ホスティングとはどのようなサービスか
機能を見る前に、何を借りる仕組みなのかを押さえておきましょう。
ホスティングサービスが担う役割
ホスティングサービスとは、事業者が用意したサーバとその設置環境を借りて、自社のWebサイトや業務システムを動かすためのサービスです。レンタルサーバと呼ばれることもあります。
設置場所の確保、電源や空調の管理、ネットワークへの接続、機器の保守といった部分を事業者が担います。利用者は、その上で動かす内容に集中できる構成です。どこまでを事業者が担うかは契約によって定められており、この範囲の理解が選定の出発点になります。
自社で機器を持つ構成との違い
自社で機器を購入して設置する構成では、設置場所と電源の確保、故障時の対応、機器の更新をすべて自社で担います。設定を自由に決められる一方、担当者の時間と費用が継続的に必要です。
ホスティングでは、これらの負担を抑えられます。ただし、設定できる範囲は提供される機能の中に限られます。特別な機器や構成が必要な要件がある場合は、対応できるかを事前に確認しておく必要があります。
提供される主な機能
ホスティングサービスで提供される機能を、三つの領域に分けて確認します。
サーバの提供と管理に関わる機能
基本となるのは、サーバの領域と、そこで動かすための環境です。OSやWebサーバのソフトウェア、データベース、プログラムを動かす仕組みがあらかじめ用意されている構成が一般的です。
ドメインの設定、メールアカウントの作成、ファイルの転送に関する設定も提供されます。管理用の画面から操作できるサービスが多く、専門的な知識がなくても基本の設定を行える構成が広がっています。どこまで画面から操作できるかは、サービスによって差があります。専門的な知識を持つ担当を置きにくい場合は、この範囲の広さが日々の運用のしやすさに直結します。管理画面から行えない操作を事業者へ依頼する場合は、対応にかかる時間もあわせて確認しておきましょう。
運用を支える機能
データの複製を自動で取得する機能、稼働状況を確認する機能、通信量やディスクの使用状況を表示する機能が挙げられます。これらは、日々の運用を続けるうえで必要になる要素です。
複製については、取得の頻度と保存される期間、そして復元をどのように依頼するかを確認しておきましょう。自分で復元できるのか、事業者へ依頼するのかによって、復旧までの時間が変わります。復元にかかる費用が別に設定されている場合もあります。
安全性を支える機能
通信を暗号化するための証明書の発行と設定、不正な通信を遮断する仕組み、不正なプログラムの確認といった機能が提供されます。標準で含まれる場合と、追加の契約が必要な場合があります。
あわせて、管理画面へ接続する際の認証も確認点です。IDとパスワードだけでなく、もう一つの要素を組み合わせられる構成であれば、第三者による接続を防ぎやすくなります。接続元を制限できるかも確かめておきましょう。
提供形態による機能の違い
どのような形でサーバを借りるかによって、扱える範囲が変わります。二つに分けて確認します。
共用型と専用型
共用型は、一台のサーバを複数の利用者で分け合う形です。費用を抑えやすい一方、他の利用者の状況によって処理の速さが影響を受ける場合があります。設定を変更できる範囲も限られます。
専用型は、一台をまるごと借りる形です。設定の自由度が高く、性能も安定しやすくなります。その分、費用は上がり、OSの更新や設定の管理を自社で担う範囲も広がります。どちらが適するかは、動かす内容と運用を担える体制によって変わります。
仮想的に分割する形
一台のサーバを仮想的に区切り、それぞれを独立した環境として提供する形です。共用型より設定の自由度が高く、専用型より費用を抑えやすい位置づけになります。
管理者としての権限が与えられる構成が多く、必要なソフトウェアを自分で導入できます。一方、OSの更新や設定の管理も自社の担当になります。技術的な知識が求められる場面が増えるため、担える体制があるかを確認しておきましょう。
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契約前に確認したい点
機能の一覧だけでは分からない部分があります。二つ挙げます。
責任の分かれ目と対応範囲
機器の故障は事業者が対応しますが、その上で動かしているプログラムの不具合は自社の担当になります。この境目が曖昧なままだと、障害が起きた際に対応が滞ります。
OSや導入されているソフトウェアの更新を、どちらが担うのかも確認点です。形態によって扱いが異なり、専用型や仮想的に分割する形では自社の担当になることが一般的です。契約書や公開されている資料で、担う範囲を具体的に確かめておきましょう。
停止時の扱いと移行のしやすさ
保守作業による計画的な停止や、障害による停止が生じた際の連絡方法を確認します。過去の稼働状況が公開されているかも、判断の材料になります。
あわせて、他のサービスへ移す場合の手順も確かめておきましょう。データを取り出せる形式と範囲、対応にかかる期間を事前に確認しておけば、後から選択肢を狭めずに済みます。契約の期間や解約の条件も、あわせて確認しておきたい項目です。
ホスティングサービスの選び方
ここまでの内容を踏まえ、サービスを選ぶ際の確認事項を整理します。
用途と必要な性能の整理
最初に、何を動かすのかを決めます。会社案内のWebサイトなのか、申し込みを受け付ける仕組みなのか、業務システムなのかによって、必要な性能と可用性の水準が変わります。
あわせて、想定する利用者数と通信量、必要な保存容量も整理しましょう。繁忙期に集中する事業では、その時期を基準に見積もる必要があります。将来の増加に応じて上位のプランへ移れるかも確認しておくと安心です。
管理機能と権限の範囲
管理用の画面からどこまで操作できるかを確認します。ドメインやメールの設定、複製の取得と復元、利用状況の確認といった項目が該当します。
複数の担当者で管理する場合は、権限を分けられるかも確認点です。作業の履歴が残る構成であれば、誰がいつ設定を変更したかを追えます。社内に技術的な知識を持つ担当がいない場合は、画面から操作できる範囲の広さが運用のしやすさを左右します。
費用とサポート範囲の確認
料金は、月額の定額制が中心ですが、通信量や利用する資源に応じた課金が加わる場合もあります。証明書や複製の保存が別料金となる構成もあるため、総額で比べることが必要です。
サポートについては、対応の手段と時間帯を確認します。電話で相談できるのか、メールのみか、夜間や休日の障害に対応するのかは事業者ごとに差があります。停止が業務に直結する用途では、この部分が判断の分かれ目になります。
契約前に比較したいホスティングサービス
提供形態や機能の範囲にあわせて検討できるサービスを紹介します。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
フリービット株式会社が提供する「御殿山データセンター」は、法人向けのハウジング・ホスティングサービスです。国内データセンターでのサーバ運用に対応しており、自社でサーバ機器を用意しながら設置場所や回線を委託したい企業での利用が想定されています。
XServerビジネス (エックスサーバー株式会社)
- 高信頼・高性能ハードウェアで高速処理と耐障害性を実現
- WAF・改ざん検知など充実したセキュリティ機能
- 導入から運用まで手厚いサポート付き
法人向けレンタルサーバーCPI (株式会社 KDDI ウェブコミュニケーションズ)
- ビジネス用途に最適化された信頼のインフラ
- サイトやメールがトラブルで連動しないよう高可用性構造で設計
- 制作・運用の複雑さを軽減する運用支援設計
ホスティングに関するよくある質問
検討を進める担当者から寄せられることの多い質問と回答をまとめました。
- Q1: どの形態を選べばよいですか?
- 動かす内容と、設定や更新を担える体制があるかが判断の目安になります。Webサイトの公開が中心で担当を置きにくい場合は共用型、独自の設定が必要な場合は仮想的に分割する形や専用型が候補になります。
- Q2: データの複製は自動で取得されますか?
- 標準で提供されるサービスと、追加の契約が必要なサービスがあります。取得の頻度と保存期間、復元の依頼方法もあわせて確認しましょう。復元を自分で行えるかどうかは、復旧までの時間に影響します。
- Q3: 後から上位のプランへ移れますか?
- 同じ事業者の中で移行できる構成が多くありますが、作業の内容や停止時間は異なります。移行の手順と所要時間、費用の扱いを契約前に確認しておくと、増加に対応しやすくなります。
- Q4: 障害が起きた場合はどう対応すればよいですか?
- まず事業者の稼働状況の案内を確認し、機器側の障害かどうかを切り分けます。自社で動かしているプログラムに原因がある場合は、自社での対応が必要です。連絡先と対応時間帯を事前に把握しておきましょう。
まとめ
ホスティングサービスでは、サーバの提供と管理に加えて、複製の取得や稼働状況の確認といった運用を支える機能、通信の暗号化や不正な通信への対応といった安全性に関わる機能が提供されます。共用型、専用型、仮想的に分割する形では、設定の自由度と自社が担う範囲が変わります。責任の分かれ目と停止時の扱いを確認したうえで、用途と必要な性能を整理し、管理機能や費用を比べて選びましょう。


