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議事録作成ツールは内製できる?自作の構成と見落としやすい負担

議事録作成ツールは内製できる?自作の構成と見落としやすい負担

議事録作成ツールの内製は、音声認識のAPIやオープンソースの音声認識モデルと、要約を作る生成AIを組み合わせれば技術的には可能です。ただし、話者の区別や専門用語への対応、権限管理、仕様変更への追従まで含めると、作った後の負担は小さくありません。この記事では、議事録作成ツールを内製する際の構成と作る機能、精度の調整、見落としやすい負担、既製ツールとの組み合わせ方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■既製ツールの生かし方別
    ■データの扱い別

    議事録作成ツールを内製するときの全体像

    議事録作成ツールを内製する場合、1つのプログラムを作るというより、いくつかの部品を組み合わせて仕組みを作る形が中心です。まずは必要な部品と、音声認識をどこで動かすかという大きな分かれ道を整理しましょう。

    録音から共有までに必要な部品

    内製の議事録作成ツールは、録音を受け取る部分、音声を文字にする音声認識、発言者を区別する処理、要約を作る処理、議事録を保存して共有する画面の5つの部品で構成するのが基本です。

    このうち音声認識と要約は、外部のサービスやAIモデルを利用し、部品どうしの受け渡しを自社で作る構成が考えられます。どの部品を自社で作り、どこを外部に任せるかを最初に決めておくと、開発の範囲と費用を見積もりやすくなります。

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    音声認識を外部APIにするか自社で動かすか

    音声認識は、クラウドの音声認識APIを呼び出す方法と、オープンソースで公開されている音声認識モデルを自社のPCやサーバーで動かす方法に分かれます。APIは手軽に始められる反面、音声データを外部へ送る必要があります。

    自社で動かす方法は音声を社外に出さずに済みますが、処理に十分な性能を持つ機器の用意や、モデルの更新を自社で担う必要があります。会議の機密性と、運用を担える人員の両方から判断しましょう。どちらの方法でも、試作では実際の会議の録音を使い、精度と処理時間を確かめておくと判断の材料として役立ちます。

    内製で作る議事録作成ツールの主な機能

    議事録作成ツールとして実用的に使うには、文字起こしだけでなく、要約や保存、権限管理といった周辺の機能も必要です。内製で作る場合に検討したい3つの機能と、それぞれの難しさを紹介します。

    文字起こしと話者の区別

    文字起こしは音声認識のAPIやモデルで実現できますが、誰が話したかを区別する話者分離は、別の処理として組み込む必要がある場合があります。発言が重なる会議では、区別の精度が下がることもあります。

    話者の名前を表示するには、仮の話者番号を参加者名に置き換える画面や操作も作らなければなりません。既製の議事録作成ツールで当たり前に使える機能ほど、内製では作り込みの手間がかかる点に注意しましょう。

    生成AIによる要約と決定事項の抽出

    文字起こしの結果を生成AIに渡せば、要約や決定事項、宿題の一覧を作れます。指示文を工夫することで、自社の議事録の書式に沿った出力を得られる可能性があります。

    一方で、生成AIは発言の意図を取り違えたり、話されていない内容を書き加えたりする場合があります。内製の場合も、参加者が要約を確認して確定させる流れを業務に組み込み、AIの出力をそのまま正式な議事録としない運用が必要です。

    保存・検索・権限管理

    議事録を社内で共有するには、保存先、キーワード検索、閲覧できる人の制限、編集の履歴といった機能が欠かせません。これらは議事録作成に特有の機能ではありませんが、作る量は文字起こし部分より多くなる場合があります。

    社内のファイル共有の仕組みや文書管理の仕組みに議事録を保存し、権限管理をそちらに任せる方法もあります。既存の社内システムをどこまで使えるかで、内製の開発範囲は大きく変わります。保存先を変える場合は、録音データの保存期間と削除の方法もあわせて決めておきましょう。

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    精度を上げるために内製で必要な調整

    内製した議事録作成ツールを現場で使ってもらうには、精度を上げる調整が欠かせません。既製のツールでは画面から設定できる内容も、内製では仕組みとして用意する必要があります。主な3つの調整を見ていきましょう。

    専門用語や人名への対応

    社内の製品名や略語、取引先名は、汎用の音声認識では誤変換されやすい言葉です。音声認識のAPIによっては、認識してほしい語句を指定できる機能があるため、利用するサービスの仕様を確認しましょう。

    指定できない場合は、文字起こしの後に置き換え表を使って修正する処理や、生成AIに用語集を渡して直させる処理を組み込む方法があります。用語集を誰が更新するかも、運用ルールとして決めておく必要があります。

    要約の指示文の調整

    生成AIに渡す指示文は、プロンプトと呼ばれます。プロンプトの書き方によって、要約の長さや項目、決定事項の拾い方が変わるため、実際の会議の文字起こしを使って何度か試しながら調整します。

    会議の種類ごとに指示文を分けると、定例会議と商談で異なる書式に対応できます。生成AIのモデルが更新されると出力の傾向が変わる場合もあるため、調整した指示文と出力例を記録し、定期的に見直しましょう。

    録音環境による精度の差への対処

    同じ仕組みでも、会議室のマイクの位置や雑音、オンライン会議の音質によって、文字起こしの精度は変わります。内製したツールの精度が低いと感じたときに、原因が仕組みにあるのか録音環境にあるのかを切り分ける必要があります。

    導入の初期は、会議室ごとに試し録りをして、精度の傾向を記録しておくと切り分けに役立ちます。マイクの配置やWeb会議の録音方法といった利用方法の案内も、内製の担当者が用意しなければなりません。

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    議事録作成ツールの内製で見落としやすい負担

    試作の段階では動いても、全社で使い続けるには開発以外の負担が生じます。内製を決める前に見積もっておきたい、継続的な負担を3つ紹介します。

    APIやAIモデルの仕様変更への追従

    外部の音声認識APIや生成AIのサービスは、料金や仕様、提供されるモデルが変わる場合があります。古いモデルの提供が終了すると、内製したツールの改修が必要になることもあります。

    利用しているサービスのお知らせを確認し、変更に対応する担当者と予算を確保しておきましょう。特定の担当者しか仕組みを理解していない状態は避け、設計書や設定内容を文書にして複数人で共有することが大切です。

    データの保管場所と利用規約の確認

    外部のAPIを使う場合、送った音声や文字データが提供事業者の側でどのように保管され、AIの学習に使われるかどうかは、サービスの規約や設定によって異なります。会議の内容によっては、社内規程で外部への送信が認められない場合もあります。

    個人情報保護委員会は2023年6月の生成AIサービスに関する注意喚起で、個人情報を入力する場合の留意点を示しています。内製の際も、利用するサービスの規約とデータの扱いを法務や情報システム部門と確認しましょう。

    利用者からの問い合わせと改善要望への対応

    社内で使われ始めると、「文字起こしが終わらない」「この形式で出力したい」といった問い合わせや要望が届きます。既製のツールなら提供事業者が担うサポートや改善を、内製では自社で担います。

    問い合わせの窓口と対応時間、改善要望の優先順位の付け方を決めておかないと、開発担当者の本来の業務が圧迫されます。利用部署が広がるほど負担は増えるため、運用の人員も含めて費用を見積もりましょう。

    関連記事 議事録作成ツールの選び方を解説!比較ポイントも紹介

    内製と既製の議事録作成ツールを組み合わせる

    内製と既製品の利用は、どちらか一方を選ぶものではありません。既製の議事録作成ツールを土台にして、自社に必要な部分だけを内製する方法もあります。代表的な2つの組み合わせ方を紹介します。

    既製ツールの出力を社内システムにつなぐ

    APIを公開している議事録作成ツールや、文字起こしの結果をテキストやCSVで書き出せるツールなら、その出力を社内の文書管理やタスク管理の仕組みに取り込む部分だけを内製できます。

    文字起こしや話者の区別、権限管理といった手間のかかる部分は製品に任せ、自社固有の書式に変換する処理や、社内システムに登録する処理だけを作る形です。APIの有無や書き出せる形式は製品によって異なるため、資料請求の段階で確認しましょう。

    試作で要件を固めてから製品を選ぶ

    内製の試作を小さく作り、実際の会議で使ってみることで、自社が本当に必要とする機能が見えてきます。例えば、話者の区別がどの程度必要か、要約の書式に何を求めるかを具体的に把握できます。

    固まった要件をもとに既製の議事録作成ツールを比べれば、機能の過不足を判断しやすくなります。試作の結果、既製の製品で十分と判断できれば、開発と保守の負担を抱えずに済みます。

    内製の代わりに使える議事録作成ツール

    文字起こしや要約の仕組みを一から作らず、既製ツールの出力や設定を生かして自社向けに整える場合の選択肢を、一覧にまとめました。

    製品名特徴
    SecureMemoCloud単語登録とカスタム要約に対応。オンプレミス版も選択可能
    AutoMemo音声・テキストをダウンロード可能。音声はAIの学習に利用されない
    LINE WORKS AiNote音声や文字起こしを出力可能。要約でのOpenAI利用分は学習されない
    Smart Report CloudWord・Excel形式で議事録を出力。提供元のDC内でAIを稼働
    YOMEL by PKSHA単語登録と要約ビルダーに対応。録音をサーバーに残さない設定も可能
    AmiVoice®ScribeAssistオフライン利用が可能。生成AI連携の自動要約を3方式から選択
    BizTAPAI議事録作成を含む生成AIアプリ。API連携とAI学習不使用が特徴

    既製ツールを自社の運用に生かす製品紹介

    出力データの書き出し、単語登録、データの扱いの違いから、内製と組み合わせやすい製品を紹介します。対応範囲は製品ごとに異なるため、詳細は資料でご確認ください。

    SecureMemoCloud

    Nishika株式会社
    《SecureMemoCloud》のPOINT
    1. 高精度音声AIが正確な文字起こし・校正をするため手直しが少ない
    2. 話者を音声AIが高精度で認識!誰がどの話をしたか簡単に確認可能
    3. 議事録は利用用途と合わせて複数のパターンが選択できる

    Nishika株式会社が提供する「SecureMemoCloud」は、音声認識から要約までを備えたAI議事録ツールで、自社で認識エンジンを開発せずに使える選択肢です。専門用語や社内用語は単語登録で変換精度を高められ、議事録は「カスタム要約」など複数のパターンから選べます。クラウドを利用できない場合はオンプレミスの「SecureMemo」も選べるため、音声を社外に出さない運用も検討できます。

    AutoMemo

    ソースネクスト株式会社
    《AutoMemo》のPOINT
    1. OpenAI Whisper採用で多人数会議も聞き分ける文字起こし
    2. GPT4o mini採用エンジンが要点を要約しToDoも抽出
    3. Dropboxなどと連携し音声テキストを自動で共有可能

    ソースネクスト株式会社が提供する「AutoMemo」は、録音から文字起こし・要約までを備えており、音声認識や要約の仕組みを内製する手間を省けるサービスです。音声とテキストのダウンロードや、指定メールアドレスへの自動転送に対応し、書き出したデータを自社の様式に加工できます。音声データはAIの学習に利用されません。ToDoリストの生成にも対応します。

    LINE WORKS AiNote

    LINE WORKS株式会社
    《LINE WORKS AiNote》のPOINT
    1. 独自研究開発による高い音声認識技術
    2. 高品質かつ低価格の業界トップクラスのコストパフォーマンス
    3. 法人利用でも安心の国際基準レベルのセキュリティ

    LINE WORKS株式会社が提供する「LINE WORKS AiNote」は、音声認識と話者分離を備えたAI議事録ツールです。文字起こしの内容は画面上で直接修正でき、音声ファイルや文字起こしの記録をダウンロードして活用できます。AI要約にはOpenAIを使用しますが、入力した内容は学習されません。自社で加工する前の素材づくりを任せたい企業が検討しやすい製品です。

    Smart Report Cloud

    株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.
    《Smart Report Cloud》のPOINT
    1. 1時間の打ち合わせをわずか5分で議事録が完成
    2. 海外言語対応。 複数言語の会議も正確に記録
    3. 質疑応答形式での出力にも対応

    株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.が提供する「Smart Report Cloud」は、AIが構造化した議事録をWord形式とExcel形式で出力するクラウド型のサービスです。自社の書式に整える前の素材として使えます。東計電算のデータセンターでAIモデルも稼働しており、お客様の情報は外部へ持ち出されない仕組みです。

    YOMEL by PKSHA

    株式会社PKSHA Infinity
    《YOMEL by PKSHA》のPOINT
    1. 対面・Web会議問わず、全発言を自動で話者識別!書き起こし可能
    2. 充実した要約系機能で効率化(全自動要約、要約ビルダー等)
    3. マネージャー層向け管理機能や徹底された万全のセキュリティ対策

    株式会社PKSHA Infinityが提供する「YOMEL by PKSHA」は、社内用語を単語登録で音声認識に反映でき、要約ビルダーなどで要約の出し方を調整できる議事録ツールです。録音データをサーバーに残さない設定や個人情報の自動除去など、データの扱いを自社の基準に近づけるための機能も備えます。トピックスや決定事項は自動で抽出されるため、内製で作り込む範囲を絞りたい企業が確認しやすい製品です。

    AmiVoice®ScribeAssist (株式会社アドバンスト・メディア)

    《AmiVoice®ScribeAssist》のPOINT
    1. オフライン利用可能で情報漏洩リスクを最小化。
    2. 生成AI連携の自動要約機能を搭載し3つの方式から選択可能
    3. リアルタイム・ファイル認識に対応し、幅広いシーンで利用可能。

    BizTAPAI (株式会社OmniGrid)

    《BizTAPAI》のPOINT
    1. API連携、AI学習不使用で情報漏洩リスクなし
    2. 独自技術で高精度な文字起こしと話者分離が可能
    3. 命令文の保存・共有で誰でもAIマスターに

    まとめ

    議事録作成ツールの内製は、音声認識のAPIやモデルと生成AIを組み合わせれば可能です。ただし、話者の区別や権限管理、精度の調整、仕様変更への追従、利用者への対応まで自社で担う必要があります。全部を作るのではなく、既製の議事録作成ツールの出力を社内システムにつなぐ部分だけを内製する方法も検討しましょう。自社に必要な機能とAPIの有無を確かめるために、複数の製品の資料請求をして比較してみてください。

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