ホスティングサービスとは
ホスティングサービスとは、事業者が所有するデータセンター内に設置されたサーバをインターネット経由で貸し出すサービスのことです。通信事業者やインターネットサービスプロバイダが提供するサービスの1つで、単にホスティング、またはレンタルサーバと呼ばれることもあります。
レンタルしたサーバにソフトウェアやプログラム、データなどのコンテンツを転送して運用できます。Webサーバやメールサーバとしての利用が多いものの、FTPサーバ・データベースなどさまざまな用途で活用可能です。
以下の記事では、ITトレンドがおすすめするホスティングサービスを比較して紹介しています。さっそくサービスの導入を検討したい方は、ぜひ参考にしてください。
ホスティングサービスの利用形態
ホスティングの種類は、共有ホスティング・専用ホスティング・仮想専用サーバの3つに分けられます。利用者の数やスペックの容量、コストなどに違いがあります。
- ■共有ホスティング
- 一台のサーバを複数のユーザーで利用。自由度は低いが低コストで済む。
- ■専用ホスティング
- 一台のサーバを1ユーザーが占有。自由度は高いがコストも高くなる。
- ■仮想専用サーバ(VPS)
- 一台のサーバを仮想マシンに分割して専用サーバとして貸し出す。CPUやメモリの拡張および縮小が容易に実施できる。
ハウジングサービス・コロケーションサービスとの違い
なお、サーバの設置場所を提供するサービスが「ハウジング」や「コロケーション」です。サービス事業者が所有するデータセンターのスペースに、所有するサーバや機器を預けられます。
ホスティング・ハウジング・クラウドの意味や、違いについて詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。ホスティング利用時のメリット・デメリットについても解説しているので、導入検討の参考にしてください。
ホスティングの機能とサービス内容
ホスティングサービスの内容や機能はベンダーによってさまざまですが、一般的なものとして以下が挙げられます。
- ●導入から構築に関するサービス
- ●セキュリティ対策サービス
- ●運用管理者の負担を軽減するサービス
- ●接続・回線に関するサービス
次項では、各機能・サービスに関して詳しく解説します。
導入から構築に関するサービス
ホスティングサービスでは、専門知識がないと難しいサーバの導入や構築をサポートするサービスや機能が提供されています。ここでは、サーバの導入から構築に関するサービス内容を、具体的に解説します。
ドメイン取得サービス
「http://www.○○.△△」等で表記されるURL(アドレス)の取得や運用をサポートするサービスです。サーバの移行を実施する場合は、今まで使用していたドメインの設定が必要です。また、サービスによっては、セキュリティ性の高い独自ドメインの取得をサポートしてくれるものもあります。
マルチドメイン対応
マルチドメインとは、ひとつのサーバで複数のドメインを利用できる機能のことです。多くのホスティングサーバでは、マルチドメイン機能が搭載されています。そのため、ホスティングサーバでサービスや製品ごとに複数のWebサイト・ホームページを運営することも容易です。
指定OSインストール
ホスティングサービスはニーズに応じてOSを選択し、インストールして利用します。一般的にUNIX・Linux系や、Windows ServerなどのOS、仮想化OSなどを指定できます。さらに、自社で利用しやすい環境にカスタマイズも可能です。希望するOSのインストール作業を代行してくれるサービスもあります。
データ移行・システム移行支援
自社サーバから引っ越し先のサーバへのデータの移動を代行するサービスです。サーバ構築のためのシステム移行支援を実施するケースもあります。
セキュリティ対策サービス
ホスティングサービスのセキュリティに不安がある方も多いのではないでしょうか。ベンダーによって内容やレベルは異なりますが、ホスティングサービス側でもセキュリティ対策がされています。自社内でも対策を講じることで、よりセキュアなサーバ環境が構築できるでしょう。
ウイルスやスパム対策
ホスティングサービスの大半で、ウイルス対策やスパムメール(迷惑メール)対策が施されています。アンチウイルスソフトやウイルスチェック、スキャンなどが導入・実施されているでしょう。
また、ファイアウォールやWAFなどネットワーク上のセキュリティ対策も利用できるのが一般的です。ただし、各サービスによりセキュリティレベルは異なるため、確認が必要です。
SSLサーバ証明書
サービス提供事業者が、暗号化通信を行うための電子証明書SSL(Secure Socket Layer)サーバ証明書を取得している場合に利用可能。個人情報などをより安全にやり取りできます。
運用管理者の負担を軽減するサービス
自社内でサーバを運用する場合は、サーバ管理やセキュリティ対策も実施する必要があります。しかし、ホスティングサービスでは運用管理を事業者側に任せられます。
有人監視での運用管理
サーバの稼働状況などの監視を、監視ツール任せにするのではなく、有人でも行うサービスです。トラブルやインシデント発生による事業への影響が大きい場合には、有人監視サービスの利用が適しています。また、急なトラブルの場合にリブート代行・復旧代行サービスを提供している場合もあります。
負荷分散
サーバに大きな負荷がかかることが予測される場合には、ロードバランサなどを活用して負荷分散を行います。テレビキャンペーンが放映されることによる、アクセスの急増などが例に挙げられます。
BCP(Business continuity planning:事業継続計画)対策
多くのホスティングサービスでは、サーバや回線などの一部にトラブルが発生した場合でも、事業を継続できるように、機器や回線を冗長化しています。
また、災害や停電などの緊急事態に備え、データの重要度に応じて自動バックアップや遠隔地バックアップ、ディザスタリカバリなど多様なサービスがあります。
BCP対策を重視するのであれば、どこまでベンダー側が対応してくれるのか確認し、自社内でも適切な対策を講じましょう。
BCPについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
改ざん検知
Webサイトの不正な改ざんを監視し、発見時には早急な対応ができるよう、ユーザーに通知するサービスです。自社でサーバ運用する場合は負荷が大きくなりますが、ホスティングサービスを利用すれば事業者に任せられます。
root権限付き
サーバを自由に設定できる権限を、ユーザー側に付与するサービスです。ただしroot権限付きの場合、自社でセキュリティ対策やサーバ運用を担わなければならない可能性もあるため注意しましょう。
接続・回線に関するサービス
ホスティングサービスはインターネットを介して利用しますが、接続回線に関してもさまざまな工夫がされています。
VPN接続
VPNにより、安全にサーバへアクセスできるサービスです。通信キャリアが提供するIP通信網を利用したIP-VPNで接続可能なホスティングサーバもあります。通信キャリアが所有する閉域網を利用するため、通常のインターネット接続よりも安全に拠点とホスティングサーバを接続できます。
専有回線
オプションやアップグレードサービスとなる場合が多いものの、自社の占有回線がもてるサービスを提供しているケースもあります。ほかのユーザーとサーバや回線を共有するのが懸念点となっている企業には最適でしょう。
なお、ホスティングと類似するサービスに「クラウド」があります。以下の記事ではホスティングとクラウドの違いを解説しているので、理解を深めてから導入を検討したい方は合わせて参考にしてください。
まとめ
ホスティングサービスでは、サーバを安全かつ効率的に利用できる多様な機能・サービスを提供しています。あまり運用コストをかけずにサーバを導入したい方は、ホスティングサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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