定が複雑な場合は、運用の負担が増える点にも注意しましょう。
目的の文書にたどり着く検索機能
検索の使いやすさは、検索に使える項目の種類で変わります。ファイル名だけでなく、文書内の文字や日付、取引先名などで絞り込めるかを確認しましょう。検索に使える項目が多い製品でも、画面上で選びにくいと使われなくなる場合があります。
検索結果を一覧で確認し、内容を開かずにプレビューで見られると、目的の文書を早く見つけられます。検索結果の並び順を変えられるかも、日常的に使う場面では役立つ機能です。検索の操作に慣れていない人でも、条件を入力しやすい画面かを見ておきましょう。
初心者でも使いやすい文書電子化の画面と学習環境
パソコン操作が得意でない人でも使える文書電子化サービスかどうかは、画面の分かりやすさと、学習のための資料で見極められます。初心者を想定した確認点を3つ紹介します。
画面構成と用語の分かりやすさ
初心者にとって分かりやすい画面とは、よく使う操作が目に入る位置にあり、専門用語が少ない画面です。ボタンの名称が「アップロード」「インデックス」など専門的だと、戸惑う人もいます。メニューの数が少ないほど、迷う場面も減らせる場合があります。
画面を見て直感的に操作できるかを、普段あまりパソコンを使わない人に試してもらうと確実です。操作に迷った箇所を記録しておけば、製品同士の比較にも活用できます。画面の言語が日本語で統一されているかも確認しておきましょう。
マニュアルや操作ガイドの用意
操作に迷ったときに、すぐ調べられる資料があるかも使いやすさの一部です。画面付きのマニュアルや、短い操作動画、よくある質問のページが用意されているかを確認しましょう。初心者が最初に見る資料として、導入手順の説明があるかも確認点です。
資料が日本語で用意されているか、更新が続けられているかも見ておきたい点です。画面の中から直接ヘルプを開ける製品であれば、操作の途中で調べやすくなります。社内向けの手順書を作る際に、製品の資料を転用できるかも聞いておくと便利です。
試用で確かめる方法
使いやすさは、資料を読むだけでは判断しにくい項目です。無料トライアルやデモがある製品では、実際の文書を数枚取り込み、整理して検索するところまで試しましょう。試す文書は、読み取りにくい手書きの書類や、複数ページの書類も混ぜておきましょう。
試す人は、導入後に使う予定の担当者が望ましいといえます。確認する項目を事前にリストにして、全員が同じ手順で試すと、感想のばらつきを抑えられます。試用期間の長さや、利用できる機能の範囲も事前に確認が必要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で文書電子化の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
初期設定の手間を抑える導入の進め方
導入直後に設定が大変だと、現場への展開が遅れる場合があります。初期設定が簡単な文書電子化サービスかどうかは、提供形態と設定する項目の量で見極められます。
提供形態による設定作業の違い
クラウド型は、インターネット経由で利用するため、サーバーを用意せずに使える製品が見られます。インストール型は、自社のパソコンやサーバーへの導入作業が必要です。自社のセキュリティ方針で利用できる形態が決まっている場合は、先に確認しておきましょう。
設定の手間は、提供形態だけで決まるわけではありません。ユーザーの登録や、スキャナーとの接続設定、保存先の設定など、必要な作業の内容を事前に聞いておきましょう。社内のネットワーク環境によっても作業が変わります。
保存ルールとアクセス権限の設定
初期設定で時間がかかりやすいのが、フォルダの構成や、閲覧できる人の範囲を決める作業です。ここは製品の機能だけでなく、自社のルールづくりも関係します。アクセス権限は、文書の機密性に応じて、部署や役職ごとに分ける考え方もあります。
あらかじめ用意されたテンプレートを使えるか、設定内容を一括で登録できるかを確認しましょう。社内で決めるべき項目を先に洗い出しておけば、設定の手戻りを抑えられます。変更の履歴を確認できる機能があれば、運用開始後の見直しにも役立ちます。
紙文書の電子化を段階的に進める
手元にある紙文書の全量を、導入と同時に電子化しようとすると、現場の負担が大きくなります。まずは、新しく発生する文書や、利用頻度の高い文書から取り込みましょう。段階を分けると、操作に慣れながら運用を整えられます。
過去の文書は、保管期限や使う頻度を見ながら、順番に進める方法があります。量が多い場合は、スキャン代行サービスを使う選択肢もあるため、社内の作業時間とあわせて検討してください。あとから優先順位を見直せる計画にしておくと安心です。
サポートが手厚い文書電子化サービスの見極め方
サポートが手厚いかどうかは、感覚ではなく、窓口の種類や支援の範囲といった具体的な項目で確認します。導入時と運用時のそれぞれで、頼れる内容を整理しておきましょう。
問い合わせ窓口の種類と対応時間
問い合わせの手段には、電話、メール、チャットなどがあり、製品によって用意されている窓口が異なります。急いで解決したい場面では、電話やチャットの有無が役立ちます。初心者が使う場合は、画面を共有しながら案内してもらえる方法があると便利です。
受付時間が、自社の業務時間にあっているかも確認しましょう。回答までの目安時間や、無料の範囲と有料の範囲がどこで分かれるかも、契約前に聞いておくと安心です。休日や夜間の対応が必要な場合は、その旨も伝えておきましょう。
初期設定や運用の相談の支援範囲
「サポートがある」といっても、内容はさまざまです。マニュアルの案内にとどまる場合と、設定方法の相談に応じる場合、設定作業の代行まで含む場合があります。言葉だけでは違いが分かりにくいため、具体例を挙げて確認しましょう。
導入時の設定を支援してもらえるのか、運用が始まってからも相談できるのかを、具体的に確認しましょう。支援の範囲が契約プランによって異なる場合もあるため、見積もりの段階で聞いておくことが大切です。
利用者向けの説明会や情報提供
利用する人が多い場合は、操作説明会を実施してもらえるかも確認したい点です。オンラインでの説明会や、録画の提供があれば、拠点が分かれていても展開しやすくなります。説明会の回数や、追加で依頼できるかも契約前に確認しておくと安心です。
機能の追加や画面の変更があった際に、お知らせが届くかも見ておきましょう。変更点を把握できれば、担当者が戸惑う場面を減らせます。新しい担当者が加わる場合に、再度説明を受けられるかも確認しておきましょう。
使いやすい文書電子化を探すときの製品例
使いやすさに関わる特徴が製品ページに記載された製品を紹介します。現場から文書を送るだけで始められるものや、書類を預けて任せられるものなどです。
LINE WORKS PaperOn
- 文書処理の業務をひとつに集約
- あらゆる文字を高精度に読み取り
- 現場からスマホで文書業務を簡単に開始
LINE WORKS株式会社が提供する「LINE WORKS PaperOn」は、AI-OCRと生成AIで文書のデータ化を支援する、クラウドの文書処理ソリューションです。IT知識がなくても、現場から書類を送るだけで後工程まで文書処理を進められるとされています。スマホ撮影や複合機スキャン、メール、FAXなど複数のアップロード方法に対応し、手書き文字やFAX文字の読み取りにも対応します。過去の修正履歴をもとに修正案を提示し、確認の手間を減らす機能もあります。
不動産文書管理ソリューション
- 文書の管理のプロが書類を精査し、最適な管理・分類方法をご提案
- 書類整理~電子化~ファイル保管までを一気通貫して対応可能
- 文書管理クラウドの活用でさらなる効率化とセキュリティを両立
プロパティデータバンク株式会社が提供する「不動産文書管理ソリューション」は、不動産関係の書類の整理、電子化、不要書類の廃棄、電子ファイルの保管を行うサービスです。文書管理に精通したスタッフが分類方法を提案し、クラウドの文書管理サービスで保管でき、現在のインフラを変えずに導入できるとされています。電子化の進め方が分からない場合の相談先として、確認対象になります。対象は不動産関連の文書である点に注意しましょう。
読取革命 (ソースネクスト株式会社)
- PDF/画像/紙をOCRでWord・Excelに変換
- スマホ画像はQR連携でPCに取り込み可能
- 自動回転・補正で読み取り前処理を補助
EvernoteScannable (Evernote Corporation.)
- 自動検出と補正で書類をスピーディにきれいにスキャン。
- PDF・JPG書き出し、メールや他アプリと共有可能。
- 名刺情報を連絡先アプリに保存可能。
Quickスキャン V6 (株式会社大塚商会)
- 保存先の指定やファイルの命名が複合機のパネル操作で可能
- ファクス受信時にファイル形式・名前を自動変換
- Microsoft 365やinvox、HotProfile Liteと連携
文書電子化に関するよくある質問
文書電子化の使いやすさについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:パソコンが苦手な人でも使えますか?
- A:画面の分かりやすさや、マニュアルの有無によって異なります。普段あまり使わない人に試用してもらい、迷った箇所を記録しておくと比較に役立ちます。マニュアルや動画が用意されているかもあわせて確認しましょう。
- ■Q2:初期設定は自社だけで行えますか?
- A:提供形態や設定する項目の量によって異なります。提供会社の支援が、案内、相談、作業代行のどこまでかを確認しておきましょう。社内で決めておくべき保存ルールも、事前に洗い出しておくと安心です。
- ■Q3:サポートが手厚いかは、どこで判断すればよいですか?
- A:窓口の種類、受付時間、支援の範囲といった具体的な項目で確認します。無料で受けられる範囲と有料の境目も、契約前に聞いておくと安心です。
- ■Q4:使いやすさは試用で確認できますか?
- A:無料トライアルやデモがあれば、実際の文書で取り込みから検索まで試せます。導入後に使う担当者が、同じ手順で確認するとばらつきを抑えられます。トライアルで試せる機能の範囲も、事前に確認しておきましょう。
まとめ
使いやすい文書電子化サービスを選ぶには、操作のシンプルさ、初心者でも扱える画面、初期設定の手間、サポートの範囲の4点を、具体的な基準で確認することが大切です。実際に使う担当者が試用して、同じ手順で比べると、違いが見えやすくなります。自社の文書の種類や量にあう製品を探すために、まずは複数の製品を資料請求して比較してみてください。

