ホスティングサービスとは?
ホスティングサービスとは提供会社も持つサーバを借りることができるサービスです。レンタルサーバと同義で呼ばれていることもありますが、レンタルサーバはサーバを借りるのみのサービスで、ホスティングサービスはサーバを借りられるだけでなく、利用上のサービスを受けられる場合が多いです。
ホスティングサーバは、以下のようなシステムを用途に応じて組込むことができます。
- ●メールサーバ
- ●FTPサーバ
- ●Webサーバ
- ●データベース
多くの場合サービスメニューとして用意され、初期のシステム構築や設定作業を代行してもらうことが可能で、「ソフトウェアとハードウェアの組合せ」や「仕様を決定する」など専門知識を必要する環境構築が整った状態で利用開始できます。
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ホスティングの機能とサービス
ホスティングサービスにはさまざまな機能やサービスがあります。ここでは、主なサービス内容を以下の5つに分けてご紹介します。
- 1.導入から構築に関するサービス
- 2.セキュリティ対策
- 3.運用管理者の負担を軽減するサービス
- 4.接続・回線に関するサービス
- 5.CPUやメモリ・ディスクの拡張が可能な仮想専用サーバ
では、ここから5つの機能・サービスに関して詳しく解説していきます。
1.導入から構築に関するサービス
専門知識がないと難しいサーバの導入・構築をサポートしてくれるサービスをご紹介します。
ドメイン取得サービス
「http://www.○○.△△」等で表記されるURL(アドレス)の取得や運用をサポートするサービスです。サーバの移行を行う場合は、今まで使っていたドメインの設定が必要になります。
マルチドメイン対応
多くのホスティングサーバでは、マルチドメイン機能も搭載されています。そのため、ひとつのサーバをレンタルするだけで複数のドメインを並行して利用することが可能です。したがって、ホスティングサーバでサービスや製品ごとに複数のWebサイトを運営することも容易になりました。
指定OSインストール
一般的に、UNIX、Linux系や、Windows ServerなどのOS、仮想化OSなどをニーズに応じて選択、インストールして利用できます。その上で、自社で利用しやすい環境にカスタマイズ可能です。さらにサーバによっては、希望OSを指定するだけでOSのインストール作業を代行してくれるサービスもあります。
データ移行・システム移行支援
サーバを移管する際、自社サーバのデータを引っ越し先のサーバへ代わりに移動してくれるサービスです。サーバ構築のためのシステム移行支援を行っているケースもあります。
2.セキュリティ対策
ホスティングサービスのセキュリティに不安をもている方も多いのはないでしょうか。しかし、ホスティングサービス側で提供するセキュリティ対策と組み合わせて自社でも対策を行うことで、よりセキュアなサーバ環境が構築できることでしょう。
ウイルスやスパム対策
ほとんどのホスティングでは、アンチウイルスソフト、ウイルスチェックやスキャンなど、様々なウイルス対策やスパムメール(迷惑メール)対策を利用できます。
また、ファイアウォールやWAFなどネットワーク上のセキュリティ対策が利用できるのが一般的です。その内容については、各ホスティングにより異なりますので、確認が必要です。
SSLサーバ証明書
サービス提供事業者が、暗号化通信を行うための電子証明書SSL(Secure Socket Layer)サーバ証明書を取得していれば、個人情報などをより安全にやり取りすることが可能になります。
3.運用管理者の負担を軽減するサービス
自社でサーバを運用する場合は、運用時のサーバの管理やセキュリティ対策も行わなければなりませんが、ホスティングサービスでは事業者側で運用を行ってもらうことができます。
有人監視での運用管理
サーバの稼働状況などの監視を、監視ツール任せにせずに、有人でも行うサービスです。トラブルやインシデントが発生することで、事業への影響が大きい場合にはこのようなサービスを利用することになります。また、急なトラブルの場合にリブート代行、復旧代行サービスを提供している場合もあります。
負荷分散
サーバに大きな負荷がかかることが予測される場合には、ロードバランサなどを活用して負荷分散を行います。例えばテレビキャンペーンが放映されることでアクセスが急増するような場合が考えられます。
BCP(Business continuity planning:事業継続計画)対策
サーバや回線などの一部にトラブルが発生した場合でも、事業が継続できるように、機器や回線を冗長化していることが重要です。また、サーバ自体にも高可用性のものが求められています。
また災害や停電などの緊急事態に備え、データの重要度に応じて自動バックアップや遠隔地バックアップやディザスタリカバリなど多様なサービスがあります。ただしBCP対策を行うのであれば、どこまでホスティングサービス側が提供し、自社ではどこまで活用するのかを考える必要があります。
BCPについてもっと知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
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改ざん検知
Webサイトの不正な改ざんを監視し、発見時には早急な対応ができるよう、サーバユーザーに通知してくれるサービスです。自社で場合はサーバへの負荷が大きくなったり、派遣が遅くなってしまうこともあり運用が難しいですが、ホスティングサービスではサービス提供会社に任せることができます。
root権限付き
ユーザー企業側に、サーバを自由に設定できる権限を付与されるサービスです。ただし、root権限付きの場合カスタマイズの自由度が高いが故に、自社でセキュリティ対策や運用を行わなければならない可能性もあるので注意しましょう。
4.接続・回線に関するサービス
VPN接続
自社とホスティングサービスをVPNで接続することで、安心してサーバにアクセスできるサービスです。通信キャリアが提供するIP通信網を利用したIP-VPNで接続できるホスティングサーバもあります。
通常のインターネット接続より、通信キャリアが所有する閉域網を利用するため、安全に拠点とホスティングサーバを接続することができます。
専有回線
ホスティングサービスには複数の企業のサーバが設置されていることが一般的なので回線も共有することが多いですが、自社の占有回線が持てるサービスを提供しているケースもあります。オプションやアップグレードサービスとなることが一般的です。
5.CPUやメモリ・ディスクの拡張が可能な仮想専用サーバ
ホスティングサービスのひとつとして、最近では仮想サーバを提供する事業者も増えています。仮想専用サーバ(VPS:ヴァーチャルプライベートサーバ)は、仮想化によって専用サーバを提供する専用ホスティングサービスです。仮想化によってCPUやメモリの拡張および縮小を容易に行えるため、注目を集めています。
ホスティングサービスを活用して安全なサービス運用を
ホスティングでは多様な機能・サービスを提供していることがお分かりになったのではないでしょうか。また、今回紹介した項目をリストにして、製品選定の際に活用することもできます。自社に最適なホスティングを選ぶためにもぜひ、ご活用ください。