連携エラーが生じやすい背景と気づき方
個別の連携先を見る前に、連携エラーが起こる背景と、早期発見のために整えておきたい体制を確認しておきます。
連携エラーにつながりやすい要因
IaaSと外部システムの連携エラーは、自社側の設定不備だけでなく、連携先システムの仕様変更やネットワークの一時的な不調など、複数の要因が重なって発生する場合があります。単一の原因に限定せず、双方の状態を確認することが重要です。自社側だけを疑って調査を進めると、実際の原因が連携先にあった場合に発見が遅れる懸念があります。
そのため、エラーが発生した際は、自社側の設定変更履歴だけでなく、連携先の稼働状況やAPIの仕様変更の告知もあわせて確認する姿勢が求められます。連携先が複数ある場合は、どの連携で問題が起きているかを早期に切り分けることも欠かせません。
早期発見のために整えたい体制
連携エラーに早く気づくには、連携処理の実行結果を記録し、失敗した場合に通知を受け取れる仕組みを整えることが基本になります。処理が成功したかどうかを目視で確認するだけでは、見落としが発生しやすくなります。特に連携の頻度が高い環境では、確認作業自体が負担になり、チェックが形骸化する懸念もあります。
あわせて、過去に発生したエラーの内容と対応方法を記録として残しておくと、同様の事象が起きた際の対応スピードを高めやすくなります。記録は担当者だけでなく、関係者が確認できる場所に残しておくことが望まれます。
CI/CDツール連携に関するエラー
開発の自動化に使われるCI/CDツールとの連携でも、想定外の不具合が起こる場合があります。
デプロイ時に起こり得る不具合
CI/CDツールからIaaS環境へ自動でデプロイする仕組みでは、認証情報の期限切れや、デプロイ先の環境設定の不一致によって、処理が途中で失敗する事象が起こる場合があります。複数の環境を並行して運用していると、意図しない環境へデプロイされる懸念もあります。デプロイ先の環境名を画面上で明確に区別できるようにしておくことも、誤操作を防ぐうえで有効です。
また、ツール側の仕様変更によって、これまで問題なく動作していた連携設定が急に機能しなくなるケースも見られます。単一の設定ミスだけでなく、双方のバージョンの組み合わせが影響することもあります。ツールの自動アップデートによって、意図せず動作が変わってしまうこともあるため注意が必要です。
CI/CD連携エラーを防ぐ運用の工夫
CI/CD連携のエラーに備えるには、デプロイ前に検証環境でテストを行い、本番環境への影響を確認してから反映する運用を徹底することが有効です。認証情報の有効期限も定期的に確認しておく必要があります。更新時期をカレンダーなどで管理し、担当者が変わっても引き継げるようにしておくことが望まれます。
あわせて、デプロイに失敗した際に自動で通知が届く設定にしておくと、対応の遅れを防ぎやすくなります。失敗時に前の状態へ戻せる仕組みがあるかも確認しておくと安心です。デプロイ前後で自動的に動作確認を行う仕組みがあれば、不具合の早期発見につながります。
SSO認証基盤連携に関するエラー
社内の認証基盤とIaaSを連携させるSSOの仕組みでも、認証エラーが起こる場合があります。
認証エラーが起こる事象
SSO連携では、認証基盤側の証明書の有効期限切れや、設定情報の同期タイミングのずれによって、ログインできなくなる事象が起こる場合があります。複数のシステムが同じ認証基盤を利用している環境では、影響範囲が広がる懸念もあります。
また、退職や異動でアカウントが無効化された際に、反映のタイムラグによって一時的にアクセスできてしまう、または逆に必要な担当者がアクセスできなくなる事象も見られます。認証基盤とIaaSの間で情報の同期タイミングがずれると、一時的に情報の食い違いが生じる場合もあります。証明書の更新作業を怠ると、ある日突然すべての利用者がログインできなくなる懸念もあります。
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認証エラーを防ぐための確認視点
認証エラーを防ぐには、証明書や設定情報の有効期限を一覧で管理し、更新時期が近づいたら通知を受け取れる仕組みを整えることが有効です。更新作業の担当者をあらかじめ決めておくことも欠かせません。
あわせて、アカウントの無効化が即座に反映されるか、反映までにかかる時間を確認しておくと、権限管理の精度を高めやすくなります。定期的な棚卸しを行い、想定していないアカウントが残っていないかを確認することも重要です。認証基盤側とIaaS側の両方で権限状況を照合しておくと、食い違いに気づきやすくなります。
API呼び出し制限に関するエラー
IaaSのAPIには呼び出し回数の制限が設けられている場合があり、上限に達するとエラーになることがあります。
呼び出し回数の上限に達する事象
IaaSのAPIには、一定時間内に呼び出せる回数の上限が設定されている場合が多く、連携するシステムの利用頻度が高いと、想定より早く上限に達してエラーが返される事象が起こります。複数のシステムが同じAPIを利用している場合、影響はさらに大きくなります。特定の時間帯にアクセスが集中する業務では、上限に達しやすい傾向が見られます。月末や月初などの繁忙期にシステム利用が集中する業務では、あらかじめ余裕を持った上限設定を検討することが望まれます。
また、エラー処理の実装が不十分だと、上限に達した際の再試行が繰り返し行われ、かえって状況を悪化させる場合もあります。再試行の間隔を適切に設定しないと、上限に達した状態が長引く懸念もあります。
上限到達を防ぐために確認する項目
上限到達を防ぐには、契約前にAPIの呼び出し回数の上限を確認し、自社の想定利用頻度にあっているかを見極めることが重要です。上限緩和が可能な契約プランがあるかも確認しておくと安心です。
あわせて、上限に近づいた際に通知を受け取れる仕組みや、エラー時に一定時間をおいて再試行する仕組みを実装しておくことも有効です。連携先のシステムと事前に呼び出し頻度をすり合わせておくことも、上限到達を防ぐ一助になります。利用状況を可視化するダッシュボードがあれば、上限への近さを日常的に把握しやすくなります。
オンプレミス連携での同期に関するエラー
オンプレミス環境とIaaSを連携させる場合、一部のデータ同期が自動化しきれず手作業が残る場合があります。
一部データが手作業で残る事象
オンプレミスとIaaSを連携させても、データ形式の違いや、対応していない項目があることで、一部のデータだけ自動連携できず、手作業での転記が残る事象が見られます。手作業が残ると、入力ミスや対応漏れが発生しやすくなります。
また、連携対象のシステムが複数ある場合、それぞれで自動化できる範囲が異なり、業務全体で見るとどこまで自動化されているか把握しづらくなる懸念もあります。特定の担当者だけが手作業の範囲を把握している場合、その担当者が不在の際に対応が滞る懸念もあります。手作業が積み重なると、繁忙期には対応しきれずデータの反映が遅れる懸念も生じます。
同期の抜け漏れを防ぐためのポイント
同期の抜け漏れを防ぐには、連携対象のデータ項目を一覧化し、自動化できている範囲と手作業が必要な範囲を明確に区別しておくことが有効です。手作業が残る箇所は、担当者を明確にしておく必要があります。
あわせて、定期的に同期状況を確認し、想定通りにデータが反映されているかをチェックする運用を取り入れることが、抜け漏れの早期発見につながります。手作業が残る範囲を関係者で共有し、業務が属人化しないよう手順を文書化しておくことも大切です。将来的にシステムの更新で自動化できる範囲が広がる可能性もあるため、定期的に見直す姿勢が望まれます。
連携状況を把握しやすいIaaS製品の選択肢
ここでは、外部システムとの連携範囲を確認しながら構成しやすいIaaS製品を紹介します。CI/CDやAPI連携でのエラーに早く気づきたい企業の比較検討にお役立てください。
株式会社USEN ICT Solutionsのクラウドプラットフォーム
- ライセンスの発行から環境構築及び運用監視まで提案可能
- SaaS型のファイルサーバやバックアップとのサービス比較ができる
- 貴社に最適なクラウドサービスをご提案いたします
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「株式会社USEN ICT Solutionsのクラウドプラットフォーム」は、企業のシステム基盤をクラウド上に構築できるIaaSです。既存の基幹システムや外部サービスとの連携を見据えた構成にも対応しており、連携範囲にあわせてリソースを調整できます。
地域エッジクラウド タイプV
- 定額・シンプルなVMware採用クラウド
- 国内法に準拠した高信頼のクラウド基盤
- 豊富なネットワーク接続メニュー
NTT東日本株式会社が提供する「地域エッジクラウド タイプV」は、地域データセンターを拠点としたIaaSです。拠点ごとの利用状況を把握しながら基盤を構築できるため、オンプレミス環境との併用や段階的な連携を見据えた企業の選択肢になります。
Nutanix基盤のIaaS miteneCloud
- バックボーン回線に直接接続し、冗長を備えた高速で安定した通信
- 転送量に応じた課金は発生しないので、コストを気にせず利用可能
- 最適な地域でバックアップ用途として、DR/BCP対策にも活用可能
ミテネインターネット株式会社が提供する「Nutanix基盤のIaaS miteneCloud」は、Nutanixのハイパーコンバージド基盤を採用したIaaSです。仮想サーバやストレージを一つの管理画面で組み合わせて利用できるため、連携状況を含めた運用状況を把握しやすい構成になっています。国内データセンターでの運用に対応しています。
SmartDataPlatform (NTTドコモビジネス株式会社)
- 無制限・無料転送の低コスト蓄積
- セキュリティとネットワーク統合でゼロトラストを実現
- 煩雑な人的業務をインテリジェントに効率化
IDCFクラウドコンテナ (株式会社IDCフロンティア)
- Rancher Prime基盤のどこでも構築可能なKubernetesサービス
- 追加料金なしで日本語サポート提供
- IDCFクラウドで複数インフラを一元管理。
まとめ
IaaS連携で起こり得るエラーは、CI/CDツール、SSO認証、API呼び出し制限、オンプレミス連携の同期など多岐にわたります。連携先の状態を定期的に確認し、通知の仕組みを整えることが、早期発見と安定運用につながります。資料請求を活用しながら比較検討を進め、契約後も継続的な確認を続けてみてください。連携先が多いほど確認すべき項目も増えるため、優先度をつけて計画的に対応することが望まれます。日頃からの備えが、実際にエラーが発生した際の対応スピードを左右します。継続的な確認と改善を積み重ねる姿勢が、安定した連携運用につながります。


