メール共有システムとは
メール共有システムとは、顧客からの問い合わせメールの内容や対応などを一元管理するシステムです。カスタマーサポートやヘルプデスクなどの顧客との対応業務の場面において、業務の効率化や対応品質の向上を実現できます。
それぞれの製品により機能もさまざまなため、自社の導入目的にあった機能を検討するとよいでしょう。
メール共有システムの主な機能
メール共有システムに搭載されている主な機能は、以下のとおりです。
ステータス(対応状況)管理
どの担当者がどの顧客の対応をしているかが、未対応・承認待ち・完了などのステータスで分かる機能
アドレスごとの対応履歴
過去の対応履歴を、アドレスごとに担当者をまたぎ一覧表示で確認できる機能
複数チャネルの一元管理
自社サイトの問い合わせフォームや電話、チャット、ECサイトのメッセージ機能など複数のチャネルを一元管理できる機能
メールごとのコメント
メールごとにコメントやチャットでの申し送りができる機能
メールテンプレート
よくある問い合わせに利用できる定型文が搭載
個々のシステムにより機能も異なりますが、ステータス管理やテンプレート機能はどのシステムにも搭載されています。
メール共有システムの必要性
テレワークなど働き方の多様化も影響し、誰がどの問い合わせの対応をしているかわわからない場面があります。そういったケースで、対応漏れや二重対応が生じると顧客に迷惑をかけてしまいます。
メール共有システムの導入で、下記の効果が期待できます。
- ●誰が何を対応しているかがわかる
- ●複数名対応による対応品質の悪化を防止
- ●テンプレート機能の充実さで対応品質の維持が可能
- ●対応履歴がすべて残る
- ●属人化を防げる
- ●現在の対応ステータスがひと目で分かる
- ●顧客対応の分析が可能
顧客や対応する社員に寄り添うような機能により、業務効率も向上するでしょう。
メール共有システムの主な利用シーン
主に、企業のカスタマーサポートやヘルプデスクなどのお問い合わせメールが頻繁に届く場面で利用されています。
また、メーリングリストによる複数人で対応が必要な場面や、旅行・ホテルの予約サイトでの対応にも導入されており、利用シーンはさまざまです。
なお、以下のページでは、メール共有システムのメリット・デメリットについてさらに詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
関連記事
watch_later
2023.09.08
メール共有システムとは?メリット・デメリットを徹底解説
続きを読む ≫
メール共有システムのメリット
メール共有システムを導入することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- ●対応の速度や品質の向上
- ●顧客とのトラブルを防止できる
- ●労働時間の短縮による、コスト削減・従業員満足度の向上
- ●業務を教える時間が短縮できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
対応の速度や品質の向上
問い合わせや確認事項のメールのなかには、緊急を要したり優先度が高い案件もあります。そのため、対応が遅れてしまうと事態が重くなる場合があるでしょう。
メール共有システムは、「対応中」などの対応ステータスや担当者、緊急度を一覧で確認可能です。「未対応」のステータスもわかるため、優先度が高い案件も見逃さないでしょう。
また、テンプレート機能や過去の対応履歴を利用することにより、対応方法も品質の維持を保てます。
顧客とのトラブル防止
メールごとのステータスが一元管理できるため、二重対応や対応漏れを防げます。導入前では分かりにくい「誰が今どの対応をしているのか」「これから誰が対応するのか」といった情報が明確になります。
また、一斉送信の場合でも1通ずつ個別送信してくれる製品もあります。メールの誤送信や、CC・BCCのアドレス設定間違いによるトラブルも防げます。
労働時間の短縮によるコスト削減・従業員満足度の向上
メール共有システムの導入で、テレワークやリモートワーク中でも対応状況を正確に把握できます。社員の残業時間の減少や人件費などのコスト削減で、顧客だけでなく従業員満足度の向上にもつながるでしょう。
業務の効率化だけでなく、ワークスタイル改革を推進したい企業にも、メール共有システムは有用です。
業務を教える時間が短縮できる
顧客の対応情報を個人別・部署別にExcelで管理しているなど、共有が煩雑になっている企業も多いでしょう。さらに、マニュアル作成やメール研修など、業務を教える時間も別途必要になります。
メール共有システムでは、他の担当者の対応履歴を確認できるため、顧客との実際の対応から現場で学ぶこともできるようになります。それにより、業務を教える時間が減り、各担当者がみずからメール対応のノウハウを習得できるのです。
メール共有システムのデメリット
メール共有システムには、デメリットも存在します。デメリットは以下です。
- ●メール以外のチャネルと連携できないものがある
- ●セキュリティ対策に不安がある
それぞれのデメリットと解決法について解説します。
製品によっては、SNSやカレンダーなど他のチャネルと連携できないものもあります。いっぽう企業では、顧客の問い合わせ方法がメールだけでなくLINEなどのSNS経由で来ることもあるでしょう。
しかし、このデメリットはマルチチャネルに対応した製品を選ぶことで解決できます。自社の問い合わせ方法に対応したメール共有システムを選択しましょう。
近年では、サイバー攻撃が巧妙化しています。とくにメール共有システムは、メールを用いたサイバー攻撃に注意が必要です。うっかりメールを開封したり添付ファイルを開くと、ウィルス感染や情報漏えいにもつながりかねません。
24時間365日の監視体制や不正アクセスブロックなどのセキュリティ対策が備わっている製品や、オプションをつけることで、ウィルス・迷惑メール対策や、情報漏えい対策ができるオプションが用意されています。
自社と顧客を守るために、しっかりとセキュリティ対策を実施しましょう。
メール共有システムの比較のポイント
多くのメール共有システムのなかから、自社に適した製品を選ぶためのポイントを紹介します。押さえておきたいポイントは以下の5つです。
- ●機能が充実しているか
- ●誤送信対策やセキュリティ対策はあるか
- ●外部ツールやメール以外のチャネルと連携ができるか
- ●サポート体制が整っているか
- ●無料オープンソースか、有料サービスか
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
機能が充実しているか
メール共有システムの機能には、対応ステータス管理や共有だけでなく、以下の機能もあるか確認してみましょう。
- ●メールの対応状況をリアルタイムに可視化できる機能
- ●メールテンプレート機能
- ●メール振り分け自動化機能
- ●ワークフローと連携できる機能
問い合わせ管理だけでなく、顧客管理や情報共有、分析・改善までワンストップで行えるものもあります。また、新入社員やアルバイトなど、入社してまもない社員が使用しやすいシステムかどうかも選定ポイントに入ります。
自社の運用体制を考え、欲しい機能を有する製品を導入するとよいでしょう。
誤送信対策やセキュリティ対策はあるか
メール誤送信対策やセキュリティ対策は、重要な選定ポイントです。送信時に宛先にチェックボックスを入れその都度確認できたり、複数名で宛先をダブルチェックできたりする承認フロー機能もあります。
またメール共有システムを導入すると、顧客のメールアドレスなどの個人情報をシステム提供会社に預けることになります。顧客の情報を安心して預けられるセキュリティ体制が整っているかどうか、自社のセキュリティポリシーを満たすものかを確認しましょう。
外部ツールやメール以外のチャネルと連携ができるか
メール共有システムには、Chatworkなどの外部システムや、他Webサイトなどと連携可能な製品があります。EC・通販サイトの運営企業などでは複数のサイトとの連携ができるか、自社が連携したいチャネルやツールに対応しているかどうかも、重要な選定ポイントのひとつでしょう。
また、代表アドレス以外にもLINEやInstagramなどのSNS連携機能や、Outlookなどの個人メールのチャネルにも対応しているかもチェックしましょう。問い合わせ方法が複数種類ある企業でも、それぞれのサービスと連携可能な製品を選ぶことにより利便性を高められるでしょう。
サポート体制が整っているか
システム提供会社により、サポート体制はさまざまです。メール・電話などの窓口の種類や、対応可能な日時・時間帯について確認しましょう。
また、返信対応に要する日数も製品比較のポイントです。とくに初めてメール共有システムを導入する場合、以下の点を比較するとよいでしょう。
- ●導入前・導入後にどの程度のサポートを受けられるか
- ●専任の担当者はいるか
- ●サポート窓口の種類や時間帯が自社の運営体制にあっているか
- ●緊急時やトラブル時の対応はどのようなものか
無料オープンソースか有料サービスか
メール共有システムの中には、無料で使用できるオープンソースがあります。オープンソースとは公開されているプログラムのソースコードを指します。無料でメール共有システムを開発することが可能です。
しかし、今回紹介する製品は有料サービスが多いため、無料トライアルができるかを確認しましょう。トライアル期間で使い勝手を把握したうえでの導入検討をおすすめします。
メール共有システムのおすすめ製品を徹底比較
ここでは、ITトレンドがおすすめするメール共有システムを紹介します。外部連携可否やサポート体制、メール共有システムの種類も比較しているので参考にしてください。
お急ぎの方や多くの製品を比較検討したい方には、一括資料請求がおすすめです。複数企業にまとめて資料請求できるため、手間が省け比較検討に要する時間の短縮になるでしょう。
\ メール共有システム の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求!
資料請求フォームはこちら
資料請求した製品の比較表が無料で作成できます
株式会社Zendeskが提供する「Zendesk」は、メールだけでなくWebサイトやSNSなど、さまざまなチャネルからの問い合わせを一元管理できます。顧客と担当者とのやりとりも記録されるため、情報共有や引き継ぎがスムーズになります。AI搭載により顧客が入力した内容を分析し、FAQコンテンツから最適な回答を自動返信できるため、業務効率化や縮小化が期待できるでしょう。
《Re:lation》のPOINT
- 一画面で複数チャネルのお問い合わせを対応・管理できる
- さまざまなツールと連携で、問い合わせ対応業務の効率化を実現
- 対応状況を自動で可視化
「Re:lation」は、株式会社インゲージが提供する、マルチチャネルの一括管理機能が特徴のメール共有システムです。SNSとの連携だけでなく、OJTによるオペレータ教育や分析・集計も行える画期的な顧客対応ツールです。マルチチャネル対応により、さまざまな業種や部署で活用でき、会社全体での業務効率化に貢献できるでしょう。
《メールディーラー》のPOINT
- 共有メールアドレス宛のメールをチームで効率的に管理
- 要対応メールがすぐわかる!対応状況ごとに表示される見やすいUI
- 選ばれ続けて14年連続売上シェアNo.1※!8,000社を超える導入実績
株式会社ラクスが提供する「メールディーラー」は、見やすいUIで要対応メールが可視化できる点が人気のシステムです。「返信処理中」や「対応中」などのステータスが、それぞれに応じたタブに自動で振り分けられます。メールごとに担当者も設定できるため、誰がどのメールに対応中かが一覧画面で分かります。
《Google Workspace》のPOINT
- どこからでも仕事ができる!リモートワーク環境実現にも貢献
- 共同で資料作成!複数名で同時に編集可能。履歴も確認できる
- タイムリーに共有!グループチャットやファイル共同管理が可能
「Google Workspace」は、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社が提供する、ビジネス向けのグループウェアです。共同で資料を同時作成できたり、Web会議が開催できる点は、Google Workspaceの強みです。
メールの共有だけでなく資料やカレンダーも共有できるため、社員同士のコミュニケーションや連携がとりやすくなるでしょう。
株式会社NIコンサルティングが提供する「NI Collabo 360」は、スケジュール管理や社内SNSなどの「グループウェア基本機能」や、グループ企業間でデータ連携ができる「経営支援機能」が特徴の経営改善型グループウェアです。
メール共有システムの部分では、複数のユーザーで同じメールアドレスを共有できる「共有メール」機能が搭載されています。対応状況や担当者を可視化でき、顧客への対応スピードが速くなるでしょう。
《WEBCAS mailcenter》のPOINT
- ステータス表示でメールの対応漏れと二重対応を防止!
- テンプレートで新人や即席バイトでも品質を保ったメール作成!
- 件数や対応数の分析レポートで業務改善にも活用可能!
株式会社WOW WORLDが提供する「WEBCAS mailcenter」は、複数人でのメール対応を効率化できるシステムです。メール共有や対応履歴の確認ができるだけでなく、「承認フロー」が構築可能であることも大きな特徴です。
承認フローは最大3段階あり、承認者による差し戻し・承認などの操作で、メールの誤送信や不適切な内容のメール送信を防げます。
以下のボタンからITトレンドの月間資料請求ランキングを確認できます。人気の製品からメール共有システムを比較したい方はあわせてご覧ください。
メール共有システムに関するよくある質問
メール共有システムに関してよくある質問と、その回答をまとめました。
- Q:メール共有システムとは何ですか?
- A:メール共有システムとは、顧客からの問い合わせメールの内容や対応などを一元管理するシステムです。顧客対応業務において、業務の効率化や対応品質の向上が実現できます。
- Q:メールを共有するメリットは?
- A:メールを共有することで、前に対応した担当者でなくとも対応ができるため、待ち時間を発生させることなく素早い返信が可能です。
メール共有システムの導入で業務効率化を目指そう
メール共有システムを導入する際には、機能やセキュリティ対策の有無など、製品をそれぞれ比較したうえでの検討をおすすめします。メール共有システムのメリットを享受するためには、自社に最適な製品を選ぶ必要があります。
まずは気になる製品の資料請求をしてみて、製品についてくわしく知ることからはじめてみましょう。