帳票とは
まずは、帳票とは何なのか見ていきましょう。
帳票=帳簿と伝票の総称
帳票は「帳簿」と「伝票」のことで、どんな取引があったのかを示すものです。帳簿には社内の取引や経営状況を記し、伝票には日々のお金の動きを記録します。帳簿と伝票はそれぞれ、以下のような書類を含みます。
- 【帳簿】
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- ■仕訳帳
- ■総勘定元帳
- ■現金出納帳・預金出納帳
- ■買掛帳・売掛帳
- ■経費帳
- ■固定資産台帳
- 【伝票】
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- ■入出金伝票
- ■売上伝票・仕入伝票
- ■振替伝票
帳票と証憑書類は区別される
帳票に似ている言葉に「証憑書類」がありますが、これは取引成立の証拠になります。証憑書類には受領書や領収書、契約書や納品書などが含まれており、取引の過程で生じるものです。
- 【証憑書類】
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- ■見積書
- ■契約書
- ■納品書
- ■請求書
- ■領収書
これ以外に、配送伝票や健康診断結果報告書、出張申請書なども証憑書類に含まれます。
厳密には帳票と証憑書類は別物として扱われますが、帳票と証憑書類の一部が混在しているケースがあるため注意してください。
注意!帳票の保存期間・管理方法
社内で帳票を保存するにあたり、保存期間や管理方法に取り決めがあります。以下で詳しく解説します。7~10年間の保管が義務付けられている
法律によって帳票の保存期間が決められています。法人税法上だと7年間、会社法上だと10年間保存しなければなりません。したがって最低10年間は保管しておくべきでしょう。
なお、法人税法上では欠損金が生じた事業年度に限り、9年間の保管が義務付けています。
紙による保存が原則
原則、帳票は紙の状態で保存することと、電子帳簿保存法で義務化されています。

現在は法改正により、証憑書類などはスキャナ保存できるようになりましたが、紙帳票のスキャナ保存は認められていません。ただし、最初から電子データとして作成された電子帳票の場合は、紙の原本は不要となります。帳簿や伝票は、電磁的記録による保存が認められているからです。
電子帳票として保存したい場合は、電子帳票に切り替える3か月前までに税務署長から承認を受けなければなりません。
出典: 電子帳簿保存法の概要|国税庁
紙帳票の課題を解決?帳票電子化が広まった理由
紙帳票の作成・保管にあたっては、さまざまな課題が残ります。まずは課題を整理し、帳票電子化が普及している理由を解説します。
紙帳票の作成は非効率で、セキュリティリスクもある
紙帳票の場合、あらかじめ用意したフォーマットに必要事項を書き込んでいく形で作成しますが、手書きだと時間がかかるでしょう。エクセルに帳票のフォーマットを取り込んで必要事項を入力していく場合でも紙に出力する手間があります。
さらに、取引先に帳票を郵送しなければならないとなれば、印刷・封入・投函という作業が必要です。郵送の頻度が多いほど、作業の効率化が求められるでしょう。
処理が完了した帳票はキャビネットなどで保存しますが、スペースを圧迫します。また、綺麗にまとめておかないと必要なときに探し出せず、紛失や盗難のおそれもあるのです。
電子帳票なら効率的かつ安全
電子帳票として作成すれば、手書きするよりも効率が良く、郵送の手間を省けます。取引先にメールで電子帳票を送信するだけです。印刷や郵送にかかっていたコストは削減されるでしょう。
帳票の電磁的記録による保存は認められているため、紙に出力する必要はなく、保管スペースも要りません。サーバやクラウド上に保存された電子帳票は検索性が高く、特定の条件を指定し、瞬時に目的の帳票を探せます。
加えて、電子帳票はサーバーやクラウド上で一元管理されるため、アクセス制限や認証設定も容易になります。紛失や盗難のリスクは軽減され、セキュリティを強化できるでしょう。
電子帳票を作成する方法
電子帳票を作成するなら専用のツールを使うと便利です。帳票電子化ツールは、電子帳票の作成をスムーズにし、紙の証憑書類をスキャンして電子化することも可能です。
帳票電子化ツールに登録されているフォーマットに沿って、必要事項を入力するだけで帳票作成が完了します。これまで使っていたフォーマットを使えたり、新たにフォーマットを設計したり、自社に合った運用ができます。ノンプログラミングでフォーマット設計が可能な帳票電子化ツールを選ぶと良いでしょう。
ツールを用いて、帳票電子化を推進しましょう!
帳票とは帳簿と伝票の総称したもので、社内でどんな取引が行われたのか記録したものです。原則、帳票は紙での保存となりますが、最近では電子帳票の保存が認められています。帳票を電子化することで作成や保存の効率が上がり、安全性を確保できます。
帳票の量が多いほど、電子化のメリットは大きいです。電子帳票を作成するなら帳票電子化ツールを活用すると良いでしょう。これを機に、帳票電子化を進めてみてはいかがでしょうか。