OSSのID管理システム5選
まずは、おすすめのOSSのID管理システムを見ていきましょう。
LISM
株式会社セシオスが提供している「LISM」は、社内で利用しているさまざまなシステムのIDを一元管理します。システムごとのユーザーやグループの情報を管理し、ID情報を更新した際もリアルタイムに同期し情報が反映されます。
OpenIDM
ForgeRock社が開発した「OpenIDM」は、高い柔軟性と拡張性を持つソフトウェアです。自社で利用しているシステムの形式に捉われず、クラウド・モバイル・レガシーといった環境にも対応。さまざまなシステムのIDを一元管理することで業務の効率化を図ります。
Keycloak
Red Hat JBossプロジェクトが開発している「Keycloak」は、シングルサインオンを利用できるID管理のソフトウェアです。ID管理・アクセス管理を同時に実施でき、機能がシンプルで使いやすいのが特徴です。
Unicorn ID Manager
オープンソース・ソリューション・テクノロジ株式会社が提供している「Unicorn ID Manager」は、社内のIDを一元管理できます。WebブラウザからIDの管理やパスワードの変更が可能。
パスワードを設定する際も、最大文字数や複雑さに関する基準が設けられているため、安全性を確保できます。
OpenStandiaソリューション/SSO・統合ID管理forAD
野村総合研究所が提供している「OpenStandiaソリューション/SSO・統合ID管理forAD」は、マルチプラットフォームで使えます。柔軟性が高くカスタマイズを容易に行えるため、既存のシステムやアプリケーションにも対応しています。
OSSのID管理システムを使うメリット・デメリット
つづいて、OSSのID管理システムを使うメリットやデメリットを見ていきましょう。
メリット:カスタマイズをしやすい
ID管理システムをはじめとしたOSS製品は、自分たちでシステムを組み上げる必要があります。しかし、それは自由にソースコードを改変できるということです。
自社システムを構築する際も、ゼロベースではなく何かOSSを使って開発することも多いでしょう。市販のシステムでは搭載していない機能でも、開発する技術があればカスタマイズ可能です。
また、OSSは企業が販売しているシステムではないため、会社の倒産などによって使えなくなることもありません。
デメリット:開発に専門的な知識が欠かせない
OSSの最大のデメリットは、自分たちで開発できるだけの技術がなければ使えないことです。専門的な技術がない場合、開発を他社に依頼することになるため、無料で利用できるOSSを使うメリットが薄まるでしょう。
また、OSSは企業が提供しているとは限りません。個人が開発した優秀なOSSもあります。しかしその場合操作方法などのサポートがないことがほとんどです。有名なOSSであれば、コミュニティが生まれており、掲示板に使い方が載っていることもあります。
しかし、ソースコードから使い方を理解しないといけないケースもあるでしょう。
企業でOSSを導入してID管理を行うのであれば、ソフトウェアに理解と技術がある担当者を配置しなければなりません。
デメリット:不具合発生時の責任が開発元にない
OSSは無料で利用できますが、不具合が発生した場合のサポートはなく開発元にも責任はありません。つまり、何かトラブルが発生した際は自己責任となり、自分たちで解決しなければならないのです。
中にはサポートを提供しているOSSもありますが、その大半は有償でしょう。先程と同様に、サポートを購入すれば無料で利用できるOSSのメリットは小さくなります。このように、OSSを利用するときは不具合発生時のリスクも理解しておきましょう。
OSSのID管理システムを知り、最適な製品を導入しよう!
ID管理システムにもOSS製品はいくつかあるため、コストを抑えて導入できます。
自社のニーズに合わせて柔軟に開発・カスタマイズできることがメリットです。しかし、適切に開発を進めるためには知識と技術が求められます。サポートは有償で提供している製品が多いため、不具合が発生した際には自社で対応しなければなりません。
OSSのID管理システムについて知り、自社にとって最適なソリューションを選択しましょう。