帳票電子化とは?大量・一括処理が求められる背景
帳票電子化とは、紙媒体でやり取り・保管されていた各種帳票をデジタルデータに変換し、システム上で管理できるようにすることです。近年は、業務効率化や法対応、ペーパーレス化を目的に、大量の帳票を一括して電子化するニーズが高まっています。
帳票電子化の概要
帳票電子化の基本は、紙の帳票をスキャナーなどで読み取り、PDFなどの画像データとして保存したうえで、記載された文字情報をテキストデータ化することです。
テキストデータ化には「OCR(光学文字認識)」という技術が用いられます。近年では、AI技術を組み合わせた「AI-OCR」も普及しており、従来のOCRでは読み取りが難しかった手書き文字や、フォーマットが異なる非定型帳票も高い精度でデータ化できるようになっています。
対象となる帳票は、請求書や見積書、発注書、納品書、領収書、契約書、社内の経費精算書や日報など多岐にわたります。
なぜ大量・一括電子化のニーズが高まっているのか
帳票の大量・一括電子化が求められる背景には、主に4つの要因があります。
- ■DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
- 業務プロセスの根本的な見直しとデジタル化が急務となる中、データ入力の自動化はその第一歩となります。
- ■電子帳簿保存法への対応
- 法改正により、電子取引データの電子保存が義務化され、紙の書類もスキャナ保存の要件が緩和されたことで、一気に電子化へ舵を切る企業が増加しました。
- ■テレワーク・ペーパーレス化の定着
- 紙の書類を確認するためだけに出社する「ハンコ出社」をなくし、どこからでも業務を行える環境構築が求められています。
- ■人手不足への対策
- 限られた人員でバックオフィス業務を回すためには、単純作業を自動化し、生産性の高い業務にリソースを集中させる必要があります。
大量の帳票を電子化する方法
大量の帳票を電子化する方法は、スキャンとOCRの活用、帳票電子化システムの導入、BPO・代行サービスの利用などに分けられます。自社のリソースや帳票の種類、処理件数に応じて最適な手段を選びましょう。
スキャン+OCRで電子化する
複合機や専用スキャナーで紙帳票をスキャンし、OCRソフトでテキストデータ化する方法です。一般的なOCRは、読み取る位置をあらかじめ設定する定型帳票に向いています。
一方、取引先ごとにフォーマットが異なる請求書などの非定型帳票を大量に処理する場合は、AI-OCRの活用が不可欠です。AI-OCRであれば、事前のフォーマット定義なしに、AIが項目(金額・日付・取引先名など)を自動で判別して抽出するため、作業工数を大幅に削減できます。
帳票電子化システムを活用する
帳票の処理業務全体を効率化したい場合は、帳票電子化システムの導入が有効です。スキャンデータを一括アップロードすると、AIが帳票の種類を判別して仕分けを行い、データ抽出から会計システムなどの後続システムへの連携までを効率化できます。
また、社内のワークフロー(承認フロー)機能と連携している製品も多く、電子化されたデータをそのまま承認ルートに乗せることも可能です。
帳票の種類や処理件数に応じて、OCR特化型・帳票配信型・帳票DX型など、さまざまな製品があります。この記事では、大量の帳票電子化に役立つおすすめの帳票電子化システムをタイプ別に紹介します。
BPO・代行サービスを利用する
自社でスキャン作業やOCR結果の確認・修正を行うリソースがない場合は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などの入力代行サービスを利用するのも一つの方法です。原本を郵送するだけで、専門業者がスキャンからデータ化、目視チェックまでを代行します。
一時的に過去の大量の書類を電子化したい場合や、どうしても手書き文字が多くOCRでの読み取りに限界がある場合に向いています。自社対応と比べるとランニングコストはかかりますが、確実な精度と工数削減が期待できます。
帳票を一括電子化するメリット
大量の紙帳票を一括で電子化することで、入力作業の削減や検索性の向上、保管コストの削減などが期待できます。ここでは代表的な5つのメリットを解説します。
入力・確認作業を削減できる
最も大きなメリットは、手作業によるデータ入力工数の削減です。AI-OCRや帳票電子化システムを利用すれば、数百枚の帳票も一括で読み取られ、短時間でテキストデータ化されます。人間はOCR結果と元の画像を見比べて修正が必要な箇所だけを確認すればよいため、作業時間は大幅に短縮されます。
検索性・共有性が向上する
紙の書類をキャビネットから探し出すのは非常に手間がかかりますが、電子化されていれば、取引先名や日付、金額などのキーワードで瞬時に検索できます。また、クラウドシステム上で管理すれば、離れた拠点やテレワーク中の社員間でも簡単にデータを共有でき、業務のスピードが向上します。
保管コストを削減できる
一定期間の保存が必要な帳票類は年々蓄積され、保管スペースや外部倉庫のレンタル費用などのコストがかさみます。電子化してペーパーレス化を進めることで、物理的な保管スペースを削減でき、オフィス空間の有効活用にもつながります。
人的ミスを防止できる
手作業での転記には、どうしても入力漏れや桁間違いなどのヒューマンエラーが付きまといます。システムによって自動的にデータを抽出し、会計システムなどへ連携することで、人為的なミスを最小限に抑え、データの正確性を保てます。
内部統制・法対応を強化できる
帳票電子化システムには、誰がいつデータにアクセスし、編集・承認したかというログが残る機能が備わっています。これにより、データの改ざん防止や証跡管理が容易になり、内部統制が強化されます。
また、電子帳簿保存法の要件(タイムスタンプ付与や検索要件など)を満たすシステムを選べば、コンプライアンス遵守も確実になります。
こうしたメリットを効率的に実現するには、自社に合った帳票電子化システムを選ぶことが重要です。
帳票電子化システムの4つのタイプ
帳票電子化システムは、得意とする領域によって大きく4つのタイプに分類できます。紙帳票のデータ化に特化したものから、請求書の発行・受領・保存・配信まで一元管理できるものまでさまざまです。自社が「どの業務を効率化したいのか」を明確にし、目的に合ったタイプを選びましょう。
帳票DXプラットフォーム型
請求書をはじめとする帳票の発行・受領・保存をクラウド上で一元管理し、帳票業務全体を効率化できるタイプです。取引先との帳票授受をオンライン化できるため、大量の請求書をまとめて管理したい企業や、ペーパーレス化を全社的に進めたい企業に向いています。
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帳票DX型
請求書や見積書などの作成・送付・保存をクラウド上で効率化するタイプです。一括送付や自動作成に対応した製品も多く、帳票作成・送付業務の負担を削減したい企業に適しています。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を進めたい場合にも有効です。
大規模帳票管理・配信型
基幹システムなどから出力される大量帳票を一括生成・配信・管理することに強みを持つタイプです。請求書や納品書、明細書などを高速かつ安定的に大量出力できるため、月間数万件規模の帳票運用を行う企業に向いています。全社的な帳票基盤を構築したい場合にも適しています。
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AI-OCR・データ化型
紙やPDFの帳票をAI-OCRで読み取り、テキストデータ化することに強みを持つタイプです。請求書・領収書・納品書などを自動で読み取り、入力作業や転記業務を削減できます。特に、手入力工数が多い企業や、大量の帳票を短時間で処理したい企業に向いています。
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帳票電子化システムの選び方
帳票電子化システムを選ぶ際は、処理件数や帳票の種類、既存システムとの連携性、法対応の有無を確認することが重要です。ここでは、自社に適したシステムを選ぶための4つの比較ポイントを解説します。
大量処理性能に優れているか
大量の帳票を一括で処理したい場合、システムの処理能力は重要なポイントです。一度にアップロードできるファイル数や、バックグラウンドでまとめて処理を実行するバッチ処理機能の有無、同時処理件数の上限などを確認しましょう。処理スピードが遅いと、かえって業務のボトルネックになる可能性があります。
OCR精度は高いか
データ化の精度は業務効率に直結します。手書き文字の読み取り精度や、フォーマットがバラバラな非定型帳票からの項目自動抽出が可能かを確認してください。また、使えば使うほどAIが学習し、自社特有の帳票に対する読み取り精度が向上する機能があるかもチェックポイントです。
既存システムと連携できるか
電子化したデータを最終的にどこへ入力するのかを考慮し、既存の会計システムやERP、販売管理システムなどとスムーズにデータ連携(API連携やCSV出力)できるかを確認しましょう。社内のワークフローシステムとの連携により、承認業務も含めた一気通貫の自動化が実現します。
セキュリティ・法対応は十分か
帳票には機密情報が含まれるため、堅牢なセキュリティ対策が求められます。通信の暗号化やアクセス権限の細かな設定、操作ログの取得機能などを確認しましょう。あわせて、タイムスタンプ機能や検索機能など、電子帳簿保存法の要件を満たしているか、JIIMA認証を取得しているかも重要な指標です。
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おすすめの帳票電子化システム(帳票DXプラットフォーム型)
まずは、請求書の発行・受取・保存をクラウド上で一元管理できる製品を紹介します。請求書業務の電子化や、取引先との帳票授受を効率化したい企業におすすめです。
BtoBプラットフォーム 請求書
- 請求書の発行も受取も完結!最大90%の業務時間削減
- 紙・PDFなど、形式を問わずあらゆる請求書の受領を委託可能!
- 法改正への対応と万全のセキュリティ対策
株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」は、請求書の発行・受取をクラウド上で行えるプラットフォーム型の電子請求書システムです。請求書を電子データでやり取り・保存できるほか、AI-OCRや受領代行(BPO)にも対応しているため、紙や郵送中心の請求業務を効率化したい企業に向いています。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を進めたい場合にも有効です。
おすすめの帳票電子化システム(帳票DX型)
次に、請求書や見積書などの作成・送付・保存を効率化できる製品を紹介します。帳票作成や送付業務の負担を減らし、ペーパーレス化を進めたい企業におすすめです。
ジョブカン見積/請求書
- 請求,仕入業務に必要な帳票発行/送付/消込まで様々な機能を実装
- 得意先、仕入先毎にレポート作成可能!自動集計で一目で確認
- 月額料金のみで何枚発行/送付しても料金変わらずにご利用可能
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン見積/請求書」は、見積書や請求書などの帳票作成・管理を効率化できるクラウドサービスです。インボイス制度にも対応しており、帳票作成業務のペーパーレス化を進めたい企業に向いています。シンプルに使いやすいサービスを求める場合にも適しています。
freee請求書
- 主要機能を網羅しながら納得の低価格を実現
- 債権管理・入金消込・仕訳の自動作成まで対応
- 24.5万社に選ばれている、確かな信頼 ※
フリー株式会社が提供する「freee請求書」は、請求書の作成・送付・管理をクラウド上で行えるサービスです。請求書業務を効率化したい中小企業に向いています。freeeシリーズとの連携により、会計業務を含めたバックオフィス全体の効率化にも役立ちます。
マネーフォワード クラウドインボイス
- 請求書や納品書、支払明細書などあらゆる帳票送付業務を自動化
- あらゆる帳票フォーマットに対応しているためスムーズに導入可能
- 電子帳簿保存法・インボイス制度対応
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウドインボイス」は、請求書や納品書、支払明細書などの帳票送付業務を自動化できる請求書発行システムです。郵送からメール・Web送付へ切り替えることで、発送業務や郵送コストの削減につながります。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
EdiGate/POST
- 購買業務に関わる手間・コストを大幅削減!!
- Web画面で納期の回答・照会、データの二次活用も可能!
- 操作がシンプルで簡単に電子化をスタートできる!
DAIKO XTECH株式会社が提供する「EdiGate/POST」は、企業間でやり取りされる帳票をWeb上で配布・共有できる電子帳票配布サービスです。受発注業務や帳票送付を効率化したい企業に向いています。紙やFAX中心の帳票授受を見直し、Webを活用した帳票運用へ移行したい場合に適しています。
おすすめの帳票電子化システム(大規模帳票管理・配信型)
続いて、大量帳票の作成・出力・配信・管理に強みを持つ製品を紹介します。帳票出力件数が多い企業や、全社的な帳票基盤を整備したい企業に適しています。
PaplesReports(パピレスレポーツ)
- 様々なレイアウトの帳票を簡単にノンプログラミングで作成可能
- 印刷・PDF・Excelの帳票出力、WebAPI連携もワンパッケージで
- 帳票開発を効率化、インボイス制度に対応、OEM提供も可能
日鉄日立システムソリューションズ株式会社が提供する「PaplesReports(パピレスレポーツ)」は、帳票設計・生成・出力機能に特化した帳票出力パッケージです。多様なレイアウトの帳票を作成でき、印刷・PDF・Excel出力やWebAPI連携にも対応しています。帳票開発を効率化したい企業や、インボイス制度に準拠した帳票出力を行いたい企業に向いています。
SVF
- 累積導入38,000社以上、国内シェアNo.1の帳票ソフトウェア
- 様々な上位システムと連携、社内に散在する帳票システムの統一化
- オンプレミス・クラウド対応・電子帳簿保存法も対応
ウイングアーク1st株式会社が提供する「SVF」は、帳票の出力・保管・送受信を一元化できる帳票基盤システムです。業種や企業規模を問わず利用でき、クラウド環境にも対応しています。既存の業務システムと連携しながら、帳票の出力や配信を効率化したい企業に適しています。
電子帳票基盤システム Paples
- 電子帳簿保存法の4区分に活用でき、システム対応実績も多数あり
- 帳票の取込から電子保存・配信までをワンパッケージで一元管理
- 各種業務システム連携し多彩なソリューションで帳票運用を効率化
日鉄日立システムソリューションズ株式会社が提供する「Paples」は、帳票の作成・取込・出力・保存・活用を統合管理できる電子帳票基盤システムです。大規模な帳票運用や全社的な帳票管理に向いています。電子帳簿保存法やインボイス制度、文書管理、ペーパーレス化への対応を含めて、帳票基盤を整備したい企業に適しています。
eCubenet 帳票配信サービス
- 送付手段を集約し郵送・FAX・メール・Webを自動配信
- ERP連携でPDF/CSVを取り込み宛先別の送付と未DL追跡を自動化
- 送信履歴を一元管理し監査対応や再送を迅速化
株式会社オージス総研が提供する「eCubenet 帳票配信サービス」は、帳票の送付業務を自動化する帳票配信サービスです。ERPなどからPDF・CSVを取り込み、取引先別に郵送・FAX・メール・Webへ自動送付できます。送信履歴を一元管理するため、再送対応や監査対応を効率化したい企業にも適しています。
おすすめの帳票電子化システム(AI-OCR・データ化型)
ここでは、紙やPDFの帳票を読み取り、電子保存やデータ化を効率化できる製品を紹介します。入力作業や確認作業を削減し、電子帳簿保存法への対応を進めたい企業におすすめです。
invox電子帳簿保存
- 月契約で業界最安水準、使った分だけのムダのない料金
- 低コストなAI OCRと99.9%精度保証のオペレータ入力を選択できる
- 継続率99.8%/シリーズ累計30,000社以上が利用(2024年11月時点)
株式会社invoxが提供する「invox電子帳簿保存」は、電子帳簿保存法への対応を自動化できる帳票電子化ツールです。PDF保存や検索機能に加え、AIによるOCR読み取り機能も選択可能です。低コストかつシンプルに書類管理を始めたい企業や、電子取引・スキャナ保存への対応を進めたい企業に向いています。
バクラク請求書受取
- AI-OCRが請求書を数秒で自動で読み取り!手入力をゼロに
- レポートで受取状況や支払い状況を可視化して支払い漏れをゼロに
- 稟議から支払いまで一気通貫、内部統制を強化!
株式会社LayerXが提供する「バクラク請求書受取」は、請求書処理の効率化に強みを持つクラウドサービスです。AI-OCRによる読み取りや柔軟なワークフロー設計に対応しており、請求書の受取から処理までの工数削減に役立ちます。毎月大量の請求書を処理している企業に向いています。
楽楽電子保存
- 電子帳簿保存法対応の手間を削減!請求書の保存・管理をラクに
- AI-OCR機能で書類の文字情報を自動で読み取り、簡単にデータ化
- シンプル操作でどんな人でも使いやすい!社内浸透もスムーズに
株式会社ラクスが提供する「楽楽電子保存」は、電子帳簿保存法に対応した帳票保存クラウドです。請求書や領収書などの帳票を電子保存し、検索・管理しやすい状態で保管できます。紙やPDFの帳票管理を効率化し、ペーパーレス化を進めたい企業に適しています。
LINE WORKS PaperOn
- 様式が存在しない書類も高精度に項目抽出
- 複数の方法で現場からでも書類をアップロード
- 修正や変換などの面倒な作業を自動化
LINE WORKS株式会社が提供する「LINE WORKS PaperOn」は、紙帳票を扱う業務の効率化を支援する帳票電子化ツールです。クラウド・SaaS形式で利用でき、OCR機能やワークフロー管理、自動分類・仕分け機能などに対応しています。紙やPDFを含む帳票業務をデジタル化したい企業に向いています。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で「帳票電子化ツール」の一括資料請求が可能です。ぜひ、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。
帳票電子化を成功させるポイント
帳票電子化の効果を高めるには、システム導入前の準備や導入後の運用設計が重要です。ここでは、スムーズに定着させるための4つのポイントを解説します。
対象帳票を整理する
まずは社内に、どのような帳票がどれくらい存在しているのかを棚卸ししましょう。そのうえで、処理件数が多いものや手入力の負担が大きいもの、法的に長期保存が必要なものから優先的に電子化の対象と定めます。すべての帳票を一度に電子化しようとすると、現場の混乱を招く恐れがあります。
運用ルールを統一する
電子化にあたっては、ファイル名の命名規則や保存フォルダの階層構造、アクセス権限の設定など、社内の運用ルールを明確にすることが不可欠です。ルールが曖昧なまま運用を開始すると、必要なデータを探しにくくなったり、セキュリティ上のリスクが生じたりします。
OCR後の確認フローを整備する
AI-OCRの精度は向上していますが、100%正確に読み取れるとは限りません。誤認識が発生することを前提に、データ化された内容を誰が、いつ、どのように確認・修正するのかを事前に設計しておきましょう。確認画面の使いやすさも、システム選定時のポイントになります。
スモールスタートで導入する
最初から全社一斉に導入するのではなく、特定の部署や帳票(例:経理部の請求書処理のみ)から小さく始めるのがおすすめです。限られた範囲で運用テストを行い、課題を洗い出して改善してから適用範囲を広げることで、スムーズな定着を図れます。
帳票電子化に関するよくある質問
ここでは、帳票電子化システムの導入を検討する際によくある質問に回答します。
Q1:AI-OCRとOCRの違いは?
従来のOCRは、あらかじめ「この位置にある文字を読み取る」という定義(フォーマット設定)が必要でした。一方AI-OCRは、AIが書類全体のレイアウトを学習・解析し、「どこに何が書かれているか」を自動で判別します。そのため、フォーマットが異なる取引先からの請求書なども、事前の設定なしに読み取ることが可能です。
Q2:手書き帳票も電子化できる?
はい、可能です。AI-OCRは、人間の筆跡のクセや崩れた文字も認識できるよう学習しています。ただし、乱雑な文字や薄い文字は誤認識する可能性があるため、人間による最終確認フローを設けておくと安心です。
Q3:電子帳簿保存法に対応できる?
多くの帳票電子化システムは、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件や電子取引要件に対応する機能を備えています。例えば、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の保持、日付・金額・取引先による検索機能などです。導入前に、ベンダーへ法対応の状況やJIIMA認証の取得有無を確認するとよいでしょう。
Q4:大量処理でも精度は落ちない?
基本的に、処理件数が増えたこと自体でOCRの読み取り精度が落ちるわけではありません。ただし、システムの処理性能によっては、一度に数千枚を処理する際に完了まで時間がかかる場合があります。大量処理を想定している場合は、バッチ処理機能や同時処理件数の上限などを確認しましょう。
まとめ
大量の紙帳票を一括で電子化すれば、入力・確認作業の削減や検索性の向上、保管コストの削減、法対応の強化につながります。
導入時は、帳票の種類や処理件数を整理したうえで、大量処理性能やOCR精度、既存システムとの連携性、電子帳簿保存法への対応状況を比較することが重要です。自社に合う帳票電子化システムを導入し、紙中心の帳票業務から脱却しましょう。



