ホスティングサービスとは?
ホスティングサービスとは、通信事業者やインターネットサービスプロバイダが提供するサービスの1つで、事業者が所有するデータセンター内に設置されたサーバをインターネット経由で貸し出すことです。レンタルサーバと呼ばれることもあります。
ユーザーは、レンタルしたサーバにソフトウェアやプログラム、データなどのコンテンツを転送して運用できます。Webサーバやメールサーバとして使われることが多いですが、FTPサーバ、データベースなど用途はさまざまです。
また、データセンター内には大量のサーバが置かれていますが、1つのサーバを複数のユーザーが利用する場合は「共有ホスティング」、一人一台ずつサーバを占有する場合は「専用ホスティング」と区別されます。前者はサーバを共有するので自由度は低いですが低コストです。後者はサーバを独占できるので自由度が高いですが、コストはかかります。
最近は、一台のサーバを仮想マシンに分割して専用サーバとして貸し出す「仮想専用サーバ(VPS)」が一般的でしょう。CPUやメモリの拡張および縮小を容易に行えるため、注目を集めています。
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なお、所有するサーバや機器をデータセンターに預けるなら、「ハウジング」「コロケーション」というサービスがありますのでそちらを検討すると良いでしょう。
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ホスティングの機能とサービス
ホスティングサービスの内容や機能はさまざまですが、一般的なものは以下のとおりです。
- 1.導入から構築に関するサービス
- 2.セキュリティ対策
- 3.運用管理者の負担を軽減するサービス
- 4.接続・回線に関するサービス
では、ぞれぞれの機能・サービスに関して詳しく解説していきます。
1.導入から構築に関するサービス
サーバの導入や構築は専門知識がないと難しいですが、それをサポートしてくれるサービスや機能が提供されています。
ドメイン取得サービス
「http://www.○○.△△」等で表記されるURL(アドレス)の取得や運用をサポートするサービスです。サーバの移行を行う場合は、今まで使っていたドメインの設定が必要になります。
マルチドメイン対応
多くのホスティングサーバでは、マルチドメイン機能も搭載されています。そのため、ひとつのサーバをレンタルするだけで複数のドメインを利用可能です。したがって、ホスティングサーバでサービスや製品ごとに複数のWebサイトを運営することも容易になりました。
指定OSインストール
一般的に、UNIX、Linux系や、Windows ServerなどのOS、仮想化OSなどをニーズに応じて選択、インストールして利用できます。その上で、自社で利用しやすい環境にカスタマイズ可能です。さらに、希望するOSのインストール作業を代行してくれるサービスもあります。
データ移行・システム移行支援
サーバを移管する際、自社サーバのデータを引っ越し先のサーバへ代わりに移動してくれるサービスです。サーバ構築のためのシステム移行支援を行っているケースもあります。
2.セキュリティ対策
ホスティングサービスのセキュリティに不安がある方も多いのはないでしょうか。しかし、ホスティングサービス側でもセキュリティ対策がされており、自社内でも対策を行うことで、よりセキュアなサーバ環境が構築できるでしょう。
ウイルスやスパム対策
ほとんどのホスティングサービスでは、アンチウイルスソフト、ウイルスチェックやスキャンなど、さまざまななウイルス対策やスパムメール(迷惑メール)対策が施されています。
また、ファイアウォールやWAFなどネットワーク上のセキュリティ対策も利用できるのが一般的です。ただし、各サービスによりセキュリティレベルなどは異なりますので、確認が必要です。
SSLサーバ証明書
サービス提供事業者が、暗号化通信を行うための電子証明書SSL(Secure Socket Layer)サーバ証明書を取得していれば、個人情報などをより安全にやり取りすることが可能になります。
3.運用管理者の負担を軽減するサービス
自社内でサーバを運用する場合は、サーバ管理やセキュリティ対策も行わなければなりませんが、ホスティングサービスでは事業者側に任せられます。
有人監視での運用管理
サーバの稼働状況などの監視を、監視ツール任せにせずに、有人でも行うサービスです。トラブルやインシデントが発生による事業への影響が大きい場合には、このようなサービスを利用することになります。また、急なトラブルの場合にリブート代行、復旧代行サービスを提供している場合もあります。
負荷分散
サーバに大きな負荷がかかることが予測される場合には、ロードバランサなどを活用して負荷分散を行います。例えば、テレビキャンペーンが放映されることでアクセスが急増するような場合が考えられます。
BCP(Business continuity planning:事業継続計画)対策
サーバや回線などの一部にトラブルが発生した場合でも、事業を継続できるように、機器や回線を冗長化しています。可用性の高いサーバを所有するサービスも多いでしょう。
また災害や停電などの緊急事態に備え、データの重要度に応じて自動バックアップや遠隔地バックアップやディザスタリカバリなど多様なサービスがあります。ただしBCP対策を行うのであれば、どこまでホスティングサービス側が対応してくれるのか確認し、自社内でも適切な対策を行いましょう。
BCPについてもっと知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
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改ざん検知
Webサイトの不正な改ざんを監視し、発見時には早急な対応ができるよう、ユーザーに通知してくれるサービスです。自社で運用する場合は負荷が大きいですが、ホスティングサービスを利用すれば事業者に任せることができます。
root権限付き
ユーザー側に、サーバを自由に設定できる権限を付与するサービスです。ただし、root権限付きの場合カスタマイズの自由度が高いが故に、自社でセキュリティ対策や運用を行わなければならない可能性もあるので注意しましょう。
4.接続・回線に関するサービス
ホスティングサービスはインターネットを介して利用することなりますが、その接続回線に関してもさまざまな工夫がされています。
VPN接続
VPNにより、安全にサーバへアクセスできるサービスです。通信キャリアが提供するIP通信網を利用したIP-VPNで接続できるホスティングサーバもあります。通信キャリアが所有する閉域網を利用するため、通常のインターネット接続よりも安全に拠点とホスティングサーバを接続できます。
専有回線
オプションやアップグレードサービスとなる場合がおおいですが、自社の占有回線を持てるサービスを提供しているケースもあります。ほかのユーザーとサーバや回線を共有するのが懸念点となっているなら最適でしょう。
ホスティングサービスを活用して安全なサービス運用を
ホスティングサービスでは、安全かつ効率的にサーバを利用できる多様な機能・サービスを提供しています。自社内でサーバを購入して管理するのが難しい場合は、ぜひ導入を検討してみましょう。