メール暗号化ソフトの選び方|まず確認したい3つの導入目的
メール暗号化ソフトを比較する前に、まず「何を解決するために導入するのか」を整理しましょう。必要な機能によって、選ぶべき製品のタイプは異なります。
| 自社の課題・目的 | おすすめのタイプ |
|---|---|
| 宛先間違いや添付ファイルの誤送信を防ぎたい | 誤送信対策機能を備えたメール暗号化ソフト |
| パスワード付きZIPを廃止し、安全にファイルを送りたい | 脱PPAPに対応可能なメール暗号化ソフト |
| ウイルスや標的型攻撃など、メール全体のセキュリティを強化したい | 高度なセキュリティ機能を搭載したメール暗号化ソフト |
誤送信による情報漏えいを防ぎたい
宛先間違い、添付ファイルの選択ミス、Cc・Bccの設定ミスなど、人的ミスによる情報漏えいを防ぎたい企業には、誤送信対策機能が充実した製品がおすすめです。
具体的には、送信前の確認ポップアップ、一時保留、上長承認、Bccへの自動変換などの機能があります。メールの操作方法を大きく変えずに導入できる製品を選べば、従業員への負担も抑えられるでしょう。
PPAPを廃止して添付ファイルを安全に送りたい
パスワード付きZIPファイルとパスワードを別メールで送る、いわゆる「PPAP」の運用を見直したい場合は、Webダウンロードやクラウドストレージ連携などに対応した製品を確認しましょう。
添付ファイルを自動的にクラウドへアップロードし、受信者にはダウンロードURLを案内する仕組みであれば、従来のメール操作を大きく変更せずに脱PPAPを進められます。Microsoft 365やGoogle Workspaceなどのメール環境に加え、OneDrive・SharePoint・Boxなどのストレージサービスとの連携可否も確認しましょう。
メールの送受信におけるセキュリティをまとめて強化したい
暗号化や誤送信対策だけでなく、標的型攻撃、マルウェア、迷惑メールなどへの対策も行いたい企業には、メールセキュリティ機能を幅広く搭載した製品が向いています。
送信時の情報漏えい対策と受信時の脅威対策を一つのサービスで実施できれば、複数製品を管理する負担の軽減にもつながります。
▶メールセキュリティ全般を強化できるメール暗号化ソフトを比較する
【比較表】おすすめのメール暗号化ソフト
ここでは、おすすめのメール暗号化ソフトを、脱PPAPへの対応状況やMicrosoft 365・Google Workspaceとの連携可否などで比較します。自社の導入目的や現在のメール環境にあう製品かどうかを確認してみましょう。
| 製品名 | おすすめの企業 | 脱PPAP | Microsoft 365 | Google Workspace | 料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| CipherCraft/Mail | 誤送信対策と脱PPAPをまとめて強化したい企業 | ○ | ○ | ○ | 100,000円~/50ユーザー |
| まるっとメールセキュリティ for Outlook | Outlookの誤送信・標的型メール対策を行いたい企業 | - | △ | - | 年額75,000円~ |
| WISE Alert | Outlookで誤送信対策・脱PPAPを行いたい企業 | ○ | ○ | - | お問い合わせください |
| メールZipper | 既存メール環境のまま脱PPAP・誤送信対策を行いたい企業 | ○ | ○ | ○ | お問い合わせください |
| Active!gate SS | クラウドメール環境で脱PPAP・誤送信対策を進めたい企業 | ○ | ○ | ○ | 月額300円~/ユーザー |
| TERRACE MAIL Security | 送受信メールのセキュリティを一元化したい企業 | - | - | - | お問い合わせください |
| Confidential Posting | 機密性の高いファイルを安全に送受信したい企業 | ○ | - | - | 個別見積り |
| CWJ Secure One | 送受信メールの脅威対策と脱PPAPをまとめて行いたい企業 | ○ | ○ | ○ | 月額330円~/アカウント |
※○:公式サイトで対応を確認できた項目、△:一部環境・条件で対応、-:公式サイトで対応を確認できなかった項目です。最新の対応状況や料金については、各製品の資料または提供会社へお問い合わせください。
メール暗号化ソフトは、対応するメール環境や脱PPAPの方法、誤送信防止機能などが製品ごとに異なります。候補を1製品ずつ調べるよりも、複数製品の資料をまとめて確認すると比較がスムーズです。
▶誤送信対策機能を備えたメール暗号化ソフト
まずは、メール送信時の人的ミスを防ぐことに強みをもつ製品を紹介します。宛先・添付ファイルの確認、一時保留、暗号化などによって情報漏えいリスクを低減したい企業におすすめです。
| 製品名 | おすすめの用途 | 主な特徴 | 全体満足度 | 使いやすさ | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| CipherCraft/Mail | 誤送信防止・暗号化 | 暗号化方式を使い分け可能 | 3.7(141件) | 3.8 | 初期費用無料 100,000円/50ユーザー |
| まるっとメールセキュリティ for Outlook | Outlookの誤送信対策 | 必要な機能に絞ったシンプル設計 | ー | ー | 年額75,000円~ |
※レビュー評価は記事更新時点の情報です。"ー"表記はまだレビュー投稿がない項目です。
まるっとメールセキュリティ for Outlook
- チェック機能とガード機能の両方を備えたシンプルで頼もしい設計
- 必要な機能だけを絞り込んだことでリーズナブルな価格を実現
- 社外への送信時は暗号化やパスワード自動生成機能等で誤送信防止
株式会社トインクスが提供する「まるっとメールセキュリティ for Outlook」は、Outlookのメール送受信におけるセキュリティ対策を支援するツールです。メール誤送信防止と標的型攻撃メール対策に必要な機能を絞って搭載している点が特徴です。
機能を絞ったシンプルな設計のため、複雑なメールセキュリティ製品を必要とせず、Outlook環境の基本的な対策を強化したい企業に向いています。60日間の無料トライアルも用意されています。
| 参考価格 | 年額75,000円/1~50ID | おすすめの企業 | Outlookの誤送信・標的型メール対策を低コストで行いたい企業 |
| イチ押しポイント | メールのチェックとガードに対応したシンプルな設計 | ||
▶脱PPAPに対応可能なメール暗号化ソフト
ここでは、Webダウンロード、クラウドストレージ連携などによって、パスワード付きZIPに頼らずファイルを送信できる製品を紹介します。「PPAPを廃止したいものの、従業員や取引先の操作負担は増やしたくない」という企業は、現在利用しているMicrosoft 365やGoogle Workspace、OneDrive、SharePoint、Boxなどとの連携可否も確認しましょう。
| 製品名 | おすすめの用途 | 主な特徴 | 全体満足度 | 使いやすさ | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| WISE Alert | Microsoft 365の誤送信対策・脱PPAP | ストレージ連携・送信前確認 | 2.0(1件) | 3.0 | お問い合わせください |
| メールZipper | 添付ファイル送信・誤送信対策 | 添付ファイル処理・一時保留・承認 | ー | ー | お問い合わせください |
| Active!gate SS | クラウドメールの脱PPAP | Webダウンロード・時間差配信 | ー | ー | 公式サイトをご確認ください |
※レビュー評価は記事更新時点の情報です。"ー"表記はまだレビュー投稿がない項目です。
WISE Alert (株式会社エアー)
- 脱PPAPにも対応。送信前のポップアップ表示で送信前チェック
- 大きな負荷を強いることなく管理・導入が可能
- 使用中のメールシステムに依存せず、専用サーバーも不要
メールZipper (LRM株式会社)
- 添付ファイルを自動暗号化し、手間なく安全に送信。
- 一時保留や上長承認機能により、メールの誤送信を防ぐ。
- クラウド型で専用設備不要、低コストで導入・運用可能
Active!gate SS
「Active!gate SS」は、Microsoft 365やGoogle Workspace、LINE WORKSなどと連携し、クラウドメールのセキュリティを強化できるサービスです。添付ファイルをWebダウンロード方式へ切り替えられるため、脱PPAPを進めたい企業にも適しています。また、送信したメールを一定時間保留し、内容を確認してから送信する時間差配信など、誤送信防止を支援する機能も備えています。
▶高度なセキュリティ機能を搭載したメール暗号化ソフト
ここでは、暗号化や誤送信防止だけでなく、迷惑メール、ウイルス、標的型攻撃などへの対策も行える製品を紹介します。送信メールからの情報漏えいと、受信メールによるサイバー攻撃の両方をまとめて対策したい企業に適しています。
| 製品名 | おすすめの用途 | 主な特徴 | 全体満足度 | 使いやすさ | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| TERRACEMAIL Security | メールの送受信におけるセキュリティ強化 | 迷惑メール・ウイルスなどの脅威対策 | ー | ー | お問い合わせください |
| Confidential Posting | 機密性の高いファイルの安全な送受信・脱PPAP | 独自暗号化技術による大容量ファイルの安全な受け渡し | 3.9(7件) | 3.7 | お問い合わせください |
| CWJ Secure One | メールセキュリティの一元化・脱PPAP | 標的型攻撃対策・添付ファイル無害化・リンク化 | ー | ー | 月額330円~/アカウント |
※レビュー評価は記事更新時点の情報です。"ー"表記はまだレビュー投稿がない項目です。最新の料金や機能については、各製品の資料または提供会社へお問い合わせください。
TERRACEMAILSecurity (ダウジャパン株式会社)
- メールセキュリティ4対策をオールインワン提供
- 多段階の専用フィルタによる高精度なスパム・ウイルス遮断
- 上長承認やメール暗号化など誤送信対策が万全
Confidential Posting (富士通Japan 株式会社)
- 金融機関への導入実績が多数
- 高い信頼性を誇る富士通データセンターにデータを保存
- SaaSとパッケージの2種類から選択可能
CWJ Secure One (株式会社サイバーウェイブジャパン )
- 標的型メール攻撃を防ぎ、セキュリティを強化。
- 添付ファイルの無害化でウィルス感染リスクを削減
- 多段フィルターで迷惑メールを的確に駆除。
複数製品をまとめて比較したい方は、気になる製品の資料を一括で取り寄せられます。
人気製品から検討したい方は、最新ランキングも参考にしてください。
メール暗号化ソフトの比較ポイント
候補となる製品を絞ったら、具体的な機能や利用環境を比較します。特に確認しておきたいポイントは以下の5つです。
| 比較ポイント | 確認内容 |
|---|---|
| 利用中のメール環境への対応 | Microsoft 365(Outlook)、Google Workspace(Gmail)など自社の環境で利用できるか |
| 脱PPAPの方法 | Webダウンロードやクラウドストレージ連携など、自社に適した代替手段があるか |
| 誤送信防止機能 | 一時保留、送信前確認、上長承認、Bcc変換など必要な機能を搭載しているか |
| 受信メールのセキュリティ | 迷惑メール、マルウェア、標的型攻撃なども対策する必要があるか |
| 料金・運用コスト | 初期費用・ユーザー料金・オプション・管理工数を含めた総コストが適切か |
Microsoft 365・Google Workspaceなど自社環境に対応しているか
最初に確認したいのは、現在利用しているメール環境で導入できるかどうかです。Microsoft 365(Outlook)やGoogle Workspace(Gmail)と連携できる製品なら、従業員が普段利用しているメール環境を大きく変更せず導入できる場合があります。
一方で、Outlook用アドインとして提供される製品や、メールサーバの経路上に配置するゲートウェイ型の製品など、導入方式はさまざまです。全社導入では、対応メールサービスだけでなく「利用者の操作がどの程度変わるか」「管理者側の設定負担はどれくらいか」も確認しましょう。
脱PPAPをどのような方法で実現できるか
PPAPの代替方法として、添付ファイルをクラウド上に保存し、ダウンロードURLを送るWebダウンロード方式や、OneDrive・SharePoint・Boxなどのクラウドストレージと連携する方法があります。
製品を比較するときは「脱PPAP対応」という表記だけで判断せず、実際にどの方法でファイルを受け渡すのかを確認しましょう。ダウンロードURLの有効期限、アクセス制限、ダウンロード履歴の取得なども重要です。
必要な誤送信防止機能を搭載しているか
メール誤送信防止機能には、送信前確認のポップアップ、一時保留、上長承認、添付ファイル確認、Bccへの自動変換などがあります。
機能が多い製品ほどよいとは限りません。例えば少人数の企業では送信前確認だけで十分な場合もあれば、機密情報を扱う企業では上長承認やポリシーによる自動制御が必要なこともあります。自社で発生しやすいメール事故を洗い出し、それを防げる機能があるかを確認しましょう。
受信メールへのセキュリティ対策も必要か
メール暗号化ソフトのなかには、送信メールの情報漏えい防止だけでなく、迷惑メールフィルタリングやウイルスチェック、標的型攻撃対策などを搭載した製品もあります。
すでに別のメールセキュリティ製品を導入している企業では機能が重複する可能性があります。一方、複数のセキュリティ製品を統合したい企業では、送信・受信の両方をカバーする製品を選ぶことで管理負担を軽減できるでしょう。
初期費用・ユーザー料金を含めた総額で比較できるか
料金を比較するときは、月額料金だけでなく、初期費用やユーザー数による従量課金、追加オプション、保守費用などを含めた総額を確認しましょう。
例えばユーザー単価が安くても、脱PPAPやメールアーカイブなど必要な機能がオプション扱いであれば、結果として費用が高くなる場合があります。導入後の管理工数まで含めて比較することが重要です。
「比較ポイントはわかったものの、自社に適した製品まで絞り込めない」という場合は、無料診断も利用できます。簡単な質問に答えることで、自社の条件にあった製品を探せます。
メール暗号化ソフトの価格・料金相場
メール暗号化ソフトの料金は、提供形態、利用ユーザー数、搭載機能によって異なります。比較するときは、初期費用だけでなく年間の総コストを確認しましょう。
クラウド型の場合
クラウド型は、自社で専用サーバを構築する必要がないため、比較的導入しやすいのが特徴です。月額または年額料金で提供され、ユーザー数に応じて料金が変わる製品も多くあります。
小規模から導入しやすく、利用人数の増減にあわせて契約を変更しやすい一方、長期間・大人数で利用すると総額が大きくなることもあります。必要なオプションを含めた費用で比較しましょう。
オンプレミス型の場合
オンプレミス型は、自社環境にシステムを構築するため、ライセンス費用やサーバ関連費用などの初期投資が必要です。一方、自社のセキュリティポリシーにあわせて細かく運用したい企業には適しています。
保守・バージョンアップ費用などが別途発生する場合もあるため、導入時だけでなく数年間の総コストで判断しましょう。
メール暗号化ソフトとは
メール暗号化ソフトとは、メール本文や添付ファイルを暗号化して、メール経由の情報漏えいリスクを低減するセキュリティ製品です。製品によっては、誤送信防止や脱PPAPを支援する機能も搭載されています。
企業のメールでは、顧客情報、従業員情報、契約書、見積書、設計データなど、社外へ漏えいすると大きな問題につながる情報がやり取りされています。メール暗号化ソフトを活用することで、送信時のセキュリティ対策を自動化し、従業員の負担を抑えながら情報漏えいリスクを低減できます。
以下の記事では、メール暗号化の仕組みや方式、Outlook・Gmailでの暗号化方法について詳しく解説しています。
メール暗号化の必要性
従来、機密情報をメールで送る際には、パスワード付きZIPファイルを添付し、別のメールでパスワードを送る「PPAP」と呼ばれる方法が広く利用されてきました。
しかし、パスワードとファイルを同じメール経路で送信する運用にはセキュリティ上の課題があります。また、パスワード付きZIPファイルはセキュリティ製品による内容確認を妨げる場合もあり、PPAPを廃止する企業・組織が増えています。
2020年11月には、内閣府が中央省庁におけるパスワード付きZIPファイルの利用廃止方針を示しました。こうした背景から、Webダウンロードやクラウドストレージ連携など、PPAPに代わる安全なファイル送信方法への移行が進んでいます。
メール暗号化ソフトの主な機能・メリット
メール暗号化ソフトには、単純な暗号化だけでなく、誤送信防止や脱PPAPを支援するさまざまな機能があります。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| メール・添付ファイルの暗号化 | メール本文や添付ファイルを暗号化し、第三者による情報の閲覧を防ぎます。 |
| Webダウンロード化 | 添付ファイルをクラウド上へアップロードし、受信者へダウンロードURLを案内します。脱PPAPにも活用できます。 |
| メール誤送信防止 | 送信前確認、一時保留、自己承認、上長承認などによって人的ミスによる誤送信を防ぎます。 |
| メールサービス・ストレージとの連携 | Microsoft 365、Google Workspace、OneDrive、Boxなどと連携し、現在の業務環境を活かした運用を支援します。 |
| セキュリティポリシーによる制御 | 宛先、添付ファイル、本文中の情報などをルールに沿ってチェックし、暗号化や送信保留などを自動で実行します。 |
メールセキュリティ対策を自動化できる
メール暗号化ソフトを導入すると、「このメールは暗号化が必要か」「添付ファイルをどの方法で送るか」といった判断を、設定したルールに沿って自動化できます。
従業員一人ひとりに判断を委ねる場合と比べて、セキュリティ対策のばらつきを抑えやすい点がメリットです。
メールの誤送信を防ぎやすくなる
送信前の確認ポップアップや一定時間の送信保留、上長承認などを活用することで、宛先や添付ファイルの間違いに気づく機会を増やせます。
暗号化されたメールであっても、誤った相手に送れば情報漏えいにつながる可能性があります。そのため、暗号化と誤送信防止をあわせて対策することが重要です。
脱PPAPを進めやすくなる
Webダウンロードやクラウドストレージ連携に対応した製品を利用すると、パスワード付きZIPファイルを使わずにファイルを共有できます。
メールを作成してファイルを添付する従来の操作を維持したまま、自動でWebダウンロード方式へ切り替えられる製品もあります。従業員の操作負担を増やさず脱PPAPを進めたい企業に有効です。
以下の記事では、メール利用上の課題や暗号化のメリットについて詳しく解説しています。
メール暗号化ソフト導入の注意点
メール暗号化ソフトはセキュリティを強化できる一方、利用方法によっては従業員や取引先の負担が増えることもあります。導入前に実際の運用を想定しておきましょう。
受信側の負担と閲覧環境を確認する
ファイルの受信方法が複雑になると、取引先の業務負担につながります。専用ソフトのインストールが必要か、ブラウザだけで閲覧できるか、スマートフォンでも利用できるかなどを確認しましょう。
特に社外とのファイル共有が多い企業では、送信者側だけでなく「受信者が迷わずファイルを開けるか」を重視して製品を選ぶことが重要です。
運用ルールを定める
Webダウンロード方式を利用する場合は、ファイルの保存期間、URLの有効期限、ダウンロード回数、アクセスログの保存期間などを決めておきましょう。
また、誤送信防止機能を導入しても、確認画面を機械的にクリックするだけでは効果が低下します。ツール導入とあわせて社内ルールを整備し、定期的に教育・見直しを行うことが重要です。
セキュリティと利便性のバランスを考える
確認画面や承認工程を増やしすぎると、メール送信に時間がかかり、従業員の負担が増える可能性があります。
すべてのメールに同じ厳しい制御を適用するのではなく、社外宛メールや添付ファイルを含むメールだけチェックを強化するなど、自社のリスクに応じた設定を検討しましょう。
メールサービス別の暗号化・脱PPAP対応
メール暗号化や脱PPAPの方法は、利用しているメールサービスや周辺ツールによって異なります。ここでは、Outlook、Gmail・Google Workspace、Microsoft 365を利用している場合の対応方法を解説します。
Outlookで添付ファイルに自動でパスワードをかけるには?
Outlookには、すべての添付ファイルに対して自動的にパスワードを付与して送信する標準機能はありません。そのため、ファイル自体にパスワードを設定するか、Outlookと連携するアドインやメールセキュリティ製品などを利用する方法があります。
ただし、パスワード付きZIPとパスワードを別メールで送信するPPAPにはセキュリティ上の課題があります。新たに仕組みを導入するのであれば、単純なZIP暗号化だけでなく、WebダウンロードやOneDrive・SharePointなどを利用したファイル共有も含めて比較するとよいでしょう。
Gmail・Google Workspaceでメールを暗号化できる?
Gmailでは、送受信するメールサーバが対応している場合、TLSによって通信を暗号化できます。また、Google Workspaceでは契約プランや管理設定などに応じて、より高度なメールセキュリティ機能を利用できる場合があります。
ただし、メールサービス標準の暗号化機能と、法人向けメール暗号化ソフトの役割は同じではありません。メール暗号化ソフトでは、送信前の誤送信チェック、添付ファイルのWebダウンロード化、上長承認、セキュリティポリシーによる自動制御など、企業の運用にあわせた機能を利用できます。
Google Workspaceを利用している企業は、「暗号化できるか」だけでなく、現在課題となっているメール事故を防ぎ、安全なファイル共有を実現できるかという観点から、製品導入の必要性を判断しましょう。
Microsoft 365だけで脱PPAPできる?
Microsoft 365では、OneDriveやSharePointを利用してファイルを共有できるため、パスワード付きZIPの代わりにURLでファイルを共有する運用も可能です。
一方、従業員が毎回手動でファイルをアップロードして共有URLを発行する方法では、運用が定着しなかったり、誤った共有設定を行ったりする可能性があります。
メール暗号化ソフトや誤送信防止ツールのなかには、Outlookから通常どおりファイルを添付すると、自動でストレージへアップロードしてURLへ置き換える製品もあります。脱PPAPを全社で統一して運用したい場合は、自動化できる範囲も比較するとよいでしょう。
メール暗号化ソフトに関するよくある質問(FAQ)
ここでは、メール暗号化ソフトの比較・導入時によくある疑問を紹介します。
- Q1.無料のメール暗号化ソフトはありますか?
- 個人向けのフリーソフトや無料で利用できるサービスもあります。ただし、法人利用では管理機能、ログ管理、サポート、セキュリティポリシーへの対応なども必要です。無料トライアルを提供している法人向け製品もあるため、まず操作性を試したい場合は活用するとよいでしょう。
- Q2.相手側(受信者)にも専用ソフトが必要ですか?
- 製品や暗号化方式によって異なります。Webダウンロード方式の場合は、受信者がブラウザからファイルを取得できる製品も多くあります。一方、特定の暗号化方式では受信側の環境整備が必要になることもあるため、取引先への負担も含めて確認しましょう。
- Q3.GmailやOutlookでも使えますか?
- Microsoft 365(Outlook)やGoogle Workspace(Gmail)と連携できる製品があります。ただし、対応サービスや導入方式は製品によって異なるため、自社が利用しているメール環境への対応可否を確認してください。
- Q4.メール暗号化ソフトを導入すればPPAPを廃止できますか?
- Webダウンロードやクラウドストレージ連携などに対応した製品であれば、PPAPの代替手段として活用できます。ただし、製品ごとにファイル共有方法が異なるため、「脱PPAP対応」という表記だけでなく具体的な仕組みを確認しましょう。
- Q5.メール暗号化とメール誤送信防止の違いは何ですか?
- メール暗号化は、第三者に内容を読み取られにくくするための対策です。一方、誤送信防止は宛先や添付ファイルの間違いなどを防ぐための対策です。暗号化したメールでも誤った相手に送信すれば情報漏えいにつながる可能性があるため、両方を組み合わせることが重要です。
- Q6.パスワード付きZIPの代わりには何を使えばよいですか?
- 代表的な方法として、Webダウンロード、OneDrive・SharePoint・Boxなどのクラウドストレージを利用した共有があります。どの方法が適しているかは、取引先の環境やファイル容量、アクセス制御の必要性などによって異なります。
まとめ
メール暗号化ソフトは、メールや添付ファイルの暗号化だけでなく、誤送信防止や脱PPAP、受信メールの脅威対策など、製品によって対応範囲が異なります。
比較するときは、まず「誤送信を防ぎたい」「PPAPを廃止したい」「メールセキュリティ全体を強化したい」など導入目的を明確にしましょう。そのうえで、Microsoft 365やGoogle Workspaceへの対応状況、脱PPAPの方法、誤送信防止機能、料金などを確認すると、自社に適した製品を絞り込みやすくなります。
ただし、Webサイト上の情報だけでは、細かな対応機能や自社環境への適合性まで判断しにくい場合があります。候補となるメール暗号化ソフトを効率よく比較したい方は、複数製品の資料をまとめて取り寄せて、機能・料金・導入条件を比較してみましょう。


