IP電話で市外局番は利用できる?
「03」「06」といった0ABJ型番号が割り当てられたIP電話であれば、市外局番を利用できます。この電話を0ABJ型IP電話と呼びます。なお、0ABJ型番号とは、加入電話に割り当てられる番号形式のことです。「市外局番ー市内局番ー加入者番号」で形成されており、市外局番はエリア番号を基に決められます。そのため、市外局番から発信元の地域を判別できます。
そもそも、IP電話で0ABJ番号を使うには、総務大臣の許可が必要でした。また、050番号が割り当てられたIP電話やスマートフォンは、地域が固定されていないため0ABJ型番号を使えませんでした。しかし、通信技術の発達やIP電話の普及により、総務省の認める基準を満たせば0ABJ番号を取得できるようになったのです。
IP電話で市外局番を利用するメリットは?
IP電話で市外局番を利用するメリットを3つ紹介します。
安定した通話品質を確保しやすい
従来の0ABJ型IP電話は、総務省の定める「接続品質」「総合品質」「安定品質」「ネットワーク品質」の4つの項目をクリアしなければいけませんでした。しかし、主要諸外国がこのような項目を設けていないことを受け、これらは徐々に緩和されています。
しかし、それでも市外局番を取得できるIP電話は、総務省の定める基準をクリアしなければいけません。それは3段階に分けられており、固定電話電話並みの通話品質であればクラスA、携帯電話並みはクラスB、それ以下はクラスCとされています。市外局番はクラスAでないと取得できず、050番号はクラスCで取得できます。
このように、市外局番を利用できるIP電話は総務省により品質を担保されているため、安定した通話を行いやすいといえるでしょう。
社会的信用を得やすい
市外局番と050番号の信頼度を比較すると、前者のほうが高い傾向にあります。050番号は、発信元の地域が分からないため「どこからの番号だろう」と不審に思われることが多いです。この傾向は、年齢が高くなるにつれ顕著になります。
また、050番号は詐欺に使われるケースがあったり、法人名義で銀行口座を開設できない場合があったりします。さらに、取引先との電話中に頻繁に通話が切れたり、音声が途切れたりするかもしれません。このような通話品質の悪い電話を使っていると、会社の信用問題に発展する可能性があります。
このような背景からしても、市外局番のほうが社会的信用を得やすいです。そして何より、多くの企業が代表番号に050番号ではなく市外局番の番号を利用しています。この利用率の差に、市外局番番号における社会的信用性の高さが表れているといえるでしょう。
他のサービスへ乗り換えやすい
050番号はプロバイダが提供するサービスのため、その識別番号が含まれています。したがって、別のサービスへ乗り換える際は、同じ番号が使えません。
一方、市外局番は他のサービスへ乗り換えても同じ番号を利用できます。
なお、以前はスマートフォンや携帯電話では市外局番を使えませんでした。しかし、IP-PBXやFMCサービス(携帯電話と固定電話を融合したサービス)の普及により、これらの端末でも市外局番を利用できるようになりました。現在は、ユーザーが利用シーンに合わせて最適なサービスを選べるようになっています。
市外局番を利用したIP電話への移行を検討しよう!
IP電話でも0ABJ型番号が割り当てられていれば市外局番を利用できます。その利用メリットは以下のとおりです。
- ■安定した通話品質の確保
- ■社会的信用の確保
- ■他のサービスへの乗り換えやすさ
以上を踏まえ、市外局番を利用できるIP電話への移行を検討しましょう。