ホスティングのメリット
ホスティング事業者のサーバを借りるホスティングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。利用時のメリットを3つ解説します。
運用の負荷を抑えられる
ホスティングの利用により、サーバの構築・運用を事業者に一任できます。サーバの設置に必要なスペースを自社で確保する必要もありません。
自社でサーバを構築する場合、ソフトウェアや専門知識をもつ技術者が必要です。また、バックアップの作成やセキュリティ対策といった日々の運用も自社で行わなければなりません。しかし、ホスティングを利用すると、このような運用の負荷を抑えることが可能です。
短期間で運用を始められる
事業者が提供するサーバを借りられる上、メール・Webサーバのソフトウェアも用意されています。そのため、運用までの期間を短縮し、すぐにサービスを開始することが可能です。急遽メールサーバを開設しなければいけないときなど、迅速に対応できるでしょう。
一方、自社でサーバを準備する場合は機器の購入や構築など、運用開始までにさまざまなプロセスが発生します。各プロセスでトラブルが生じることもあり、短期間で運用を開始するのは厳しいです。
自社で用意するよりもコストを抑えられる
ホスティングは、容量に応じて月額利用料金が異なります。自社の規模に合わせた最適なプランを選定すれば、無駄なコストはかかりません。
一方、自社でサーバを構築するとなると、機器の購入費用や人件費、運用や保守に係る費用など、さまざまなコストが発生します。管理・保守コストも利用料金に含まれるため、自社でサーバを運用するよりもコストの低減が可能です。
ホスティングのデメリット
一方、ホスティングの利用にはデメリットも存在します。ここでは、ホスティングの利用による3つのデメリットを見ていきましょう。
ほかのユーザーの影響を受けやすい
1つのサーバを共有するホスティングの場合、他のユーザーが大量のメールを送信したりすると処理速度に影響が出ます。処理速度が遅いと業務に支障をきたす恐れがあるため、注意が必要です。
提供される料金プランによってはデータ転送量に制限があり、サーバに負荷のかかるアプリを利用できないものもあります。
利用するプランの柔軟性が乏しい
サーバを共有する場合、容量とプランが決まっています。転送できるデータ量やインストールできるソフトウェアに制限があるなど、プランごとにさまざまな制約があるのが一般的です。またサーバ構成や回線なども自由に選べないため、柔軟性は低いといえます。
したがって、プラン内容を精査して自社の目的と合致するプランを選定することが大切です。また、ソフトウェアのバージョンアップができないため、セキュリティリスクの発生を視野に入れておきましょう。
トラブルの対応が遅くなりやすい
サーバがダウンしても事業者の復旧処理を待つしかなく、それに係る時間も利用料金によって異なります。利用料金が安いほど、迅速な対応にはほど遠いといえます。
トラブル発生時でも迅速な対応を必要としなければ、価格重視と割り切ってサービスを利用できるでしょう。そうでなければ、サポート面も考慮してコストをかけるべきです。迅速な復旧や回答など、サポート品質が上がれば価格に反映されます。
サーバダウンなど、業務自体に影響を与えるトラブルは早急な対応が望まれるため、コストがかかってもサポートには万全の体制を整えるべきです。
ホスティングとハウジングの違い
ハウジングとは、データセンターの事業者が企業の所有するサーバを設置するスペースを提供するサービスです。
顧客は遠隔操作で自社内からサーバの運用・保守を行い、事業者は運用を行いません。また、データセンターに引き込めるものであれば、どんな回線でも自由に利用できます。料金はスペースの大きさによって異なり、利用できる容量に応じてさまざまです。
サーバやルータなど、機器のサイズや数に応じて適切なサイズのスペースを利用します。
ホスティングとの違いは、レンタルする内容です。ハウジング事業者はスペースを、ホスティングではサーバを提供します。ホスティングではサーバを1台レンタルしたり、必要な容量のみをレンタルし、企業規模に合わせた利用が可能です。サーバの保守・管理は事業者が行い、レンタルする企業は行いません。
さらに詳しくハウジングについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
ホスティングの成功事例
データベースを基にしたWebサイトを運営しているある分野の商品比較サイトのベンチャー企業の成功事例です。
運営当初は価格の安価な共用ホスティングを利用していました。しかし、会員登録数の増加に伴いアクセス数が増加してサーバに負荷がかかり、サーバダウンの事態を招きます。これまで以上にサーバへの負荷が高まることを予測し、専用サーバを提供する事業者に乗り換えました。
その後もアクセス数は増加し続け、サーバへの高負荷な状態は続きます。メモリ追加やサーバの増強など、事業者サイドの臨機応変な対応によりサーバの高負荷に耐えることができました。
このような事態を乗り切れたのは、適切な判断とサーバの持つ高い拡張性と柔軟性にあるといえるでしょう。
自社にホスティングが必要か判断し、導入検討しよう
ホスティングは自社で運用を行わないので、運用負荷の低減や短期間で運用を開始することができます。しかし、柔軟性やトラブル対応のスピードは自社で運用を行うハウジングに劣るので、自社にどちらのサービスが適しているのか、よく確認して導入を行ってください。
ホスティングサービスを比較してみたい、選定ポイントを知りたい方は以下の記事を見てみてください。