メール添付ファイル暗号化の必要性
メール添付ファイルを暗号化する理由は、以下の3つに大別されます。
- 情報漏えい防止
- メール添付ファイルの暗号化により、通信の傍受や宛先設定ミスによる情報流出を防止できます。暗号化を解除するにはパスワードが必要なため、第三者にファイルを取得されても中身は見られません。
- セキュリティコンプライアンス姿勢のアピール
- 適切なセキュリティ対策を施すことで、送信相手からの信頼を得られます。
- ISO27001やISMSの資格取得
- 情報セキュリティ資格を獲得することで、自社が充分なセキュリティ対策を施していることを証明できます。これらを獲得するには一定の条件を満たす必要があり、メール添付ファイルの暗号化も含まれています。
添付ファイル暗号化のもっとも重要な目的は情報漏えいの防止ですが、ほかにも上記のようなメリットがあります。
添付ファイル暗号化・復号の手順
添付ファイルを暗号化・復号するステップを見ていきましょう。
1.添付ファイルを暗号化する
添付ファイルを暗号化する方法には、以下の2種類があります。
ZIPファイルによる暗号化
添付ファイルをZIPファイル化(圧縮)する方法です。圧縮ファイルを解凍するためのパスワードを設定することで、第三者が中身を不当に閲覧できなくなります。簡便な方法として広く使われています。
Windows7までは、ZIP暗号化はOSの標準機能として搭載されていました。しかし、Windows8以降はその機能が削除されているため、専用のツールを使う必要があります。
Officeソフトによる暗号化
WordやExcelなどのOfficeソフトには、暗号化機能が標準搭載されています。これらのファイルを保存する際は、専用のツールがなくても暗号化できます。例として、Wordでのファイル暗号化手順は以下のとおりです。
- 1.タブ(画面上部)の「ファイル」をクリック
- 2.「名前を付けて保存」「参照」をクリック
- 3.「ツール」内の「全般オプション」をクリック
- 4.「読み取りパスワード」と「書き込みパスワード」を入力
- 5.保存先を指定
読み取りパスワードとは、そのファイルの中身を閲覧するためのパスワードです。書き込みパスワードをあわせて入力すれば、ファイルを編集することも可能です。
2.パスワードを別送する
パスワードは、添付ファイルとは別に送信する必要があります。個別に送信することで、暗号化ファイルの送信先を間違えた際に、中身を閲覧されずに済むためです。具体的なパスワードの送信方法には、受信者と送信者が同意できるものを採用しましょう。
その際もっとも一般的に用いられるのは、添付ファイルとは別のメールでパスワードを送信する方法です。
添付ファイルを送信できる時点で、その相手とはメールのやり取りが可能です。つまり、新たにほかの伝達方法を考える必要がありません。送信者・受信者ともに気軽に使える方法です。
3.暗号化ファイルを開く
ZIP圧縮とOfficeソフトによる暗号化ファイルは、それぞれ以下の方法で復号できます。
- 【ZIP圧縮】
- 圧縮ファイルをダブルクリックし、パスワードを入力するだけで解凍できます。
- 【Officeソフト】
-
- 1.「読み取りパスワード」と「書き込みパスワード」を順に入力
- 2.「名前を付けて保存」「参照」をクリック
- 3.「ツール」内の「全般オプション」をクリック
- 4.「読み取りパスワード」と「書き込みパスワード」を空欄にする
- 5.保存先を指定
ファイル暗号化を効率化する方法
ファイル暗号化がいかにセキュリティ対策として有効でも、添付ファイル送信のたびに暗号化するのは負担です。常に人力で行っていると、失念や操作ミスも発生するでしょう。
そこで有効なのが、メール暗号化ツールの活用です。添付ファイルを自動で暗号化するほか、送信一時保留などの誤送信防止機能も備えています。暗号化に伴う一連の作業を自動化することで、効率と安全性を同時に高められるでしょう。
具体的にどのような機能を備えているかは、ツールによりさまざまです。暗号化頻度や利用人数によって、最適な製品は異なります。
メール暗号化ツールを導入して作業を効率化しよう!
メール添付ファイルの暗号化は、情報漏えい対策になるほか、自社のセキュリティ姿勢をPRすることにつながります。暗号化する方法は以下の2つです。
- ■ZIP圧縮
- ■Officeソフトにより暗号化
暗号化したファイルとは別にパスワードを送信することで、第三者への情報漏えいを防止できます。これらの作業は、ファイル暗号化機能のあるメール暗号化ツールの活用で効率化できます。ぜひこの機会に、メール暗号化ツールの導入を検討しましょう。