ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■ライセンス形態別
- オープンソース版を公開している製品:iPLAss
- オープンソース製品の導入・保守を支援するサービス:プリザンターサポートサービス
- 商用ライセンスで提供される製品:SmartDB、楽々Framework3、ArielAirOne、キントーン、ClarisFileMaker
- ■コードでの拡張方法別
- スクリプトやJavaScriptで機能を拡張できる製品:ArielAirOne、ClarisFileMaker
- Javaなどでサーバー側の処理を追加できる製品:iPLAss
- APIやプラグインなどで機能を拡張できる製品:SmartDB、キントーン
- APIやSQLを活用した拡張・カスタマイズを支援するサービス:プリザンターサポートサービス
オープンソースのローコード開発ツールで作れるもの
オープンソースのローコード開発ツールは、ソースコードが公開されたローコード開発の基盤です。画面の部品をドラッグ&ドロップで配置しつつ、必要な部分をコードで補えます。どのような用途で使われるのかを整理します。
社内向けの管理画面や業務ツール
オープンソースのローコード開発ツールは、社内のデータベースにつないで一覧や入力フォームを作る、社内向けの管理画面づくりに使われることがあります。エンジニアが短時間で画面を用意し、業務部門に提供する使い方です。
こうしたツールは、利用者の人数で費用が増えないため、閲覧する社員が多い管理画面に向く場合があります。ただし、画面の見た目や操作性は既存の部品に左右されるため、試作の段階で業務部門に触ってもらいましょう。
データベースを中心とした業務アプリ
案件管理や在庫の記録、申請の受付など、データの登録と検索が中心の業務アプリも作れます。テーブルの設計を画面で行い、そこから入力画面や一覧画面を組み立てる製品があります。
既存のデータベースに接続できる製品であれば、基幹システムのデータを参照するアプリも作れます。対応するデータベースの種類や、接続に必要な設定を、公開されている資料で確認しておきましょう。
コードを書き足して作る独自の処理
ローコード開発ツールでは、標準の部品で足りない部分を、JavaScriptなどのコードで書き足せます。オープンソースの場合は、製品本体のソースコードも読めるため、部品の動きを確認しながら拡張できる点が商用製品との違いです。
一方で、製品本体のコードを直接書き換えると、更新のたびに同じ修正を当て直す必要が生じます。保守の負担を抑えるには、製品が用意したプラグインやAPIを使って拡張するのが基本です。
ローコード開発ツールのライセンス条項が与える影響
オープンソースのライセンスは、無料で使えるかどうかだけでなく、改変したコードや作ったアプリをどう扱えるかを定めています。種類によって、自社のアプリを社外に提供する際の条件が変わります。主な違いを確認しましょう。
MITやApacheなど寛容型のライセンス
MITライセンスやApache License 2.0は、寛容型と呼ばれるライセンスです。著作権表示やライセンス文を残すといった条件を守れば、改変したコードを公開する義務を負わずに、社内外で利用できます。
自社のアプリに組み込んで顧客に提供する場合も比較的扱いやすい一方、Apache License 2.0では変更した点の表示など固有の条件もあります。採用する前に、ライセンス文で求められている表示や手続きを確認しておきましょう。
GPLやAGPLなどコピーレフト型のライセンス
GPLやAGPLは、改変したソフトウェアを配布する際に、そのソースコードも同じライセンスで公開することを求めるコピーレフト型のライセンスです。AGPLでは、改変したソフトウェアをネットワーク経由で利用者に使わせる場合にも、ソースコードを提供する義務が生じます。
社内だけで使う場合は影響が限られることもありますが、作ったアプリを取引先や顧客に提供する場合は注意が必要です。判断に迷う場合は、法務部門や専門家に相談しましょう。
商用ライセンスとの二重ライセンス
オープンソースのローコード開発ツールの中には、同じソフトウェアをオープンソースのライセンスと商用ライセンスの両方で提供するものがあります。コピーレフトの条件を避けたい場合は、商用ライセンスを購入して使う方法があります。
また、基本機能はオープンソース、企業向けの機能は有料という形で提供される製品もあります。どの機能がどのライセンスに含まれるかを一覧で確認し、必要な機能が有料側にないかを確かめておきましょう。
オープンソース版を自社で保守する範囲
オープンソース版のローコード開発ツールを使う場合、提供会社の保守契約がなければ、更新や障害対応は自社の責任で行います。どこまでを自社で担うのかを導入前に決めておくことが、長く使い続けるための前提です。
脆弱性対応とバージョンアップ
脆弱性(セキュリティ上の弱点)が見つかった場合、修正版が公開されても、自社で適用するまでは対策されないままです。開発元の公開情報を定期的に確認し、修正版を適用する担当と手順を決めておきましょう。
バージョンアップでは、作ったアプリや追加したコードが新しい版で動くかを、検証環境で確かめてから本番に反映します。更新を先送りにすると差分が大きくなり、作業の負担が増えるため、定期的に更新する計画を立てることが大切です。
追加したコードと設定の管理
ローコードで追加したコードや、製品の設定は、変更の履歴を残せる仕組みで管理します。誰がいつ何を変えたかを追えるようにしておくと、不具合が起きた際に原因を絞り込みやすくなります。
コードの書き方や命名のルールを決め、担当者以外も読める状態を保つことも重要です。開発した担当者が異動しても保守を続けられるよう、設計の意図を文書に残し、複数人でレビューする体制を整えましょう。
コミュニティと有償支援の使い分け
使い方の疑問や不具合は、開発者や利用者が集まるコミュニティで情報を探したり、質問したりできます。ただし、回答の時期や内容は保証されないため、業務で止められないアプリでは別の備えが必要です。
開発元や販売パートナーが有償の保守サポートを提供している場合は、契約を検討しましょう。問い合わせ対応だけか、障害時の調査や修正版の提供まで含むかなど、支援の範囲を契約前に確認します。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
商用ローコード開発ツールとの使い分け
オープンソースと商用のローコード開発ツールは、どちらが優れているかではなく、自社の体制と用途にあうかで選びます。それぞれが向くケースを整理します。
オープンソースが向くケース
社内にサーバーの運用やコードの保守を担えるエンジニアがいて、作ったアプリを主に社内で使う場合は、オープンソースの利点を生かしやすくなります。利用者が増えても費用が増えにくく、必要に応じて製品の中身まで確認できます。
作りたいアプリの要件が固まっておらず、まず小さく試したい場合も候補に挙がります。試作の段階でライセンス条件と保守の体制を確認し、本番利用に進むかを判断しましょう。
商用製品が向くケース
業務の中心となるシステムを作る場合や、社内に保守を担う人を確保しにくい場合は、提供会社の保守と問い合わせ窓口がある商用製品が向いています。障害時の対応や更新の責任を契約で明確にできるためです。
開発者向けの研修やテンプレートが用意されている製品であれば、立ち上げの期間を短くできる可能性があります。費用はかかりますが、自社で保守する場合の人件費と比べて判断しましょう。
オープンソース版を評価する進め方
オープンソースのローコード開発ツールは、ソフトウェアを無料で入手できるため、本番導入の前でも、実際の業務に近い形で試せます。評価を進める手順と、確認したい項目を紹介します。
検証環境で業務アプリを試作する
まず本番とは別の検証環境に設置し、実際の業務を題材にして小さなアプリを作ってみます。データの登録や検索、権限の設定、既存システムとの接続など、本番で必要な機能を一通り試すことが目的です。
試作の過程で、設置や更新にかかった時間も記録しておきます。そうした記録は、本番運用でどれだけの工数が必要かを見積もる材料として使えます。
評価項目を決めて本番利用を判断する
評価項目には、ライセンス条件、更新の頻度と最近の開発状況、日本語での情報の量、有償支援の有無、データの書き出し方法などを含めます。複数の製品を比べる場合は、同じ項目で記録しておくと判断しやすくなります。
評価の結果は、情報システム部門と利用部門の双方で共有し、保守の体制が組めるかを確認してから本番利用を決めましょう。条件を満たせない場合は、商用製品に切り替える判断も選択肢です。
ライセンス形態と拡張方法で比べる製品一覧
オープンソース版を提供する開発基盤やその支援サービスと、商用のローコード開発ツールを一覧にしました。ライセンス形態や機能の拡張方法、保守の受け方を比較する際に役立ててください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| SmartDB | 商用のクラウド型ノーコード開発基盤。Webデータベースやワークフローを備え、REST APIやWebhookによる連携に対応 |
| 楽々Framework3 | 部品を組み合わせて開発する商用ローコード開発基盤。長期保守やバージョンアップに対応 |
| ArielAirOne | ローコード開発とスクリプトによる拡張を組み合わせられる商用の業務アプリ開発基盤 |
| キントーン | 商用のクラウド型業務改善プラットフォーム。プラグインやAPI連携で機能を拡張可能 |
| ClarisFileMaker | APIやJSON、JavaScriptを活用した業務システム構築に対応する商用ローコード開発基盤 |
| iPLAss | OSS版と商用ライセンスを提供する開発基盤。JavaやGroovyによる機能拡張にも対応 |
| プリザンターサポートサービス | オープンソースのPleasanterについて、導入・運用・保守・カスタマイズを支援するサービス |
保守の担い手で選ぶローコード開発基盤
オープンソース版を提供する開発基盤やその導入・保守支援サービスと、提供会社のサポートを受けられる商用製品を紹介します。ライセンス形態やコードによる拡張方法、有償支援の範囲を比較してみてください。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、Webデータベースとワークフロー機能を備えた、商用のノーコード開発プラットフォームです。REST APIやWebhookによる外部システムとの連携に対応し、RPAやMicrosoft Teams、Slackなどとの連携機能も用意されています。クラウド型で提供され、24時間365日の動作監視のもとで運用されています。検証環境をオプションで追加できるため、改修の影響を本番環境と分けて確認したい企業にも適しています。自社でサーバーを保守せず、業務アプリを開発・運用したい場合の選択肢です。
楽々Framework3
- EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
- 部品活用で高品質・標準化されたシステム開発
- 開発から運用保守まで支え、継続改善と内製化を実現
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、長期運用を前提とした商用のローコード開発基盤です。発売開始から継続的なサポートを提供しており、製品のバージョンアップも無償で提供されています。画面遷移や処理の流れをまとめた開発部品を組み合わせるため、開発品質の標準化を図れます。カスタマイズを提供会社やパートナー企業に依頼することも可能です。基幹システムの開発や刷新において、長期的な保守・運用を重視する企業に適しています。
ArielAirOne
- 大手企業のペーパーレスをノーコード/ローコードで実現
- Notes移行ツールで管理者と現場の移行負荷を大幅に削減
- スクリプトを設定することで、複雑なアプリケーション作成も可能
株式会社ワークスアプリケーションズが提供する「ArielAirOne」は、ローコード開発とスクリプトによる拡張を組み合わせられる大企業向けの業務アプリ開発プラットフォームです。豊富なコンポーネントを配置して業務アプリやワークフローを構築でき、複雑な個社固有の要件にはスクリプト設定で対応します。オンプレミスとクラウドの両方で提供され、API連携にも対応。独自の処理を追加しながら、商用製品としてのサポートを受けたい企業の比較候補です。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、サーバーの管理を提供会社に任せられる、クラウド型の業務改善プラットフォームです。ドラッグ&ドロップで業務アプリを作成でき、標準機能で足りない部分はプラグインや連携サービスを組み合わせて補えます。API連携にも対応し、他システムとのデータのやり取りや機能拡張が可能です。100以上のサンプルアプリが用意されており、開発・運用の負担を抑えながら業務アプリを活用したい企業に向いています。参考価格は10,000円~です。
ClarisFileMaker (Claris International Inc.)
- 自然言語検索や予測分析をカスタムAppに組込める。
- 多様な環境で、クラウド・オンプレミス・ハイブリッド展開対応。
- APIやJSON、JavaScriptを活用した業務システム構築を支援。
iPLAss (株式会社電通総研)
- OSS版提供、必要に応じライセンス購入可能
- サーバ台数に応じたライセンスで、コスト増を抑制。
- Java/Groovy対応、プロ開発者も納得の開発基盤
プリザンターサポートサービス (株式会社日立システムズフィールドサービス)
- 人数・機能・期間の制限なし
- API・独自SQLで高い拡張性とカスタマイズ性
- 多様なサポートで導入後も安心運用を支援。
まとめ
ローコード開発ツールにオープンソースを選ぶ場合は、ライセンス条項が自社のアプリの配布や改変に与える影響と、脆弱性対応やバージョンアップを自社で担えるかを先に確認しましょう。社内にエンジニアがいて主に社内で使うなら利点を生かしやすく、保守の体制を確保しにくい場合は商用製品が向いています。ノーコード・ローコード開発ツールの資料請求をして、ライセンス形態や拡張の方法を比べてみてください。

