
企業がオフィスにIP電話を導入するメリットは?
企業がIP電話を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットを2つ紹介します。
固定電話よりも通話料金を抑えられる
固定電話の通話料は市内や市外、県外というように、距離によって異なるのが一般的です。市内の通話料がもっとも安く、距離が遠くなるにつれ料金は高くなります。そして、内線から外線に転送する際にも料金が発生します。さらに、新規契約時には、初期費用が数千円程度かかるケースがほとんどです。
しかし、IP電話は同事業者間の通話料・転送料金が無料です。通話料は距離に応じて計算されず、IP電話以外に発信しても、固定電話のように通話料が高くなりません。事業者によっては基本料金がかからないケースもあります。また、初期費用は無料の事業者が多いです。
社内システムと連携できる
IP電話には、既存システムと連携可能なものがあります。たとえば、顧客管理システムと連携させたとしましょう。この場合は、受発信履歴をシステム上で管理したり、通話内容を録音したりできます。また、パソコンと連携すると、発着信の名前や電話番号を画面に表示可能です。
このように、IP電話はインターネットを利用したサービスのため、システムやアプリケーションとの相性が良いです。他システムと連携できれば、電話応対や取次ぎといった業務を効率化できるでしょう。
企業がオフィスにIP電話を導入するデメリットは?
IP電話を導入する際には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。考えられるデメリットを見ていきましょう。
緊急時につながらない
停電になるとIP電話は使えません。インターネットに接続する機器へ電力を供給できなくなるからです。電話を使えないとなると業務に支障をきたすだけでなく、企業の信用問題に関わります。停電時やトラブル時もIP電話を使えるよう、緊急時の対策をあらかじめ決めておきましょう。
また、IP電話は110・119といった緊急電話、0120・0570などのフリーダイヤル・ナビダイヤルには発信できません。これらの番号にも対応している端末を用意するなど、別途発信手段を確保しておくことをおすすめします。
インターネット環境に左右されやすい
IP電話は利用しているインターネット回線における速度の影響を受けやすく、電話回線と比べると品質が劣ります。特に、回線が混雑している時は音声が聞こえにくく、通話が途切れやすいです。
しかし、IP電話はスマートフォンといった端末よりは通話品質が良いです。インターネット環境に左右されることを念頭に置けば、使用する上でさしあたり問題はないでしょう。
IP電話の導入ポイントは?
IP電話の導入にあたり、デメリットの軽減に努めることが大切です。
災害や急な停電に備えるため、UPS(無停電電源装置)の活用や、アナログ回線を残すことをおすすめします。なお、停電時の対応策をマニュアル化しておくと安心です。
そして、IP電話の通話品質を保つには、下記の2点が重要です。
- 社内におけるインターネット環境の整備
- 遅延の少ない光回線へ変更しましょう
- 安定したサービスを提供する事業者であるかの確認
- 事業者の評判・サービス内容を事前に精査しましょう
また、IP電話は以下の点を考慮した運用を心がけてください。
- ■IP電話は電磁波が発生する機器の近くに置かない
- ■インターネットの混雑時間を避ける(22~24時)
- ■インターネット回線に負荷がかかっている時はIP電話の利用を避ける
IP電話のメリット・デメリットを理解し、現実的に検討を!
企業におけるIP電話導入時のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 【メリット】
-
- ■通信費の低減
- ■社内システムと連携可能
- 【デメリット】
-
- ■緊急時に使えない
- ■インターネット環境に左右される
導入時はデメリットの軽減に努めることが大切です。
以上を踏まえ、IP電話の導入を検討しましょう。
