帳票作成・デザインをフリーで行えるツール
無料で帳票作成できるツールを3種類紹介します。
オープンソース製品
オープンソースとはソースコードが公開されており、そのソースコードを自由に改変して利用したり、配布したりしても良いソフトのことを言います。
帳票作成ツールにもオープンソース製品は多く出回っています。基本的にはコーディングできることが前提となっていますが、スキルがあるのであれば無料で帳票を作成できます。作成したい帳票の種類が少なく様式が単純なものであれば、オープンソース製品でも十分事足りるでしょう。
また、最近ではオープンソース製品でありながらGUI画面によりノーコーディングで帳票を作成できるツールも登場しています。試しに使ってみて、使いこなせるようなら本格的な利用を検討してみましょう。
エクセル
エクセルでは、請求書データをテンプレートに転記することで帳票を作成できます。マクロやVBAを用いて転記します。一定範囲を転記するコードや、異なるブックのデータを転記するコードなどがあります。それらを活用すればエクセルの請求書データから請求書を作成可能です。
ただし、エクセルによる帳票作成には以下の難点があります。
- ■大容量データの処理に不向き
- ■帳票に複数システムのデータを統合しづらい
- ■更新のリアルタイム性が低い
- ■共同作業に不向き
- ■権限管理が困難
これらの点が気になるようなら他の手段を検討したほうが良いでしょう。
テキストエディタ
テキストエディタを用い、HTMLやCSSで帳票作成することもできます。
例として、紙の帳票をHTML帳票化する手順を簡単に見てみましょう。
- 1.ツール準備
- ブラウザとテキストエディタを準備する。
- 2.開発準備
- HTMLファイルとCSSファイルを作成し、Webページにコンテンツの印刷イメージを表示させる基礎となるコードを記述する。
- 3.コンテンツHTML化
- HTMLタグで現物の帳票をマークアップし、「2.」に追加する。
- 4.デザイン
- CSSでデザインを調整する。
- 5.アプリケーションへの組み込み
- テンプレート化してアプリケーションに組み込む。
HTMLはたくさんのテンプレートエンジンが用意されているうえ、Web開発のスキルを流用できます。そのため、フロントエンジニアとして経験があるのであれば帳票作成も滞りなくできるでしょう。
しかし、HTMLによる帳票作成はかなり高度な知識が問われます。本格的なWeb開発経験がない人がやろうとすると難しいかもしれません。
帳票デザイン・作成のフリーツールを利用するデメリット
これまで見てきたように、帳票作成をフリーツールで行うには多かれ少なかれ専門的な知識が必要になります。ローコストで済ませるためにフリーツールを活用したつもりが、学習負担がかかるせいでかえってコストが高くなることがあります。
また、帳票作成はビジネスの目的ではない点も理解しなければなりません。どれほど高度な知識を用いて帳票を作成しても、それが自社に直接的な利益をもたらすことはないのです。そのようなことに注力するくらいなら、もっと利益に直結する重要な業務に専念すべきでしょう。
以上のことから、無理にフリーツールを使うよりは、有料であってもスムーズに帳票作成できるツールを選んだほうが賢明と言えます。
帳票作成・デザインをスムーズに行う方法
帳票作成を効率化する方法の1つに、商用の帳票電子化システムを使う方法があります。帳票電子化システムは、帳票の作成や送付、保管を電子上で行うためのシステムです。
特徴は製品によってさまざまですが、基本的にコーディングは必要ありません。あらかじめ用意されているテンプレートにデータを記入したり、データをシステムにアップロードしたりするだけで自動で帳票が作られるシステムもあります。誰でも使えるものと考えて問題ありません。
また、帳票電子化ツールにはクラウド型製品も多く、それらは自動でバージョンアップされるのが特徴です。消費税率の変更や法改正などに自動対応してくれます。
つまり、帳票電子化システムを使えば、帳票の作成だけでなくそれに関するさまざまな負担を軽減できるのです。中には無料プランが用意されている製品もあるので、一度使ってみましょう。
フリー・商用製品の中から帳票作成ツールを検討しよう!
フリーで帳票を作成できるツールは以下の3つです。
- ■オープンソース製品
- ■エクセル
- ■テキストエディタ
ただし、これらで帳票を作成するにはプログラミングに関する高度な知識が求められます。その学習にコストをかけるくらいであれば、初めから有料の商用製品を使ったほうが良いこともあります。
スキルや時間的・金銭的負担を考慮し、フリー・商用製品の中から最適な帳票作成ツールを採用しましょう。