無料で活用できるID管理ツールを紹介
ここでは、無料で活用できるID管理ツールを紹介します。
Bitwarden
8bit Solutions LLCが開発した無料のID管理ツールです。ChromeやFirefox、Operaなど多様なブラウザに対応し、パスワードの自動発行機能も搭載しています。銀行などでも活用されるAES256ビット暗号化方式やハッシュ関数を利用するなど、セキュリティの高さが特徴です。
LastPass
LastPassが開発した無料のID管理ツールです。ChromeやFirefox、Microsoft Edgeなどの拡張機能としても利用できます。無制限のパスワード保存やセキュリティ認証、ダークウェブ監視などの機能を搭載し、無料でも仕事用のID管理ツールとして活用可能です。
KeePassXC
オープンソースで開発された無料のID管理ツールです。インターネットに未接続でもパスワードを管理でき、アカウント情報はオフラインの暗号化ファイルに保存されるため機密情報の漏えいリスクを低減させます。現在でも有志による更新やメンテナンスが実施されており、独自の進化を続けています。
KeePass Password Safe
Dominik Reichlが開発した無料のID管理ツールです。ローカル・クラウドのどちらでもID・パスワードを管理できます。プラグインを利用すると、二要素認証やセキュアデスクトップモードを導入可能です。要素ごとに項目を作成することで、より柔軟なID管理を実現します。
Zoho Vault
ゾーホージャパン株式会社が提供する無料のID管理ツールです。IDやパスワードに加え、クレジットカードやソフトウェアライセンスなどの項目を自由に追加して管理できます。すべてのパスワードに細かなアクセス権限を設定可能など、セキュリティの高さが特徴です。
無料で活用できるID管理ツールの注意点
無料のID管理ツールはコストをかけずに導入できるメリットがありますが、機能やセキュリティ面でビジネス活用としては不足がある製品が多いため注意が必要です。
無料で活用できるID管理ツールは、有料版と比べて機能制限されている製品が多くあります。管理できるID数が少なかったり、アクセスできるデバイスの数が限られていたりするため、自社の規模にあった活用が難しい場合があるでしょう。
また、ダークウェブの常時監視に対応していなかったり、アクセスログの記録・監視ができなかったりと、セキュリティ機能が不十分な製品も多くあります。ID管理ツールは自社内のアカウント情報を集約して管理するため、不正アクセスの被害や情報漏えい事故を防ぐためにも、十分なセキュリティ対策が行える製品を導入した方がよいでしょう。
このような理由から、ビジネスで本格的にID管理ツールを利用する際は、有料製品の活用がおすすめです。
有料のID管理ツールのメリット
有料のID管理ツールは無料ツールのデメリットをカバーするほか、ビジネスでの活用に適した特徴をもっています。ここでは、有料のID管理ツールのメリットを詳しく解説します。
自社の目的に応じた機能を活用できる
有料のID管理ツールは無料版より活用できる機能が多く、自社の目的に応じて柔軟に運用できるでしょう。基本的なID・パスワード管理機能にくわえ、シングルサインオン機能や特権ID管理機能、ワークフロー申請機能など、製品によってさまざまな機能を搭載しています。ID・パスワードの登録・設定上限がない製品も多いため、従業員数や企業規模を問わず利用しやすいでしょう。
また、人事システムなど関連システムとの連携やライフサイクル管理、IDの電子申請自動化なども可能です。導入の際は製品資料を取り寄せ、必要な機能が搭載されているかを確認してから比較検討するのがおすすめです。
安心して運用できる
ID管理ツールは企業の重要な機密データにアクセスするIDも管理するため、セキュリティ性や安定性が重要です。有料のID管理システムには、アクセス権限設定やログ管理、多要素認証などの多彩なセキュリティ機能が搭載されており、自社が求めるセキュリティレベルにあった製品を選びやすいでしょう。なお、クラウド型の製品であっても、多くの場合、サーバ管理やセキュリティ対策を適切に行っています。
また、無料のID管理ツールは提供者からサポートを受けられない製品が多くあります。OSのアップデートなどに対応しないケースや、ある日突然サービス提供が終了してしまうことも少なくありません。有料のID管理ツールであれば、最新のOSに対応したアップデートが可能なほか、トラブル時などのサポートも充実しています。急なサービス終了も少なく、安心して活用できるでしょう。
【比較表】無料トライアルが可能なおすすめのID管理ツール
有料のID管理ツールには無料製品にはないメリットが多くあるため、導入検討時にあわせて比較してみるとよいでしょう。一定期間の無料トライアルが可能な製品もあるため、ぜひ利用してみてください。ここでは、無料トライアルを提供しているID管理ツールを比較表で紹介します。
無料トライアルが可能なおすすめのID管理ツールを比較
ここでは、無料トライアルが可能なID管理ツールの特徴を詳しく紹介します。各社製品の資料請求も可能なため、気になる製品はぜひ「+資料請求リストに追加」ボタンを活用して一括請求してください。
Keyspider
- クラウドID管理と効率化を実施し、変化に対応できるシステム運用
- “引継ぎ期間”を想定した対応が可能
- 組織情報に紐づけ、各システムの権限付与が自動的に行える。
株式会社アクシオが提供する「Keyspider」は、組織や権限において柔軟なID管理を行えるクラウド型のID管理ツールです。1か月の無料トライアルを提供しています。自動権限付与機能により、兼務者に対する権限を設定可能です。
SeciossLink
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
「SeciossLink」は、株式会社セシオスが提供するセキュリティプラットフォームです。複数のWebサービスの認証を一元管理し、シングルサインオンや多要素認証でセキュリティを強化します。ID管理をはじめとしたIDaaS機能と、リスク検知などのセキュリティ機能を備えます。評価環境による1か⽉間の無料トライアルが可能です。
ジョーシス
- バラバラだったSaaS・デバイスを一元化管理し、管理工数を削減
- 入退社時のアカウント発行・削除を自動化し、業務の効率化を実現
- シャドーITや削除漏れアカウントを検知し、ITセキュリティを向上
ジョーシス株式会社が提供する「ジョーシス」は、デバイスやSaaSの利用状況を可視化し、管理工数を削減するセキュリティプラットフォームです。シャドーITやSaaSアカウントの自動検知、更新漏れの防止、人事情報との連携機能などを搭載しています。無料トライアル期間は14日間です。
AD-easy
- 表形式での操作画面で分かりやすく、一括での検索・反映が可能
- 夜間での作業対応等運用状況に応じた柔軟なアカウント管理が可能
- Microsoft 365のアカウント管理・ライセンス付与が簡単に行える
SCSK Minoriソリューションズ株式会社が提供する「AD-easy」は、高価な専用サーバが必要なく、Active Directory/Azure ADのアカウント管理を効率化できます。また、Microsoft 365ライセンス管理にも対応し、オンプレミスADと同感覚で管理可能です。45日間の無料トライアルではすべての機能が試せます。
AXIOLE
- ネットワーク認証に必要なスキーマ構築済みの認証アプライアンス
- LDAP/RADIUS認証に対応し様々なネットワーク機器から認証が可能
- 「時間」や「場所」を考慮した、より厳密な複合認証が可能
株式会社ネットスプリングが提供する「AXIOLE」は、LDAP/RADIUSプロトコルに対応し、一元化されたID管理を実現します。最大27,000アカウントまでサポート可能なネットワーク認証特化型アプライアンスサーバで、LDAP/RADIUS認証にくわえ厳密な複合認証にも対応します。無料トライアルの期間はベンダーにお問い合わせください。
Okta Workforce Identity Cloud
- オンプレミスやクラウドなど散在するアイデンティティを統合
- ディレクトリ環境の統合や人事システムとの連携を簡単に実装可能
- 豊富な連携機能によって業務アプリ側の設定を即座に完了
「Okta Workforce Identity Cloud」は、Okta Japan株式会社が提供するID管理ツールです。シングルサインオンやライフサイクル管理などの機能により、ユーザーの利便性を高め管理者の負担を軽減します。多要素認証やパスワードレス認証などセキュリティ強化に貢献する機能も搭載し、M&Aやライセンス管理の課題解決によるコスト削減も実現します。30日間のデモ環境でトライアル可能です。
以下の記事では、ITトレンド編集部がおすすめするID管理システムを特徴や価格などで比較して紹介しています。より多くの製品からID管理システムの導入を検討したい方は、あわせて参考にしてください。
ID管理ツールは有料製品とも比較して検討しよう
無料のID管理ツールは低コストで導入・運用できますが、機能制限やセキュリティ対策が不十分な製品も多く、ビジネスでの利用に向かないものもあります。ID管理ツールを導入する際は無料製品だけではなく有料製品とも比較して、自社の利用目的や企業規模にあったツールを導入するとよいでしょう。
下のボタンからID管理ツール(有料)の各社製品資料を一括請求できます。ID管理ツールの比較検討にぜひご活用ください。