ストレスチェックの連携エラーが起こる仕組みと原因
他のシステムとの連携は、名簿の登録や結果の活用を効率化しますが、エラーが起こる場合もあります。まず連携の方式と、主な連携先ごとの不具合の例を整理すると、原因の見当がつけやすくなります。方式や範囲は製品によって異なるため、自社の環境にあうかも確認が必要です。
| 連携先 | 起こりうる不具合の例 |
|---|---|
| 人事システム | 名簿の同期の停止、部署情報のずれ、重複登録 |
| 勤怠管理システム | 休職者などの区分の不一致、データ反映の遅れ |
| 健康診断管理システム | 一部項目の欠損、取り込み後の手作業の発生 |
連携方式の種類と特徴
ストレスチェックツールと他のシステムの連携には、APIを使う方式、CSVなどのファイルを取り込む方式、認証情報を共通化する方式があります。APIは自動で更新できる一方、設定や仕様の確認が必要です。連携先のシステムがAPIを公開しているかも、前提として確かめましょう。
ファイルを取り込む方式は、手順がわかりやすい反面、定期的な作業が発生します。どの方式に対応しているかは製品によって異なるため、自社のシステムで使える方式かを導入前に確認しましょう。確認の結果は、比較表にまとめると便利です。
製品と連携先と自社設定の複数要因
連携エラーの原因は、ストレスチェックツールだけに限りません。連携先のシステムの仕様変更や、接続情報の期限切れ、自社で行った項目の対応づけの設定などが影響する場合があります。複数の要因が重なると、原因の特定に時間がかかります。
そのため、エラーが出たときは、どこで処理が止まったかを確かめましょう。送信側と受信側の両方の履歴を確認し、片方に原因を決めつけず、状況を整理して関係先へ伝えることが大切です。日時や画面の表示などの記録も、あわせて残しておきましょう。
相談先となる窓口の確認
複数のシステムが関わる不具合は、どの提供会社に相談するかで迷う場合があります。窓口がわからないまま時間が過ぎると、対応が遅れる原因になります。連携の窓口がどこにあるのか、双方の提供会社が連携して調査してくれるのかを、導入前に確認しましょう。
連携の設定を自社で行うのか、提供会社が支援するのかも重要です。設定の案内までか、作業の代行まで含むかは、製品ごとに異なります。契約前に書面で確認し、窓口が分かれる場合は連絡の順序も決めておくと安心です。
人事システム連携で不具合が起こる場合の確認点
人事システムとの連携は、名簿や組織情報の更新を自動化できる反面、項目の対応づけに不備があると不具合が起こります。同期の停止や重複登録を避けるための確認点を、識別情報、反映時期、データ形式の順に整理します。
社員番号や部署コードの対応をそろえる
連携では、社員番号や部署コードなどの識別情報で、同じ人を判別します。両方のシステムで形式が異なると、別人として登録される重複や、更新されない状態が起こる場合があります。一部の項目だけが欠ける場合もあります。
導入前に、識別に使う項目と形式をそろえましょう。部署コードの桁数や、先頭の0の扱いなど、細かな違いも確認の対象です。対応づけの一覧を作り、変更のたびに更新しておくと、不具合の調査にも役立ちます。
異動や退職の反映のタイミングを確かめる
異動や退職の情報が反映されるまでに時間がかかると、実施の対象者や集団分析の部署の区分にずれが生じる場合があります。更新が日次か、手動かを確認しましょう。反映までの目安は、提供会社に尋ねると確かです。
ストレスチェックを実施する前に、名簿の最新化を行う日を決めておくと安心です。集団分析の精度は、組織情報の正確さに左右されます。反映の遅れが疑われる場合は、実施前に異動者の一覧と見比べて差分を点検します。
文字コードや項目形式の違いを点検する
文字コードの違いにより、氏名やメールアドレスの一部が欠けたり、文字化けしたりする場合があります。メールアドレスの形式が異なると、案内が届かない原因にもなります。名簿の取り込み後は、件数の一致も確かめましょう。
取り込みの前に、少数のデータで試すと不具合を見つけやすくなります。本番の名簿を使う試験は、個人情報の取扱いに注意が必要です。提供会社が用意する試験用の環境があるかを確認し、結果は記録して共有しましょう。
勤怠管理システム連携でエラーが起きたときの対処
勤怠管理システムとの連携は、実施の対象者の区分を把握するために使われる場合があります。連携の目的を明確にし、エラーが起きたときの対処を決めておきましょう。連携先の仕様の確認も欠かせず、事前の相談が重要です。
勤怠データを連携する目的の整理
勤怠データを連携する目的の一つに、休職中の人や勤務形態が異なる人の区分を、名簿へ反映することがあります。何のためにどの項目を連携するのかを、先に決め、関係者で共有しましょう。
長時間労働者への面接指導は、ストレスチェックとは別の制度です。両者の混同を避け、必要な項目だけを連携すると、不要な個人情報の取扱いを減らせます。連携する項目の範囲は、人事や産業保健の担当者と相談して決めます。
休職者や時短勤務者の扱いの不一致
ストレスチェックの対象とする労働者の範囲は、契約期間や労働時間などの制度上の考え方にもとづいて整理します。勤怠管理システムと名簿の区分が一致しないと、対象者の漏れや、対象外の人への案内が起こる場合があります。
区分の定義を、双方のシステムで同じ基準にそろえましょう。基準は社内の規程にも記載しておくと安心です。復職や休職の開始日が反映されるタイミングも確認し、判断に迷う場合は実施者や産業医に相談してください。
同期の失敗時の通知と再実行
連携の処理が失敗した場合に、管理者へ通知されるかを確認しましょう。通知がないと、更新が止まっていることに気づかず、古い名簿で実施してしまう場合があります。通知の宛先が1人だけだと、見落とす場合もあります。
失敗した処理を手動で再実行できるか、履歴を確認できるかも重要です。再実行の際に、データが重複しないかも確かめます。結果の確認方法も聞き、担当者が複数人で状況を把握できるようにしておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でストレスチェックの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
APIの呼び出し回数制限に備える連携エラー対策
APIには、一定の時間内に呼び出せる回数の上限が設けられている場合があります。上限に達すると、一部の処理が失敗する場合もあるため、仕組みと備えを確認しておきましょう。上限の数値と、超えた場合の動作を、先に把握することが重要です。
回数制限の仕組みと影響を把握する
APIの回数制限は、サーバーへの負荷を抑えるために設けられている場合があります。上限の数値や、計算する単位は、製品やプランによって異なります。仕様書や契約の内容で確認し、公開されていない場合は提供会社に尋ねましょう。
上限に達すると、名簿の更新や結果の取得が途中で止まる場合があります。受検期間中は、利用が集中するため、影響が出やすい時期です。連携先のシステム側にも別の制限がある場合があるため、双方の制限をあわせて確認しましょう。
処理を分散して上限への到達を避ける
大量のデータを一度に処理すると、上限に達しやすくなります。処理を複数回に分けるか、時間帯をずらして実行すると、上限への到達を避けられる場合があります。実行する時間帯は、受検者の利用が少ない時間にするのも一案です。
更新が必要なデータを、変更があった分に絞る方法もあります。ただし、設定の変更には専門的な知識が必要な場合があるため、情報システム部門や提供会社に相談して進めましょう。設定の変更前には、元の設定を記録しておくと安心です。
上限に達したときの通知と再実行を決める
上限に達した場合に、エラーが通知されるのか、自動で再実行されるのかを確認しましょう。自動で再実行されない場合は、手動での再実行の手順が必要です。手順は、担当者以外も実行できるように文書にしておきます。
未処理のデータを確認できるかも重要です。処理が一部だけ完了した状態で気づかないと、データの不整合につながる場合があります。履歴の確認方法と問い合わせ先、提供会社の障害情報の確認先を、運用の手順に加えておきましょう。
健康診断管理システムと連携しても手作業が残る場合
健康診断管理システムと連携しても、データの扱いの違いから、手作業が残る場合があります。どこまでを自動化できるかを確認し、手作業を減らす運用を整えましょう。どこまで自動化できるかを、先に把握することが大切です。
連携できるデータの範囲の確認
健康診断管理システムとの連携では、対象者の名簿や、面接指導の実施状況などを共有する場合があります。連携できる項目は製品によって異なり、一部の項目しか取り込めない場合があります。例えば、受検状況は共有できても、面談の日程までは対象外という場合です。
連携できない項目は、手作業で入力するか、ファイルで取り込む運用になります。手作業が残る範囲と頻度を、導入前に見積もっておきましょう。作業の担当者と手順を決め、作業時間も人件費として見込んでおきましょう。
ストレスチェック結果と健診情報の分離管理
ストレスチェックの結果は、本人の同意がなければ事業者に提供できません。健康診断の情報と同じシステムで扱う場合も、閲覧できる人や用途を分ける必要があります。
同意の取得状況を管理できるか、同意のない結果が人事担当者に見えない設計かを確認しましょう。取り込むデータの範囲は、実施者や産業医と相談して決めます。個人情報の取扱いは社内規程にそって整え、閲覧の履歴を確認できるかも見ておきましょう。
手作業を減らす運用ルールの整備
連携後も残る手作業は、手順書にまとめ、担当者が代わっても対応できる形にします。作業の頻度や期限を決め、実施の時期に抜けが出ないようにしましょう。作業を複数人で分担すると、休暇の際も止まりません。
連携のエラーが起きた場合の連絡先と、一時的な代替手順も用意します。定期的に連携の状況を点検し、改善できる点を見直していくと、手作業を段階的に減らせます。見直しの結果は、次回の実施前に共有しましょう。
連携や運用の対応範囲を確認したい製品
他のシステムとの連携や、データの取り扱いに関する対応範囲を確認したい場合の参考として紹介します。
CAPSストレスチェック (CAPS株式会社)
- 簡単な質問でストレスレベルを測定
- 結果をもとにメンタルヘルス対策を支援
- 従業員の健康管理に役立つ情報提供
保健同人フロンティア (MBK Wellness株式会社)
- 健診データを活用した健康管理支援を提供。
- 保健指導やメンタルヘルス対策など幅広く対応。
- 企業の健康経営推進を支援
Wity (ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)
- 年1回と月次のWチェックで組織課題を継続的に把握。
- 心理学に基づくeラーニングと行動変容を促す管理職支援システム
- 匿名チャット・LINEで専門家に気軽に相談、相談率を大幅向上
ストレスチェックに関するよくある質問
ストレスチェックの連携のエラーについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:連携を使わず、ファイルの取り込みで運用しても問題ありませんか?
- A:ファイルの取り込みでも運用できる場合があります。ただし、手作業が増え、取り込みの漏れや誤りが起こる可能性があります。作業の頻度と担当者を決め、実施前に件数を照合する手順を整えましょう。
- ■Q2:連携先のシステムを入れ替える予定がある場合の注意点は?
- A:入れ替え後のシステムと、ストレスチェックツールの連携に対応しているかを、事前に確認しましょう。連携の設定をやり直す時期が、受検期間と重ならないよう調整することも大切です。
- ■Q3:連携のエラーは、どのように気づけますか?
- A:処理の失敗が管理者へ通知されるか、履歴を確認できるかを導入前に確かめましょう。通知がない場合は、実施前に名簿の件数を連携元と見比べる方法があります。
- ■Q4:連携で渡す個人情報の範囲は、どう決めればよいですか?
- A:必要な項目に絞ることが基本です。ストレスチェックの結果は本人の同意なく事業者に提供できないため、結果にあたる情報の連携は特に慎重に検討しましょう。判断に迷う場合は、実施者や情報システム部門に相談してください。
まとめ
ストレスチェックの連携エラーは、製品、連携先、自社の設定など複数の要因で起こる場合があります。人事システムや勤怠管理システム、健康診断管理システムとの連携では、項目の対応づけ、通知と再実行の仕組み、APIの回数制限、結果の同意の管理を確認しましょう。気になるストレスチェックツールは資料請求して、連携の対応範囲を比較検討してください。

